「行って来る」  
「行ってらっしゃいませ」  
 名前を知らない女性に家事をしてもらうようになって1週間。  
 不思議な女性だった。  
 何度名前を聞いても『ありません。お好きなようにお呼びください』  
 何度何故ここにいるのか聞いても『一葉さまの約定により』  
 何度家に帰れと言っても『貴方様のお側が私の居るべき場所です』  
 さすがにこのやり取りは3日で飽きた。いや、3日ももったと言うべきか。  
 朝は起こしてくれるし、朝食と昼の弁当も用意してくれている。  
 夜は俺が帰る前にお風呂と晩御飯の支度がしてある。  
「いたれりつくせり・・・ではあるよな」  
 見た目は美人の部類に入ると思う。  
 長い黒髪と大きめな濃い茶色の瞳。年は二十歳前後くらい。  
 黒のメイド服に包まれた体は、衣服の上からでもわかるほどのスタイルのよい体だ。  
 問題は、焦点の合ってなさそうな瞳と抑揚の無い声。  
 まるで・・・そう、一昔前の映画に出てくるロボットのような感じ。  
 そういや、この前買ったゲームにもあんな感じのロボットが出てきたな。  
 
「ただいま」  
「おかえりなさいませ」  
 女性は深々と頭を下げて俺を出迎えてくれる。  
「夕食になさいますか?それともお風呂になさいますか?」  
 このやり取りも1週間も続くとただの日常だな。  
 それにしても、この女。一体何者なんだろう。  
 一葉ってのは俺のばあちゃんだから・・・ばあちゃんの知り合いの孫とかかな?  
 でも名前が無いってのも変な話だよな。便宜上、全身黒尽くめなので、クロって呼ぶことにしたけど。  
「忠様?」  
「あぁ。飯にするよ」  
 以前、何とか説得して帰ってもらおうと思ったのだが、どうも頑固というかなんというか。  
 それ以来説得はしないことにした。ばあちゃんはもう他界してるし、お袋も親父も何も知らないって言うし。  
 さてさて。どうするべきかな。  
「今晩は忠様の大好きな肉じゃがにさせていただきました」  
「俺の好きなって・・・なんで知ってるんだ?」  
「秘密です」  
 クロは俺のことをよく知っている。  
 多分ばあちゃんに聞いていたとかだと思うけど、なぜかいつ聞いても秘密としか言ってくれない。  
 まぁ、家事全般は完璧だからありがたいと言えばありがたいんだけど。  
 
「忠様」  
「ん?」  
 クロが俺の部屋に入ってくる。  
「忠様は性的欲求不満状態ですか?」  
「は?」  
「忠様の物と思われる精子が大量に付着したちり紙をゴミ箱より大量に発見しました」  
 そりゃあ、俺もまだ若い男だし。毎日1回や2回はするけど。  
 それを一々報告に来るのはどうかと思うぞ?  
「あのさ」  
「もし、欲求不満状態であるのであれば、私の体をお使いください」  
 そう言ってクロはベッドの上に上がってくる。  
 今はいつものメイド服ではなく、俺が買ってきた白いパジャマ姿だ。  
「いや、そうじゃなくて」  
「私の体では満足なされませんか?」  
 クロの手が俺の下半身を撫でまわす。  
「性器を接触させての性行為を行うことは出来ませんが、それ以外の部分を使用し、忠様に奉仕させていただきます」  
 俺はあっけにとられているうちに、ズボンを下ろされた。  
「失礼します」  
「くぅっ」  
 俺が返事をする前にクロは俺のペニスを口に含む。  
 器用に舌を絡め、先っぽから根元までを満遍なくゆっくりと刺激してくる。  
「んっ・・・はぁっ・・・んむん・・・ん」  
 温かな口とヌルヌルとした唾液。  
 久しぶりの女性の感触。それも極上の感触に耐えれるはずもなく、すでに限界に達しそうだった。  
「クロ。もう」  
「だしてください・・・お望みは顔射ですか?それともゴックンですか?」  
「お前、どこでそんな言葉を・・・うあ・・・どっちでもいい。出すぞ」  
 俺はクロの口からペニスを抜き、綺麗な顔目掛けて精液を放った。  
 俺のを舐めていた時同様に、表情一つ変えずに俺の精液を顔面で受ける。  
「予想よりも多くの精液を確認しました。お体は大丈夫ですか?」  
「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫だ・・・満足した」  
「そうですか」  
 クロは四つん這いのまま仰向けになっている俺の上にくる。  
 ベッドの。俺の頭の辺りにあるティッシュを取っているのだろう。  
 
