「ファシス言ったよね? 私の部屋で、私の奴隷になるって」  
「あ、あれは…!」  
「口答えは許さないよ? 奴隷なんだから」  
 悪魔の瞳を半眼にし、エルカは残虐な表情を浮かべる。  
「うふふ、私とコノットで、今からファシスを本当の奴隷にしてあげるね。誰に対してもお股を開くような。  
 一日中欲情しているような。自分からおちんちんをおねだりするような――そんな淫らな肉奴隷にしてあげる。  
 素敵でしょ?」  
 エルカは背筋を振るわせる。親友を絶望させるだけでなく、獣同然の存在へと貶める。  
 想像すると、背筋を心地よい寒気が走りぬける。  
「そんな…嫌に決まってるじゃないか!」  
「そう? じゃ、私コノットと一緒にこの街を出て行くね」  
「今生の別れね」  
 二匹の悪魔がいきなり立ち上がる。エルカの股間からファシスの精液が溢れ出し、下着を汚していった。  
 一方、魔術の効果が切れたのか、ファシスの擬似男根も綺麗に消え去っている。  
(動揺してるね?)  
 愛する者と二度と会えなくなるという恐怖に、ファシスの心は凍えていた。  
「この街、母さんの匂いが沢山してうっとおしいし、二度と戻ってこないから」  
「楽しかったわよ。じゃあねん♪」  
「――待て!」  
 背を向ける二匹の悪魔に、ファシスは思わず声を掛けていた。  
「何か聞こえた?」  
「空耳よ」  
「待ってくれ! 頼む!」  
(うふふ☆ ファシスったら必死なんだから、おかしいっ)  
 必死の懇願に、ようやく悪魔達が振り返った。  
「ファシス、どうしたの? 奴隷は嫌じゃなかったの?」  
「…嫌だ。けど、エルカと離れるのはもっと嫌なんだ!」  
 最初から選択肢などない。ファシスの運命は決まっていた。  
「だからナニ? ほら、ちゃんと最後まで言いなさいよ――分かってるでしょ?」  
「エルカの奴隷にしてくれ!」  
 ファシスの口から再びその台詞を聞いて、邪悪な心が満たされていく。だが、  
(足りない。それじゃ足りないんだよファシス)  
「違うよぉ肉奴隷だよぉ。意味が全然変わってくるんだからぁ」  
「くっ…!」  
 ファシスが屈辱に臍を噛む。惚れた弱みか、どんな理不尽な要求にも堪えるしかなかった。  
 悔しさと愛しさの狭間で揺れるファシスの顔。その顔を見ると、胸が高鳴ってきた。  
「え、エルカの――肉、奴隷に、なりたい、です…」  
 その瞬間、悪魔達の中で何かが弾けた。コノットが爆笑し、エルカが歪んだ笑みを浮かべる。  
「あっはっはっは! ねえ聞いた聞いた!? 肉奴隷になりたい、だって! どこの変態よ!?  
 今時娼婦でもそんな事言わないわよ!?」  
「仕方ないなあ。ファシスがそこまで言うなら、私――いや、私達かな? 肉奴隷にしてあげてもいいよ?  
 全く、しょうがない変態さんだねっ、ファシスは?」  
 悔しさで涙を流すファシスを身ながら、エルカは興奮に徐々に息を荒げていった。  
「でも。ようやく素直になれたね」  
「ラブパワーって奴ね。恐れ多いわ」  
 
 二匹の悪魔が再びファシスへと近づく。その心と体を、貶める為に。  
 だが、同時にファシスは心のどこかで安心しているようだった。  
 これで、エルカと一緒になれる――そんな思考が流れ込んできた。  
(そんな考えが吹っ飛んじゃうくらい、今から酷い事、されるのにね)  
「うふふ☆ それじゃあファシス。望み通り肉奴隷にしてあげるよ」  
 ファシスを組み敷く。彼女はエルカの顔を見ないようにしながら尋ねてきた。  
「また、あのおぞましいモノを生やされてしまうのか?」  
「おちんちん? 違うよぉ、今度は私がファシスを犯すんだよぉ」  
「…何っ?」  
 言って魔術で自らの肉豆を変化させる。皮を押し広げながら肥大化していくクリトリスの感触に、  
 エルカは甘い声を漏らした。目の前に突きつけられた異形の物体に、ファシスが目を見開く。  
「あん――さあ、ファシス? お股、開いて」  
 だが、抵抗は無駄だと分かったのか、顔を真っ赤にしながらファシスは大人しく従う。  
 その顔を、滅茶苦茶にしたいと思った。  
 尻尾を素早く動かす。矢じり型のそれを股下で挟むように服の下へと潜らせ、擬似ペニスの真下へと持ってくる。 そしてそれを脈打つ茎へと螺旋状に巻き付けていった。  
「な、何をしているだ!?」  
 横目でそれを見ていたファシスが狼狽の声を上げた。それはそうだろう。  
 これから自分の処女を散らす肉棒が、いまや少女の手首ほどの太さになっている凶悪な物ならば。  
「はあ、はあ、見て分からない? おちんちんに尻尾を巻き付けてるの」  
「ま、まさかそれを?」  
「当たり前だよ。この太いのをファシスの中に突っ込むんだよ」  
「馬鹿な! 入る訳がない! 止めてくれ!」  
「うるさいよ!」  
 ぱしんっ、口答えするファシスの頬を、叩く。立場の分かっていないファシスには折檻をする必要がある。  
「…エルカ…?」   
「肉奴隷なんでしょ!? そんな口、利いてもいいと思ってるの!?」  
「う、あ…許してくれ…! 頼む…」  
「駄目っ。ファシスは、私達の玩具なの…! 玩具は黙って、犯されて!」  
 仲良く矢じりと並んだ亀頭を、ファシスの濡れた淫裂へとあてがう。  
「ひっ!」  
 恐怖に青ざめるファシスの顔を眺めてから、  
 一気に、それを突き入れた。  
 めりめりめりっ!  
「ひぎいいぃぃっ!?」  
「はあっ! はあっ!」  
(入ってる! 私のが、ファシスの中に入ってる!)  
 明らかにオーバーサイズのイチモツが、ファシスの膣内を強引に拡張しながら最奥へと到達した。  
 処女膜は無残に散らされ、ファシスの太股に多量の血が垂れる。  
 
