「――ん」  
 エルカの意識が浮上する。  
(あれ? 私…どうなったの)  
 霞が掛かったような意識の中、辺りを見渡す。どこかの牢獄らしい。  
窓のない大き目の部屋には鉄格子で区切られた小さな空間がいくつも並んでおり、  
エルカはその牢獄の内の一つで目を覚ましたのだった。  
「目ぇ覚めた?」  
 蝋燭が灯った牢獄の中、鉄格子の向こう側でピンク髪の少女が無邪気な笑顔を浮かべている。  
 自分より二つ三つ年下に見える、知らない女の子だ。  
「――あの、どちら様ですか?」   
 目前の少女が鉄格子に思い切り頭をぶつけた。ごちん、と痛そうな音が地下牢に響き渡る。  
「アタシ今分かった。エルカちゃんはボケ担当だ」  
 頭を摩りながらやたらと際どい、というより露出度の高い格好をした少女が呟いた。  
「あのねー。それマジで言ってんの? アタシのこの格好見て?」  
 蝙蝠の翼をはためかせ、尻尾を鉄格子に絡ませる。  
(……夢じゃなかったんだ)  
 幼い悪魔を中心に、エルカの瞳が焦点を結んだ。  
「あの、あのっ、君、本当に悪魔さんなの?」  
「そうよ? ファシスから聞いてないの? プリティでキュートな悪魔の話! その名も、コノット=シュトリ!」  
 えへ! と自画自賛する悪魔を見て、エルカは悲しい表情を浮かべた。  
(こんなに可愛い女の子が、悪魔だなんて)  
「じゃあ、街の人や傭兵さん達の精気を吸って……廃人にしたのも、君なの?」  
「うん♪ おにーさん達の精気、とっても美味しかった!」  
 まるで世間話でもするように、少女は残酷な答えを口にした。無邪気な笑みが底冷えするほど恐ろしい。  
「どうして、そんな酷い事するのっ?」  
「ハア? 何言ってんの? 人間だって動物殺して美味しそうに食ってるじゃない?  
 悪魔が人間の精気を吸って何が悪いのよ?」  
「そ、それは……で、でも、私のお母さんとファシスの家族は、悪魔に殺されたんだよ!  
 精気を吸う以外の方法で…!」  
「ああ、それは別の悪魔の仕業ね。趣味の悪い奴が居るなあ」  
「どういう事?」  
「悪魔って言っても色んな奴が居てね。アタシは『シュトリ』っていう悪魔の種族なんだけど、  
 シュトリの悪魔は人間から精気を吸ってエネルギーにしてるの。でも全部の悪魔がそういう訳じゃない。  
 中には人の不の感情を食べる奴も居るし、生きた人間をそのままバリバリ頭から食べちゃう奴も居るらしいよ?  
 まあ、また聞きだけど。っていうかそういう事シスターのアンタの方が良く知ってるんじゃないの?」  
 
「あー。私はエクソシストになるつもりは無かったから、ちゃんと勉強してないんだ」  
 てへへ、と舌を出して――エルカはとある事に思い付き、その状態で凍りついた。  
「――あの、だったら私は、ひょっとして今から君に精気を吸われちゃう、っていう事?」  
「バッカねえ、そんな事しても、ファシスの奴を怒らせるだけじゃん。  
 エルカちゃんにはね、もっと素敵な事をしてあげる♪」  
 悪魔少女が鉄格子を開けて、牢獄へと入ってくる。  
「え、やだ。ちょっと、来ないで!」  
「ふふふっ、駄目じゃんそんなに怯えたらっ。アタシ、苛めたくなっちゃうよ♪」  
「嫌! ――うっ!? げほっ、げほっ!」  
 にじり寄る悪魔から離れるように、壁際へと後ずさる。だが、急に首に圧迫感を感じて咳をした。  
 首周りを触ってみると、目前の悪魔がしているのと同じように、エルカの首には鎖が嵌められていた。  
 それは石畳の床を伝って、鉄格子へと繋がれている。  
「ふふふっ。ざーんねん。逃げられません♪ あ、そうそう。装飾品の十字架は没収してあるから。  
 ついでにそのシスター服の対魔防御も無効化してあるよ♪   
 ストックしていた精気を半分も使っちゃったけどねっ」  
「そんな…」  
 いざという時の為に施してあった対魔装備が既に無効化されている。そうなれば、エルカは只の非力な少女だ。  
「ふふふっ。観念しちゃいなさい♪」  
「やだ! 助けて! ファシス!」  
 叫びながら両手で頭を庇う。だがピンク髪の悪魔は小さな手でそれを退かすと、  
「――ファシス! ――んむっ?」  
 エルカの唇を無理矢理奪った。目を白黒させていると、逃すまいと悪魔が首の後ろに手を回して、  
 顔を更に密着させてきた。  
「んっ!? ん――――っ!」  
(私、私のファーストキスが、悪魔に奪われちゃった…!)  
 しかも、お互いを慈しみ、慰めあうようなキスではない。年下にしか見えない少女は、  
 エルカの口内に舌をねじ込み、唾液を送り込むと、粘膜を嘗め回してくる。  
 まるで娼婦のようにいやらしく、音を立てながら。  
「んちゅっ♪ ちゅる♪ ちゅううぅぅっ♪」  
「んんんんっ!?」  
 舌同士を絡ませた後、思いっ切り唾液を吸われる。粘膜同士が擦れる生生しい感触と、  
 呼吸のし辛さに息苦しくなってきた頃、ようやく悪魔っ子が離れた。  
「ぷはあっ♪」  
 
