信也と美紅は幼馴染みだ。  
例え年の差があったとしても、幼馴染みだ。  
 
都築信也、十八歳。  
高校三年の受験生。  
 
梶谷美紅、二十四歳。  
高校の家庭科教師。  
 
同じ学校に通っているのは、単なる偶然だとしか言いようがない。  
 
 
放課後の印刷室で、信也はぼけーっと突っ立っていた。正確には、コピー機の前で、コピーが終わるのを、ぼんやりとした表情で待っていた。  
生徒会書記が風邪で欠席したために、生徒会会計の信也は、代理で今日の議題を纏めたノートをコピーしているのだ。  
これが終われば、生徒会担当の教師に資料を渡して帰るだけ。  
カシャンカシャンと軽快な音を立てながら、資料を吐き出すコピー機を眺めながら、信也はハァと小さな溜め息を吐いた。  
「何、年寄り臭い溜め息を吐いてるの」  
隣に立つ美紅が、信也の様子を見咎めて、小さな苦笑を浮かべた。  
狭い印刷室の中、美紅は明日の授業で使うプリントを印刷するために、輪転機の前に立っている。ゴゥンゴゥンと回る派手な音が、コピー機の音と重なって煩いぐらいだ。  
信也はチラリと美紅に視線を送ると、態とらしく首を回した。  
「疲れてんですよ、梶谷センセ」  
普段ならば使う事のない丁寧語。学校に居る間は、二人は教師と生徒として振る舞わねばならない。  
去年、美紅が赴任してきてから、それは二人の間では暗黙の了解だった。  
美紅はフフと笑い声を零すと、輪転機に背中を預けて、信也へと向き直った。  
「まだまだ若いでしょ、都築クンは。そんな事言ってると、老けるのが早くなるわよ?」  
「なっても構いませんよ。先生の雑用から解放されるんならね」  
皮肉めかして言う信也に、美紅は何の反応も示さない。  
その代わりに、チラと隣の職員室の様子を伺うと、口許に笑みを浮かべた。  
「そう言わないの。今日はショウガ焼きだから」  
顰められた声は、コピー機と輪転機の音に重なるが、それでもしっかりと信也の耳へと届く。  
信也も職員室へと視線を投げると、動きの止まったコピー機に手を伸ばした。  
「いつも悪いな」  
「どう致しまして」  
コピー機からノートを取り出し、吐き出された資料を纏める。信也は一度も美紅の方を見る事はないが、美紅は気にする様子もなく、信也を眺めていた。  
「少し遅くなるかも知れないけど、ご飯だけ用意しといて」  
「了解」  
やはり美紅を見る事なく、資料を軽くヒラつかせる。  
少し遅れて動きの止まった輪転機に向かう美紅を残し、信也は印刷室を後にした。  
 