 俺の目の前にはクロの豊満な胸がある。  
 パジャマの隙間から見えるそれは柔らかくて美味しそうだ。  
「クロ」  
「はい。なんでしょうか?」  
「まだ満足しきってないや」  
「では、もう一度口で」  
 俺は答えずに目の前にある胸を鷲づかみにする。  
「今度は胸でした方がよろしいですか?」  
 これでも表情一つ変えない。  
「いや」  
 仮面のように変わらない顔。俺はその顔が喘いでいる姿がどうしても見たくなった。  
「全身を使って奉仕してくれよ」  
 クロのパジャマを剥ぐ。  
 豊満な胸が俺の目の前に現れる。大きいけど垂れておらず、ピンを張っている。逆に乳首は小さくて、そのアンバランスさが可愛い。  
 俺は続けて下の方にも手を伸ばす。  
「んっ」  
 微かにクロの眉と口が動く。  
「どうした?」  
「・・・胸・・・ではダメでしょうか?」  
「俺は全身を使って奉仕してくれって言ったんだぞ」  
 明らかにクロは動揺している。まだ表情にはっきりとした変化が現れたわけでは無いが間違いは無い。  
「でも」  
「ばあちゃんとの約束で何でもしてくれるんじゃなかったのか?」  
「それは」  
 クロは俺の顔を見ないようにそむける。  
「クロ」  
「・・・ませんか?」  
「は?」  
「嫌いに・・・なりませんか?」  
 再度、俺の方を向いたクロの顔は、微かな表情の色が見える。  
 けど、その泣きそうな顔に俺は罪悪感で胸が押しつぶされそうになった。  
「ごめん。無理言って」  
 気づいたらそんな言葉を口にしていた。  
「いえ・・・構いません」  
 
 クロはその場で立ち膝になると、躊躇いがちにゆっくりとパジャマのズボンを下ろし始める。  
「どうぞ・・・ご覧下さい」  
 脚の付け根部分。そこには女性のソレではなく、俺の小指ほどの小さなペニスがくっついていた。  
「お前。男なのか?」  
 胸は本物だよな。顔つきや体だって女性そのもの。性転換?ニューハーフってやつか?  
「これでも・・・愛して下さいますか?」  
 そう言うと、大きく脚を開いて、小さなペニスを持ち上げる。  
 そこには俺の想像していた・・・いや、それよりもずっと綺麗なヴァギナが存在していた。  
 丁度クリトリスのある部分にペニスがある。そんな感じだ。  
「クロ」  
「私には奉仕する全ての人を満足させるために両方の機能が備わっています」  
「半陰陽・・・というか、完全にふたなりってやつか」  
「気持ち悪い・・・ですか?」  
 表情には特に変化は無い・・・けれど、どこか物悲しそうな顔に見えた。  
 感情の起伏が少ないだけで、不安や喜びなどの感情はきちんとあるようだ。  
「クロ。こっちにおいで」  
 俺はクロを抱きしめる。  
「忠様」  
「可愛いよ。すごく・・・一緒に気持ちよくなろう」  
 クロが微笑んで俺を顔を見る。  
 初めて見るクロの人間味溢れた表情。  
 俺たちは自然と唇が交わり、温かさが溢れだしてきた。  
「どちらでしますか?」  
「どちらって?」  
「いれるのといれられるのです」  
 真顔で俺に聞いてくる。まぁ、確かにクロとするならどっちも可能なんだよな。  
「いれられるよりはクロにいれたいなぁ」  
「わかりました。では、準備します」  
 クロは自分の手でヴァギナに触れる。  
 準備とは濡らすということだろう。  
「俺がしてやるよ」  
「え?あ、忠様」  
 クロをベッドに押し倒し、俺が上になる。  
「しかし、これでは奉仕が」  
「いいのいいの。気にするな」  
 クロの豊満な胸に舌を這わせながら、ヴァギナに手を当てる。  
 手のひらに大きな感触。さすがに大きめのクリトリスだと思うのは無理か。  
「はぁ・・・あ、た、忠様。それは」  
 右手でクロのペニスをしごきながら、左手でヴァギナの中を指でかきまわす。  
 我ながら初めてにしてはなかなか器用だと思う。  
 
