「ああ!ホントにイライラする!」
昼の教室に甲高い叫びがこだまする。
「ラ、ラウネ、どうした?」
「どうしたもこうしたもないわ!ディルス!アンタ今何してたのよ!」
「な・・・何してたって・・・」
数分前の昼休みの出来事だった。
「ご主人さまぁ・・・はい!あーん」
「あ、あー」
メルンが作ってきたお弁当で恋人達の間のお決まりが展開される。
「むぐっ!?」
しかし、メルンはお弁当の具を口に入れ、口移しでディルスに食べさせようとしたのだ。
「ちょ、ちょっと待てメルン!ここは学校だぞ!」
「ご主人様。おいしかった?」
「ああ、おいし・・・じゃないだろ!こら!押し倒すな!!」
「メルンが暴走してたけど・・・」
「あんなの見せられたら誰でも怒るわ!」
ラウネの右の拳がディルスの頬にクリーンヒットする。
「あがっ!?・・・な、殴ることねーだろ・・・」
「うっさいわね!あー!もう!左でディルスとメルンがイチャイチャしてると思えば
右はバルーとリリムだし!」
バルーとサキュバスのリリムというのは学園でも有名なバカップルである。
「や〜ん、バルー様どこ触ってますのよぉ?」
「ごめんよ、君があまりにも綺麗だったからさ・・・」
「きゃぁ〜♪」
・・・誰かこいつらを殺してくれ。
「それで・・・何で俺だけ殴られるんだよ」
「何となく!悪いの!?あー、もうアンタはいいわ!」
このさっきから叫んでるアタシはアルラウネ族のラウネ。
緑色の髪のショートカットだけど、後頭部から花のつぼみが生えていて
短いポニーテールのようになっている。制服の上は着ているけど、下は履いていない
下半身から下は巨大な花びらが隠してくれているからだ。
真昼間からあんなものを見せられたうえ、今日はなんだか朝から調子が悪い。
風邪でもひいたのだろうか。
「ねぇアンナ。ちょっと聞いてよ」
アタシは長い黒髪、鋭い目を持つドラゴン族の少女。アンナに声をかける。カタブツで武道派
の彼女ならこのグチを聞いてくれるはずだ。
「・・・というわけでさぁ。あのバカップル二組が腹立つわけよ!」
「うむ、あの4人はたるんでおるな。風紀委員としてこの私が厳重注意を・・・」
ガタン!
教室の扉がいきおいよくあけられる。
「アンナ!アンナはいるか!?」
「騒がしいぞ。何用だラルゼ」
「新しい剣技を思いついたぞ!付き合え!」
いきなり入ってきたコイツはラルゼ。技の研究に命をかけているらしい剣士だ。
コイツの研究は空回りが多いが、王国主催の学生武道大会で準優勝だったのだから
侮れない。ちなみに優勝はラルゼをコテンパンにしてアンナだった。
「ほう・・・仕方無い。付き合ってやろう・・」
やれやれというように、そう言う彼女の頬が一瞬赤く染まるのをアタシは見逃さなかった。
(・・・コイツもか!)