「はあっ――けほっ、けほっ!」  
「んー? エルカちゃんには刺激が強すぎたかなー?」  
 ぺろり、とコノットが唇を舐める。その姿は幼子にしてはどこか色っぽく、様になっていた。  
 同じ女なのに、どきりとしてしまう。  
(やだ、女の子とキスしたのに、どきどきしてる)  
 どくん、と心臓が高鳴る。まるで恋をする乙女のように、熱く、胸を締め付けるような感情が渦巻く。  
 それは、目の前の悪魔の姿を見るだけで徐々に激しくなっていく。  
「……まさか! これ、ひょっとして魅了の魔術!?」  
「せいかーい♪ さっきチューした時にね、涎を媒介にチャームをかけたの♪  
 体液を媒介にした魔術はアタシの十八番だからね♪ 精気を吸うのも同じだよ?  
 人間の精液を媒介にして吸収するんだから」  
「――精液って…まさかそれって、その…君は精気を吸う時に…あの……雄しべと雌しべがむにゃむにゃ――」  
「うん。エッチしてるよ?」  
「ひきっ」  
「エッチが駄目ならセックス」  
「うひゃあっ」  
「交尾。結合――それから、合体!」  
「きゃあ…!」  
 エルカは顔を真っ赤にして奇妙な声を上げる。だがそこでエルカは気が付いた。  
 悪魔の言う事が本当なら女である自分は精気を吸い取られない。少し、安心する。  
「――今。女の自分は大丈夫、って思ったでしょ?」  
「ええっ?」  
「エルカちゃんの精気は貰うよ♪ 必要な行為だからね♪」  
「え、でも私、」  
「チンコ付いてないから無理だって?」  
「ち、チン…!」  
 可愛らしい少女の口から卑猥な単語が飛び出して赤い顔を更に真っ赤にさせた。   
「ふふふっ。シュトリの悪魔をバカにしてるね?」  
「――きゃあっ」  
 いきなり押し倒される。エルカの足の間に体を滑り込ませたコノットは、面倒臭そうな、  
 だがどこか楽しげな表情で彼女のスカートを捲り上げた。  
「うっとおしい服だなあ。ジャマだなあ♪」  
「あ、駄目え!」  
 捕まる前に自慰に耽っていた事がばれないかと思い、エルカは大声を上げた。  
 だがコノットは捲りあげたスカートに上半身を突っ込ませる。  
『あれー? なんだかヤラシイ臭いがするぞー?』  
「いやああぁっっ!」  
『パンツもぐっちょり濡れてるし。ふふふ、エルカちゃんは教会で何をやっていたのかなあ?』  
「駄目ー! 言わないでぇ!」  
 
