マトリョーシカという、ロシアの民芸品を、見たことがあるだろうか。  
一見こけしのようだが、ぱかっと開いて、中からまた、一回り小さいこけしが出てくる。  
そのこけしがぱかっと開いて、またこけし、ぱかっと開いて、その繰り返し。  
なぜ僕がそんな民芸品の話をするかというと―――  
 
「ゆう君、晩ご飯、ハンバーグでいい?」  
キッチンから、和美さんの声が聞こえる。  
「ハンバーグっ!」  
「ハンバーグっ!」  
ソファーに座ってテレビを見ている僕の膝の上に乗っている和美ちゃんと、  
すぐ横に座っている和美っちが、楽しげに輪唱する。  
「二人とも、和美さんは祐二君に聞いている」  
僕の向かい側に座って、一緒に見ていた和美がたしなめた。  
「ん、和美ちゃん達も喜んでるし、ハンバーグでいいんじゃないか?」  
と、僕は返事を返しておく。  
「やった」  
「やった」  
和美っちと和美ちゃん。  
「祐二君がいいなら構わないが」  
これは和美。  
「じゃ、ハンバーグで決まりね」  
キッチンから和美さんの声。  
「ただいま〜」  
玄関の方から和美君の声が聞こえる。帰ってきたようだ。  
これで全員揃った。  
 
うちの1LDKの間取りは、学生の一人暮らしには広すぎるが、  
こうして計六人になると、それなりに狭くて、賑やかだ。  
といっても、和美さん達が“しまわれている”ときは二人きりなので、少し広い。  
 
和美さんとは、大学のサークルで知り合い、仲良くなり、付き合うようになった。  
僕らは、どこにでもいる普通のカップルだ。  
 
ただ一つ。彼女がマトリョーシカであることを除けば。  
 
彼女は最大5人に分裂?可能だ。  
さすがに本物のマトリョーシカのように、ぱかっと割れることはないが、  
彼女が興奮したりすると、ぽんっと音がして、中から一回り小さい彼女が出てくる。  
小さくて、年齢が下がる。彼女曰く、高校生の頃の和美さんだそうだ。  
元の方の彼女は、別に変わらない。普通に歩き回って、今も晩飯を作ってくれている。  
で、この一回り小さい高校生の和美(区別するために、元の彼女を「和美さん」、  
一回り小さい方を「和美」と呼んでいる)が、また興奮すると、  
中から中学生の「和美君」、それまた中から、  
小学生高学年の「和美っち」、小学生低学年の「和美ちゃん」と、  
最大5人の“和美”さん達が出てくるようになっている。  
 
現在この最大状態だ。実は、全員揃うのは珍しい。数ヶ月ぶりだろうか。  
が、賑やかで狭い。ついでに食費がかかる。  
元は一人で、中に入っていたのが出てきただけだから、食費がかさむようになるのは  
なんだかおかしい気もするが、とにかく5人いるのだから、しょうがない。  
 
彼女のこの特殊な体質?を初めて知ったときは、そりゃもう驚いた。  
が、彼女がこれは珍しい体質だが、珍しいだけだと言い張るので、  
そういうものかと思うようにしている。  
和美さんの妹たちが大挙して押し寄せてきた、というのとさして変わらないだろうし、  
いろんな世代の彼女と触れ合えるのは、なかなかに楽しい。  
 
「和美っち、和美ちゃん、にんじんも食べましょうね」  
偏食の多い小学生二人組に、和美さんは優しくたしなめる。  
 
「にんじん、きらい〜」  
「きらい〜」  
ちびっ子二人は、たいてい同じ反応を返す。まるで双子だ。  
 
「私ってこんなに好き嫌い多かったっけ?」  
「君は今でもピーマン食べないではないか」  
「うっ」  
ストレートに感情を出す和美君(中学生)と、冷静に事実だけを述べる和美(高校生)。  
同一人物なのにおかしな話だが、二人はわりと犬猿の仲だ。  
 
「ピーマンも、きらい〜」  
「きらい〜」  
「あらあら、和美君には、お手本を見せてもらわないとね」  
「うっ、わかったよ和美さん。今度ピーマンが出たら、食べるよ」  
「君にはやぶへびだったようだ」  
「うるせー」  
 