「ふぁ・・・あ・・・変に・・・変になります」  
「一回いかせてやろうか?」  
 クロは首を横に振る。  
「忠様と・・・一緒に」  
 両方刺激されるという感覚がどういうものなのかはわからないが、クロの濡れ方から察するにかなりのものなのだろう。  
「わかった」  
 両腕を広げて俺を待つクロの上に覆いかぶさる。  
 ほんのり温かく細い腕が、俺の首に回された。  
「いくよ」  
「はい」  
 クロは目を瞑って、じっと俺を待っている。  
 ひょっとして初めてなのだろうか。  
 俺はゆっくりと腰を沈める。  
「ぁ・・・ぁ・・・あぁ」  
 ズブスブとクロの中に入っていく度に、クロは小さな声を上げる。  
 俺のが奥に到達するとクロの体が小さく震えた。  
 同時に俺の腹に何か温かいモノがかけられる。  
「はっ・・・ぁぁ・・・申し訳・・・ありません」  
「ん?あぁ。いいよ。気にしなくて」  
 俺の腹にかけられたのはクロの精液だった。  
 完全に勃起したクロのペニスが俺とクロに挟まれてビクビクとしている。  
 なんだかものすごく不思議な感じがする。  
「それよりも、辛そうだが大丈夫か?」  
 クロは全身に汗をかき、相変わらずの無表情の中にも辛さがみて取れる。  
「・・・申し訳ありません」  
 小さく呟く。  
「何が?」  
「・・・奉仕する身でありながら、快楽を感じ先に果ててしまったことです」  
「はぁぁ・・・あのなぁ。だから奉仕とかそういうのはいいんだって」  
「しかし」  
「果てたってことは気持ちよかったってことだろ?なら、俺としてはクロが俺を感じてくれて嬉しいよ」  
「・・・そう。なのですか?」  
「あぁ。やっぱさ、好きなヤツとエッチするんなら、俺のこと感じて欲しいし」  
 クロが目をパチパチさせながら俺を凝視する。  
 
「ん?」  
「好き?って・・・誰と誰がですか?」  
「俺とクロが。俺はクロのこと好きだぞ」  
 そう言うと、クロは無表情のまま顔を真っ赤にして横を向いてしまった。  
「あ・・・ありえません。忠様が私を好きだなんて」  
「クロ」  
「はい?」  
 俺が呼びかければこちらを向いて返事をする。  
 ある種の反射動作なんだろうけど、俺はそれを逆手に取った。  
「ん!?・・・んっっ・・・ぁっ・・・はぁ」  
 唇を重ね舌を絡めあう。  
「忠・・・様」  
「俺はクロが好きだ。だから、もっと感じて欲しい」  
「はぁっ・・・んっっ」  
 ゆっくりと腰を引く。  
 クロの膣は俺のに複雑に絡み付き、まるでタコの吸盤のようだ。  
「ぁぁ・・・忠様・・・私は今・・・貴方を感じています」  
「俺もクロをいっぱい感じてるよ」  
 段々と俺の腰の動きも速くなる。  
 その動きに合わせるかのように、彼女の中からは蜜が大量に溢れだしてくる。  
 クロの顔にも悦びの色が見え始める。  
「ぁ、ぁ、ぁ、はぁ、忠様、もう・・・もう」  
 俺ももう限界だった。  
 腰の動きをさらに速め、フィニッシュに備える。  
「いくぞ」  
「はい。きて下さい」  
 俺がクロの中に精液を放出すると同時に、クロの膣はきつく締まり、まるで俺のを搾り出すように複雑に動いた。  
「忠様の精液が・・・はぁ・・・はぁ・・・あっ」  
 クロが俺の顔を見てハッとなる。  
「ん?」  
 顔に手を当てると、何かヌルッとした感触がした。  
 まさか。  
「申し訳ありません!」  
「ん。まぁ、何事も経験だし・・・ま、いいよ」  
 どうやら、クロから飛び出した精液が、今度は俺の顔にかかっていたようだ。  
「いけません。少しお待ちください」  
 繋がったままでクロが上半身を起こす。  
 そして、俺の顔に舌を這わせ、精液を舐め取ってくれた。  
 