信也の母親が交通事故で怪我をしたのは、つい二週間ほど前の事だった。  
幸い、命に別状はないが、足を骨折したせいで、入院生活を余儀なくされている。  
信也の父親は仕事と母親の見舞い。兄は北海道の大学に行っているので、必然的に家事は信也が受け持つ事になったのだが。  
信也は、これまで碌に家事などした事がない。  
荒れる一方の都築家を見るに見かねて助け船を出したのは、向かいに住む美紅と美紅の母親だった。  
たった四日で家事を挫折した信也とは違い、美紅は掃除も料理も得意分野。家庭科教師の名は伊達ではない。  
家に帰った信也は、覚束ない手付きながらもご飯の用意を済ませると、眺めるだけのテレビを付けて、居間のソファに寝転がった。  
六月。本来ならば受験勉強に勤むべきなのだが。  
エスカレーター式に上がれる大学に進むつもりでもあるし、その為に必要な単位は十二分に取得している。偏差値も一つ上どころか、三つぐらい上のランクも狙えるほどだ。  
よって然程勉強する気もない信也は、此処数日の慣れない環境の変化のせいか、睡魔に誘われるまま、とろとろとまどろみに身を委ねた。  
小一時間ほど惰眠を貪っていただろうか。インターホンの音に目を覚ますと、ニュースは既にバラエティ番組へと変わっていた。  
のそのそと起き出し玄関へと向かう。  
扉を開けると、買い物帰りかスーパーの袋を手にした美紅が、息を切らせて立っていた。  
「びっくりしたァ」  
開口一番、美紅は告げると、頭半分は背の高い信也を見上げた。目は大きく見開かれ、胸元に手を当てて呼吸を整える。  
まだ眠気の残る表情の信也は、美紅の言葉の意味が掴めない。  
いや、例え寝起きでなかったとしても、分からなかったに違いない。美紅の悪い癖は、主語も述語も何の脈絡もなく言葉を紡ぐ点にある。  
それでも、信也は馴れた様子で、美紅が部屋に入るのを待って扉を閉めた。  
「通り魔があったんだって。警察とか、色々」  
「……ふゥん。犯人は?」  
「捕まってないみたいよ?あ、ご飯用意した?」  
「あァ」  
「最近物騒よねェ。狙われたらどうしよう」  
話をあちらこちらに飛ばしながら、美紅は台所へと向かう。  
学校に居る時とは随分と様子が違うが、美紅曰く「公私を分けているから」だそうで。  
産まれてから十八年間、そんな美紅を見慣れた信也は、呆れる事もなく美紅の後に続いた。  
 
「お醤油と胡麻油」  
「はいよ」  
「信ちゃんも気を付けなさいよ?通り魔って言うくらいだもの。今時、誰が狙われるかなんて分からないんだから」  
「美紅の方こそ」  
「あたしは大丈夫」  
「……根拠は?」  
「ないわよ、そんなの」  
軽口を叩きながらも、美紅は勝手知ったる何とやらで、包丁とまな板を引っ張り出す。  
冷蔵庫を開けチューブに入ったショウガを取り出すと、信也にそれを押し付けて、スーパーの袋を漁り出した。  
「お醤油と混ぜておいて。信ちゃんまで怪我したら、叔父さん寂しがるでしょ?」  
美紅の指示通り小皿にチューブショウガを取り出した信也は、ムと眉を顰めると、包丁を持つ美紅の背中に視線を投げた。  
「……問題はそこか?」  
「勿論よ。あたしも寂しいし?この包丁、研いだ方が良くない?」  
「あ〜…そうか?分かんね。つか、美紅のが狙われやすくねェ?仮にも女だし」  
「仮は余計。混ぜたらキャベツ剥いて洗って。終わったらテレビにゴー」  
「人の話聞けよ……」  
思わず突っ込む信也にも耳を貸さず、美紅は手際良く調理を開始する。  
これ以上何を言っても無駄だと知る信也は、深い溜め息を吐くと、キャベツを包むラップを無造作に取り払った。  
 
 
出来上がったショウガ焼きを突付きながら、信也はぼんやりとテレビを眺めていた。  
夕食を作り終えた美紅は、既に自分の家に戻っている。  
調理の間も、美紅はさっきの様子でポンポンと話を続けていたが、ショウガ焼きの出来には関係がない。  
好物が美味ければ信也も文句はなく、時折外を走るパトカーの音を耳にしながら、黙々と食事を続けていた。  
一人の食事を終え、空になった皿を流しへと運ぶ。洗い物を済ませようとシャツの袖を捲った時、視界にチカと輝く物が写った。  
小さな指輪。  
恐らく美紅の物だろう。料理をする時に外して、そのまま忘れてしまったに違いない。  
「粗忽者め」  
苦笑いを浮かべて指輪をズボンのポケットに仕舞う。  
洗い物を済ませたあと、信也はズボンのポケットに手を突っ込みながら家を出た。  
 