アタシはまた腹が立ってきたのでその場を黙って立ち去った。
廊下でイライラしてると、いつものアイツがやって来た。
「ラウネちゃ〜ん!!がふっ!?」
そう言って走ってくるそいつをとりあえず殴っておいた。
「なんで殴るのさ!?」
「自分の胸に聞くといいわ!」
この少年。アークはいつもこの調子だ。
いつもアタシの周りをちょろちょろしている。そして何か気に食わない。
アタシより頭がいいのも気に食わない。
メガネでガリ勉のクセにアタシより背が高いのも気に食わない。
案外美形なのも気に食わない。。
結構モテてることも気に食わない。
とりあえず気に食わないのだ。
「そういえば、ラウネちゃんが寝てる間につぼみから蜜とったのってメルンちゃんらしいね」
「メルンか〜・・・まったく・・・」
「あれ?もっと怒らないの?」
「もう怒る気力もなくなってきたわよ・・・何か気分悪いし」
「風邪でも引いたの?保健室つれてこうか?もちろんお姫様だっこで・・・がはっ!?」
とりあえず殴っておく。
「ところでアーク。アンタどこでそんな情報つかんだのよ?メルンに聞いたの?」
「そりゃあ・・・いつもラウネちゃんのことを見ているからぐあはっ!?」
全力で殴る。
「この変態が!保健室くらい自分で行くわよ!」
そう言ってアタシは保健室へと走りだした。
「はぁ・・・はぁ・・・」
何だか熱っぽい。息も切れる。
あの変態アークが居たらきっと「熱っぽい表情もえろくて素敵」
とか言い出してアタシが殴るんだろうな。
ちょっと待て!何故アタシはアイツのことなんて考えてるんだろう・・・
ギィ・・・
ノックもせずに保健室の扉を開ける。
どうせ怠け者の保険室の先生はサボってカジノでも行ってるだろう。
誰もいない保険室のベッドに寝転がる。
体が熱くてたまらない。相当熱がありそうだ。
ふと横を見る。するといつもは花びらの中にしまってあるアタシが自由に動かせる。
ツルが勝手にピクピク動いていた。
「はぁ・・・何で勝手に出てきて?・・・」
ツルに手を触れようとしたその時。ツルはアタシの服の中に滑り込み、
へビのように這い回り始めた。
「やっ!ひゃん!?・・・な、なんなのよ!?」
ツルを捕まえようにもツルは手の間をするりと抜けて、這い回る。
くちゅ・・・
「ひゃあ!?」
一本のツルが這い回る間にもう一本ツルが現われ、
花びらに隠れる秘所を撫で上げる。
とめようにも体が痺れて動かない。そして体がとてつもなく熱い。
「あっ・・・はぁん・・・や、やめて・・・」
アタシの意思を無視して、ツルはアタシの奥へと進み、秘所の中をかきまわす。
「やぁっ!・・・やめて!」
くちゅ・・・
ツルをつかもうとした指先が秘所に触れる。
気持ちいい・・・。もう止められない。
くちゅ・・くちゃぁ・・・
「あんっ・・・」
指先がゆっくりと秘所を広げる。
「あっ・・・あああっ!」
ガタッ
部屋の外で何かが動いた。
「あんっ・・あぁ・・・」
誰か居るのか。このままだと見られてしまう。
しかし秘所を弄る手の動きは止まらない。
「やぁ・・・とまってぇ・・・!」
「兄貴!保険室で女が喘いでますぜ」
「へへ・・・とんだ淫乱女が居たもんだ」
保険室の外では不良で有名なラウネの2年上の3年生である
巨大な男と、2年生のネズミのような顔の男が中の様子をうかがっていた。
「どうしやす?ヤっちまいやすか?」
「当然じゃねぇか。俺たちゃ悪党だぜ?」
「それじゃあけますよ」
「待ったぁぁぁ!!」
「あん・・・」
外から声が聞こえる。
「待ったぁぁぁ!!」
ぼーっとした思考の中で聞き取れた聞き覚えのある声。
「はぁ・・・アーク・・・?」
「おう、銀髪の坊主。何のようだ?」
「その中に居る子は僕が先に目をつけたんでね。悪いけどどいてくれないかな?」
「あぁ?てめぇ、誰と口聞いてると思ってやがるんだ!?
両手に箒なんてもってよぉ。剣士気取りか?」
つっかかるネズミ男を大男が制する。
「まて、おもしれぇじゃねぇか。無理やりどかせてみろや!」
大男がアークへと殴りかかる。
しかし、アークは左手の箒で拳を受け止め、すぐさま右手の箒で大男を殴る。
「うがぁっ!?」
「せ、あ、兄貴!」
「早めにどいてくれないか?」
大男の体が地面へ音をたてて倒れる。
「な、なんなんだテメェ!」
「兄貴!コイツ見た事ありやすぜ!
