ぼくは暗い王宮を手探りで歩いていく。東ウイングから王宮へと抜ける
廊下に出れば、眩しいほどの月の光・・・四角い窓の形に切り取られた
青白い月光が廊下にペタリ、ペタリと貼り付いているよう・・・ぼくはピョンピョンと
その月光を踏みつけながら、思考は千路に乱れている・・・
『どうしよう・・・ぼく、ご主人様に内緒で・・・でも、今日はリナ様の所に
居たから仕方なくて・・・』
などと言い訳をしてみるが自分が一番良く知っていた。密やかに聞こえる
ウワサで、『フローラ女王はヒトの世界に行く方法をついに編み出し、
買い取ったヒト召使いを密かに元の世界に返してやってる』というのがあるのだ・・・
ぼくは信じてはいなかったけれど、今日の朝、外に落ちていたとは
信じられないような美品の漫画雑誌を見たのは初めてだったから・・・まるで、
実際にヒトの世界から直接持ってきたみたいに・・・
今日のドタバタのあった食堂を通り過ぎ、聖堂に向かう。その中のさらに
奥に礼拝室はある。目の前に大きな木の両開きの大聖堂の扉。ぼくは渾身の
力をこめて押そうとしたが、音もなくあっさりと扉は前に勝手に開き、たたらを踏む。
「あわわわわ・・・」
とっとっ・・・と聖堂の中に踏み込めば、ドアを開けた女王様の妹2人が立っている。
どうやら気配がして開けてくれたらしい・・・女王と髪のグラデーション以外は
そっくりなので少しびっくりした。
「はわわっ!・・・」
ドギマギして小さく悲鳴を上げるぼく。扉を開けたのはイーリス様。菫色の
タイトなドレスを着ている、飾りがないデザインながら、胸の辺りの切れ込みは
深く、むっちりと美しい谷間が見えていた。深いむなぐりなのにブラが見えない
のは、ハーフカップのきわどいブラをしているに違いない・・・
「遅かったわね・・・」
「す、すいません・・・」
慌てて不躾な視線を胸の谷間から逸らせる。後ろでお臍の辺りで腕を
組んでいるのはセレーネ様。女王の後ろですましているときとは違って
リラックスした様子。腰をギュッと絞ったロングのドレスは、肌の露出こそ
少ないものの、柔らかな胸を強調している。花びらをちりばめた華やかな柄の
ドレスのイメージ通り、強いフローラルの香りがほの暗い聖堂の入り口に漂った・・・
「いくわ・・・陛下がお待ちよ・・・」
くるり、と踵を返すイーリス様に手を取られ、ぼくは引張られるように歩き出す。
千人以上が入れる聖堂廊下は長い。前方にあるはずのネコ女神の像は闇に
溶けてよく見えない・・・少し怖くなって思わずイーリス様の手を握ってしまう。
イーリス様はチラリと一瞬流し目でぼくを覗き込むと、横のセレーネ様に気が
つかないように握り返してくれる。でも手の平を合わすように握った手を、微妙に
蠢かせ、ぼくの指の間をやわやわと刺激しつつ、手の甲を軽く指で引っかいて来て・・・
その絶妙なテクニック(?)に思わず『あっ・・・』と声を上げそうになって、
慌てて俯くぼく。
「どうしたのかしら?眠い?」
横のセレーネ様が気が付いて僕に聞く。薄く笑いながらぼくの表情を窺うイーリス様を
少し恨めしく思いつつ、ごまかすように言う。
「えっ、あ、あの・・・な、なんで呼ばれたのか心配でっ・・・そう、そうなんですっ・・・」
ほの暗い闇に光るイーリス様の緑の瞳を見ながら焦って答えると、イーリス様は
一応納得したように言った。
「そうか・・・心配しなくてもいいわ・・・陛下はうわさほど乱暴ではなくてよ・・・
『血塗れフローラ』って呼ばれているから心配?」
あだ名の部分は声をひそめて言うイーリス。慌てて首を振るぼく。
「そ、そんなコトありません!! 」
手を握っているセレーネ様が後を継いで言う。
「うふふ、詳しくは後で聞くといいけど・・・陛下はそろそろ引退するらしいのよね・・・」
「女王を辞めるのですか・・・」
唇を噛むぼく。と、いうことは、次期女王は継承権1位のミルフィ姫・・・ちなみに
ご主人様はドンケツの30位・・・
がっくりとうなだれるぼくに2人の女王の妹たちが囁く・・・
「下位の王女は大変なのよね・・・父親が貧乏だと領地もお金もないまま
放り出されちゃうし・・・」
「そうそう・・・必ずいるのよね、城下町の超高級娼館で働く、『元プリンセス』って・・・」
「そ、そんなっ・・・」
涙がでてきそう・・・神聖な聖堂の中にいるのも忘れてぼくは叫んでしまう。
ぼくのご主人様が見ず知らずのオトコに・・・って、なんかご主人様が嫌がる
イメージが湧かないのは気のせいだろうか・・・
「大丈夫・・・きっと、悪い話じゃないわよ・・・ふふ、主人思いで可愛いのね・・・」
気休めのようにセレーネ様が言う。
その時イーリス様はぼくの手を軽く引き、祭壇の前を左に曲がる。横のドアを
開けると暗い連絡廊下が伸びて、奥の行き止まりが礼拝室。女王が聖堂で儀式を
する際の控え室・・・。お姫様さえ滅多に入れないフローラ女王だけの場所・・・ドアが
開けば生臭い風が吹きつけた。ぼくは思ったより凄愴な雰囲気に緊張してゴクリと
喉をならした。ネコでも見えないんじゃないかと思うほどの濃い暗闇に沈む廊下に
足を踏み出す・・・
『ウ〜ウ〜〜〜・・・』『ぐるるるる・・・』『ケ――ッ!ケケ・・・』
闇になにかの呻き声が響いている。暗闇に血の色の瞳が無数に瞬いている。
ぼくは、その呻き声の正体が見えない事で、さらに恐怖を煽られて
イーリス様の手をギュッと掴んで言う。
「な、なんですか?ここに居るのは・・・猛獣?」
恐怖に引き攣って言うぼくに優しくイーリス様は言う。緑の瞳がピカリと光る。
「大丈夫・・・陛下のペットといった所かしら・・・慣れれば可愛いものよ・・・」
なにか奥に含んだ言い方をする・・・ぼくが自分の手さえ見えない闇の中で
首をひねると何かしわがれた声がした。