向かいの部屋のインターホンを押して、待つ事暫し。ドアを開けたのは美紅の母親だった。  
「あら信ちゃん」  
「今晩は。美紅居ます?」  
「えェ。美紅ー、信ちゃんよ」  
部屋の奥へと美紅の母親が声を投げる。  
入れ替わるようにして奥から姿を現した美紅は、先程とは違いラフな出立ちで、口をもごもごと動かしていた。  
「ふん?何?」  
学校では決して見せない、気の抜けきった姿。童顔もあいまってか、どう見ても年頃の女性とは思えない。  
「忘れ物」  
ズボンから指輪を取り出し美紅に差し出す。  
美紅は口の中の物を飲み下すと、へにゃりと表情を緩めて指輪を受け取った。  
「わざわざありがとね。いつでも良かったのに」  
「ウチにあっても仕方ねェだろ」  
「あァ、それもそうね」  
ふむりと小さく頷いて、左手に指輪を填める。  
美紅の指にぴったりとおさまった指輪を見ると、信也は小さな吐息を漏らした。  
「美紅も、そんなの着ける年頃になったんだなァ」  
「何よそれ。信ちゃんの方が年下でしょ?」  
信也の言葉を嫌味と受け取ったのか、美紅の眉間に皺が寄る。その表情は何処か幼さを感じさせるので、信也は美紅の不機嫌な表情が好きだった。  
思わず表情を綻ばせた信也だが、美紅の表情は変わらない。  
「もォ…馬鹿にしてるでしょ」  
唇を尖らせ睨み付けた美紅に、信也は慌てて首を横に振った。これ以上勘違いされては堪らない。  
「してないよ」  
「どうだか」  
「ホントだって。美紅も大人なんだなァって、感心してんの」  
「やっぱり馬鹿にしてるー」  
ぶーぶーと文字通り抗議の声を上げる美紅に、信也は苦笑にも似た曖昧な笑顔を返すのみ。  
そんな二人の遣り取りを知ってか知らずか、奥から美紅の母親の声が飛んで来た。  
「美紅ーっ、早く食べちゃいなさいっ!信ちゃんも上がってらっしゃい」  
「いや、もう帰るんで。親父も帰って来るし」  
美紅の頭越しに返事をすると、あらそう?と残念そうな声が聞こえる。  
美紅は信也を見上げると、先ほどまでの表情は何処へやら。にっこり笑いながら指輪を填めた手をヒラつかせた。  
「アリガト。叔父さんに宜しくね」  
「あァ。おやすみ」  
「おやすみー」  
声と同時に美紅が扉に手を掛ける。  
完全に扉が閉まったのを見届けると、信也は重い溜め息を一つ吐いた。  
閉める間際まで、ゆらゆらと揺れていた左手の薬指に光る輝きが、妙に信也の脳裏にチラついていた。  
 
それから数日。  
友人達と他愛ない雑談を交す信也の耳に、その言葉はいきなり飛び込んできた。  
「マジで!?奥っちゃんと美紅センセ、付き合ってんの!?」  
昼休み。  
自分と同じように雑談を交す女子達の一人が、大袈裟な程に驚いたような声を上げた。回りの女子達は、その少女を抑える風もなく、ウンウンと頷いている。  
「たぶんだって」  
「いや、マジ臭くない?どう見ても奥っちゃん、美紅センセに気ィあるっしょ」  
「そうそう。バレバレだっつーの」  
「じゃ、美紅センセの指輪も……」  
「奥っちゃんからのでしょ、絶対」  
美紅の指輪の存在に、恋とオシャレに過敏な女子生徒が気付かない筈はない。  
信也が初めて気付いたのはつい先日だったが、美紅に改めて問う気はなかった。プライベートな事にまで口出し出来るほど、信也に勇気がなかったからだ。  
だが、相手が相手と知れば話は別だ。  
奥村雄平、二十七歳、国語教師。  
恐らく美紅に次いで校内で若い男性教師は、女子の言葉を借りれば若くてイケ面。少しばかり気障な風もあるが、女子からすると「大人の余裕が漂っている」との事。  
「奥っちゃん」の愛称も、女子が付けたのが始まりだ。  
確かに顔の造作は悪くはないが、だからと言って性格もそうかと言うと、信也は首を捻りたい。  
時として放たれる嫌味にも似た気障な言葉は、男として以前に人として嫌悪感が走る。それは他の男子生徒も同様なようで、一部の男子生徒は(やっかみも含んでだろうが)彼の事を良くは思っていないらしい。  
要するに、男子生徒からは嫌われているが女子生徒からは親しまれている教師の見本。それが奥村だった。  
 