どこの大家族ドラマだといわんばかりの賑やかな夕餉が繰り広げられる。  
実際、これだけ人数が多いと、会話している間に食事は終わるのだが。  
 
面白いのは、各和美さん達だ。  
同一人物であるのに、年齢が違うというだけで、だいぶん性格が異なる。  
最年長の和美さんは、落ち着いていて、おおらか。いつも笑顔だ。  
ともすると、物事をあまり深く考えてないようにも思える。  
これが、高校生の和美になると、笑わないし、ぶっきらぼうだし、  
その事務的な口調は、へたをすると和美さんより年上に感じられる。  
一転、中学生の和美君は、ボーイッシュで、少々口が悪い。  
口より先に手が出るタイプだ。  
小学生の和美っちと和美ちゃんは、そんなに変わらない。元気なちびっ子だ。  
和美っちの方がお姉さんなので、ときおり和美ちゃんの面倒を見ているときがあるが、  
そういうときは、微笑ましい。  
 
それぞれ、その当時の和美さんの容姿と性格らしい。  
容姿はともかく、性格はそんなぽんぽんと変わるものだろうかと思うが、  
和美さんに言わせると、女の子はそんなものらしい。ふーん。  
 
夕食がすんで、みんなが入浴をすませると、もうとっくに寝る時間だ。  
なにしろ女性ばかり5人もいるので、入浴にえらい時間がかかる。  
年少組は、たいてい年長組と一緒に入るが、それでもなんだかんだで、数時間かかる。  
以前、その件について言及したことがあるが、和美君に  
「デリカシーのないバカ男っ!なんで和美さんは、こんなのが好きなんだっ!?」  
と逆鱗に触れてしまったので、控えるようにしている。  
同一人物とはいえ、女5人に男1人では、なんだか分が悪い……。  
 
うちには最大人数分の布団を用意してある。  
和室に、僕と和美さんの2人。残りの4人は、リビングに布団を敷く。  
こちらにちび1人をもらい受けた方が、広さ的には公平だが、  
なんだ、その、僕達2人には、少々することがある。  
僕らは普通のカップルなのだ。  
 
隣室の和美達が寝付いた頃を見計らって、僕は暗闇の中で和美さんに声をかける。  
「和美さん、寝ちゃった?」  
「……起きてますけど、でも」  
このあたりは二人の合図だ。  
が、和美さんが乗り気でないのは、リビングの方が気になっているからだろう。  
「静かにすれば、大丈夫だって。ね?」  
「……ゆう君の、エッチ」  
暗くてよく見えないが、和美さんは、頬を染めて俯いているのだろう。  
なんだかんだ言って、和美さんも、まんざらではない。  
というか、比較的、エッチな方なんじゃないかと思う。  
二人きりのときは、毎日するし。  
 
はっきりした返事がないときは、肯定と見なしていい。  
僕は和美さんの体に、手を伸ばしていく。  
 
和美さんとキスをして、和美さんのパジャマを脱がせて、和美さんの胸を吸って、  
和美さんのあそこを舐めて、和美さんもそろそろいい感じにできあがってきた頃を狙って、  
ぶすりと挿入。  
簡単に書いたが、それなりに前戯はこなしていますよ?  
 
「あんっ!ゆう君っ!ゆう君っ!」  
「和美さん、気持ちいい?」  
 
仰向けになった僕は、和美さんをお腹の上にのせて、下からずんずん突き上げる。  
和美さんは、騎乗位がお好みだ。  
普段のおおらかで優しげな和美さんからは想像もつかないくらい、  
自分で腰を振って、あんあんと喘ぎまくる。うん、和美さんはエッチだね。  
 
僕もせっせと腰を振る。  
そろそろ和美さんがいきそうだ、というところで、部屋の電気がぱちんとついた。  
 
「「えっ?」」  
 
僕の上にまたがったまま、きょとんとする和美さん。  
和美さんの下で、ペニスを挿入したままきょとんとする僕。  
自然、入り口の方に顔を向ける。  
開いた扉のそばから除く顔が四つ。目が八つ。あらら。  
 
