ラブホテルの一室、少年は1人複雑な表情でベッドに座り込んでいた。  
心臓は早鐘の様に鳴っており、自分の心音にさえ違和感を感じていた。  
ドアをジッと見つめているとインターホンが鳴り、  
少年は慌ててドアを開け目的の女性を迎え入れた。  
ドアを開け視界に入った女性は腰まで伸びた長い黒髪に整った顔立ち、  
服の上からでも分かる整った体型。そして大人の女性が放つ色香が少年を誘惑した。  
少年は戸惑いながらも女性を部屋へと迎え入れた。  
「初めまして泪(るい)です。へぇ結構かわいいね、幾つ?」  
「21歳です……」  
少年は震える声で泪に答えた。明らかに緊張しているのは分かり、  
それを解そうと泪は続け様に質問を続けた。  
「何、デリヘルとか初めて?」  
「ハイ……風俗も今日が初めてです」  
「あっそう。顔かわいらしいけど彼女とか居なかったの今まで?」  
泪が言う通り、少年は億劫な表情を浮かべているが整っている部類に入った。  
栗色の無造作ヘアーで女性的な顔立ち、  
適度に筋肉が付いた体格はTシャツとジーンズと言うラフなスタイルが強調した。  
威圧する様子も無く、フレンドリーに泪は話し掛けるが少年は変らず億劫なままであった。  
だが、それでも泪は態度を変えず接した。  
「もしかして、まずい事、私聞いた? だったら、ごめんね」  
「いえ……そんな……」  
「お客さん、何て呼べば良い? 別に『お客さん』でも良いけど……」  
「修二です。宮川修二(みやがわしゅうじ)です。泪さん」  
修二はここで初めて泪と会話らしい会話をした。  
会話が出来た事に泪は気を良くして続いて話を続けた。  
「修二君って言うのね。この呼び方で良い、一応、私の方が年上だから」  
「あ、ハイ。大丈夫です」  
「因みに私幾つ位に見える?」  
「え? そんな事言われても……」  
「ハハ、そんなに緊張しなくても良いよ、私26歳、  
初めてなのにごめんね、こんなオバさんで」  
「そんな! とんでもないです!」  
「ありがと。じゃあ、そろそろ始める?」  
「あ、ハイ……泪さん」  
 
「あ、ハイ……泪さん」  
修二の返答を聞くと泪は着ていた服を手早く脱ぎ始めた。  
ワンピースを脱いで行き地面に落とした。洋服が体から離れ、  
露になった体に修二は見惚れそうになった。  
黒で統一されたブラとショーツは泪の魅力を際立たせた。  
見惚れて呆けていた修二を見て泪は軽く妖艶な笑みを浮かべ修二に近付いて行った。  
「女の人の、こう言う姿見たの初めて?」  
「ハイ……」  
「大丈夫だから、私に任せてくれれば良いからね」  
「ハイ……」  
「脱がせるよ良い?」  
「ハイ、お願いします」  
修二の了解を取ると、泪は慣れた手付きで修二の服に手を掛け脱がして行った。  
瞬く間に服を脱がして行き最後の1枚であるトランクスを脱がして行くと  
半ば行為が出来る状態となっていた。  
修二の顔を見ると頬を赤らめ恥ずかしがっているが、隠そうとする様子は無かった。  
全てを脱がし終えると立ち上がり話し始めた。  
「結構良い物持っているよ」  
「ど、どうも……」  
「私も脱ぐからね、楽しもうね」  
そう言い泪はブラジャーに手を掛けてホックを外し床へと落とした。  
中から現れたのは豊満な胸であり、それによって修二の物は反応を示し、  
泪はそれを見て軽く笑った。続いてショーツの端に親指を掛け下ろして行き、  
足から抜き取った。初めて見る薄い恥毛に覆われた恥部を見て、  
修二は限界にまで反応を示した。  
互いに全てを脱ぎ終えると泪は修二の手を取りシャワールームへと連れて行った。  
「先にシャワーね」  
「ハイ……」  
引かれるまま修二と泪はシャワールームへと入って行き、  
泪の手によりシャワーをやんわりと体に浴びせられ、  
修二は心地良さにここで初めて柔らかな表情を見せた。それを見た泪は軽く笑って、  
再び修二に優しく話し始めた。  
「気持ち良い?」  
「ハイ……」  
「緊張しなくて良いから、任せてね」  
「ハイ……あの……」  
「何?」  
ここで修二の方から何かを話そうとして来たので、  
泪は客を満足させる為にこのチャンスを逃そうとしなかった。  
