「優梨愛っ。そんな足の上げ方でどうするのっ」
夏も本番を迎えようという6月の中旬。
ここ、私立聖心女学院の体育館の中は、梅雨真っ盛りの戸外に負けないほどの熱気と湿気が充満していた。
体育館の中では同校のチアリーディング部が猛特訓の真っ最中であった。
「もう一度、最初からぁっ。はいっ、ワン・トゥー・スリー・フォア」
壇上の前に陣取ったキャプテンの杏奈が掛け声と共に手拍子でリズムを取る。
もうかれこれ3時間ぶっ通しの練習に、1年生チアリーダーたちはフラフラである。
ムッとするような熱気と湿気に包まれた館内には女の汗の臭気が充満し、普通の男なら足を踏み入れただけで勃起しかねない程になっていた。
「優梨愛っ。何遍言わせるのぉっ?」
杏奈キャプテンの容赦のない檄が飛ぶ。
「はっ、はいっ。済みません」
優梨愛は身長も前から数えた方が早い小柄な1年生部員で、人形のように繊細な美少女である。
高校に入って初めてチアリーディングの道に足を踏み入れた優梨愛にとって、名門聖心女学院の練習はきつすぎた。
上辺は華やかなチアリーディングの世界だったが、憧れだけでやっていけるほど、この世界は甘くはないのである。
それでも勉強一辺倒だったこれまでの自分を変えようという優梨愛の決意は固かった。
「そんなみみっちいパンチラで、相手校のバッターの目を惹き付けられるとでも思っているのぉっ」
杏奈は白い練習用レオタードにジットリと汗を滲ませて、不機嫌そうに腕組みしていた。
長い黒髪は、大好きな自分の顔を隠さないようバックに撫でつけられ、ピンクのヘヤバンドで押さえられている。
類い希なる美貌と均整の取れたボディを持つ杏奈は1年の時からレギュラーであり、2年の春には3年生を差し置いてキャプテンを任されるほどの逸材であった。
おまけに生徒会長で白木グループ令嬢とくれば、憂えるべき何物も無いはずである。
しかし今、杏奈の胸中は不安で一杯であった。
聖心女学院とは隣校にあたる滝沢学園は野球の名門校であり、兄妹校としての歴史も長かった。
滝沢野球部が試合をする時には、聖心のチアリーディング部が友情応援に駆け付けることは十数年来の慣例となっている。
そして滝沢野球部のキャプテンと聖心チアリーディング部のキャプテンが結ばれることも、ここしばらくお約束となっていた。
しかし春の県大会で連投をし過ぎたエースの今井は肩を故障し、夏の予選までほとんどボールを握れず、明らかに練習不足であった。
杏奈としては是非とも今井に頑張ってもらいたい。
そのためには相手校のバッターから集中力を奪う必要があった。
そこで杏奈が考えついたのが、スカートの丈を高野連の定めた限界ギリギリまで短くする「目眩まし戦法」である。
普通、野球の応援は通路に沿って縦深陣を敷くのがセオリーであるが、杏奈はチアリーダーたちを最前列に横一線に並べるフォーメーションを使うつもりであった。
しかも本番では生パンを着用する手筈である。
「相手のバッターの気を、どれだけ逸らせることが出来るか。それはあなた達の魅力次第なのよぉっ。さぁ、フルキック100回っ。イクわよぉ〜っ」
杏奈の合図で、チアリーダーたちは一斉に動きだし、足を真一文字に蹴り上げ始める。
1年生部員たちは既にエクスタシーを感じ、半泣きになった目をトロンとさせていた。
限界を超えた足を振り上げると、痺れるような快感が下半身を包み込み、アンスコの中身が潤みを帯びてくる。
杏奈にヒステリックに扱かれることが、彼女たちにとって至上の喜びなのである。
「もっと勢い付けてっ。靴の裏が天井を向くようにっ」
杏奈が怒鳴り散らすが、朝から休憩無しでは女子高校生の若い体にも限界がある。
体力のない優梨愛も既に限界を超え、気力だけで足を振り上げる。
「もっ、もう駄目ぇっ……くっ、くはぁぁぁっ」
嘔吐感に喉を詰まらせながら、それでも優梨愛はフルキックを止めない。
「最初に脱落した人は特別メニューをこなして貰うから。いいわねっ」
情け容赦のない杏奈の指示が飛び、チアリーダーたちに緊張が走る。
サディスティックな特別メニューなんか受けた日には、完全にマゾになってしまう。
1年生部員のほとんどが杏奈に憧れ、彼女のシゴキを受けたくて入部したのであるが、特別メニューとなれば話が別であった。
優梨愛の隣でフルキックをしている愛美も、太腿をプルプルさせて半泣きになっている。
「もっ……もうダメぇぇぇっ」
それでも特別メニューだけは受けたくない愛美は、卑怯にも優梨愛の足を引っ掛けて転ばせた。
「キャァァァーッ」
勢い余って壇上から転げ落ちた優梨愛。
