背の高い白い塀とでっかい門の前に付いた。詩織の家だ。  
「上がってきなさいよ」  
 と詩織は言う。詩織の家はけっこうでかい。ていうか、このご町内の中でも一番の豪邸、  
と言っていいくらいのでかさである。庭も広い。昔はよく遊びに来てたんだけど。  
「え。いいよ。ウチすぐだし」  
 とりあえず断っておく。別に他意はない。強いて言えば、雨で濡れた詩織のブラウスから  
透けて見える肌色と白いブラジャーの模様が俺の煩悩を大いに刺激してマイ・サンが  
どうしようもなくハッスルハッスルした状態になってるのがバレたらイヤだから、という  
理由くらいしかない。十分だ。  
「うるさいわね! 傘貸してくれたお礼にお茶ぐらい入れるから、上がってきなさい!」  
 詩織はすげー剣幕で怒ってくる。コイツ、この性格さえなんとかなればけっこうモテるかも  
しんないのに。もったいない。  
……いや、それでも違うクラスのヤツとか上級生にはけっこう人気がある、って  
聞いたこともあったな。まあ、たしかに性格は外から見えないからな。  
 それはそうと、目の前で怒ってる詩織から目をそらすにも限界があるし、かといって  
踵を返してウチにダッシュなんかしたらなんかもっと恐ろしい目に遭うような気がする。  
 さりげなく聞いてみる。  
「なんで怒るんだよ」  
「怒ってなんかないわよ!」  
 いや、詩織お前明らかに怒ってるし。眉間に皺寄ってて怖いし。  
 でもソレを言ったらもっと確実に怒るからここは黙って従っておこう。  
 
 
 うお。やっぱ詩織んちでけーわ。  
 玄関だけで俺んちの半分くらいあるんじゃねえか?  
 靴を脱いで、濡れた靴下も脱ごうかどうか迷う。うーむ。人んちだしなあ。  
 どうしようかとふと詩織のほうを見ると、そこには玄関の薄暗がりの中、  
俺の目をじっと真っ直ぐ見てくる女の子がいた。  
 てゆーか詩織なんだけど、なんかいつもと雰囲気が違う。  
 
「あんた左半分だけ濡れてるわね」  
「「…お許し下さい、Drヘル!」」  
 結構似てると思うのだが。やっぱダメか。女にあしゅら男爵のオモシロさが判ると  
期待した俺がバカだった。  
 透けて見えるブラが刺激的過ぎるからなるべくコイツを濡らさないように  
してただけだったんだけど。  
 そのときの詩織はなんかヘンな表情をしていた。  
 噛み付く寸前の猛犬、みたいないつもの感じじゃなくて、なんつーか。  
 なにかを発見したときみたいな顔。  
 あのー、詩織?詩織サン?どうしましたか?目からビームかなんか出す気ですか?  
 
 ホントは靴下も濡れてるんだけどね。  
 すげー降りだったから歩道の隅っこが川みたいになってたので。  
 脱いでも詩織は怒んないかな。どーだろう。  
 
 詩織はどうかと見てみると、コイツはぷいっとどこか奥へ小走りで去っていってしまう。  
ん?どうしたんだろ。……靴下脱いでもいいかなあ?  
 玄関の背の低い靴箱に腰掛けて靴下をくるくると脱ぐ。濡れた靴下はカバンへ。  
 そういえば昔、かくれんぼしたときこの靴箱に隠れたことあったっけ。  
 まだ詩織のお婆ちゃんが生きてた頃だから、二人とも小学校に上がる前か。  
 すず婆ちゃんはたしかメキシコかスペインの生まれで、肌の色は日本人と  
そう変わらなかったけど、緑色の目がすごくキレイだったのを覚えている。  
 自分の祖母でもないのに、婆ちゃん婆ちゃんとか言ってよく膝の上に飛び乗って甘えてたっけ。  
……なんて遠い日の思い出に浸っていると、突然顔面に白いふわふわしたものが  
叩きつけられた。タオル?  
「拭きなさい」  
 うわ。詩織やっぱ怖っ。あの頃は可愛かったのになあ。  
 
