「おっにいちゃ〜ん、今日は何の日か知ってるよね?」  
「ああ、勿論だとも妹よ」  
今日は三月十四日、先月貰えなかった男たちには、何の問題も発生しない特殊な日だ。  
「ほいよ、お返し」  
妹に俺はバレンタイン返しのプレゼントを放り投げる。  
中身は有名店で買った洋菓子の詰め合わせだ。  
まとまった数を購入したため業者価格で購入でき、結果かなり値引きしてもらえた。  
さもなければ、俺にとってもえらい出費になったに違いない。  
・・・全くチョコの貰いすぎも考え物である。  
 
「む〜! こんな既製品でお返しされてもなぁ〜」  
だが、我が妹はそんなありきたりの物を期待していた訳ではないようだ。  
「私のあげた『Valentine's Vagina chocolate(略称VVC』に比べると、ちょっと簡単すぎない?」  
ふざけるな、あの凄まじくいかがわしい形のチョコを兄に喰らわせた分際で、  
お返しが貰えるだけでもありがたいと思え。  
 
「やっぱさ、お兄ちゃん! ホワイトデーならではのお返しって有るじゃない?」  
「なんだそれは?」  
「もぉー、ホワイトデー。WHITE DAY。和訳すると白い日、白い・・・つまり、はくだく・・・」  
「悪い、それ音子と小雪とソーニャに散々BUKKAKEしてきたから、今日はもう打ち止めだ」  
「ええっ!!」  
「いやいや、三人とも『ホワイトデーなんだから、私達を白く染め上げてぇん(はあと』  
 とか言うもんだから、つい俺も張り切っちゃってな・・・」  
「むっきー! 酷いよぉっ、お兄ちゃん!  
 愛しい兄の白濁液を待っている妹の分まで、他所の女の人にかけて来ちゃったって言うのぉ〜!」  
・・・フツー妹から貰ったバレンタインのお礼に、BUKKAKEで返す兄はいないと思う。  
だが、このバカにそんな理屈は通じない。  
 
「ひどい、酷い、ヒド過ぎ〜! せめてこのお菓子にぶっかけて、  
 『げへへ、お兄様の精汁でトッピングした白濁スイーツがお返しだぁ!ありがたく食べるがいい!』  
 ぐらいの事いっても罰はあたらないでしょぉ!」  
いや、そんな食べ物を冒涜する行為をしたら、きっと罰が当たるぞ・・・  
 
 
(終わり)  
 

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