「・・・にげろ・・・」「・・・たすけて・・・」
「えっ?」
声の方に振り返るぼく。
『ガシャン!! 』セレーネ様がすかさず檻を蹴っ飛ばして大声で言う。
「うるさいわよっ!! 黙らないとゴハン抜くわよっ!! 」
そしてぼくに振り返って慌てて言う。
「・・・おほほ・・・なんでもないわ・・・」
「でも・・・今、なにかしゃべったような・・・それに・・・もともと、ご主人様じゃ
なくて、なんでぼくが呼ばれたんです?」
疑問を口にするぼくに、困ったように2人は口ごもるが、いきなり誰の
ものでもない声がドアの向こうからした。
「このフローラが直接話そう・・・」
緊張する2人の王妹。ざわめいていた檻のなかの『何か』もぴったりと
怯えたように鎮まる。ぼくの手を離したセレーネ様が、うって変わって
しずしずと扉を開けた。ゆっくりと視界にドアの向こうの部屋が広がっていく・・・
礼拝室から光が漏れる、そんなに強い光ではなかったが、暗闇になれた
ぼくの目を射抜く。部屋の光で浮き上がった廊下を隠すように背後で
そそくさと扉は閉められたが、目の前に立つネコ女王の存在感に押されて
振り返ることまで気が回らない・・・
その部屋の突き当たりには美しくも巨大なステンドグラス。幅2.5メートル、
縦6メートルの天井いっぱいに色つきガラスで浮かび上がったネコ女神様は
太陽の光がない夜の今でさえ荘厳で美しい・・・しかし、視線を下に落せば、
なぜかそこにはネコ体標本やら、ホルマリン漬けの瓶が並び、作業台やら、
手術用のライトがところ狭しと並んだ実験室・・・どうやらフローラ女王が勝手に
改造しているらしい・・・そして、真ん中の広くなった所に、彫像のように立っている
一際冷たく美しいネコ姫が口を開く。横にはオブジェなのか、高さ150cmほどの
陶器のお皿をぶら下げたスタンドがあった。
「よく来た・・・単刀直入に言う。新しい研究を見つけてな、今までやって来た事が
すべて無駄になった・・・このフローラに残された時間は短い・・・この際、残りの
人生を研究に集中しようと思う・・・」
いきなりしゃべり出すフローラ女王。ぼくは跪くタイミングを失してぼんやりと
突っ立ている。ドレスはモスグリーンの地味な物だが、その上からなぜか白衣を
羽織っていてそれが不思議と似合っていた。とんがったネコ耳はくせっ毛なのか、
ほつれたようになっている。そして構わずに続ける女王、ニヤリと笑う。
「次期女王だが・・・マナに譲ってもよい・・・」
「ええっ!? ホントですか?」
叫ぶぼく。女王の口ぶりは自分の鉛筆を人に貸すぐらいのそっけなさで・・・
「ただし・・・お前は代わりにこのフローラに仕えよ・・・」
「・・・えっ!? ・・・」
「悪くはあるまい・・・それに、研究が成功すればお前は元の世界に
戻れるであろう・・・」
自信たっぷりの女王。結っても、縛ってもいない、油の抜けた髪を
無造作にかきあげて言う。ぼくは身を乗り出す。
「も、もとの世界に戻れるんですかっ!? 」
「約束しよう・・・」
いきなり王女は自分の横のヘンなオブジェに向かって呪文を唱え始めた。
目の前には鳥かごを吊るスタンドのようなものが立っている。但し、
吊り下げてあるのは鳥かごではなく、8角形のお皿が横向きに・・・その8角形の
お皿の中心はやはり8角形の穴が空いていた。土星のわっかを吊り下げたような
感じ・・・そしてその周りにはほとんど点に見えたが、びっしりと細かい文字が
書かれてある・・・。台湾とかで良く見た風水盤に似ていた。そして女王様の呪文に
合わせて、徐々に文字が青い燐光を発していく・・・。
「記述式起動魔導式・・・でも、ご主人様が作るのよりはるかに・・・」
「そのとおり・・・64段の並列魔導式・・・もはや重力を曲げ、空間さえ
繋ぐ事ができる・・・」
屋内で使うには危険なほどの品物を平然と扱いつつ、起動呪文を
唱える女王。徐々に8角形のお皿は青い光に満たされていく・・・そして
全ての魔導式が発動。唸りさえ聞こえるほど、魔洸力が集中していく・・・
いつしかお皿の中心の穴は光さえ吸い込む程に暗さを増し、真っ黒な
ブラックホールと化している・・・
「む・・・」
いきなり無造作に女王様はお皿の中心に手を突っ込んだ。
「あっ!手がっ・・・!? 」
しかし、驚いたことにお皿の反対側から手が出てこない・・・手品を見たように
驚くぼくを薄く笑って眺めつつ、フローラ女王は言う。
「ふふ・・・僅か、この部分だけ、別の世界と繋がっている・・・ヒトが落ちてくる時の
空間の『ゆがみ』を人工的に造る装置だ・・・『時代』と『場所』は、まだ指定
できないがな・・・これが、フローラの新しい研究・・・」
わずかに手をかき回すようにしてから、女王さまは肩まで突っ込んでいた手を
一気に引き抜く・・・手には新聞紙・・・思わず女王陛下の前なのも忘れて駈け
寄ってしまうぼく。
「ああっ!! これは15年前の『東スポ』!! 」
手に取ったそれはまだインクの匂いがプンプンして、手に字がくっつきそうな
ほどの印刷されたばかりの新聞。でもこの新聞はぼくのうまれる前の日付・・・
よく判らないけど、見出しには大きく『中森明菜ついに裸・・・』と書いてあり、慌てて
新聞の折り曲げてある下半分を見てみれば、『・・・で、出直し』と書いてある・・・
それはともかく、これはホンモノらしい・・・
「どうだ・・・?」
「すごいです・・・これで、ぼく・・・」
これで、ぼくの弟にまた会えるかも知れないと思うと飛び上がりたくなるぼく。
ご主人様の悲しいほど実用に適さない発明とは大違いだ・・・でも・・・微妙な
違和感に襲われて、なんの気はなしに聞いてみた。
「・・・で、でも・・・そしたら、女王さまが今までに仕入れてきたヒト召使いは・・・?