「和美さん、私達がいるときは、控えてもらいたいのだが」  
「和美さんのバカっ!エッチっ!」  
「うにゃ〜ん」  
「んにゃ〜ん」  
上二人はあきれ顔。というか和美君はすっかり怒っている。  
下二人は、なんともぼんやりとしている。眠いのに起きてきたからだろう。  
 
4人とも総じて顔が赤い。  
和美君の顔が赤いのは怒っているからというのもあるだろうが、4人とも顔が赤いのは理由がある。  
元々一心同体のこの5人は、快楽を共有するのだ。  
つまり、和美さんがエッチで気持ちいいと、その気持ちよさが、他の4人に伝染する。  
寝静まってくれていれば、起きては来ないのだが、今夜は早すぎたか。  
それとも和美さんの喘ぎ声が大きすぎて、起こしてしまったか。  
 
後悔しても、もう遅い。  
エッチな気分の和美さん達が5人。僕は1人。  
頭数の足りない分は、努力と根性、愛情で生める必要がある。  
 
「祐二君、君達のおかげで、私は性的に高揚している」  
頭を押さえて、和美が呟く。あまり興奮しているようにも思えないが、頬は赤い。  
 
「祐二っ!だいたいおまえが和美さんにエッチなことするから悪いんだよっ!」  
そんなこと言われても、恋人同士なんだぞ。エッチしたっていいじゃないか。  
 
「ゆうく〜ん、ふわ〜ってするよ〜」  
「ふわ〜」  
その、なんだ、年端もいかない少女達を興奮させてしまうというのは、確かにマズい気が……。  
 
「いつものことだが、君に責任を取ってもらいたい」  
「ホントはなっ!オマエとなんてしたくないんだよっ!だ、だけどっ!」  
「ゆうく〜ん、いつものして〜」  
「して〜」  
 
困った僕は和美さんを見上げる。和美さんは苦笑しながら、  
「ゆう君、頑張ってね。私もまだ、いってないし」  
僕に5人同時プレイを推奨する。家庭用ゲーム機だって、そんな多人数出来ないぞ。  
 
「えっと、まず和美さんをいかせるから、待ってろ」  
「そうだね。早急にすませてくれると、ありがたい」  
「ああもうっ!じれったいな〜」  
「はやくはやく〜」  
「はやく〜」  
「え〜、私はもう少し楽しみたいんだけど」  
「和美さん、悪いけど、後がつかえてるから」  
「ゆう君、愛情が足りないよ」  
「足りないのは、体力だと思うけど」  
「ほらそこっ!喋ってないで、ちゃっちゃとこなすっ!はいっ、腰振って!」  
 
和美君にせかされて、僕は和美さんに挿入したまま、腰を動かす。  
「あんっ!」  
和美さんが僕のお腹の上で喘ぐのを、残り4人がそばに座って眺めている。  
えぇと、文字通り四方から見られながらするのは、なんともいえない気分だ。  
集中できないような、かえって興奮するような。  
 
「ゆう君っ!き、気持ちいいよっ!ゆう君のおちんちんが、熱くて、固くて、  
 私の体の中を掻き回すよっ!あんっ、もっと、もっと掻き回してっ!」  
気兼ねする必要がなくなった和美さんは、思う存分喘ぎながら、自分でも激しく腰を振る。  
残り4人の顔が、ますます紅潮する。  
目の前でセックスを見せつけられているのだ。  
たとえ快感を共有していなくても、興奮するだろう。  
 
「和美ちゃん、服脱ごっか」  
「脱ぐ〜」  
和美っちと和美ちゃんは、たどたどしい手つきで、パジャマを脱いでいく。  
年上の分だけ、和美っちは、和美ちゃんより先に、パジャマと下着を脱ぎ捨てた。  
まだパジャマのボタンを外せない和美ちゃんを手伝ってあげている。  
 
