二口婦警さんから解放され、講習を受けるべく奥の扉を開く、
『・・・遅い、何をしていた?まぁいい、早く席へ着け。』
扉の向こうにはホワイトボードと椅子と机、それに腰掛けている数人の男女と、
赤と青のチェックの上下を纏ったお姉様だったのです。
第四話
『・・・・たしかに私達現代妖怪なる物は歴史が浅く、本家の年老いた"妖怪"とは別の存在であり、
力も比べるまでも無かった。 が、現代人の生活は変わり、八百万の力は弱り、人の関心は
自然以外の物へと移っ・・・・』
『・・・・つまり今生き残っている"妖怪"はメジャーだった数十匹しかおらず・・・・・』
『・・・・口裂け女の話は抗議の電話で放送中止されたとも有名で・・・・』
『・・・・偶にネット等で生まれる強力な現代妖怪も・・・・たまに人里離れた土地に生き残っている精霊の・・・・』
『まぁ現代妖怪には弱点も多く・・って・・・あ〜、メンドイからあとは各自でテキスト読んで。』
ええ〜!?いいのかよ、そう思いながら早く終わった事に感謝していると、
「ちょっ!真奈美、もう少ししっかりやった方が・・・」
隣の男がチェックのお姉様にオドオドしながら真面目にやろうと促す、そうか、真奈美って名前なのか・・・、
『あら、彼方が居たから特別に早く終わらせたのに不満?』
「あ、いや、そういう事じゃ・・・」
知り合いなのか、いいなぁあんな美人と知り合いで、
そうこうしている間にお姉様、真奈美さんは男に近づき、そのほっそりとした腕を首に回す、
『ねぇ〜、赤い髪と蒼い髪、どっちが好き?』
「ん〜、蒼い髪?」
なんともまあ甘い空気が・・・
前言撤回
彼女は素早く男の後ろに回り込むと、首に回した手を完璧なチョークスリーパーホールドへと変化させていた、
『・・・そう、蒼い"紙"ね・・・』
彼女の腕がギリギリと男を締め上げる、
『だめだよ、浩次(コウジ)そんな時には
「君みたいな綺麗な黒い髪が好きだ」 って言わなきゃ・・・私以外の妖怪だったら殺されちゃってたよ〜、』
子供に語り聞かせるような声色と表情でささやく彼女、
そしてもう酸素どころの問題ではなく首の骨がへし折られそうな真っ青な顔の男、
いえいえいえ!?死にそうです!すでに死にそうですよ彼!!
「み、見・・事だ・・・真奈・・・美・・・」
意識が朦朧としているにもかかわらずグッと親指を立てながら微笑む男、
何故そこでグッドなんてできるんだ彼方は!!
『もう〜、こんな所で恥ずかしいじゃない!!』
彼女はチョークをはずし彼の頭を抱きしめる、
「ふっ、君の美貌とチョークが美しすぎるからさ、」
『もう、浩次ったら。そうだ!今日から彼方の家に泊まれるのよね!!今晩は何が食べたい〜?』
「もちろんきm
出てきました、皆で出てきましたとも、あんなバカップルっぷりを見せ付けられ皆言葉を発する事無く。
出て行くときに二口さんが声を掛けて来てくれたけど、 ごめんなさい。の一言だけ発して終了証
を受け取りに行く、受け取る際に
『赤い紙と青い紙どっちが「終了証・・・」
『え・・?あの「終了証」
『・・・ご、ごめんなさい』
なんてやり取りもあったけど、無事終了証を受け取ることができた、
家への帰り道、貰ったテキストを読みながら歩く、
家に居るであるだろう最大の難関である彼女の事を考えながら。