元の世界に返していたのではないのですか・・・?」
「あれか・・・あれは以前の実験に使った・・・遺伝子の組替実験で不老不死に
なろうとしたのだがダメだな・・・細胞の寿命・・・テロメアと共に生き物の死は
必ず訪れる・・・それよりは時間を操って、自然の摂理の外に出たほうが早い・・・
このシステムを使ってな・・・」
暗く地面の下から響くような声・・・唇の端だけで笑いながら女王様は言う。
「ま、まさか・・・」
手から新聞がバサリと落ちる。声がのどの奥で震える・・・
「安心せよ・・・もう30年近くも昔に実験はだいたい成功している・・・どうだ?お前も
160ぐらいまで寿命をのばしてやろうか?それとも骨格の限界までのパワーが
欲しいか?ふふ・・・魔力は本人の資質によるようだがな・・・」
その笑みは邪悪な笑み。違和感の正体が急に露わになっていく。ぼくのご主人様が
不自然なほど女王様を嫌う理由・・・そして、あの廊下の檻の中のなにかは・・・もしかして・・・
「ヒトはヒト、ネコはネコです!ネコはネコ以外の何かにはなれません!ぼく帰ります、
ぼくはご主人様の召使いですっ!! 」
こんな所にうかうかと来た自分に腹を立てつつ、女王に背を向けるぼく。ドアに足を
踏み出したとたん・・・
『がしっ!』っと、両方から肩を掴まれる。イーリス様とセレーネ様・・・
「ああっ!? 離して下さいっ!! 」
「ばかねぇ・・・この秘密を知って帰れるはずがないじゃない・・・」
「ふふ・・・だいじょうぶ・・・朝まで愉しくすごせば、きっと考えも変わるわよ・・・」
ニッコリとイーリス様とセレーネ様が舌なめずりしながら言う。その目は獲物を
みる目つき・・・
「ぜ、絶対に・・・死んでも女王さまには仕えませんっ!! 」
叫ぶぼく。そこにフローラ女王が静々と近寄ってぼくの顎を指で
引っ掛けて上を向かせる。
「・・・ふふ、ネコ以上の存在、それを俗に『神』という・・・どうした、
怒っているのか・・・
そして、恐怖に震えてもいるな・・・」
睨むぼくの目を覗き込みながら言う女王さま。ぼくは慌てて視線を逸らし
唇を噛む。恐怖に歯を鳴らさないように・・・
「もう判っているのだろう・・・外廊下の人外のなれの果てを・・・そして・・・」
ニヤリと女王の口の端が歪む。ぼくは恐怖に弾けるように叫ぶ。
「あっ、あなたは実験の成果を自分のむす・・・・・・うっ、く・・・」
『パシュ!』女王を弾劾しようとしたぼくの首筋に背後からいきなり無針注射器が
打ち込まれる。強力なばねにより打ち出された薬液は細かい粒子となってぼくの
首筋から皮膚に一気に浸透していく・・・一気に意識が混濁していく・・・
「やはりそこまで理解したか・・・賢い召使いだな、このフローラに意見する
気の強さもよい・・・さて、単なるモルモットにするには惜しいのだが・・・」
無針注射器を手にするイーリスと、がっくりとした召使いを支えるセレーネに
静かに言う『血塗れフローラ』ぐったりとした娘の召使いを見る三人の緑の瞳は
何を思って妖しく輝くのか・・・
・・・暗い・・・
ぼくの腕に注射器の針が滑り込む感触。とたんに燃え上がるように
体が熱くなる、のけぞる。腕が動かない・・・慌てて目を開ければ、前方には
白衣を来た女王を中心に同じ顔の3人が薄く笑って立っている・・・
「な、なにを・・・」
うめくぼくに、女王の姉妹が答える。視界は揺らめいて陽炎のよう・・・
「ふふふ・・・これは秘密のクスリ・・・」
「欲しいのは力?それとも寿命?」
愉しそうに言う二人。そして女王が判決を下すように言う。
「くく・・・羽根がいいだろう、この礼拝室のステンドグラスのネコ天使のような
白い羽根・・・」
「うわあああああっ!」
叫ぶぼく。とたんに腕の中を虫が這い回るような感覚。そして腕が溶けて
いくような違和感の中、羽根がぞわぞわと皮膚から沸き出し、みるみる腕を
蔽っていく・・・激烈な快感と痛みの中、ぼくは異形の者へとメタフォルモーゼしていく・・・
「うあっ、やだ、やだ――っ!! 」
自分の叫び声で目が覚めた。全裸にされている。突っ伏した頬に柔らかい
絨毯の感触・・・どうやら夢。でも実際、腕が動かなくてギクリとするが、こんな夢を
見たのは、ぼくの腕が二人の王妹にガッチリと掴まれていたからのようだ。
「あ・・・うぅ・・・」
跪いた姿勢から、上半身をそろそろと起こし周りを見渡せばまだここは礼拝室。
正座しているような姿勢なので、ますます天井が高く、部屋が広々として見える。
しかし、その視界が歪む。気持ち悪い・・・
「うっ・・・うっぷ・・・」
頭の上から声。
「ふむ・・・バッドトリップしたな・・・薬物耐性が意味もなく強いと、吐き気や
蟻走感を伴った幻覚を見るのだ・・・もっと薬を受け入れろ・・・」
「どういたしますか・・・?」
残念そうなイーリス様の声。ぼくは吐き気を堪えるのに精一杯で下を