「和美君、脱がないのかい?」  
「なっ!か、和美っ!まっ、まだいいだろうっ!」  
いつの間にか、和美が和美君の背中に回り込んで、耳元に囁きかけている。  
「君は放っておくと、いつまでももじもじしているからね。どれ、私が手伝ってあげよう」  
「ちょっ、止めろっ!手伝わなくっていいっ!」  
和美は、パジャマの上から、和美君の小さな胸を揉んでいく。  
耳元に息を吹きかけ、首筋に噛みつく。  
「きゃんっ!」  
和美君が、普段からは思いも寄らないような可愛げな声を上げている隙に、  
和美は和美君のパジャマのボタンに手をかけていく。  
 
「和美ちゃん、ちゅー」  
「ちゅー」  
和美ちゃんの服を脱がせきった和美っちは、和美ちゃんとキスしている。  
小学生同士のキスといえば、普段は微笑ましいものだが、  
全裸の女の子同士が、頬を染めたまま、お互いの唇を舐めあっているのだ。  
いいのか、それは本当に許されるのか?  
 
「あんっ!和美っ!和美っ!」  
反対側から、和美君の声が聞こえてきた。いい感じに喘がされている。  
和美君のパジャマのボタンは、もう全て外されており、はだけたところから、小さな胸が見え隠れする。  
その先にある乳首をつまんで弄んでいるのは、背後にいる和美の左手だ。  
和美の右手は、和美君の下着の中に差し込まれており、布地の上からも、激しく動かされているのが分かる。  
和美は手慣れた動作で、和美君を喘がせていく。  
 
子供達の方に目を向けると、二人は裸で抱き合ったまま、熱心にお互いの割れ目をこすりあわせている。  
まだ何も生えていない、性器と言うにはあまりにもシンプルなスリットを二人して重ね合わせ、腰をくねらせる。  
「和美ちゃん、気持ちいいね」  
「んー、気持ちいい」  
和美ちゃんが、和美っちの、まだふくらみかけの胸に吸い付く。  
「やんっ!和美ちゃん、おっぱい吸わないでっ!」  
普段は聞き分けのいい和美ちゃんだが、今は言われたことに従わない。  
小さな口で、小さなおっぱいを、はむはむと舐め、ちゅうちゅうと吸い上げる。  
まるで、ついこの間まで、母の胸を吸う赤ちゃんだったみたいだ。  
……まるでもなにも、年齢的にはそちらの方が自然なのだが。  
 
「ゆう君っ!今はこっちに集中してっ」  
上から和美さんの叱責する声。いかんいかん、周りの痴態に気を取られてしまった。  
 
そこかしこから、甘い声と、ぺちゃぺちゃという唾液の音が聞こえてくる。  
声の主は、どれも皆“和美”さん。  
喘いでいるのも和美さんなら、喘がされているのも“和美”さん。  
なんだ。その、非常に興奮する。  
いかん、もうすぐ射精しそうだ。和美さんをいかせないと。  
僕は上半身を起こして、代わりに和美さんを押し倒す。  
「きゃっ」  
正常位になったところで、僕は激しく腰を前後に動かす。  
 
「あんっ、気持ちいい、もっと、もっとぉ!」  
嬌声を上げているのは、和美さんか、それとも他の4人か。  
もう区別がつかない。とにかく僕は和美さんを犯せばいい。  
部屋中に、和美さん達の喘ぎ声が響き渡って、僕はひときわ大きく、和美さんを突き上げた。  
 
「いく、いっちゃうっ!」  
和美さんがいくと同時に、和美さんの中に、どくどくと射精する。  
後のことを考えると、出し切らない方がいいのだが、和美さんはそんなことを許さない。  
キュウキュウと締め上げ、精液を搾り取っていく。  
溜まったものが全て和美さんの中にしみ込むのを確認してから、ようやく僕達は体を離した。  
 
「はぁ、はぁ、ゆう君、気持ちよかったよ〜。ありがとう」  
まだ息の整わない和美さんが、こちらを向いて、感謝の意を表してくれる。  
「はぁ、はぁ、い、いや、和美さん、気持ちよかったのは僕の方で」  
そうそう、感謝すべきは僕の方だ。  
 
とりあえず僕達2人は満足した。もう、おなかいっぱいです。  
そんな僕らに、にじり寄る影が4つ。しまった。満足してるのは、僕達2人だけだった。  
和美さんがいったのだから、その感覚を共有してくれれば、4人も満足すると思うのだが、  
いったん盛り上がると、あとは各人が満足しないと気が済まないらしい。  
なんとも効率の悪い体質だ。  
 