「くやしー。奥っちゃん結婚する気かなァ」  
「するんじゃない?美紅センセなら」  
「可愛くて料理上手なんて、贅沢すぎるっつの」  
「アンタ家庭苦手だもんねー」  
女子達の話は尽きる様子もなく、キャイキャイと続いている。  
そんな中。  
「な、信也」  
知らず聞耳を立てている自分に声を掛けられ、信也はフッと我に返った。  
友人の一人が此方を向いて、不思議そうな表情をしている。  
「あ…悪ィ。ぼーっとしてた」  
まさか、他人の話を盗み聞きしていた、などと言える筈もなく。眉尻を下げて力なく笑うと、友人はしょうがないなと言いたげに肩を竦めた。  
 
実際のところ、信也は美紅に、噂の真偽を確かめるつもりはない。  
美紅には美紅の事情があり、彼女の好みがあると言うもの。例えそれがいけすかない教師が相手だったとしても、信也には出来ない。  
したくても出来ないならば諦めるしかない。  
年の差同様、諦めるべき問題だとは思いながら、信也は小さな溜め息を零した。  
 
しかし、信也の気持ちとは裏腹に、その機会はいともあっさりとやって来た。  
 
 
その日の夜。  
内心、信也は美紅とどう接するべきなのか困っていた。  
普段通りで良いのだろうが、いざ普段通りと思えば思う程、妙な力が入ってしまう。結果として自室に引き込もる、と言う受験生特有の手段を取っていたのだが。  
食卓に並べられた夕食を目にした信也は、思わぬ光景にパチクリと瞬きした。  
この二週間余り、美紅が共に夕食を取る事はなかった。だが、食卓に並べられているのは、確かに二人分の食事。  
それが信也の父親の分でない事は、美紅が食卓についている事からも明らかで。  
不思議がっている信也などお構いなしに、美紅は箸を取った。  
「……叔母さんは?」  
「今日はフラワーアレンジメントの講習。遅くなるから先に食べなさいって」  
「……叔父さんは?」  
「飲んで来るって」  
何とか捻り出した信也の疑問にあっさりと答えながら、美紅はイタダキマス。と手を合わせる。  
よりにもよって、あんな話を耳にした日に。  
そう思いはしたが、食事をしない訳にはいかない。  
信也はひっそりと溜め息を零すと、いつもの席に腰を下ろした。  
向かいで食事を始める美紅の左手には、きっちりと例の指輪が填められている。  
その事がどうにも居心地が悪く、信也は努めて視線を外そうと試みた。  
しかし、気になる物は仕方ない。  
美紅は相変わらずの調子でポンポン話していたのだが、信也は生返事を返すばかり。  
自分の不自然さに、美紅は気付いているのだろうか。  
「美紅」  
「ン?」  
「その指輪、どうしたんだ?」  
あらかた食事も終わった頃、信也は我慢に耐えきれず口を開いた。  
何の事かと言いたげに、間抜けな表情でお茶をすすっていた美紅だったが、信也が向けた視線の先に、漸く質問の意味が分かったらしい。  
湯飲みを置き、両手を合わせてゴチソウサマと呟くと、美紅はへらりと気の抜けきった童顔で笑った。  
「予防策」  
「…………は?」  
きっかり三秒の間を空けて信也は眉間に皺を寄せた。  
そんな信也に、矢張へらりと笑う美紅は、薬指から指輪を引き抜きながら言葉を続けた。  
「最近鬱陶しいんだもの。コレがあったら、少しは大人しくなるかなァと思って」  
抜いた指輪を手の中で転がしながら、いつものように主語のない言葉。  
その様子はぞんざいで、どう控え目に見ても、指輪を大切にしているようには思えない。  
 