「死ぬぅ! 抜いて! 抜いてぇ!!」  
 体の中心から裂かれるような激痛が、ファシスを襲っている。その感覚を読み取り、幾分か共有しながら、  
 彼女の悲鳴を聞いていた。友人の叫びは、音楽家の演奏のように心に染みて心地よい。  
「大丈夫だよぉ。さっきのエッチで、肉体強化の魔術を少し掛けてあげたから、これくらいじゃ壊れないよ?  
 アソコ、沢山裂けたみたいだけどね?」  
「ありゃあ、かわいそーに。治ってもマンコガバガバになっちゃうかもね」  
「そうなったら、ファシス。私達のおちんちんじゃないと満足できない体になっちゃうね?」  
「そん、なっ…! ――ぎゃあっ!」  
 蛙が潰された時のような醜い叫び声。エルカが腰を思いっきりピストンさせたのだ。  
「ねえっ、嬉しいっ? 私無しでは生きられない体になって、嬉しいっ? 何とか言ってよ!」  
「あっ、があ! ひぎぃ!」  
「はあっ! はあっ! ファシス! なんて痛そうな顔っ、痛そうな声! もっと見せて、もっと聞かせて!」  
 狂ったように腰を動かす。溢れ出る鮮血を潤滑油に、まだ未開の膣を蹂躙していく。  
 女性にしては引き締まった下腹の一部があり得ないほど膨らみ、エルカのピストンに合わせて  
 男根の形を浮き上がらせる。  
「あらあら、かわいそーに。アタシが慰めてあげよう♪」  
 コノットがファシスの背へと回り込む。  
「はっ! ぎいっ! ――はぁっ…!?」  
 悲鳴の中に、甘い声が混じった。コノットが、優しくゆっくりとした動作でファシスの胸を揉み解し始めたのだ。  
「ふふふっ」  
 コノットは怪しく笑うと、ファシスの耳たぶを甘噛みし、桜色の二つの頂点を優しく揉み解していく。  
「はっ! はっ! ――ああっ! はうん!」  
「なーにアンタ? アタシに優しくされて、感じてるの?」  
「えーっ? 私の愛は、受け止めてくれないんだっ」  
 コノットが、胸から腹、腹から臍、臍から股へと徐々に右手を滑らせていく。  
「ふふふっ、スゴイ。アンタの腹、盛り上がってるわよ?」  
 そして勃起したままのクリトリスを優しく優しく撫で上げた。  
「くあっ!?」  
「あんっ…! ファシスの中、締まるよぉ!」  
「ふふっ、クリトリス、気持ちイイでしょ? ――ちゅっ、ちゅぅぅ♪」  
 コノットはファシスの胸と肉芽をいたわるように愛撫しながら、首元に顔を埋める。  
うなじにキスをし、浮き上がっている冷や汗を吸引する。  
「ふあっ、やめっ! さわ、るな!」  
「どーして? 痛いより気持ちイイ方がイイでしょ?」  
「だがっ!」  
 ピンク色の悪魔を言葉で拒絶する。だがファシスの体は、痛みよりも快楽を与えてくれるコノットへと傾いた。  
 激痛の中、愛人の戯れのように優しい刺激に、体を預けてしまいそうになる。  
「あー、ファシスったら浮気するんだ?」  
「違うんだ! これは! ――があ!?」  
 