 オレが裸足なのに気づくと、手を出して言ってくる。  
「靴下! 出して!」  
「え?」  
「洗ったげるわよ!」  
「いいんスか?」  
 なぜ敬語?>オレ  
「いいから出しなさい」  
「…はい」  
 他人の濡れた靴下なんて、触るのもイヤだろうに、詩織はそんなことを気にせず  
濡れた靴下を受け取る。オレだってあんま触りたくないのになあ。ヘンなの。  
 そのまま奥に引っ込むかと思ったら、居間のほうを指差して言った。  
「座ってて」  
 …まあ、勝手知ったる他人の家ですし。そうさせてもらいますけど。  
 
 何年かぶりに座ったソファから周囲を見回しても、それほど変わった様子も無い。  
「そーいえば、お前んちに上がるのって久しぶりだよな。  
 最後は…高校入ってすぐくらいのときか?」  
「……紅茶でいいわよね?」  
「はい」  
 ダイニングキッチンでお湯を沸かしてる詩織。  
 濡れた髪をタオルで拭いただけで。自分ちなんだからさっさと着替えればいいのに。  
 ヘンなの。  
 ……あ、いえ、その、さっきからずっと見てるのはちょい透け気味の夏制服の  
背中からブラの紐が見えるからじゃないですホントです。  
 何本か濡れた髪が張り付いてる首筋が微妙にエロいな、なんて思ってません。これもホントです。  
 
 お湯が沸いて、それを急須ってーかティーポットに注ぎ込む詩織。  
 その仕草がなんか女の子っぽいな、と思った。  
 言ったら殴られるから何も言わないけど。  
 
「カモミール。暖まるから」  
「うん」  
 瀬戸物のくせにやたら薄いカップでいい匂いのする紅茶を飲んでる俺と詩織。  
いやオレの場合こんな高そうなカップじゃなくて湯飲みとかいいんですけど。  
 
 奇妙な沈黙。カチ、カチ、という柱時計の音だけが響く。  
 なんかヘンだ。空気がおかしい。  
 詩織と二人っきり、というシチュエーションは別に珍しくもないんだけど。  
 でも今までこんなに緊張したことはないぞ。  
 
 間が持たないので紅茶を呷る。あちちちちt  
……カッコ悪。  
 
 紅茶をすすりながらちら、と詩織の方をうかがってみる。  
 
 やっぱ詩織って目、でっけえな。  
 こぼれそうなほど大きな瞳。  
 肌も白いし。髪の色も染めてないのに栗色してるし。  
 これで性格さえフツーならもてるだろうけど。  
 でもコイツ、クラスで俺に対して「ぬっ頃ス」とか「氏ね」とか平気で  
言うんだもんな。なんつーか、女の子としてどーなんだそれは。  
 
 と、そんなことを考えながら詩織の顔を鑑賞していたらつと目が合った。  
「なに見てんのよ!」  
 と、いつもなら怒鳴られるところなんだけどどうにもおかしい。  
 
「……」  
「……」  
 詩織の反応がいつもどおりだったらなんかしら言い返すことができるのだが。  
詩織がボール投げてこなきゃ打てねえよ俺。  
 
「 お風呂が 沸きました 」  
 突然背中から声がする。  
 うわ。  
 なんだ、機械の声か。  
「お風呂入っていきなさいよ。  
……私のせいで風邪なんかひかれたら、困るんだからねっ!」  
 またも切れ気味な詩織。  
 なんでここで怒るんだ?  
「いや、いいよ。俺すぐ帰るし。お前こそ風邪ひくんじゃねえの」  
「アンタ帰っても誰もいないんでしょ! お風呂沸かす前に風邪引いちゃうわよ」  
 な、なぜソレを知っている雷電!?  
「町内会の温泉旅行」  
 あ、そか。ウチのお袋、香織おばさんとどっか行く、とか言ってたな。  
 