ぐったりした僕のペニスの上で、和美&和美君組と、和美っち&和美ちゃん組の目が合う。  
年上の和美は、年下に席順を譲ろうとする。  
「君達からどうぞ」  
ぱっと笑顔になった年下二人だが、荒い息を吐いて苦しそうな和美君を見てから、  
「でも、和美君の方がつらそうだから、先でいいよ。私達、まだ大丈夫だし。ねぇ?和美ちゃん」  
「まだ平気〜和美さんと遊ぶ〜」  
「そうか。感謝する」  
 
交渉は成立したようだ。確かに、一番苦しそうなのは和美君なので、先にしてあげた方が良さそうだ。  
とはいえ、こちらは先程出したばかりだ。早くいかせてあげたいが、どうしたものやら。  
 
「祐二君、そこは私に任せて、君は和美君の相手をしてくれ」  
和美が、僕のペニスを指さす。僕はそれに従い、和美君に語りかける。  
 
「和美君、こっちおいで」  
「はぁ、はぁ、だっ、誰があんたなんかに」  
「ここまできて強情だなぁ……。ねっ、こっちにおいでよ。  
 和美君のかわいいあそこ、よく見てみたいな」  
「なっ、なに言ってんのさっ!バカっ!」  
 
和美君はなかなか聞き分けてくれない。  
息は上がっていて、切なそうに太ももをもじもじさせているというのに。  
えぇと、こんなときは和美に頼もう。視線を合わせてみる。  
和美は、射精のすんだ僕のペニスを、刺激がきつくならない程度に優しくさすってくれていたが、  
僕の依頼を解釈してくれる。  
 
「ふむ。せっかく子供達が譲ってくれたというのに、聞き分けない子だな、君は」  
「なんだよっ」  
「やる気がないならそこでじっとしているがいい。  
 私達がすんだら、最後にみんなで責めてあげる。  
 案外君はそういうのが、好きなんじゃないかな」  
「ふざけんなっ」  
「だったら、こちらに来て、祐二君を挑発するくらいのことができないのかね?  
 彼のここが大きくなってもらわないと、私達は困るのだが。  
 まあ、君のような役立たずにはそんなことを期待しても無理だろうが」  
「くっ!バカにすんなっ!そんくらい簡単さっ」  
 
すくっと立ち上がった和美君は、ずかずかと歩み寄り、僕の顔の上にどかっと腰を下ろしてきた。  
「さぁどうだっ!」  
「んぷぷ」  
「……まったく、君は色気もなにもあったもんじゃないな」  
 
彼女のお尻に圧迫されて息の出来ない僕は、口を開いて、お尻を舐めてみる。  
「ひゃん」  
驚いたお尻が飛び上ったところで、彼女の腰を両手で突かんで固定する。  
「なっ、なにを」  
「もう、和美君は乱暴だなぁ〜。ちょっとおしおきだよ」  
「ちょっ、どういう……きゃん!」  
まだうっすらとしか毛が生えていない彼女のあそこを視界に入れて、僕はその部分を舐めあげる。  
「あんっ、や、やめてっ!くっ、ああんっ!」  
僕が腰を掴んでいるので、和美君は逃げられない。  
されるがままに、割れ目の中に僕の舌を迎え入れる。  
まあ、本気で嫌なら、どうとでもしようはあるわけで、素直じゃないってだけだけど。  
 
「ほう。祐二君は君の痴態がお気に入りらしい。和美君、ここ、見るといい」  
和美が、少しずつ大きくなってきた僕のペニスを指さす。  
「やっ、やだ、祐二」  
和美君は僕のペニスを視界に入れて、顔を真っ赤にする。  
「そうだねぇ。和美君のここは、エッチでかわいいよね」  
舐めながら、賞賛してみる。  
「祐二の、バカっ」  
俯いた和美君だが、されるがままに、僕に舐められている。  
彼女の割れ目から、とろとろと愛液が流れているのを、舌で掬うと、和美君の喘ぎ声が響いた。  
 