向いている。
「しれたこと・・・もう一度打つ・・・リタリンをもう一単位・・・」
「そ、それは、心臓に負担が・・・はっ、い、いえ・・・出過ぎたコトを申しました・・・」
女王に黙って視線を向けられ、慌てるセレーネ様の声。リタリンといえば
麻薬に近いほどの威力の向精神剤・・・ぼくはふらふらと逃げようとするが、
すぐに頭を掴まれ下を向かされ、首筋を露出させられた。
「や、やめて・・・」
震えるぼく。
「安心しろ・・・この世界に『落ちて』くる人間は特に心臓が強い・・・二回目は
キクぞ、奇麗事を言うお前の正体を見てみたい・・・」
霞む視界に女王のシルエットが迫って・・・そして・・・
『パシュ・・・』
そしてぼくは意識を、失わ・・・なかった。心臓が体を乱打する。そして極彩色の
トランプが頭の中でバラバラと乱れ飛ぶ。感覚は鋭敏に。ガッチリと掴まれた
手首の痛みも甘い快感を紡ぎ出す。無意識に太ももをすり合わせる。頭の
中の理性はどんどん小さくなって思考は凶暴な荒々しい衝動と破壊的な
快楽を求める粘つく欲求に二分される・・・
「くううううああっ!!!!」
側であざ笑うような声が歪んで聞こえた・・・
「トリップしましたわ・・・完全に・・・」
「快楽の世界に・・・ようこそ・・・うふふ・・・」
ゆっくり目を開けた。視界は良好、紫外線までビシビシ見えそう。6メーター
頭上にある天井画のネコ女神様の瞳の中まで見えそうだ。大声で笑いたい
ぐらい心は浮き立つ。そして同じぐらいのもどかしいような感じ。悪魔の実験室と
化した礼拝室にぼくの荒く湿った息の音だけ響いてる・・・
そして匂い・・・ぼくはヒトなのに、イヌよりありありと甘い匂いを即座に嗅ぎつける。
その匂いはメスの熟れた匂い・・・ぼくはせわしなく息を吐きながら視線を下に戻す。
そこには3人のネコ姫・・・下着姿だった・・・
真ん中にはフローラ女王。なぜか下着の上から白衣を羽織っている。ボタンの
止めていない白衣の間から覗くのは、意外なことに純白のレースのブラ。
ホルターカップといって、上手く説明できないけど普通のブラと違って、肩でなく
首で留めるタイプ・・・。赤ちゃんのよだれ掛けのような感じと言った方が早い。
だけど実際に見れば胸の谷間は見えないものの、薄いレースがしっかりと
熟れた胸を形良く包み込み、ベストのシルエットを完成させていて、かえって
悩ましい・・・もちろん50人近くのネコ姫、王子を産んだとは信じられないほど
カラダのラインは崩れていない。子供を産んでいない左右の二人より、逆に
肉体にしっとりと脂が乗っているよう・・・太ももは静脈が浮くほどの白さが眩しく、
セクシーなヒモパンの結び目をしっかりと押し戻すハリもあってぼくをドキドキさせた。
右側は紫のドレスを手にしているからイーリス様だろうか・・・ドレスの下は、
予想どうりのハーフカップのパープルカラーのブラ・・・。紫色のインナーは
イーリス様を優美に包む・・・ブラの胸の先端を包む部分は、ちょっぴりと鳶色に
変化していて乳首がギリギリ見えそうで、ぼくは思わず喉が渇くほど興奮してしまう。
ぼくの視線に気がついて、挑発するようにドレスを投げ捨てるイーリス様。むっちりと
した太ももを擦りあわせると、紫のスキャンティーがよじれて、悩ましく食い込む・・・
すると、左はセレーネ様だ。ぼくは目を剥いてしまう。両脇の下から巻きつけられた
太ももまでのキャミソールは全くのシースルー。そしてそのブラはオープンカップで
ピンクの先端が丸見え。薄いキャミソールを突き上げている。そして、パンティも
Tバック・・・というかTストリングと言っていいほど布を使っていない下着だった・・・
よっぽど苦労して見て、初めて下着が花柄なのがわかったりする・・・
「うふふ・・・」
ぼくに向かって中腰になって、胸を軽く揺するセレーネ様。霧にけぶった
ように見えるキャミソールの下で重そうに胸が揺れた。娘達と違って3人の
胸の乳首はちょっと下向きに付いている感じ・・・もちろんけっして『垂れてる』
訳じゃなくて、『熟れきってる』というのが正しいのだろう・・・
圧倒されたぼくがそのまま飛びついて襲い掛かろうとするのを必死に耐え、
深呼吸して必死で理性を保とうとする。ここに至って、まだ理性を保つぼくに
目を丸くする2人の妹たち。
「ほう・・・薬の効き目は十分らしいが・・・薬物耐性より、精神力のせいだな・・・
それとも、マナと二人であぶない薬を使った遊びを毎晩しているのかな?」
と、冷静にぼくの瞼の裏を見ながら言うフローラ女王。
「ご、ご主人さまはこんなこと・・・し、しませ、ん・・・こんな薬の力で何もかも
手に入ると思ったら大間違い・・・で、す・・・」
必死で色っぽい三人を視界に入れないようにしながら、息も絶え絶えに言う
ぼく。薄く笑ってぼくを見下ろす女王様。でも緑の瞳がスッと小さくなる・・・。奇妙な