「だったらお前先入れよ」  
「あ、あたしは…べつに……」  
 詩織は顔を赤らめつつ、小さな声で何かを言ってきた。  
 
「じゃあ、一…に…る?」  
 
「…? 今、何て言った?」  
「な、なんでもないわよっ! バカっ!! さっさと入んなさい!」  
 
-----------------------------------------------------------------------------  
 
 ふはー。  
 極楽極楽。やっぱ手足が伸ばせる湯船っていいわー。  
 別にエラクなろうって気は無いけど、将来はでかい風呂の付いてる家に住めるだけの  
人間にはなりたいねえ。あ、いや別にウチの親父が甲斐性ナシとか責める気は無いんだけど。  
 
 人心地がついたところで、さっきの詩織の言葉が思い出されてくる。  
 
 「じゃあ一緒に、入る?」  
って言ったんだよな。さっき詩織はやっぱ。  
 しかし、アイツってああいう冗談言うキャラだっけか?  
 気が強くて生真面目で、シモ関係の冗談とかいうとすぐ本気になって怒るヤツだと  
思ってたんだけどな。殴ってくるし。  
 
……あ、そか。詩織も風呂入んないと風邪引いちゃうわけで。  
 俺が長々と入ってるのも迷惑だよな。とっとと上がって――  
湯船から立ち上がりかけたとき、脱衣所から声がした。  
「……拓海、湯加減はどお?」  
 ざぶんと慌てて湯船に戻る。覗かれでもしたらコトだ。  
「…あー、うん。いいお湯です」だからなんで敬語?  
「そう」  
 カラリと扉が開く。  
――なななななななな、なんで!?  
 入ってきたのは詩織。当然、全裸。あ、いや、その、頭にタオル巻いてる。  
でも、それだけしかつけてない。  
 凶悪だと思ってた胸も、ブラウスとブラジャー取ったらもっとめっさ凶悪で、  
ばいんと前方に、まるで0系新幹線が二つ飛び出しているようであります隊長!  
腰もびっくりするほど細くて。尻とのラインがなんつーかその、砂時計?  
とにかくグラビアなみにエロくて。  
 つーか、詩織サンはそのオパーイを片手で押さえなすっているのでむにむにっと  
ステキに変形なさっててああもうどうしよう。左手は股間にあてがってこれまた  
隠しているのですがそれなんてボッチチェリ?  
………ごめんなさい正直に言います。  
 なんどかおかずに使わせてもらったことのあるその妄想してた詩織の身体が  
そこに素っ裸で立ってたわけで、姉さんこれはもう事件です  
僕どうしたらいいのかわかりません。姉さんいないけど。  
 
「な、なん、なんで、入ってくるんだよ!」  
 ようやくそれだけ言えた。  
「わ、私が…風邪ひいちゃうじゃないのよ!  
 それとも、私が風邪引いて寝込めばいいと思ってるの!?」  
「そ、そうじゃないけど、常識ってモンがあるだろ! 俺入ってるんだから!」  
「…常識?」  
「お、俺目、つぶってるから、お前ちょっとそこどけ。上がる」  
「まだ上がっちゃダメ! ちゃんと暖まらないと! ……ダメだから!」  
 目をつぶりながら湯船から上がろうとする俺の肩を押さえつける掌。  
「い、いやそう言う問題じゃ――」  
「あ、あんたが見なければなにも問題ないのよ! 目、つむって入ってなさい!」  
 
 とは言え。  
 カポン、と音がして俺の浸かってる湯船から湯桶でお湯が汲まれるわけで。  
それがザザー、と詩織は身体に掛てるわけで。  
俺の身体やらキンタマやらなんやらに触れてたお湯が詩織の身体にくまなく…  
いや、問題はそーゆーところじゃなくて、俺のマイ・サンが激しく水中でフィーバー  
なさっているところで。我が未完の最終兵器がデンドンデンドンデンドン、  
というドラムの音とともに腕組みしながら宇宙戦艦の甲板にすっくと立ち上がった感じ?  
ああもうナニ言ってるのかわからない。だって目、開けたら女の子の裸があるんだぜ?  
すぐそこに。それなのに、目開けんななんて酷いだろ!飢饉の人の前にご馳走並べて  
喰うなって言ってるようなもんじゃねえか!……イカン。だんだん腹立ってきた。  
 