和美君の割れ目を引き続き舐めていると、僕のペニスが温かいものに包まれる。  
目の前に和美君のお尻があるのでよく見えないが、和美が僕のペニスを咥えてくれているようだ。  
 
和美君の子犬のような喘ぎ声に混じって、年少組と和美さんが遊んでいる声が耳に入る。  
「あんっ、2人とも、おっぱいそんなにすっちゃだめ〜」  
和美さんは、子供2人に一つずつ、おっぱいを責められているようだ。  
 
「和美っち、和美ちゃん、ここはどうかな?」  
「あぁん、気持ちいい〜」  
「いい〜」  
和美さんが攻めに回ったよう。おおかた二人のあそこをなぞっているのだろう。  
和美さん達の楽しげな声が聞こえて、和美に気持ちよくしてもらって、  
和美君に切なげな喘ぎ声を上げさせる。  
あぁ、今日は和美さんづくしだなぁ。と、そろそろ僕の頭もいい感じにとろけてきたようだ。  
 
「祐二君、そろそろどうだろうか?」  
和美の声が聞こえる。確かにもう十分大きくなっている。  
「和美君、和美君、そっち行って、自分で入れて」  
目の前にある和美君のお尻を叩きながら、指図する。  
 
「あんっ、はぁっ、はぁっ、ごくっ」  
和美君は、ふらふらと立ち上がり、仰向けになっている僕の股間の上にまたがると、  
僕のペニスをむんずと掴んで、自分から腰を下ろしていく。  
「あいたた、和美君、もう少し優しく掴んで」  
「へっ、あぁ、なに?」  
口元からだらしなくよだれを垂らした和美君は、すっかり朦朧としていて、  
普段からは想像もつかないくらい、素直に挿入しようとしてくる。  
前のときは、けっこう本気で殴ってくるので大変だった。  
というか、今はこれ、素直というのじゃなくて、何も考えられてないだけか。  
 
「ぐっ……あっ……あっ……」  
和美君のまだ青くて堅いつぼみに、僕のペニスがめり込んでいく。  
和美君のあそこは、挿入するにはまだ少し早い。  
それでも和美君は腰を下ろしていく。  
僕もかなり痛いが、和美君は、僕の比ではなかろう。  
彼女が少しでも痛くないように、僕は自分でペニスを掴んで、方向を調整する。  
 
「あっ……あっ……ああんっ!!」  
時間をかけて、やっとペニスが奥まで入った。  
本当なら和美君には挿入せずにいってもらいたいのだが、  
彼女はどうしても、挿入しないといってくれない。  
気持ちいいより、痛い方が勝っていると思うのだが、多分彼女は、  
普段の性格とは裏腹に、痛いのが気持ちいいマゾっ娘なんだろう。  
 
「和美君、いくよ?大丈夫かい?」  
「あっ……あっ……あっ」  
和美君の返事はない。苦しそうに息を吐くだけだ。あまり長く続けるのも可哀想だ。  
一気にいってもらうことにする。  
 
僕は、和美君の下から、彼女を跳ね上げるように、腰を振る。  
「ぐっ……かはっ……がっ」  
数回振っただけで、彼女はもうダメそうだ。最後に渾身の力を込めて、大きく振り上げた。  
「ぎゃーっ!!」  
絶叫をあげた彼女が、ぱたりと倒れ込んできた。  
白目をむいて失神している。ぴくぴくと震える口元から、よだれと、少し吐いたものがあふれ出る。  
窒息したらまずいのと、ここまで頑張る彼女が無性に愛しくて、  
彼女の口に、僕の口を合わせて、吐いたものを吸い上げる。  
胃液の酸っぱい匂いが、口の中に充満するが、不思議と全然嫌じゃない。  
 
「和美君はいってしまったようだね」  
一部始終を横で見ていた和美が僕に問いかける。  
「あんまりこういうの、体に良くないと思うんだけど……」  
「彼女が望むのだからしかたない」  
「そうだけどさ」  
「なに、彼女はわりと頑丈だ。心配しなくてもいいだろう」  
「だといいんだけど」  
気絶した和美君を、僕と和美の二人で横に運ぶ。運び終わると、和美が僕に寄り添ってくる。  
 