「こらぁぁぁっ、優梨愛。弛んでいるからよ」
たちまち杏奈の怒鳴り声が上がり、言い訳しようとした優梨愛の口を封じた。
「特別メニューを受けて貰うのは優梨愛に決定ね」
杏奈の冷たい決定が下された。
「そっ、そんなぁ……」
不平を口にしようとした優梨愛だったが、恐怖の余りお漏らしし、その場に失神してしまった。
「う……うぅ〜ん」
そこはかとない頼りなさを感じながら優梨愛はゆっくりと目覚めた。
優梨愛は練習用の白いレオタードに着替えさせられていた。
薄手の綿で作られたレオタードは優梨愛の体の微妙な曲線をクッキリと際立たせている。
「……はっ……いやぁぁぁ〜ん」
優梨愛は恥ずかしさの余り、膝を抱えて丸く縮こまる。
「優梨愛っ、いつまで寝ている気なの」
頭上から杏奈の厳しい声が降ってくる。
優梨愛は仕方なく、泣きべそをかきながら上半身を起こした。
場所は気を失う前と同じ体育館である。
同級生や先輩が半円を描くように優梨愛を取り囲み、その先頭に腕組みした杏奈が立っていた。
「約束通り、あなたには今から特別メニューのシゴキを受けてもらうわ」
杏奈は不機嫌そうに眉をひそめて優梨愛を見下ろしている。
「で……でもぉ」
「デモもストもないわ。これは決定事項なのよ」
杏奈が柳眉を逆立てて優梨愛を睨み付ける。
こうなるとキャプテンの目をまともに見ることさえ出来ない優梨愛だった。
「あぁぁ……」
股間のスリットから滲み出る分泌液がレオタの前を湿らせていくのを感じて、優梨愛は両手を前に添えて隠す。
「千本フルキックくらいでふらつくのは、あなたの下半身がだらしないからよ。今日は徹底的に足腰を鍛え直してあげるわ」
杏奈の指示で据え置き式のサイクリングマシンが運び込まれてくる。
一見して通常のサイクリングマシンであったが、一カ所だけ普通ではない部分があった。
本来サドルが装着されている部分が、鉄パイプ剥き出しになっているのである。
「さぁ優梨愛。これで30キロこぐのよ。丁度試合のある緑ヶ森球場までの距離と同じだわ」
優梨愛は涙を浮かべた目で杏奈を上目遣いに見詰め、救いを求めてみたが無駄であった。
「くすん……」
半泣きの優梨愛は仕方なく立ちこぎする要領でペダルに両足を乗せる。
すかさず杏奈がマシンから伸びた導線を引っ張り、鰐口クリップになった端子を優梨愛の左乳首に噛ませた。
「痛ぁぁぁ〜いぃっ」
泣き所の一つを刺激されて、優梨愛が悲鳴を上げて背筋を反らせる。
「これであなたの心拍数を記録するの。危なくなったら止めてあげるから。さぁ準備はいいわね」
杏奈がマシンの主電源を入れようとスイッチボックスに指を伸ばす。
「あっ、お姉さま。お願いっ、少しだけ休ませてぇっ」
そんな抗議など聞き入れられるわけもなく、無情にスイッチがオンにされた。
「いいこと優梨愛、時間内に辿り着かないともう一回最初からよ」
泣いている暇も与えられず、優梨愛はペダルを踏み込み始めた。
「そんな軽いギヤでこいでるとスピードは出なくってよ」
杏奈に指摘されて優梨愛はギヤを2速に入れる。
途端に重くなるペダルの動き。
スピードメーターは10キロから20キロまで上がるが、心拍計の針もグンと跳ね上がる。
「おっ……重いわ……うぅっ」
続いて3速にギヤチェンジし速度を上げる優梨愛。
その額に玉のような汗が噴き出てくる。
レオタードが汗を吸い、お尻の割れ目や乳首が透けるようになってきた。
そのうち足腰の筋肉にも乳酸が溜まり、立ちこぎしているのも辛くなってくる。
「くっ……くぅぅっ……苦しいわ」
しかし腰を下ろそうにも、座るべきサドルは存在しないのだ。
やむなく局部とアヌスの中間を使ってランディングを図る。
「痛ぁっ」
鉄パイプの先端が身に食い込み、優梨愛が呻き声を漏らす。
次の瞬間、股間のヌメリがパイプの先端を滑らせた。
「はぅっ」
パイプの先端がつぼみの菊に食い込む。
足の動きが止まった途端、乳首に噛み付いたクリップから電撃が迸った。
「キャァァァーッ」
泣き所に対するピンポイント攻撃に耐えきれず、優梨愛が絶叫を上げる。
「その電気は、あなたが動かしている蓄電器に溜めてあったモノよ」
杏奈がサラリと説明するのを、恨めしそうな目で見る優梨愛。
優梨愛はパイプをアヌスに軽く突っ込んだままペダルこぎを再開する。
「ホホホホホッ。あなた無様な格好よ」
アヌスをパイプに犯されながら、激しく尻を左右に揺する優梨愛の姿は滑稽であり、杏奈は笑いを堪えきれない。
「もっ……もう……時間がぁ……」
まだ半分もこいでいないというのに、残り時間は僅かになっていた。