「何? 何でも聞いて」  
「い、嫌、あの……やっぱ良いです」  
泪と目が合い修二は気まずくなったのか慌てて目を逸らし、  
その後は泪のされるがままになり修二は一言も発さず先にシャワールームを出た。  
腰にバスタオルを巻き、  
ベッドに腰掛けた修二は相変わらず億劫な表情のままであった。  
少しの間の後、バスタオルを体に巻いて泪が出て来て修二の隣に座ると、  
泪は修二の物をタオル越しにやんわりと撫で始めた。  
 
「うう……」  
「気持ち良い?」  
「ハイ……」  
「そろそろ始めようか」  
そう言い泪は巻いていたバスタオルを取って、  
再び魅力的な裸を修二の前に見せた。  
時間が経ち先程まで収縮していた物は瞬く間に硬度を保ち、  
バスタオルの上からでも男を証明した。泪は修二のバスタオルを取り、  
互いに全裸の状態で修二を押し倒し修二の唇に自身の唇を近付けようとした。  
「ま……待って下さい!」  
ここで初めて修二は力強く発言をした。  
多少、妙に思いながらも泪は行為を止め修二の話を聞く事にした。  
「何どうしたの?」  
「あの……話を聞いて下さい」  
「良いよ何?」  
「僕は見下されるべき存在ですか?」  
突然、思いも寄らなかった質問をされ、一瞬、泪は目を丸めたが、  
すぐに元の妖艶な表情に戻すと子供をあやす様な口調で修二に接した。  
「何でそう思うの? ここは法で認可された場所だよ何の問題も無いわ」  
「けど……」  
「大丈夫よ本番以外なら可能な限りプレイには応えるから」  
「そうでは無いのです。聞いて下さい」  
修二は弱々しく泪の肩を掴んで、自分から離した。  
左隣に泪を置いた状態で修二は悲しげな表情を崩さないまま話し始めた。  
「先程、泪さん聞きましたよね、僕に彼女が居るかどうかを」  
「うん聞いたね」  
「居ました。ほんの1週間程前まで」  
あの沈黙は自分の状況に絶望しての物だと思っていた泪だが、  
思いもよらない答えに多少、驚きながらも、話を聞き続けた。  
「それで何が原因で別れたの? 愚痴でも何でも聞いて上げるよ」  
「やはり僕にあったのだと思います」  
「何で? 修二君、女の人大切にしそうだし、  
私が彼女だったら修二君が彼氏だと言うのは誇りに思うよ」  
「それは私の中にこういった欲望があったから、彼女は身を引いたと思っています」  
修二が言う『欲望』と言うのが性欲だと言う事が泪にはすぐ理解出来た。  
だが話が今1つハッキリと見えない状況に泪はやきもきして  
詳しく修二から話を聞き出そうとした。  
「どう言う事、恋愛にセックスは必要でしょ」  
「そうなのですか?」  
修二は目を丸くして心底驚いた様子で泪に尋ねた。  
自分のペースに持っていた事に一筋の光を見た泪は続いて修二から話を聞き出そうとした。  
 
「それはそうよ。修二君の年齢なら当然の事よ」  
「でも、そればかりではダメですよね?」  
「それは当然よ、セックスは2人でする物だからね、  
独り善がりに勝手なのは只のオナニーよ私から言わせれば。  
気になるけどさ修二君はセックスに関してどう思っているの?」  
ここで一気に話の全容を掴もうと泪は行動に移した。  
「正直に話して欲しいは修二君のセックス感と言うのを」  
「セックス感と言うのは良く分からないですけど、  
人を愛する為には資格が必要だと思います」  
「資格って?」  
曖昧な修二の言葉に泪は疑問を感じて、詳しく聞き出そうとした。  
「それは……軽蔑されない事。役目を果たしている事。人として真っ当に生きている事。それと……」  
「わ、分かった。もう良いから」  
今の話で泪は全てを察した。彼は必要以上に人の目を気にする人なのだと、  
それが原因で彼女とも上手く行かなかったのだと泪は憶測した。  
対応策が泪の中で出来上がると仕上げに修二と彼女との経緯を聞く事にした。  
「時間も勿体無いし、彼女とのエピソード聞かせてもらって良い?」  
「ハイ、話すつもりでしたから」  
修二は億劫な表情を崩さないまま話を始めた。彼女とは同じ大学で出会い、  
彼女の方から告白をされ2人は付き合い始めた。  
修二に取って初めての彼女だった事もあり、  
修二は必要以上に大切な扱いをして来た。体を求める事は勿論。  