沈黙が流れ、そして不意に女王が言った。
「さっきの話を聞いた以上、お前を生かして帰す積もりはなかったが・・・明日の
昼まで、お前が正気を保っていたらマナの元に返してやろう・・・」
その言葉と同時に両側から熱いカラダがぼくにしなだれかかる・・・
「でも、『陛下のドレイになります』って言ったり、気絶しちゃったら・・・」
「私たちの性ドレイ・・・朝も、夜も、私たちの好きなときに・・・・・・いっぱい陛下に
エッチな改造してもらいましょうね・・・」
イーリス様とセレーネ様が、ぼくの頬になめらかな手を這わせつつ耳元に息を
吹きかけながら囁く。
さらに頭に血が上るぼく。前方の女王様がゆらりと言った。
「その前に・・・お前にハンデを与えよう・・・こっちは三人もいるんでな・・・」
あごで合図をするとぼくの太ももを思いっきり開くイーリス様とセレーネ様・・・
「ああっ・・・!ダメですぅ・・・」
いきなりのM字開脚で羞恥に息を詰まらせるぼく。しかし、打たれた薬のせいか
シャフトはびくんびくんと半ば立ち上がっていて・・・
「やだ・・・結構大きいわ。うそ・・・もっと大きくなるの?」
「まあ・・・毎晩、コレで私たちの姪を泣かせてたのね・・・」
欲望に濡れた瞳でぼくのシャフトを覗き込む王妹たち・・・しかしそれに動じる
ことなく女王様は言う。
「まず、血管を拡張する・・・ペニスに流れ込む血液が増えれば、大きさも
その分大きくなるからな・・・」
「な、何を・・・」
顔を羞恥に染めて必死で抗議するぼくだけど、もちろんそれは無視される・・・
ワゴンの上のゴム管を手にぼくの足元にしゃがみ込む女王様。『きゅ、きゅっ』と、
音を立ててぼくの太もものつけ根を縛る。そして側のワゴンに手をのばし、少し
迷うように手を動かすと青いシリンジを選んで取り出した。プランガを押して
薬液をピュッと出してアンプルの中の空気を抜く。
「ニコチン酸・・・ソケイ部に打つ・・・」
うろたえるぼく。薬の力か、冷たく光る注射器の恐怖か、心臓の鼓動は乱打を打つ・・・
「ふふ、安心しろ・・・DNAの書き換えでペニスを2本に増やしたりしてもいいのだが、
それをすると精神の一部が簡単、かつ確実にコワれるのでな・・・それでは面白くない・・・」
と、恐ろしいコトを言いつつ。無造作にぼくの太ももの内側の血管に針を滑り
込ませるフローラ女王。そっと薬液を注入していく。
「う、ああ・・・な、なに・・・やめて・・・」
深く打ち込まれる注射器の針が折れそうな恐怖に上ずった声を上げるぼく。口笛を
吹くような気軽さで女王は言う。
「なに・・・怖がることはない・・・只の血管拡張剤だ、副作用も頬が紅潮する
程度だな・・・これを打つとペニスの大きさが一時的に増大する・・・直接にも
打っておこうか・・・」
と、半立ちのぼくのシャフトに無造作に針をつきたてて、最後の一滴まで
薬液を注入する女王さま。
「ひいいいっ!」
のけぞって悲鳴を上げるぼく。後ろからはやすようにイーリス様と
セレーネ様が言う。
「男のコが情けない声上げたらダメでしょ・・・」
「あら・・・小さくなっちゃった・・・皮かむって可愛いの・・・陛下、
どうしましょう・・・?」
『カラン・・・』とワゴンの上に注射器をおく女王様。薄く唇を笑いの形に
ゆがめつつ、今度は茶色の薬瓶を手に取る。
「ふ・・・判っている・・・」
ガラスのフタをキュっと開けて目の高さに薬瓶を差し上げながら言う。もう
一方の手には、ピポットという、30センチほどの長さのガラス製のスポイトを
持っている・・・。妖艶な下着に直接白衣を羽織る姿は、まさに
マッドサイエンティストにふさわしい・・・
「もう・・・これ以上・・・薬は・・・」
半泣きで訴えるぼく。血の巡りが良くなったのか目の淵が酔ったように
ほんのりと紅くなる。そして向精神剤の影響で、相変わらず荒々しい衝動は
ぼくの理性の扉の奥で熾火のように疼いている・・・しかし、そんなぼくの
哀願に耳も貸さずに女王様は言う。
「くく・・・安心しろ、ちゃんとヒト用の薬を使っている・・・『アルプロスタディール』・・・
これで明日の昼まで萎えることはない・・・」
『てろり・・・』とガラス管を舌で舐り、唾液をまぶしていく・・・ゾクゾクするほど
妖艶で、禍禍しい・・・
ぼくは薬のせいで集中力に欠ける思考で必死に考える。どこかで聞いたことの
ある薬剤・・・
「・・・EDの対処薬・・・」
震える声で呟くぼく。
「ククク・・・さすがだな、よく知っている・・・お前はフローラにふさわしい召使いに
なれるぞ・・・コワれなければな・・・ククククク・・・」
「や、やめてっ!いやですっ!!!」
後ろ手のまま、じたばたと暴れるが、しっとりと熱を持った体がぼくをしっかりと
M字開脚のまま押さえつける・・・その間にぼくの足の間にしゃがみこむ女王様。
『ちゅっ・・・』ガラス管の先を瓶のナカに浸す・・・押さえていたピポットの端の