『バレないと思ってたの? んなわけないじゃん。  
 教会の外で行き倒れの振りをした時からプンプン臭ってたのにね? エルカちゃんのスケベな臭いが』  
(ばれちゃったっ! 悪魔に、よりにもよって悪魔にエッチな事してたのがばれちゃった!)  
「うわぁぁん…!」  
 あまりの恥ずかしさにとうとうエルカは泣き出してしまった。  
『…あらら』  
 スカートの中からコノットが顔を出す。  
「泣くような事? シたくなったならスればいいんじゃん?」  
「ひーん…!」  
「ね? それよりオナニー気持ち良かった?」  
「っ!? そんな訳、ないじゃない!」  
 容赦ない言葉に思わずヒステリック気味に叫んでしまう。言い過ぎたかとも思ったが、  
 悪魔はむしろしてやったりとした顔をして、こう言った。  
「じゃあアタシが気持ちよくしてあげる!」  
「…え?」  
 すっ、と流れるような動作でコノットがエルカの背に回りこみ、小さな体を密着させた。  
 一見じゃれ合っているように見えるが、そんな訳はない。指を露出させた黒いグローブが、  
 スカートの中に忍び込んだのだ。  
「きゃぁ…!?」  
 湿り、冷たくなった下着の上から、悪魔の手が女の園をゆっくりとなぞる。  
 それだけで一度鎮火させた筈の性欲が再び燃え上がった。  
「ふふふっ♪」  
 悪魔の手は慣れた動きで、エルカの秘所を弄り始める。下着の上から、スピードに緩急を付けながら、  
 淫裂に触れるか触れないかくらいの場所を撫で、時折思い出したかのように肉ビラを擦りあげる。  
「ふあっ…!?」  
 高められた性感に、突如快楽が閃いて、つい悩ましい声が出てしまった。  
(やだ! どうしてこんなに上手なのっ?)  
「感じてるエルカちゃん? アタシの指、気持ちイイでしょぉ…」  
 耳元で幼い声が囁かれる。ふう、と息を耳に吹き掛けられるとぞくぞくとした快感が脊髄を突きぬけ、  
 背筋がピンと張った。エルカの理性が優しく溶かされ、従順にさせていく。だが、彼女も年頃の女の子、  
 恥じらいの精神は簡単に崩れない。  
「そんなっ、事っ、無いもん…!」  
 
「ありゃぁ? よくない? じゃあもっと激しくしよう♪」  
「――ああっ? 駄目え!」  
 スカートの下で、悪魔の手が下着の中へと進入する。つぷり、と小さな指がエルカの膣へと沈み込んだ。  
(指、指が入ってくる!)  
「ふふふっ。さーあ、エルカちゃんの敏感な所はどこかなあ?」  
 一本だけ進入した悪魔の指は、角度を変え、深さを変え、スピードを変えながら、  
 肉ヒダの感触を一枚一枚愉しむように膣内を這い回る。  
「…んっ! んんっ! ――きゃあ!?」  
 処女膜の根元、尻ではなく腹の方の膣壁を擦られると、一オクターブ高い嬌声と共に腰が跳ね上がった。  
「おっ? エルカちゃんのGスポ見ーけっ♪」  
「駄目! そこだめえ! ――きゃあんっ!」  
 快楽神経の集中する性感帯を指で撫で、押し込まれ、爪で引っ掛かれる。  
 その度にエルカのシスター服の少女はぶるぶると体を震わせて、腰が浮いてしまうような快感に喘いだ。  
 サーモンピンクの粘膜から粘性の高く白っぽい液を滲み出し、スカートの中でぐちょぐちょと卑猥な音を奏でる。 エルカの鼻が、甘酸っぱい性臭を嗅ぎ取った。  
「ふふふっ…! スケベな臭いをさせておいてっ、マンコをぐっちょぐちょに濡らして何がダメよ…!」  
 エルカの欲情ぶりに悪魔がその本性を垣間見せる。嗜虐的な笑みを浮かべながら、興奮に息を荒げて、  
 哀れな人間の少女を罵った。  
「シスターが教会でオナニーだなんて信じられない! もしあのディースが生きてたら何て言うかしらね!?」  
「やだあ! やだあ! ――やぁん!」  
 悪魔の言葉が、エルカの心をズタズタに引き裂いていく。  
 自己嫌悪と、自分を慰める時には得られなかった強烈な快楽――相反する二つの要素が、彼女思考を削り取った。  
「涎垂らして、エッロい声まで出して…! この淫乱!」  
「あ! や! 違う! 違うのぉ!」  
「…違わないよ?」  
 ふと、唐突に悪魔の声が優しくなった。  
「ニンゲンはね、誰だって弱い。面倒臭い事はしたくないし、期待されれば重荷になる。  
 痛いのは嫌だし、気持ちイイ事は大好きなの」  
 指が引き抜かれる。  
「エルカも、街のニンゲン達から期待されるのが苦しいでしょ? ディースと同じ目で見られるのが辛いでしょ?  だから自分で慰めてたんだよね?」  
「…う…ひっく…」  
 