「さて、私もそろそろ我慢が出来ない。祐二君、いかせてもらえないだろうか」  
全然平気そうな顔の和美が、僕の唇に、自分の唇を寄せてくる。  
「あっ、さっき和美君の吐いたものを吸っちゃったから、匂いするよ?」  
キスしようとしてくる彼女を押しとどめる。  
「構わないさ。“私”の匂いだ。なにより君から“私”の匂いがするというのは喜ばしい」  
そういうもんですかね。  
 
和美と唇をあわせる。舌をあわせる。お互いの口の中に舌を差し込み、舐め回す。  
和美の舌は、彼女の冷静な言動とは対照的に、情熱的だ。  
「ぷはっ。和美、キス、上手いよね」  
下手をすると和美さんより上手いんじゃないかと思う。  
「なに、勉強熱心なだけだ」  
和美さんは、勉強したこと忘れちゃったのか?  
「安寧は技術を衰退させるものだ」  
「えっ?」  
「和美さんのことを、想っていたろう?」  
「どうしてわかったの?」  
彼女は僕の首に腕を回し、ごろんと仰向けになろうとする。  
自然、僕は彼女に覆い被さる形になる。  
「顔に出ているさ。和美さんは、もうセックスに技巧を凝らす必要がない。  
 君は彼女がどんなに技術がなくても、極論すれば彼女がマグロであっても、  
 十分に欲情できるし、それが彼女に満足を与える。  
 逆も然りだ。先程見ていたかぎりでは、君も技巧を凝らしていたようだが、  
 そんなものは、もはや君達には、あまり必要ない。  
 ただ入れて、ただ出せば、君達はもう幸せだ」  
「そういうもんかね?倦怠期とかきそうじゃん?」  
「言い方が悪かったようだ。君達のようなラブラブバカップルは、  
 頭の中に常に花が咲いているから、考えなくても幸せだということだ」  
「……ひどい言われようだ」  
「何を言っている?私は君を賞賛しているし、感謝しているのだぞ」  
「和美さんとラブラブバカップルだということに?」  
「そうだ。その通りだ。私は、未来の私が君に出会えることを、今、感謝している」  
「うん。そっか。ありがと」  
 
会話をしながらも、実は和美の胸を揉み、首筋に唇を這わせてはいる。  
和美とセックスをするときはいつもそうだ。  
愛撫をしていると、和美が話しかけてくる。  
感じることに集中しなくていいのかと思うが、和美のあそこに手を這わせると、  
すでにぐっしょりだ。間違いなく和美さん達のなかで一番濡れている。  
器用なのか、不器用なのか、不思議な子だ。  
 
「それと、今言ったのは、和美さんに対してのことだ。私に対しては、手を抜かないでもらおう」  
「はいはい」  
言いながら、十分濡れた割れ目に、僕のペニスを差し込む。  
「んっ、んん、あぁ、この瞬間は気持ちがいいな」  
そんな、小春日和の日差しは気持ちがいいな的な言い方をされても……。  
 
“手を抜くな”という彼女の指示の元、僕はせいぜい頑張る。  
前後について、ぐりぐり回して、深く、浅く、やさしく激しく。  
単調にならないように、ややこしすぎて集中できなくならないように。  
 
「あぁ、今日の君はなかなかに技巧的だな。素晴らしいよ」  
そんな、良くできた陶器を褒めるように言われても……。  
 
「なにか不満があるようだが」  
「できれば“あぁん!いくっ!いっちゃうっ!”とか言って欲しい」  
「その分締め上げているのだからいいだろう?」  
確かに彼女の膣は、僕のペニスをいい感じに締め上げてくれていて、生理的には非常に気持ちいい。  
ただきついだけではない。緩く、きつく、熱く、うごめくように。  
 
「それはそうなんだけど」  
「話をしている方が長く楽しめる」  
「そう?」  
「今は私に付き合ってくれているのだろう?私の希望を叶えて欲しいな」  
そういう言い方をされると敵わない。彼女は一枚、いや、何枚も上手だ。  
「姫の望むままに」  
「うむ。そうだな。姫はそろそろ後背位が所望だな」  
犬のようにバックからガンガン突け、と照れもせず素で言ってくる姫。  
 