手を繋ぐ事さえ彼女の方から求める事で得た程である。  
話をある程度聞いた泪は軽く表情を曇らせた。  
「それは少し行き過ぎでは無い?」  
「僕は大切にしたかったのです。彼女を傷付けたくなくて」  
そして別れは突然に訪れた。  
半年付き合ってもキスの1つも求めようとしない事で  
彼女は修二をまともに見る事が出来ず別れを切り出した。  
だが修二はそこでも『傷付けてごめん』と言い彼女の要求をあっさりと受け入れ  
2人は破局したのであった。  
全てを聞き終えると泪は修二の元にゆっくりと近付き真剣な表情で話し始めた。  
「それは彼女、傷付くよ……自分が必要とされないのは修二君だって嫌でしょ?」  
「ですが……」  
「修二君はセックスが醜い物だと思っていない?」  
的を得た泪の発言に修二は体全体を震え上がらせ驚いた。  
その意見に修二は完全に押し黙って俯いた。  
そこから自分のセックス感に付いて修二は話し始めた。  
「セックスその物が醜いとは思っていません、只……」  
「只、何?」  
「そう言う物を必要以上に求めようとする自分自身が醜いと僕は思っています」  
修二の真意に泪はこれまで以上に表情を真面目な物として、  
修二の話を真剣に受け止めた。  
 
「言うならば繁殖行為なのですから、遊びでやって良い物では無い筈です。  
それなのに自分の中では醜い感情が波の様に襲って来て。  
何時もそれに苦しめられていた。彼女に対してそんな事をしては行けない。  
そう思って接した筈なのに知らず知らずの内に僕の醜い欲望が彼女にも伝わって、  
この様な結果に終わったのだと僕は思っています」  
自分の意見を全て言い終えた修二は俯き黙り込んだ。全てを聞き終え少しの間、  
泪は真剣な表情を崩さずにいたが、少しすると、再び妖艶な表情を浮かべて、  
修二の股間に顔を埋めて、  
すっかり元気が無くなった修二の物を口に咥え舌全体を使って包み込む様に舐め回した。  
「あ! そんな……泪さん……」  
「気持ち良いでしょ」  
泪の舌は蛇の様に修二の物に絡み付き、修二に至福の一時を与えた。  
修二が限界にまで達し肥大化するのに時間は必要無く、  
瞬く間に泪の口内は修二で埋め尽くされた。  
「ふむぅ……おっきぃ……」  
「ああ……泪さん……」  
修二は涙目で自分の物を愛撫し続ける泪を見る事しか出来なかった。  
こう言った行為を望んで、今、ここに居る筈なのだが、  
修二の中には、後悔。後ろめたさ。快楽等、様々な感情が入り混じった状態であり、  
単純に快楽へと溺れる訳ではなかった。感情の方は安定しないが、  
肉体の方は快楽へと一直線に突き進んでいた。  
「ダメです。もう僕……」  
「出るの?」  
泪の問いに対して修二は情けない表情を浮かべながら頷く事しか出来なかった。  
それを聞くと泪は修二の物から口を離し、  
舌先のみで絶頂感を保させたままの修二にとっては拷問に近い状態を取った。  
「そんな……ああ……」  
「口では哀れだから胸でイカせてあげるね」  
そう言うと泪は修二を寝かせ、反り返った物に対して豊満な胸で包み込むと、  
そこから上下に動かして行き修二に口とは違う柔らかな快楽を与えた。  
「ひゃあら! ハァ……そんな……」  
「出したい?」  
「ハイ……」  
「良いよ。出しても、気持ち良くなってね」  
泪は胸の動きを早め、時折、乳頭で先端を責めたりして、  
修二を絶頂へと導こうとした。そして、2人が求めた瞬間はあっさりと訪れ、  
修二は泪の胸で爆発をし、大量の精液が泪の胸と顔へ降り注いだ。  
泪は修二の思いを全て受け止め修二は最後まで泪の胸で暴れ続けていた。  
泪は胸から修二の物を離し、  
立ち上がり、口の周りに掛かった精液を軽く舐め取りながら妖艶な表情を浮かべ、  
眼下に居る涙目の修二に話し始めた。  
 
「気持ち良かった?」  
「ハイ。ごめんなさい。こんなに大量に……」  
修二は涙目で小刻みに震え上がりながら子犬の様に怯え、泪に許しを扱いた。  
そんな修二に対して泪は余裕と表情を崩さず、  
ウエットティッシュで精液を全て拭き終えると、修二に乗り唇を奪った。  
突然の事に修二はどうする事も出来ず、泪の成すがままになっていた。  
