私はとってもラブリーチャーミングな旅人。
でも、独り各地を渡り歩いているせいで、ずっと一緒にいられる友達はできないのです。テラサミシス。
それはともかく今日新しい街に着きました。着いてよかったです。なぜならば!
そろそろお金がないのです。
お金が底をつくと、小奇麗なお洋服を着て街を歩く身分から、薄汚れた服を被って路地裏を徘徊する身分へと一直線です。
泣けます。テラカナシス。
しかし、この街はどこから見ても大きな街、仕事も多いに違いありません。
聡明にして超天才な私の予想に間違いはなく、道の壁に早くも求人広告をはっけんしました。
雨であちこちのインクが落ちて断片的にしか読めませんが、読解できる範囲では次のような内容でした。
※女性所員募集※
条件
・25歳までの・・・・で美しい女性
・寮生活可能な方
・好・・・・な方
・ご家族、ご友人等がいらっしゃらず、・・・・・・いる方
内容
・当研究所において・・・助手を務めていただきます。
・特に専門的知識は必要ではありませんので、初めての方でも・・・・・・・だけます。
・研究中の万一の事・・・・・・スタッフを用意しております。
・明るく楽しい職場ですので、皆様・・・・・・働いております。
・給与は一般的なメイ・・・・・・て約2倍。さらにボーナスもあります。
・最新設・・・・・・・・・・・・・・な刺・・・・・えます。
・・・・・し込みは冒険者ギルド等で承っております。
…手……研究所
おやおやおやおや、まさに私のためにあるような職場ではございませんこと?
条件は恐らくパーフェクツにクリアできておりますし、給与もそこそこ。
万一の事件にそなえてマジカルスタッフを用意しているとゆーことは、ときどき物騒な事が起こって、それを魔法でぶっとばせるとゆー、爽快さも兼ね備えたマーヴェラスな職場でございます。
義手運用研究だか翼手飼育研究所だか分かりませんが、文武両立パーフェクト淑女に勤まらない職場などあるはずがありません。
私はナントカ研究所にいる美形職員との甘いネオロマンスを妄想しながら冒険者ギルドへと向かいました。