天蓋つきの豪奢な寝台の上で、二つの白い肉塊が激しく絡み合っていた。
それは激しく互いを求め合う男女の姿である。女が快楽に悶え、低く呟いた。
「ああ……ご主人様……」
ふたりは汗みどろになりながら、貪婪なまでに相手の肉体を貪った。
男の背中には見事な彫り物がほどこされており、汗に濡れて艶やかに輝いていた。
焔髪を逆立てた憤怒の形相に鮮やかな全身真紅の六臂像。それは正しく燃え上がる愛欲の紅。
愛染明王の刺青である。愛染明王とは愛欲を貪る神を言う。
女の愛液にまみれた男根が秘所から何度も埋没しては引き抜かれた。
男は黙ったまま、じっとりと濡れた女の明眸を見つめながら、腰を激しく動かす。
雌豹のようにしなやかな肉体をした美しい女であった。
深い乳白色の皮膚からは甘い体臭が漂い、男の鼻腔を刺激する。それは男の理性を溶かす香りであった
「静江ッ!静江ッ!」
男が突き上げる度に淫靡な音が室内に響いた。
静江の柔肉が男根にまとわりつき、襞が蠢きながら、締め上げてくる。
わななく静江の肉洞を、何度も男根で掻き回し、貫いた。
汗を飛び散らせ、ふたりは悶え狂った。それは性を超えた凄絶な男女の激しい営みである。
屹立した男根が脈動した。体中の血液が沸騰し、ついに男は静江の内部に己の精を勢い良く放った。
「あああ……あああああッ!」
射精と同時に静江は絶頂を迎え、背中を反り返らせ叫んだ。
男は眉間に苦悶の縦皺を浮かべ、蕩けるような恍惚とした表情の力強く静江を抱きしめる。