完全に黙りこくった信也だったが、思考回路はフル回転。美紅もそれが分かっているのか、ポンポンと指輪を弄びながら、口を開く様子はない。  
──指輪は決して大切な物ではない──鬱陶しいから予防策──女子の噂話──  
推論を纏めるのは容易だったが、それ以上に妙な虚脱感に襲われて、信也は小さな吐息を漏らした。  
「そっか……なんだ…」  
後の言葉は意識した物ではない。  
だが、それを聞き咎めた美紅は指輪を食卓に置くと、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。  
「心配した?あたしに恋人が出来たんじゃないか、とか」  
あからさまなからかい口調に、再び信也の眉間に皺が寄る。  
憮然とした表情でお茶を飲み干した信也は、フンと鼻を鳴らすとそっぽを向いた。  
「別に。物好きな奴でも居んのかな〜、とか思ってただけ」  
なるたけ自然な風を装った言葉に、美紅は一瞬黙り込んだ。  
ちらりと様子を伺うと、何かを考えるかのように、視線をきょろりと泳がせている。  
その視線が自分を捕えたかと思うと、美紅は少しだけ苦笑混じりに食器を片付ける手を再開させた。  
「信ちゃんって物好きなんだ」  
どこをどうやったらそんな結論が出るのか。呆れた信也は、思わず溜め息を零した。  
「あのな……。俺がいつ美紅の事好きっつったよ」  
強気の態度に出られれば、意地を張ってしまうのはいつもの事。  
再び視線を外した信也に、美紅はふうんと興味のなさそうな頷きを返したが、表情を戻すと席を立った。  
カチャカチャと食器の触れ合う音がする。  
横目で美紅を見遣ると、美紅は口許に笑みをにじませていた。  
二人分の食器は、一度で運べる量ではない。  
食卓に頬杖をつき、依然そっぽを向いたままの信也だったが。二回目に食卓に現れた美紅は、食器を手にするとにっこりと笑った。  
「あたしは好きよ。ずーっと」  
何でもない事のようにさらりと告げられ、信也の思考回路はフリーズした。  
たっぷり十秒。  
我に返った信也が台所の方を見ると、台所に立つ美紅の背中が視界に入る。  
「だからァ」  
まだ信也が此方を向いていないとでも思っているのか、少しだけ張り上げられた間伸びした声。  
無言で背中を見つめる信也は、続く言葉の予感に頬杖を解いた。  
「ちゃんと、予防策じゃないのが欲しいわねェ」  
誰から、などと聞く気はない。今の会話の流れで言えば、該当する人物など自分一人しか有り得ない。  
 
衝撃の告白と言うには、少しばかりムードがない気もするが、美紅にそれを求める方が間違っている。勿論信也にも。  
信也は眉間に深く皺を刻むと、仏頂面で食卓に置かれたままの指輪を手に取った。  
「世間体ってモンがあるだろーが……」  
ボソリと呟いた声が美紅に届いたかどうか。美紅は台所で鼻唄を歌っている。  
そんな美紅の背中に向けて信也は意を決して口を開いた。  
「安物なら買ってやる」  
信也の言葉に美紅の鼻唄がピタリと止む。  
振り返った美紅の顔を見ると、幼い顔に満面の笑み。  
「婚約指輪はそれなりの値段にして頂戴ね」  
雰囲気ぶち壊し。  
そんな言葉が頭の奥を掠めたが、信也は何も言わずに頷くと、手にした指輪をゴミ箱に放り投げた。  
 

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