「俺にどうしろと…」  
 ぽつりと独り言を言うが、返ってきたのは  
「こ、こっそり見てたりしてないわよね!? 見たら殺すからね」  
 という明らかな殺気。  
「見てない! 見てないって!」  
 必死に言い訳をする。腹立ちもどこへやら。すっかり従順な俺。なんで。  
 
 ザザー、という音の後にはなんかシャカシャカしてる音。  
 香ってくるのはなんかフローラルな香り。  
 シャンプーですかボディーシャンプーなんですか?  
…どうしよう僕のぼせそうです。  
 
 空気が動く気配。  
 ちゃぷん、という水音が水面に起こる。  
 女の子の匂い、としか形容できない存在感。  
 水面が上がる感覚がして、波と水圧が高まってくる。  
 そんななか。  
「うわっ! バカ、詩織、触ってるさわってる!  
 詩織の足が俺の内股に当たって、絶好調の俺のJr.が詩織の足の甲に…  
「ゃっ!!! な、なに触らせてんのよ!!」」  
「お、お前が触ったんじゃないか」  
「そ、そんなこといっても、狭いんだからしょうがないじゃない・・・・・・」  
 
「目、もう開けてもいいわよ」  
 その言葉にドギマギしながらそっと目を開ける。  
 目の前には顔を真っ赤にした詩織がいる。  
 湯船の長辺で、俺と向かい合うようにお湯に浸かっている詩織。  
 でかいとはいえ、さすがに二人で入るとこの湯船では狭い。  
 詩織は俺の両足の間に足をそろえて横座りっぽく浸かってる。  
 
 胸から下はお湯に浸かってるけど、ふよふよと屈折する水面の下にはなにやら薄い色をした――  
顔面にパンチを喰らった。  
「み、見るんじゃないって言ってるでしょ」  
 そんな。目開けていいって言ったのは詩織サンあなたじゃないですか。  
 
 髪にタオルを巻いただけの、全裸の幼馴染の姿がそこにある。  
 細い首、くぼんだ鎖骨から下の二つの半球。その上三分の一は水面上に出てて  
ソレがスゲー―――またパンチ食らった。  
 
 脳内で描写するのくらい自由じゃないか!と言いたかったが怒った詩織の鉄拳の前では  
板垣も自由ももろともに死ぬのだ。こればっかりはしょーがない。  
 
「なんか言いなさいよ」  
「…こ」  
「こ?」  
「こうして、一緒に風呂入るのって…久しぶりだよな」  
 極力水面を見ないようにしながら、詩織の顔だけを見て話す。けっこー大変だ。  
 いや死ぬほど大変だ。一瞬でも気を抜いたら俺の視線は勝手に水面下に照準を  
合わせようと虎視眈々と狙っている。なんでこんな苦労を。  
「…うん」  
「あ、あれって、小学校に上がったあとだっけ?」  
「幼稚園の年長組の頃よ」  
「そっか。お前、俺のチンコ引っ張って『コレ欲しい!』とか言ってたっけな」  
「な、ナニ言ってんのよ! そんなこと言うわけないじゃない!!」  
「いや、言った。俺あんとき取れちゃうかと思って泣いたもん」  
「そ、そんなわけ、ない……」  
 視線を水面に落として、恥ずかしそうに消え入りそうな声でそう言う詩織。  
 なんかその口調は今までに聞いた事ないくらい、はかなげで。  
 なんだかすげー「女の子」っぽくて。詩織じゃないみたいで。  
 ドキドキした。  
 
 詩織は俯いて、水面に目を落としたまま恥ずかしげにしている。  
 
 詩織が目を落としているのは水面。ええ。  
 知ってた?水って屈折はするけど、基本的に透明なんすよ。  
 
「ナニ大きくしてるのよ! このヘンタイ!! 最低ッ!!!」  
 あ、……戻った。いつもの詩織だ。  
 
 俺もちょっくらマイ・サンの様子をうかがってみると……  
おお。水面から見てもわかるくらいに俺のアレが立派になっている。  
つーか、なんか爆発しそうなくらい固くなっちってる。  
コイツのせいだ。  
 