ゴムを緩めれば、ガラス管に刻まれた目盛りを次々と突破して薬液が
吸い上げられていく・・・
「特別に2単位・・・お前に打った3種の薬の相乗効果・・・今までの快楽など、
遊びに過ぎないことを教えてやろう・・・」
瓶を絨毯に置くと、女王様の手はぼくのシャフトを握る。針を刺されて、
すっかり元気を失ったシャフトを手に取り、上を向かせると鈴口にピポットの
先を滑り込ませた。
「くあああああっ!」
まぶされた唾液のせいで、ずぶずぶと尿道へ太目のガラス管が入っていく。
じたばたと暴れていたぼくだが、ガラス管が中で折れてしまうことを考えると、
その動きも歯切れ悪く凍り付いてしまう。
「ん、届いた・・・いくぞ・・・」
女王様の指がピポットのゴムを見せつけるようにゆっくりと押すと薬液が
注入されていく。
「うあ、入ってるぅ・・・」
強力な勃起薬が目盛りを駆け抜け、みるみる下がっていく様子から目が
離せない・・・薬液の注がれる、おぞましい感触により、裏返ったか細い悲鳴が
ぼくの口から漏れる。完全に注入するとズルズルとガラス管が引き抜かれた。
「あ、あ、ああああ・・・」
口をあけて溜息のような呻きをあげるぼく。なんか、貧血を起したような感じで、
目の前の視界が暗くて、フラフラする・・・
『にゅぽ・・・』ガラス管が抜かれると同時に女王様はシャフトを握っていた
親指をスライドさせて鈴口をピッタリと押さえる。
「ふふ・・・薬が戻ってこないようにしないとな・・・」
じっとぼくの瞳を見つめながら言うフローラ女王。唇を舌でネットリ
舐めながら、鈴口を押さえている親指の腹を小さく円を書くように回す・・・
その小さいアクションからとんでもない快感が爆発するように生まれる。
ぼくはビクビクとカラダをのけぞらせて悲鳴をあげた。
「はゃふうううっ!!!・・・う、うそ・・・」
悲鳴のような熱い呻き、そして自分の下腹部に目をやって驚愕する。
「すっごい・・・大っきくなってる・・・おかしいよ、ヘンだよ・・・」
いつもより二回りほど膨張し、ずっしりと重さを感じるほど、シャフトは激しく
エレクトしていた。さっきから、貧血に似たこの感覚はホントに下腹部に血が
集中しているみたい。シャフトが脈動する・・・というか、血流がドウドウと
流れ出してアソコはびりびり痺れるよう・・・
ぼくの両隣で『ゴクン』とのどを鳴らすはしたない音が聞こえる、そして
フワリと香水の香りのなかに、しっとりとした発情したメス猫のフェロモンが漂って、
ぼくのシャフトをさらにエレクトさせて・・・
手に持ったパペットを投げ捨てて、フローラ女王はもう一方の手でぼくの
シャフトをゆっくりとしごきたてていく。ネットリと囁く女王様。
「ふふ・・・手の平がヤケドしそうだ・・・そして指がまわらない程太い・・・血管も
ゴリゴリと周りを走って・・・」
肩を押さえつけているイーリス様とセレーネ様が耳元に熱い吐息混じりに
ぼくに言う。
「素敵だわ・・・こんなにカリが張り出して・・・こんなモノを隠してるなんて、
カワイイ顔して、イケナイ子ね・・・」
と言いながら、イーリス様はぼくの太ももを軽くつねっていく。そんな刺激さえ、
薬で敏感にされたぼくには気持ちがいい。耳元でしゃべるイーリス様の舌が、
時おり耳に触れてる・・・
蕩けていく理性を必死に押しとどめていると。セレーネ様もぼくに言う。
「イキそうなんでしょ・・・?タマタマ、きゅんきゅん上がってきてるわよ・・・
白いのどぴゅどぴゅしたいでしょ・・・おねだりしなさい、『女王様、イカせて
ください』って・・・」
「ひゃう・・・くうう・・・」
首を打ち振るぼくに女王様は言う。
「薬は効いてないはずはないのだがな・・・我慢するな・・・本当はこの国で
一番高貴なこのフローラを組み敷いて、犯して、お前の白い白濁で
フローラを汚したいのであろ・・・」
両手を使い、手馴れた手つきでシャフトをしごく女王様。
「そ、そんなこと・・・んんっ!」
わなわなと唇を噛んで首を振るぼく、しかし返事のかわりにやっと指が
どけられたシャフトの先端から『ピュッ』と先走りが溢れて伝い落ちる・・・
それには、先ほどの大量に打ち込んだはずの薬は完全に吸収され、
ほとんど混ざっていないようで、これから本格的に効いてくるであろう
効果を想像して、ぼくは恐怖に身を震わせた。
『にゅちゅっ、にゅちゅっ・・・』
卑猥な音が礼拝室に響き渡る。大きく荘厳なステンドグラスのネコ女神様が
慈愛に満ちた表情で畏れ知らずの破廉恥なプレイを見つめている・・・
「我慢しなくてもいいのだぞ・・・今日はけして萎えることはないのだから・・・
ふふ・・・もうフローラの手はヌルヌルでべとべとだぞ・・・」
軽く息を弾ませながら両手でぼくのシャフトをしごくフローラ女王。その動きに
合わせ、ブラの下では重そうにゆっとりと胸が揺れている。両手の平を密着させ、
