畑荒しが出るというので、徹夜で見張っていた朝。
カランカラン
む、鳴子がなった。
林から飛び出す黒い影。
「待てっ、ってご主人様?!」
「なんだ、こんなところにいたのか」
土を掘り、おもむろに野菜を口にくわえながら喋るご主人様。
「見張りに行くっていったじゃないですか。ていうか、いくらご主人様でも、畑荒しはさせませんよ。食卓にあがってから召し上がって下さい」
「腹が減った」
ああ、収穫前の小さいのまで掘り出して…。
「だめですってば」
止めようとする俺を逆に押し倒すご主人様。
「腹が減った」
って、なんで俺のズボン下げてんすか。
「朝立ちがもったいない」
いや、さっきまでニンジン食ってた口で俺をくわえないで…。
抵抗虚しく土の上で野菜と一緒にいただかれる俺。
満足げに肌をつやつやさせるご主人様。
家に帰って、朝ご飯はこれから。