「ジリジリジリジリうっせぇんだよ!糞目覚ましぃ!」
隣の家から怒声が聞こえる…まぁ、何度も聞いたので特に驚きはしないが…
最近はあの声が目覚まし代わりだ、いや…強制的に目覚ましだ…
にしても、もうそろそろ電話が来るはずだが…今日は遅いな…
「かならず〜僕等は出会うだろう〜♪」
俺の携帯から着歌のカルマが流れ出す…着やがった…
出たくねぇが…出ねぇとやべぇからな…
ピッ
「もしもし〜?」
「お、結城、起きてるか?」
「起きてるよ…起きてねぇと電話に出れねぇだろ…」
「ハハハッ!そりゃそーだ…じゃあ下で待ってっから〜」
プッ ツーツーツー
チッ、相変わらず自分勝手な奴だぜ…
しかたねぇ…行くか…せめて、もう少しマトモな幼馴染が欲しかったな…
下に行くともう幼馴染の雪菜が待っていた
「結城!遅せぇぞ!」
「あぁ…わりぃ」
全く…しょうもない事でいちいち因縁つけやがって…何か恨みでもあんのか…
「ほら、さっさと用意しろ、行くぞ」
普通に俺のチャリの後ろに座って命令を下してくる…
下僕とご主人様ってかぁ…少なくとも中学2年まではこんなんじゃなかったのになぁ…
「早くしろ〜聞いてんのかぁ!」
「今行くって…昔はもう少しおしとやかだったのになぁ…」
「あぁ!?なんだ?文句あんのか?」
「はいはい、俺が悪かったよ」
いちいち口喧嘩してやるほど俺は暇人じゃない…
チャリの後ろに雪菜を乗せて学校に向かって走る…もっとも雪菜は途中のゲーセンで降りるのだが…
「……結城ってさぁ…彼女いるのか…?」
「はぁ!?」
いきなり何聞くんだ…
「だから〜彼女いるのかって聞いてんだよ!」
少し顔が赤いのは気の所為だ、うん…そんなはずねぇ…
「いねぇよ!そんなもん」
「そっか…」
「オメェは…彼氏なんて居なさそうだな〜」
いつも乗せてやってんのに礼すら言わねぇ…からかってやるか…
「なっ…あ、あたしだって彼氏くらい…」
「ほー…なら今度会わせてくれよ」
「そ、それは…」
「何出来ねぇの?」
コイツに彼氏がいねぇ事ぐらい調査済みだぜ…
雪菜の表情を楽しみにして後ろを振り向くと…