上下にしごき、そして時おり手を止めては、優しくタオルを絞るようにヌトヌトに
なったカリ首と先端部分を締め付けるように手首をひねりながら刺激する。
「ダメっ、ダメです・・・ふあああっ!・・・そんなっ・・・」
足を抱えられたまま、ワナワナと腰をふるわせるぼく。もうその頃には、
背後の両側のイーリス様とセレーネ様もぼくの耳を咥えたり、首筋に跡が
付くくらいのキスマークをつけたりしてぼくを快楽の淵に叩き込んでいく・・・
「あっ、あっ、あっ・・・もうダメ・・・きゃふぅ・・・」
薬のせいか、剥き出しの快感に白目を剥きかけ、舌を突き出してよがる
ぼくに、フローラ女王は言う。
「いいぞ・・・手に伝わるぞ、イキそうなのだな・・・もっと腰を持ち上げろ・・・
そうだ、お前も突き上げて・・・」
女王の手つきに一層熱がこもる。白くて冷たくて、そしてしっとりとした
柔らかい手がぼくのシャフトに絡みつき、擦り、締め上げる・・・時おり、
指先が優しく裏筋を撫でて・・・。これが、400年以上生きたネコ姫の
テクニックなのだろうか・・・いつしかぼくは自分でもわからずに、言われた
通りに大きく足を開いたまま、無様に腰を浮かせて催促するように
自分から突き上げ始める。
「うっ・・・ああっ!、イク、イク・・・イッちゃう――っ!!!!!!」
ほとんどブリッジのような体勢になってぼくは白濁を真上に打ち上げた。その
耐えに耐えた状態で打ち出された濃い白濁は女王の額を掠め、なんと
信じられないことに、高い礼拝室の天井に直撃して『ポタリ、ポタリ』と
真珠の粒となって下に落ちる・・・
軽く震えるぼくの前に嫣然と膝立ちになる女王様。そのネットリとした
視線は依然、強烈にエレクトしたままのぼくのシャフトに絡みつく。首の
後ろのブラの留め金を『パチリ』と外せば、重そうな乳房がこぼれ出る・・・
そして『しゅるり・・・』と腰のヒモパンの結び目をほどくと欲望に濡れた声で
そっと耳元に囁く・・・
「お前の好きなマナの母親の味・・・比べてみよ・・・ん・・・」
ぼくはごくりと唾を飲んだ・・・と同時にぐったりと仰向けになったぼくに、
かぶさってい来た女王様の唇にぼくの唇は奪われてしまう・・・花の香りの
する吐息が体に染み込んでいく・・・それは今までの薬よりもはるかに
確実にぼくの理性を溶かしていった・・・
唇はそっと首筋に降りていく・・・
『・・・ああ・・・』
ぼくは溜息をついて、視界が開けた天井を見上げる。放出した白濁と
一緒に理性まで出て行ったよう・・・
天井一杯に貼られた1m角のネコ女神様の肖像。その一枚にべったりと
ついてしまったぼくの白濁・・・それでもネコ女神さまはいきな顔シャされ、
顔一面を白濁塗れになりつつも4人を微笑んで見下ろしている・・・ぼくの
首筋から唇を離した女王さまが下着を脱ぐ衣擦れの音がやけに大きく聞こえた・・・
「・・・さあ・・・」
全てを脱ぎ捨てたフローラ女王が、背後の床に手をつきながら絨毯に
お尻をつける。投げ出された足は大きく開いてぼくを誘う・・・ふしだらな格好で、
しかし指で優雅に手招きしてぼくを誘う・・・
「あ、ああっ・・・濡れ、てる・・・」
思わず、女王様の足の間に爛々と目を釘付けにしてしまうぼく。だがぼくに
ほんの僅かの猶予も与えられない・・・
「ほら、陛下が待ってらっしゃるわ・・・」
「ミルクくさい小娘と違ってクセになっちゃうわよ・・・」
と、勝手なことを言いながらぼくを羽交い絞めにして引きずりあげるセレーネ様。
ぼくの腰を女王陛下の足の間に運ぶ・・・すると後ろからぼくのお尻をがっちりと
つかんだのはイーリス様・・・
「はいはい・・・セレーネ、もっと前・・・ちょっと下・・・いいよ・・・」
とぼくの腰に手をまわし、垂直に近く立ち上がったシャフトをぐっと
調節してフローラ女王の入り口に合わせる・・・
「ああっ・・・だめ、ぼくにはご主人さまが、あっ、ああぁ・・・んっああっ・・・」
イーリス様はニヤリと笑いながら、ぼくのシャフトをフローラ女王の
スリットに沿って焦らすように擦りつける。言葉では拒否するものの、
簡単に喘ぎ声をあげてしまうぼく・・・その様子をみて女王様はネットリ
せせら笑って言う・・・
「本当は早く入れたいのであろ・・・こんなに先から溢れさせて・・・」
「そ、それは・・・ひゃふっ!・・・」
ぼくの先走りと、柔らかく濡れたフローラ女王の粘膜が触れ合って
いやらしい音が響く。シャフトの先端は女王様のぽってりとした秘裂を
ぬめぬめと浅く掻き分けては狂おしいほどの快楽を引きずり出していく。
『うあふ・・・エッチなことシたいよ・・・もうぼく、気が狂っちゃうぅ・・・』
ほとんど無意識に腰が前にせり出すが、その度にセレーネ様に
ガッチリと腰を掴まれてしまう。
「ちゃんとお願いしなさい・・・できるでしょ・・・白いの出したいんでしょ?