「しょーがねえだろ! 裸の女と一緒にいてこうならないオトコがいるかッ!!!」  
「な、なによソレ! ただの無節操なヘンタイじゃない!」  
 
 なにがヘンタイだぁっ!  
 きっと俺はどうかしてたのだろう。  
 俺は湯船から立ち上がると、天を突くようにそそり立ってるマイ・バズーカを  
詩織に見せつけながら言った。  
 
「知るかっ! お前なんか凶悪に胸でかいし、いい匂いするし、柔らかそうだし、  
そんなの裸で見せ付けられたら触りてーし揉みてーしもっといろいろしてみたくなんのは  
トーゼンだろーが! こうならねえ訳ねーだろバカ!」  
 
 
 
 
 
 
    終 わ っ た ・ ・ ・ ・   
 
   俺、 終 わ っ た ・ ・ ・ ・   
 
 
 俺の脳の中の冷静な部分はそう言ってた。  
 たぶん、俺死ぬ。  
 コイツに殺されて死んじゃうンだろうな。  
 
 殺されないまでも。  
 もう二度と、詩織は口きいてくんないだろうな、みたいな寂しさと  
それにともなう後悔がふつふつと沸いてきた。  
 なんでだろ?  
 なんでこんなこと、しちまったんだろ?  
 可愛い女の子が、一緒の湯船に入ってるなんてフツー考えたら幸せじゃん。  
 超がつくくらい、幸せなことじゃん。  
 今の俺の状況を代わってやる、って言ったら涙を流して喜ぶヤツなんかそれこそ、  
山のように居るよ。  
 それなのに、なんでソレをぶち壊しにするようなことするかなオレは。  
 時間の止まったような浴室の湯気の中で俺は考えた。  
 
 結論はすぐに出た。  
 きっと、オレは詩織に男扱いされてないのがイヤだったんだろう。  
 幼稚園の頃みたいに、詩織はオレのことを男だと意識せずにいる。  
 だから、無警戒もいいとこの全裸での浴室乱入なんてのをやらかしてしまうわけで。  
 全裸を晒しても、同じ湯船に入っても安全な相手。そう思われてしまってるのが。  
 それが悔しかったんだ。  
 
 
 俺が予期していたような詩織の悲鳴はいつまでたっても聞こえてこない。  
 
 視線を下にやると、掌で顔を覆っている詩織。  
 でもその指の隙間からは俺の最大仰角のキャノン砲をしっかりきっちり見ていたりする。  
 剥いたトマトみたいに顔全体を真っ赤に染めている。  
 詩織は口を開いた。  
「さ…」  
「さ?」  
「……さわりたい、の?」  
 ギンギンに臨戦態勢の俺のチンコを顔を覆った掌の指の間から覗きながら、詩織はそう言った。  
 
 湯船の中に正座して、俺は思わず言ってしまう。  
「さ、触りたいです!」  
 だからなぜ敬語。  
 
「……だ、だったら……さ、さわ…っても、イイ…わよ」  
 途切れ途切れの詩織の言葉。ばら色に染まった頬。  
 ヤバイ。詩織ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。  
   
 詩織ヤバイ。  
 
 まず可愛い。もう可愛いなんてもんじゃない。超可愛い。  
 
 可愛いとかっても  
 
「ハロプロ20人ぶんくらい?」  
 
とか、もう、そういうレベルじゃない。  
 
(省略されました。・・全てを読むにはワッフルワッフルと叫びながらここを押してください)  
 
 
 
 
 
 
 
 
 そんな可愛い詩織のおっぱいを触ろうとしている俺とか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。  
 
 
 
 詩織は俺のそんな興奮を知ってか知らずか、湯船の中で胸元に当てていた手を  
自分の背中に回し、胸元を突き出すようにして瞳を閉じる。  
 
 目、目ぇつぶんなあああ!!  
 クソ。なんだよコレ。なんでこんな、凶悪に可愛いんだっつーの!  
 顔真っ赤にして、目を閉じながら顔をちょっと上向けて。  
 胸を突き出すようにしてきやがってる。  
 ただでさえクソでかいコイツの胸が。上体反ってるので  
もっと砲弾状に飛び出しやがってます。  
 その上、お湯の上に浮いてますこの乳。  
 エウレカ!  
 アルキメデス先生!おっぱいはお湯に浮きます!!!  
 