武道大会でラルゼのヤローに負けて三位だった奴ですよ!」
「何ぃ!?」
「負けたとか言わないで欲しいな・・・
とにかく!さっさと消えないともっかい殴るよ!!」
「チッ・・・ここは一先ず引いてやるぜ!」
「あ、兄貴!待ってくだせぇ!」
巨体に似合わぬ速さで大男が逃げていき、ネズミ男も後に続く。
「おぼえてろよ〜!」
ガンッ
「はうぅ・・・」
ネズミ男が廊下に居た女子生徒にぶつかる。
「うあ、わ、わりぃ・・・い!?」
そこには首の無い女子制服を着た体と、うつろな表情の頭が転がっていた。
「うわぁぁぁぁ!!!」
一目散に逃げ出すネズミ男。
「あぅ・・・くびとれた・・・」
ゾンビ族のエレンはのろのろととれた自分の首をひろうのだった。
トラブルはあったがこれで大丈夫だ。
朝からおかしいと思ってあの保険室の奴にカジノに行く前に捕まえて聞いてみたけど。
まさかラウネが・・・
ちゃんとクスリも貰ったし、後はラウネに飲ませればいいだけだ。
「ラウネちゃん、聞こえる?」
扉のほうから甘えるような声が聞こえる。
「ん・・・アークぅ?」
「扉を少しだけ開けてクスリを投げるから。早く飲んでね」
「うん・・・」
ガチャ・・・
アークが少しだけ扉を開ける。
ガタン!
「えっ・・・ラウネちゃん!?」
扉のところまでやってきていたアタシのツルが扉をこじ開ける。
「あーくぅ・・・」
ツルはアークに巻きつくと、アタシの居るベッドへ引きずり込んだ。
その間にもアタシの指は秘所の中を掻き回し続けている。
「ラ・・・ラウネちゃん何を!」
「アーク・・・」
アークだ。相変わらず気に食わない。
憎たらしい顔だ。
気に食わない・・・気に食わない?
気にくわ・・・気に・・・
好き!!
「・・・好き」
アタシはそうつぶやくと、アークの服をツルで強引にはぎとった。
「ラウネちゃん・・・待って!」
アタシはアークの言葉を無視してアークの下半身をアタシの花の中へと誘いいれた。
くちゅ・・・ずずず
「気持ちいい・・・アーク・・」
アタシとアークが下半身でつながった。
何故か凄くうれしくて気持ちいい。
今のアタシは変なのに、何故か前からこうしたかったような気がする。
「はぁ・・・はぁ・・・ラウネちゃん・・・遅かったのか!うぅっ・・・」
アークの両腕にツルが巻きついて動きを封じる
「あっ・・・ひゃうっ・・・あぁ・・・」
くちゅくちゅくちゅくちゅ
アタシのツルはアークの腰をツルでつかみ強引にピストン運動をさせる。
「ぅ・・・ダメだ!ラウネちゃん!ツルを解いて!」
解くなんてやだ。やっと手に入れられたんだ。
もう離れたくない。
「・・・くっ・・もうダメだ!」
もうアークの言葉もぼやけて聞こえない。アタシは気持ちよくて幸せなんだ。
もっと幸せになりたい。だからアタシは腰の動きをいっきに速くした。
「だいすき・・・」
「うあぁ!?」
どくん・・・
白い液体がアタシの中に流れ込んでくる。
これがもっと欲しい。もっともっと。アークのが欲しい。
「はぁ・・・あぁ・・・」
「やってしまった・・・ごめんよ・・・ラウネちゃん・・・」
「もっとぉ・・・」
「・・・ラウネちゃん?」
くちゅ・・・
「ちょっと待って!ラウネちゃん!!」
「あはぁ・・・」
アタシはアークの言葉を無視して再び腰を動かし始めた。
「あー・・・なんでアタシあんなことしたのよ・・・」
あの後何回ヤっただろうか。覚えてないが
アークが意識が無いアタシにクスリを飲ませてそこで保険の先生が帰ってきたらしい。
先生に言われた病名はなんと「花粉症」
アタシは自分の花粉にやられてしまったのだ。
アルラウネ族の花粉には催淫効果があり、これもまた蜜と媚薬になる。
アタシのようにたまに特殊体質で自分の花粉にやられるアルラウネが居るらしい。
ご丁寧にアタシにはエロい能力満載だ。
元々アルラウネは男の精を吸い尽くして殺してしまう魔物だったらしい。
今では考えられないことだ。
とりあえず、アタシの花粉は先生の作った薬で抑えてあるけど・・・
「・・・どうしよっかなぁ?」
花粉のせいかと思っていたが。アタシは本当にアークのことが好きだった。
アークが気にくわないのは意地を張り続けるアタシへのいらだち。
バレンタインでチョコを貰うアイツが気に食わないのはそのまんま嫉妬だった。
そして、アタシの手元には袋いっぱいの黄色い粉。
クスリで止める前にアタシの花粉を集めたんだ。
「ふふ・・・」
これはアタシの魔法の粉。素直になれる魔法の粉・・・