「しょうがないんじゃない? 彼氏もママも居ないんじゃ、自分で慰めるしかないもんね?」  
「…君…」  
 悪魔の励ましの言葉に不覚にもエルカは胸をきゅんとさせてしまった。  
「コノットでいいよ♪ これから長い付き合いになると思うし♪ まあ、それはいいとして…」  
「――あっ!? やだ、コノットちゃん!?」  
 引き抜かれたと思った指が今度は敏感な肉真珠を捉える。  
「心配しないで。アタシに全部任せて? ね?」  
「でもっ――あ!? ひゃん!」  
 竿越しに、エルカの最大の弱点を扱かれる。  
「ここ、好きなんだよね? オナニーする時、いっつも弄ってるんだよね?」  
(やだ! どうして!? そんな事まで!)  
「シュトリの悪魔はね、女の子の心とその子の潜在的な意識まで読み取る力があるんだよ? だから、  
 エルカちゃんが本当はエッチな子なんだとか、どこを触るのが好きだとか、そんな事まで分かっちゃうの」  
「ふえ!?」  
「ほら。クリちゃん、こうやって皮越しに触ると気持ちイイでしょ?」  
「あっ!? やぁ! んん! んんっ!」  
 柔らかい包皮越しに肉豆を揉まれる。目の奥がつーんとして、下半身がじんじんと痺れた。  
 肉壷から蛇口を捻ったようにラブジュースが湧き出してくる。慣れてしまった感覚だと認識すると、  
 声を出すまいと反射的に服の袖を噛んだ。  
「あははっ♪ だいじょーぶだよぉ。ここなら、アタシとエルカちゃんしか居ないから。  
 エッチな声、いっぱい出してもいいんだよぉ?」  
(私とコノットちゃんしか、いない?)  
「そお。寝かし付けた子供達の事を気にする必要は無いの。だから、声出して?  
 アタシに、エルカのえっちい声聞かせて?」  
 悪魔に魅了されたエルカは、耳元で囁かれる声が甘美に思えてしょうがない。  
「ふっ! ん! ――ぷあっ! あはぁっ! きゃんっ! やあんっ!」  
「そうそう、その調子♪ 声に出した方が気分いいでしょ? ふふふっ、もっといい事しようね♪」  
 悪魔が呪文を唱える。  
「――きゃああぁぁっ!?」  
 突如、クリトリスから激感が生まれる。まるで快楽神経その物を引き抜かれるような感触だった。  
「ふふふっ、かーんせい♪」  
「はあっ…はあっ」  
(何? 何を言ってるの? ――あうっ? やだ! お豆さんが、パンツに擦れてる!)  
 胸が成長しサイズが合わなくなったブラのように、ぴったりのサイズの筈の下着がとても窮屈に感じてしまう。  
「エールカちゃん。ほーらよーく見なさいよ? ――そおれ♪」  
 コノットがスカートをたくし上げ、愛液でべちゃべちゃに下着をずり下ろした。  
 ぶぅん、としなるように、それが元気良く飛び出す。  
「――いやあああっっ!?」  
 コノットは自分の目を疑った。女である自分の股間から、男性器が生え、びくびくと脈打っているのだ。  
「どう? 立派なおちんちんでしょ? クリトリスに魔術を掛けたの。ちゃんとセーエキも出るよ♪」  
「やだあっ、取って! こんな気持ち悪いのいらない!」  
「ふふふっ。そんな事言っていられるのも今のうちなんだからねっ」  
 不敵な笑みを浮かべたコノットは、正面に回り込む。エルカが何をするか問い詰める前に、  
 愛らしい口が不気味な肉棒を咥え込んだ。  
 