「忠様。終わりました」  
「ありが・・・とう」  
「どうかなさいました?」  
 俺は目を疑った。  
 目の前のクロの表情。そこには満面の笑みが浮かんでいた。  
「あ。えっと・・・あのな」  
「はい」  
 笑みを浮かべたまま俺に顔を近づけて来るクロ。  
「・・・笑顔。可愛いな」  
「え?・・・あ・・・はい。ありがとうございます」  
 初めて見たクロの笑顔は、俺の心臓が弾けるかと思うくらいの衝撃を与えてきた。  
 マジで反則だと思う。  
 クロが何者かなんてどうでもいい。ずっと、一緒に居て欲しい。  
 俺はそう思って、その日はクロを抱き締めて眠りについた。  
 
「ん・・・ふぁぁ。おはよう・・・あれ?」  
 抱き締めていたはずのクロの姿がない。  
 朝飯でも作ってるのかとも思ったが、台所にもいない。  
 というか・・・どこにもクロの姿が無かった。  
「クロ?」  
 クロに当ててた部屋にも、風呂にも、トイレにも、どこにも居ない。  
 スーパーにでも行ったかと思い外に探しに出ては家に戻りを繰り返した。  
 けど・・・俺は結局クロの姿を見つけることは出来なかった。  
 
「・・・あ?」  
 ドアのチャイムが鳴る。  
「クロ?」  
 俺は玄関に向かってかけだした。  
 クロが居なくなって1週間。  
 町で似ている人を見かけては、不振人物と思われるくらいに声をかけたりしてまわったくらいだ。  
「よっ。元気そうだな」  
「・・・親父かよ」  
 ドアをあけた俺を待っていたのは、田舎に居るはずの親父だった。  
「なんだなんだ?ひょっとして、彼女でも来るのか?だったら、手短に済ませないとな」  
「手短って・・・なんか用事か?」  
「用事も無くてこんな遠くに来るか馬鹿。と言っても、出張のついでだったりするんだがな」  
 近所迷惑になりそうなくらい、大きな声をで馬鹿笑いを始める親父。  
「うっさいなぁ。で、用事って?」  
「あぁ。これだこれ。お袋・・・お前の婆ちゃんから、渡しておいてくれって言われたの忘れててな」  
 俺の目の前に大きめの木の箱を突き出す。  
「ばあちゃんって・・・死んで何年立つと思ってんだ」  
「お前が独り立ちしたら渡せって言われてたんだよ。使わんとは思うが捨てたりするなよ」  
「ばあちゃんの形見だし、そんなことはしないって」  
「そうか。じゃあ、渡したぞ。俺は今から仕事だ。お前も頑張れよ。じゃあな」  
 親父はそれだけを言うと外に停まっているタクシーに乗り込む。  
「ったく。言うだけ言って帰るか?ま、いいけど」  
 俺は家の中に入ってテーブルの上に木の箱を置く。  
 結構な大きさで重さだ。一体何が入っているのやら。  
「・・・え?」  
 中に入ってたのは真っ黒なお釜だ。ご飯を炊くときに使うやつ。  
 そういや、ばあちゃんちってカマドあったっけ。けど、ガスコンロじゃ使えないよな。  
 仕方ない。ばあちゃんには悪いけど、押入れにでも入れておくか。  
「あれ」  
 お釜の中に一通の手紙を見つけた。  
 まだ新しい感じの紙だ。親父かお袋が入れてくれたのかな?  
『忠様。黙って居なくなったことをお許しください』  
 え!?  
 俺はその書き出しに目を疑った。  
 
『忠様。黙って居なくなったことをお許しください。  
 忠様とご一緒できた日々、私は幸せでした。  
 今はまだ力不足のため、短い期間しかお会いする事が出来ません。  
 いずれまた、必ず忠様の元へと帰ります。  
 忠様。私も忠様が好きです。  
 またお会いできる日を夢見て。クロ』  
 
「・・・あの馬鹿親ども!!何がクロのことなんて知らないだ!!」  
 俺はテーブルに手を叩きつける。  
 こうして親父の持って来た物の中に手紙が入ってるってことは、やっぱり親父たちは知ってたんだ。  
「ったく」  
 俺は安堵でその場に崩れ落ちてしまった。  
 クロは俺のことが嫌いになって居なくなったわけじゃない。  
 力不足の意味はわからないけど、また会いに来ると書いてある。  
 それだけで・・・十分だよな。  
「親父にはそのうちそれと無く聞いてみるか」  
 

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