泪の舌は強引に修二の口内へと潜入して行き、縦横無尽に修二の口内を味わった。  
修二も口の中に広がって行く泪の味に翻弄される事しか出来なかった。  
存分に修二を味わうと泪は唇を離して修二に話し始めた。  
「気持ち良いでしょ?」  
「ハイ……」  
「そうでしょ、今、この瞬間だけは理屈何て必要無く、  
快楽に溺れるだけの時間なのだから。さぁ、追いで修二君。  
女の味をたっぷりと教えて上げるわ」  
言い終えると泪は体を入れ替え、自分が下となった状態で修二を誘った。  
修二は泪に興奮をして言われるがまま泪の体に溺れて行った。  
自分から唇を求めてねっとりと舌を絡ませ合った。  
舌を通じて伝わって来る泪を十分に修二は味わった。  
出来る事ならずっとこの感覚に酔い痴れていたかったが、  
呼吸が苦しくなるとそれも出来なくなり、  
修二は唇を名残惜しそうに離して呼吸をして酸素を取り入れた。  
それを見た泪は笑っていた。  
「バカね。鼻で呼吸すれば良いでしょ」  
「そうでしたね……」  
痛い所を突かれ、修二は照れ臭くなり、胸へと体を移動させて、  
泪の豊満な胸を揉み始めた。  
「んふぅ……良いよ修二君……」  
自分の行為で泪が快楽を感じてくれている事に修二は嬉しくなり、  
手の中でも余る程の大きさな胸を揉み続けたが、  
時間が経つに連れて胸に変化が現れ始めた。手の中に固い物を感じて一旦、  
手を離すと乳頭が隆起していたのが目に入った。  
それを愛しく感じた修二は赤子の様にそれへと吸い付いた。  
「あはぁ……良いよもっと吸っても」  
甘い吐息にも興奮をして、飴玉を舐める様に泪の乳首を舐め続けた。  
胸が修二の唾液塗れになった所で修二は泪の胸から離れ、下腹部へと体を移動させ、  
花の蜜に誘われた蜜蜂の様に泪の恥部へと顔を埋めて行き、  
恥部に舌を挿入して行った。  
「いぐぅ! ああ……はぁ……」  
最も感じる部分に直接、伝わる刺激に泪は言葉も忘れて快楽に酔い痴れた。  
修二はそれが最高に嬉しく、舌で恥部に侵入して行き、  
最奥を目指して舌を進めて行った。  
「ぬぐぅ……そこ良いよ……」  
 
舌から伝わる泪の新しい味に修二は新たな興奮を覚え、貪る様に求め続けた。  
そうしている内に自分の股間に再び痒い違和感を覚えて股間に目をやると、  
修二の物は再び男を証明しており、苦しささえ感じた。  
修二は舌を離すと物を手でやんわりと包みながら泪の元へと向かった。  
「泪さん……」  
修二が何を求めているかと言うのは泪には即座に理解が出来た。  
だが泪はすぐに行動を起こそうとはせず、一旦ベッドから離れた。  
待たされている修二は何が行われるのか不安であったが、  
同時に新たな快楽を与えてもらえるかもしれないと言う期待もあった。  
少しして自分のバッグから取り出したのは1つの避妊具であった。  
泪はそれを取り出し、修二に装着させようとした。修二は若干、  
痛みに苦しんだが泪の行為を受け入れ、急所に伝わる痛みに耐えた。  
そのお陰で修二の物にはしっかりと避妊具が装着された。  
されるがままになっていたが今になって泪が取った行為の意味が分からず  
修二は質問をした。  
「あの……一体?」  
「本当はダメだけどね、良いよ修二君、かわいいし、  
それに人生の先輩として色々と教えたい事もあるしね」  
それだけを言うと泪は修二の物の上にゆっくりと腰を下ろしていき、  
恥部に物を宛がった。恥部と物が当たるのを確認すると、  
そこからゆっくりと下ろして行き、少しづつ物を自分の中へと入れて行った。  
まるで蛇が獲物を丸のみにするような様子に修二は唖然となって見つめる事しか出来なかった。  
半分が入ると泪の方にも異変が現れ始めた。  
「あああ……本当に大きい……」  
泪は快楽に酔い痴れながらも全てを受け入れ様と引き続いて、腰を落として行った。  
そして全てを自分の中に受け入れると、そこから少しづつ腰を動かして行き、  
ゆっくりと自分と修二に快楽を与えて行った。  
「あはぁ……凄いよ修二君の中で暴れて最高……」  
「ああああ! 泪さん!」  
泪の方には余裕があったが修二は避妊具越しでも伝わる泪の温度と感覚に酔い痴れ、  