「ひやっ!?」  
「んちゅう…ぴちゃぴちゃっ…れろれろっ♪」  
「ひっ! ふぁっ…! やっ、らめっ、えっ…っ!」  
(嘘っ、すごい、これっ! とろけそう!)  
 未知の器官に舌が這い回ると、腰が砕けそうな快感がエルカを襲った。  
(やだ! 腰が勝手に!)  
「ん!? んふふっ♪ ぷちゅぺちゃっ…ぺろぉっ…はむ! …んっちゅ! ずっちゅっ♪」  
 恐ろしいまでの快楽にコノットの喉奥に肥大化クリトリスを突き込むが、悪魔の少女は苦しい素振りどころか、  
 上目遣いでエルカを見上げながらフェラチオを続ける。コノットが口を窄ませ、頭を前後に振ると、  
 勃起した異物の根元に向かって何かが集まって来るのを感じた。  
「あ!? やぁ! それ以上はぁ!」  
 オスとしての絶頂を迎える直前。コノットがエルカのペニスを開放する。  
「ぷあっ♪ ――あはっ、こんなにチンチンびくびくさせちゃって、かわいー♪」  
「あう…やだあ…そんな事言わないでぇ…」  
「ふふふっ、でも、気持ち良かったでしょ? おちんちん♪」  
「そ、そんな事…」  
「エルカちゃんの嘘つきシスター。フタナリチンポから先走りダラダラ垂らしても説得力ないわよ?」  
「ひーん…っ」  
「ほらぁ。さっきの続き、本当はシたいんでしょ? チンポの根元に溜まったいやらしい汁、出したいんでしょ?」  
 ゆっくりとエルカの体が押し倒される。上に跨ったコノットが顔を寄せ、耳元で囁く。  
「アタシの中で、出させてあげる♪」  
「…え…? ――あ!?」  
 コノットがお預けを受けたエルカのモノを優しく掴みと、自らの秘裂へと導いていく。  
 ちゅぷぅっ、という水音と共に、シスターと悪魔は繋がった。  
「ああ!? だめえええっっ!?」  
 どぷっ! どぷっ! どぷっ!  
 滑る肉壷へとイチモツが進入した直後、既に限界まで膨張していたそれが弾けた。  
(ふああああっ!?)  
「あん!? もう、やだぁ…っ! エルカちゃんってば入れただけで出すなんてぇ…!」  
 文句とは裏腹に、悪魔の娘は膣内に出される熱い液体の感触に、眉尻を下げて悦んでいる。  
 一方エルカの方も、初めて味わった男の絶頂に、体を震わせていた。  
(すごい! こんな! こんなのって!)  
「ふふふっ♪ 涎垂らして悦んじゃって――エルカちゃぁん。分かってる?  
 今からアタシ、精気を吸い取るんだよ?」  
「…ふえ?」  
 絶頂の余韻に息を荒げていくと、急に虚脱感に襲われた。  
「あっ!? あっあぁぁっ…!?」  
 
「んっ、はあぁぁぁ♪ エルカちゃんの精気、おいしいぃ♪」  
(そんな、どうして…?)  
 同じように涎を垂らして悦ぶ悪魔の少女を呆然と眺める。  
「ふふっ、アタシ、エルカちゃんの精気を吸わない、って言った覚えは無いわよ? それにこれは必要な行為なの」  
「な、なんの…?」  
 怯えるエルカを見るコノットが嗜虐的な笑みを浮かべる。そして彼女の問いには答えず、唐突に切り出した。  
「ねえエルカぁ。シュトリの悪魔がどうやって生まれるか知ってる?」  
「し、しらないっ――やあっ。動かないで!」  
 繋がったまま、コノットが腰をくねらせる。  
 溜まった物を吐き出した肉棒は、萎れるどころか更にその硬度を高めた。  
「アタシ達はね。ニンゲンの女を同じ悪魔に変える事で繁殖してるの」  
「…えっ?」  
「ニンゲンの女だって、カッコよくて、逞しい男を見ると、欲情するでしょ?  
 アタシ達も同じ。同族になるに相応しい、エッチな女を見ると、欲情しちゃうの」  
 そういうコノットの瞳は劣情に濡れて、怪しく揺らいでいる。  
 エルカを見詰める悪魔はいつしか、はあはあと息を荒げていた。  
 
「エルカちゃんは悪魔になるの」  
 
「ええ!?」  
 悪魔のとんでもない言葉に、エルカは驚愕の声を上げた。  
 

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