『ハメ請い』しちゃいなさいよ・・・ちゅ、れろっ・・・」
ぼくの腰の上を舐め上げながら言うセレーネ様。ぼくは歯を食い縛るが、
ついに言ってしまった。
「ああっ・・・もうぼく、ぼく・・・お願いですっ、入れさせて下さいっ!」
くいっと妹に顎をしゃくる女王様。同時にぐいっと腰を真っ直ぐに押すセレーネ様。
「よいしょ――っ!」
と少し品のない掛け声をかけるイーリス様。同時にシャフトは一気に
フローラ女王の秘裂に一気に根元まで突き込まれた。ねっとりと熱い・・・
「え・・・うそ・・・うああああ―――っ!」
いきなりの放出。ぼくはガクガクと女王様の上で腰を震わせる・・・
「んっ・・・ふ・・・熱い・・・奥に叩きつけてくるわ・・・」
「やだ、いきなり出しちゃったのね・・・男のコならもっとガマンなさい・・・
あら、溢れて来ちゃったわ」
「うふふ・・・可愛いお尻がヒクンヒクンって震えてるの手に伝わるわ・・・
気持ちいいのね・・・でも頑張らなくちゃね!」
フローラ女王の鼻にかかった微かな喘ぎ。ぼくはいきなり女王様の中に
白濁を放出してしまう・・・しかし、イーリス様とセレーネ様はぼくの腰を掴むと
強制的に腰を前後にシェイクしていく・・・イッたばかりなのに、激しく腰を
使わされるぼく・・・深く突き込まされるたびにドロリとしたミックスジュースが
『ぶびゅ』とか卑猥な音と共に逆流し、トロリと女王のなめらかな肌を汚していく・・・
「うああっ、やめて下さいっ!! また出ちゃうのっ!ひああああっ・・・」
ご主人様とは違って、締め付けこそ強烈じゃないものの、ぼくのシャフトは
熱い襞で根元まで柔らかくくるまれ、微妙に蠢き、吸い込まれるような淫靡な
動きをする女王様に息をするのも忘れてしまうほど感じてしまう。しかも、
ぼくの気持ちいい所が分るみたいに、シャフトの抜き差しに合わせて腰を
小さく浮かせ微妙に角度を変えたり、締め付けたりしてくる・・・。
「どうだ・・・?熟した女の体は・・・こんなテクニックをマナは持っているのか・・・?」
シャフトを突き込むと背筋を反らせるようにして腰を持ち上げる、するとシャフトの
裏側が一部がザラザラの壁面を思いっきり擦るようにして中に・・・そして抜く時には
アソコを締め付けて、柔らかな襞が『ぎゅっ』と全体的に絡みつくようにカリ首を
締め上げて、勝手に口から喘ぎ声が出てしまうほど気持ちがいい。
「ひあっ、あああっ・・・きゃふ・・・あっ、むっ・・・!? んん――っ!!!!!」
強制的に動かされていた腰が不意に止められる。しかし、その代わりに
いきなり唇をふさがれ、舌を絡め取られた。女王様の唾液は花の香り・・・。
その刺激でまたもや女王様のなかで弾けてしまうぼく・・・ぼくの絶頂の喘ぎは
フローラ女王の口の中に甘く溶けていく・・・
「も、もう許して・・・」
唇を離せばネットリと唾液の銀糸が互いの唇に橋をかける・・・薬が
完全に廻ったのか、イケばイクほど、どんどん気持ち良くなって、その
底なしの快楽に恐怖さえ抱いて半べそで訴えるぼく。
「ふふ・・・フローラの中でこんなにペニスを腫らして何を言うか・・・それに
コレを味わって同じ事がいえるかな?」
ふいに仰向けになり、両膝を胸に引きつけるようにして持ちあげる
女王様。すると二人がかりでぼくの腰をガッチリと抱え直したイーリス様と
セレーネ様がゆっくりと、慎重にぼくの腰を女王様に押し付けつつ、円を
描くようにして回していく・・・
「え?何を・・・」
きょとんとするぼく。ぼくのシャフトの先はぐいぐいと女王の秘裂の
行き止まりを押しているがそれだけだ・・・そんなぼくにイーリス様と
セレーネ様が言う。
「今に判るわ・・・ふふ・・・私たちにはできない技・・・」
「そうね・・・もう陛下無しでは生きていけなくなっちゃうかも・・・あ、ここね・・・」
ゆっくり腰を探るように動かしていたセレーネ様が何かを探り当てたように、
さらに腰を慎重に押す・・・
「え、あ・・・うそ・・・そんな・・・」
それと同時に初めての異様な快感によって、ぼくの呂律がまわらなくなる・・・
そうなのだ、行き止まりに押し付けられていた、ぼくのシャフトの先が
ゆっくりと沈んでいく・・・
初めはスパゲッティぐらいの穴の大きさ・・・それが鉛筆から、マジックぐらいの
大きさに広がるとぼくのシャフトはじわじわと・・・そうなのだ、子宮口に入って行く!!
「そ、そんな、うそっ・・・ふあっ、締まるっ・・・でこぼこがっ!ひあああっ・・・」
(続く・・・)