 器用に尻尾の先端だけを動かして、敏感な肉ヒダを掻き回してやる。  
 矢じりのかえしが、肉のトンネルを傷付け、新たに血を流させる。  
「ねえ、私の痛みと、コノットの快楽、どっちが好き? ねえ、ファシスったら、答えてようっ」  
「あ、がっ! ぎっ! ――ふあっ、はうぅ…!」  
 二匹の悪魔に挟まれて、ファシスが混乱する。身を裂く激痛は友人が。優しい快楽は仇が。それぞれ与えてくる。  
 ――違う、こんな筈ではない。悪魔は冷酷で、エルカは優しい。その筈だ。  
 だが、今自分に与えられているのは全く逆。一体どうなっている――  
 そんな思考が流れてくる。  
(さあ、どっちなの? 私とコノット、どっちがいいの!?)  
 ある意味被虐的な行為に、エルカが背筋を振るわせる。もし、快楽に傾倒したファシスが、エルカを見放し、  
 コノットを愛するようになったら――そう思うだけで、達しそうになる。  
「ファシスは、ファシスは私を好きなんだよね!? だから私が何をしても、私を愛してくれるんだよね!?」  
「ほら、ファシス。気持ちイイでしょ? もっと気持ちイイ事、したげよっか?」  
「私は、――っ、っ…私はぁっ!」  
 快楽と痛みの狭間でファシスは揺れ――  
 
「エルカがいいんだぁ!」  
 
「……っ!?」  
(あ、イっちゃう)  
どぴゅるっ! どぷどぷるっ! どくどくっ!!  
「うがあぁっ!?」  
「はぁっ! はぁっ! ハァアンッ…!」  
 ファシスの最奥へと精を放つ。矢じりの先端と亀頭の両方から噴出したマグマは、  
 あっと言う間にファシスの胎内を満たし、彼女の腹を更に圧迫する。  
 熱さと苦しさで目を見開くファシスに構わず、エルカは更に快楽を得ようと腰を振った。  
 ぐちゃぐちゃと彼女の腹を掻き回すと、精液と血液、それに空気が混じってピンク色の泡が漏れ出す。   
「ふふふっ。フラれちゃったわね。残念」  
「当たり、前だ…! 私は、エルカしか、愛さない!」  
「だってさ、エルカったら愛されてるねー。妬けるわ――ってありゃりゃ? エルカ?」  
 コノットがエルカの心を感知して首を傾げた。  
「……いらない……」  
「エルカ?」  
「ファシスの愛なんて、いらないっ」  
「なっ!?」  
 
(すごく不愉快だよ! ここまで、苛めてるのに、まだそんな事を言うんだから!)  
 そう、今のエルカにとって、ファシスの愛は眩しすぎた。  
「そんな、私にどうしろと言うんだ!?」  
「ファシスはねえ、肉奴隷さんなんだよ! おちんちんを突っ込まれる為なら誰にだって、悪魔にだって、  
 お股を開くような、そんな浅ましい人間じゃなくちゃ駄目なの! 愛?  
 ファシスにはそんな高尚な感情、必要ないの!」  
 息を荒げるエルカに、ファシスは呆然とするしかない。その背で、コノットが面白そうに笑っていた。  
「エルカぁ? どうしてファシスを堕とすのにそんなに拘るの?」  
(それは…)  
 その問いに対する応えは、自分の中の最も暗い部分。悪魔となったエルカの深層心理だ。  
 それを自ら暴く、という被虐にエルカは声を震わせながら告白する。  
「私は、悪魔になって、とてもエッチで嫌な子になったの。なのに、ファシスは人間のままずっと  
 私を愛してくれてる。それが私には我慢できないのっ。ファシスには私よりも浅ましい、  
 エッチな子になって欲しいの! そうすれば! 私は、大好きなファシスを見下しながら、  
 ずっと一緒に居られる! 一緒に居られるんだよ!」  
 激白に、コノットが邪悪な笑みを浮かべる。  
「最高よエルカ。アンタの愛は、ムチャクチャ曲がってる」  
(愛? これが? ファシスを貶めて、ずっと一緒に居たいと思う事が?)  
 そうかも知れない。愛の形なんて千差万別。誰かに拘り、一緒に居たいと思うなら、それはきっと愛だろう。  
 だが、悪魔となった自分が、人を愛するなんて、認めてはいけない気がした。  
「違うよコノット、私はただ、ファシスを汚したいだけ。無茶苦茶にしたいだけなの!」  
 そうだ、その為の陵辱なのだ。  
「っ? …何だ!?」  
 ファシスが急に腹部に強烈な疼きを覚え、顔をしかめた。  
「ふふっ。ねー、ファシス? 知ってる? 悪魔の体液はね、媚薬と一緒なの。それに加えて、  
 今私はあなたに精気を送り込んだ。エッチな悪魔の精気をね。どういう事だか分かる?」  
「まさか…!?」  
「そう。今からエルカとアタシで、アンタをレイプする。そして、その体に汚い悪魔のスペルマを何度も注ぐのよ。  
 アンタが淫乱な雌になるまでね」  
 コノットの説明に、ファシスが顔を青くした。  
「じゃあ――始めようっ」  
 恐怖に慄き、首を振るファシスにエルカは禍々しい擬似ペニスを突きこんだ。  
 

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