涙を流しながら感じていた。その様子が泪は最高に愛しく、  
少しづつ速度を上げて行き、修二に更なる快楽を味わってもらおうとした。  
「はぁ……ああ……良いよ、修二君も腰、動かして」  
「泪さん!」  
言われるがまま修二は乱暴なまでに腰を突き上げた。急激な速度の変化に泪は驚いたが、  
一杯一杯の修二にそれを指摘するのは酷だと思い、  
敢えて黙って快楽を感じようとした。  
修二のペースに合わせる様に泪も強く打ち付け、  
そして双方、共に限界を迎え様としていた。  
 
「泪さん! ごめんなさい! 又、出る!」  
「良いよ出しても……けど1つだけ良い?」  
「ハイ?」  
修二は快楽の余り涙でクシャクシャの状態になっていたが、必死に理性を働かせ、  
情けない声と表情で泪に接した。  
「私の名前はね、泪では無いの」  
「え?」  
「私の本当の名前はね。加奈(かな)って言うのよ、だから加奈って呼んで、  
それだけ」  
「あああ! 加奈さん! 加奈さん! 加奈さん!」  
修二は言われるがまま、本名である加奈を狂った様に呼び続けた。  
本当の名前を言われ気分が最高の物になった加奈は修二の物で絶頂を迎え様としていた。  
「そろそろイクよ修二君。良いね?」  
「ハイ! イキます! あがぁう!」  
修二は物が見えなくても感覚で自分が避妊具の中に大量の精液を排出したと言う事が分かった。  
溜まっていた物を全て放出し、  
漸く落ち着きを取り戻した所で加奈を見たが加奈はまだ修二の物を離す様子は無く、  
目を強く閉じ、小刻みに震えて快楽に耐え抜いていた。  
「ごめんね……後、もう少しで私もイクから……ああぁ!」  
加奈は未だに硬度を保っている修二の物で修二よりも少し遅く絶頂に達した。  
物を引き抜くと修二の予想通り、大量の精液が避妊具の中に放出されていた。  
これだけの物を放出した事に驚きと羞恥を覚え、  
修二は思わず加奈から目を反らした。避妊具を修二から外し、  
それをゴミ箱に捨てると加奈はそんな修二を愛しく感じて頬に軽く振れるだけのキスをし、  
事を終えた。  
「どうだった初体験の感想は?」  
その後、加奈が用意してくれたバスタオルに体を包んだ状態で2人は話し合っていた。  
加奈の方は良いセックスが出来た事に満足げな表情を浮かべていたが、  
修二の方は最中、余りに自分の情けない姿を思い浮かべ、自己嫌悪に陥っていた。  
加奈はそんな修二の頭を優しく撫で上げ慰め始めた。  
「そんなに落ち込まないでよ、それとも私とするのは嫌だった?」  
「そ! それは違います! 加奈さん綺麗ですし! それに……えっと……」  
「気持ち良かった?」  
「ハ、ハイ! そ、その……凄かったです!」  
修二は顔を赤らめながら率直な感想を加奈にぶつけた。  
それを見て加奈は優しく微笑み、引き続き修二の頭を撫で上げた。  
「良かったでしょ」  
「ハイ」  
「皆セックスの虜になるのは分かるでしょ?」  
加奈の正論に修二は黙りこくった。  
先程まで自分が感じていた至福の一時を言葉で否定は出来なかった。  
修二は俯き、黙りこくった所を加奈は真面目な表情で話し始めた。  
 
「さっき聞いていたけどさ、  
醜い欲望が彼女に伝わって逃げられたと修二君は思っているのでしょ」  
「ハイ」  
「それは違うよ。  
彼女が逃げたのはもっと恐ろしい欲望が修二君から感じられたから、  
逃げられたのだと私は思っているよ」  
思ってもいなかった加奈の言葉に修二は目を丸くして驚いた。  
自分はあの時、今の快楽は知らなかった。  
それなのにどんな欲望が彼女を苦しめていたのか修二には理解が出来ず、  
加奈に答えを求めた。  
「それは一体、何ですか?」  
「自分1人が特別でありたい。自分だけが全てでありたいという欲望よ!」  
加奈は力強く断言をしたが、  
修二には言っている意味が理解出来ず困惑の表情を浮かべた。  
修二の疑問を解消する為に加奈は説明を始めた。  
「聞いて修二君。修二君の考え方は一見すると女性を大事に扱い、  
大切に思っている様に見えるかもしれないけど、そう見えるは第三者だけよ」  
「何でそうなるのですか?」  
「何一つ求めようとしない何て……彼女必要?  
