「別にな、出来もしない料理なんか無理にしなくたって良いんだ。作ってくれようとしたその気持ちだけで俺は十分だから」
「ち、違うもん。ただお腹が空いたから何か作って食べようと思っただけよ!!」
「食いもんならその辺にお菓子でもカップ麺でもバナナでもなんだって在るだろう?」
「しゅ、趣味の一環よ!!」
「趣味で料理するヤツはもっとうまく出来るもんだ」
「う……」
「まぁ、それはともかく。おかずが一品だけじゃ食卓も寂しかろう。なんか作るから、ちょっと待ってな。」
「うん……」
「よし、それじゃあ食うか」
「「いただきます」」
「それじゃあ、これからいただくか」
「あ、それは食べちゃだめ!!」
「だって、せっかく作ってくれたんだろう」
「でも、ゼッタイ美味しくないもん!!」
「ならばこれから練習すれば良い…………うっ!」
「う、上手くなれるかな?」
「……多分、お前さんが大人になれる頃には上手くなってるかもな」
「そしたら、お嫁さんになれる?」
「ああ、良いお嫁さんになれるさ」
「……エヘヘ」