「では姫、犬のように四つん這いになって手を突いて、お尻を高く突き上げて、  
 獣のように激しく振りながら、やらしくおねだりしてくれませんか」  
ペニスを彼女から抜きながら、立ち上がってそう促す。  
和美は素直に言われたとおりの姿勢を取り、白いお尻を小刻みに振りながら、  
「やっ、やだっ……こんなの、恥ずかしいっ……でも、我慢できないの。早く、早く入れてっ」  
 
ほどよい高さにあるお尻を掴んで、再びペニスを挿入する。バックからだと、よく入る。  
「和美……嘘くさい」  
「渾身の演技だったが」  
「演技は上手いと思うけどね。普段が普段だから」  
「君はこう言うのが好きだと思ったんだが」  
「和美さんがしてくれるんなら、素直に興奮するんだけど」  
「彼女も私同様、演技かもしれないぞ」  
「がーん」  
「失望したか」  
「うーん、実はあんまり。和美さんが、僕のために、わざとそんな台詞を言ってくれてるんなら、  
 それはそれで嬉しいよ」  
「だからバカップルだという」  
「うっ、そうだね」  
「和美さんといえば、そうだな。一つ聞きたいことがある」  
「何?」  
 
「君は私を抱いているとき、どう思っている?」  
「どうって?気持ちいいとか?」  
「そうではなくて、君は私を、和美さんと同じものだと思って抱いているのか、  
 和美さんと別人だと思って抱いているのか?」  
「激しく腰を振っている最中の男に、そんな難しいことを聞かれても……」  
「最中だからこそ、真の答えにたどり着けよう」  
 
突く角度を変えながら、覆い被さって背中から手を回し、彼女の胸を揉みしだきながら、僕は考える。  
「うーん、体つきも、感じ方も違うから、和美さんを抱いてるのとは違う。  
 見てるから知ってると思うけど、和美さんとは最中にこんな話はしない。  
 もっと素直にいやらしい台詞を言い合うしね」  
「“おちんちん、気持ちいいよっ”とか?」  
「うん。そう。でも彼女以外の人を抱いているかと思うと、そんなことない。  
 もしそう思っていたら、彼女の前でするなんて、ありえないし」  
 
「なに〜、ゆう君、私の前じゃなかったら、他の子を抱けるんだっ?!」  
「わっ、和美さん、聞いてたの?」  
気がつけば、和美を突いている横で、和美さんが僕らをにこにことのぞき込んでいた。  
 
「ゆう君の浮気者〜」  
「浮気者〜」  
「もの〜」  
あまり意味の分かっていなさそうな、年少2人のエコーがかかる。  
 
「そっ、そんなことないっ。ぼっ、僕は、和美さん一筋だよ」  
「和美さんへのリップサービスはともかくとして、確かに君は和美さんの前で  
 他の女を抱けるほどの度胸はないだろう」  
「リップサービスなんだ〜」  
「ちっ、ちがっ!本心っ!僕は和美さんのあそこに入れられれば、それでいいっ!」  
「今は、他の穴に入れてるのにね〜」  
「いっ、いやっ、だって、和美は和美さんなんだし、これは和美さんのおまんこで、  
 えっと、いや、和美のおまんこで」  
「おまんこならなんでもいいんだよね〜」  
「そんなことっ!」  
「んふふ。まあ、許してあげるよ。これも“私”のおまんこだしね。  
 ねぇ、私のおまんこ、気持ちいい?」  
「う、うん、とっても」  
「私が高校生の頃のだよ。ちょっときついかな?」  
「うん。そうかも」  
「高校生の私のおまんこと、今の私のおまんこ、どっちが気持ちいい?」  
「そんなの比べられないよ。どのおまんこも、和美さんのおまんこだから、僕は気持ちいい」  
「そっか。どのおまんこも、楽しんでね。気持ちよくなってね」  
「うん。和美さんのおまんこが、僕は大好きだ」  
 
「ねぇ。私、こんなちっちゃい頃から、ゆう君に犯されちゃったんだね」  
そう言いながら、和美さんは、和美ちゃん達の頭を撫でる。  
 
 

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