何の為に彼女はそこに居るの?  
彼女は修二君を満足させるだけの人形ではないのよ」  
加奈の意見に修二は押し黙って聞く事しか出来なかった。  
修二の謝った考え方を正す為、加奈は一気に決着を付け様とした。  
「修二君は気持ち良いでしょ。浮気もしない。常に優しくしてあげる。  
彼女の要望は何だって受け入れる。でもね彼女の方は息苦しいだけだよ」  
「何でですか?」  
「子供の内はそれでも満足よ、けどね大人になるとね不安なのよ。  
欲望の赴くがままに行動だけは出来無いのよ」  
「そんな事は無いでしょ」  
「あるわよ! 食べたいだけ食べ続ければ成人病のリスクを伴う事になるし、  
眠りたいだけ眠れば生計は立てられない。  
それと同じ様に只、優しくされるだけだとね多大なリスクを背負う事になるのよ」  
「何ですか? そのリスクって?」  
「その人にだけ依存して自分がダメになる事よ!」  
加奈の力強い発言に今まで少しは反論していた修二も押し黙った。  
ここで一気に終わらせようと加奈は話を続けた。  
「永久不変の優しさは誰だって欲しい物よ。私だって欲しいわよ。  
けど、それが永遠である保証なんて何処にも無い。  
無くなった時はどうすれば良いの?」  
 
「それは……」  
「欲望は怖い物よ、幾等でも増幅する事が出来て、止まる事を知らない。  
そして1回増幅した欲望を制御する事はほぼ不可能よ、  
それはニュースを見れば理解出来るよね?」  
「確かに姿形だけ大人な人達が色々としでかしていますね」  
「そう。世の中はダメな人間に対して冷たい物よ。  
このまま付き合ったら修二君も彼女もダメになる。  
そう思ったから離れたのでは無いの?」  
口調こそ優しいが加奈の言葉に修二は押し黙った。  
修二は真剣な表情で加奈が言いたかった事を自分の中でまと纏め上げた。  
そして1つの結論を出して加奈に話した。  
「これは僕なりに出した結論ですが聞いてもらえますか?」  
「良いよ言ってみて」  
「確かに僕は失敗しました。でも次に同じ過ちは繰り返さないつもりです。  
今度、そう言う事になった時は今度こそ2人で歩められる様にがんばっていきます」  
修二は加奈の目を真っ直ぐと見て、力強く断言をした。  
それを聞いた加奈は修二を優しく抱き止め自分の胸の中で一言優しく言った。  
「良く言えました。がんばりなさい」  
「ハイ」  
修二は加奈の胸に安らぎを覚え、柔らかさに包まれ安らかな表情を浮かべていた。  
その後、2人でシャワーを浴び、服を着直し、ホテルの玄関まで2人で歩いて行き、  
玄関で2人は別れた。修二は加奈に手を振って元気に歩いていた。  
加奈は修二の背中が見えなくなるまで優しく微笑み手を振り続けていた。  
そして願っていた。この先、修二が色々な欲望と戦い、  
立派になって行く事を加奈は祈っていた。  
 

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