 色白の、砲弾状の詩織の乳房。お湯に浸かっているせいか、それとも興奮しているせいなのか、  
内側から薄桃色の火照りが見て取れる。  
 白くて、柔らかそうなその先端には周囲と比べるとほんのちょっとだけ色の濃い乳首がある。  
 触りたい。いや触っていいんだ。  
 
 俺の伸びる手が小刻みに震えだすのが止められない。  
 そして震える掌が詩織のおっぱいへ着陸する。  
 
 うわ。  
 うわ。  
 うわあああ。  
 手、溶けそう。  
 ふにふにですべすべでやあらかくて、指の間からもにっと漏れてくるほどで。  
 ぐっと押すとふにっと掌ごと埋まりこんでしまうくらいボリュームあって。  
 なんだよコレ。何だよ!  
 し、詩織の…おっぱい、なんでこんなに…イイんだよ!?  
 
 小さく、柔らかさを楽しむように揉む。手指に伝わってくる感触はつきたてのお餅より  
マシマロより柔らかくて。  
 大きく、乳房全体を動かすように揉む。でもでっかい詩織の胸は掌からあふれてこぼれそうに  
なりながらも俺の掌に従う。  
 
 掌の真ん中辺りに固い感触が。  
 詩織の乳房の先端が、固く尖りだして掌の中に当たっている。  
 掌全体で詩織のおっぱいを潰すように胸に押し込む。  
 固い乳首が掌にくすぐったい感触を与えてくる。  
 
「・・・・・・・・・バカ……エッチ……ホント、最低……なん…だから」  
 鼻をすすりながら、半泣きの詩織の顔。  
 おっぱいに夢中になりすぎて、詩織の顔なんか全然見てなかった。  
 
「ごっごごごごごめん」  
 慌てて手を引っ込める。泣かしちゃダメだ。泣かしちゃ。  
 ゴメンゴメンよ婆ちゃん詩織泣かさないって言ったのに泣かしちゃってゴメン。  
 心の中でなぜかそう謝っていると  
「な、ナニやめてんのよ!」  
とまたもやキレ気味の詩織。  
「え、だって詩織泣いてるじゃん」  
「泣いてないわよ!」  
 ……目からは涙はあふれそうになってるけど。それって泣いてないんすか?  
「触るの、イヤなの?」  
 いやいやいやいあとんでもない。好きです。大好きです。もっと触りたいであります隊長!  
「…馬鹿みたい。触っていいわよ」  
 どうも今の俺は脳と口が直結してるらしく「隊長」までしっかり発音していたらしい。  
 あ゛ー。恥ずかしいがまあソレはソレとしておっぱいだ。  
 
 今度は詩織を泣かさないように、そっと触る。  
 っていうか、おっぱいを見てるからイカンのだ。詩織の顔を見ながら…  
 アレ?  
 柔らかく手指を乳房に押し込む。指の形がおっぱいに埋まりこむ。  
 すると詩織は首を軽くすくめながらちいさく首を振るようにしている。  
 苦しいのかと思い、手の圧迫をなくすと詩織は安堵半分物足りなさ半分みたいな顔で  
俺の手を熱い目で見つめている。  
 掌で乳房を持ち上げるように揉む。ちゃぷ、と水音がするくらい強く。  
 すると詩織はなにかをこらえるかのように、切なげに眉を寄せながら小さく溜息を吐く。  
 指をふにふにふにふに、と乳に埋まりながら動かすと詩織は目を伏せながらかすかな甘い  
吐息を漏らす。  
 俺は詩織のその表情を見ているだけで、ゾクゾクしてきた。  
 もうものすげー色っぽい。  
 俺爆発しそう。  
 
 

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