狼の国。その地域を収めるもののすむ城。  
それは本当に童話に出てくるような、城らしい城。ディズニー城というかホロウバスティオンを想像して欲しい感じだ。  
広大なその城の日等の廊下を女性、いや少女と呼ぶべき位の外見の二人が歩いている。  
一人は背が高く、誰もが目を見張るような美しい銀髪でもう一人は中背で蒼のショートカットだ。  
何かを話しながら歩いている。やがて廊下の突き当たりにある部屋の前で足を止め、青い髪のほうが鍵を取り出しその扉を開ける。ギイと音をたてて扉が開く  
「!?」  
しかし、中には誰もいなかった。よく見ると奥にある窓が開いている。青い髪が早足でその窓に近づき、顔を出し、下を見下ろす。  
「まさか・・!ここから逃げた・・・!?」  
 
 
 
城の外の庭。そこでは城に使えている者の子供たちがボールを蹴って遊んでいた。どうやらサッカーをしているらしい。しかしこの世界にはそんな遊びはないはずだ。  
その中に一人、明らかに背の高い、綺麗な白い髪をした少年が少年がいた。長く伸びたその髪は後ろで結ばれている。しかし彼には、耳がない。いやあることにはあるが、それは上ではなく横についている。  
「よっ、と」  
小さな子供たちを華麗なフェイントで抜かして行き、ゴールにボールをけりいれる。  
「やりー」  
ニヤッと笑う少年。  
「ズルーイ」「卑怯だよ」  
周りからはブーイングが飛び交う。  
「わかったわかった、次はお前らだけでやってみな」  
そういうと少年は、一応作ってあるコートから外れる。と、そこに先ほどの青い髪の少女がやってきた。  
走ってきたようで息が切れているが休むまもなくサッカーをしている子供たちに問いかける。  
「ねえあなたたち、このあたりでヒトを見かけなかった?」  
「えー?しらなーい」  
と子供たちは返す。妙にニヤニヤしているのだが。  
「・・・そう」  
肩をおとす少女。  
そこで遊びから外れて、芝生に寝っころがり生垣を枕代わりにしているいる少年に気づく  
「あなたは?」  
少年はそ知らぬ顔で、  
「いや、見てないなぁ」  
と返す  
「・・・・・・そう」  
少女は振り返りまたどこかに探しにいこうと一歩足を踏み出したところでフリーズする。一瞬おいた後、ものすごいスピードで振り返る。  
「あ、やべっ」  
 
再びあの部屋、少年は部屋の真ん中に位置する机の椅子に座り、机の向こう側には先程の二人が立っている。  
少年は顔にニヤニヤした笑みを浮かべ、青い髪の少女はどこからどう見ても三百六十パーセント怒っており、銀髪の方は無表情。  
「正直スマンかった」  
少年が謝る。  
「・・・全然反省していないでしょう。」  
「ばれた?」  
「・・・・・・・・・・・・・」  
「ふざけないでください!!」  
激怒する蒼髪。  
「いやだって、暇だったんだよ、うん。昨日丸一日放置されっぱなしだったじゃんか」  
「あなた、落ちてきたヒトでしょう?まだ落ちてきて一週間もたっていないのに良くそんな緊張感のない態度が取れますね!!」  
「うーん、一週間て言うか三日もたってないんだけどな」  
「なおさらです!」  
「・・・・・・・・・・・・・」  
ちなみに銀髪は終止無表情だ。  
「・・・・まあいいです。本題に入りましょう」  
「そうしてください」  
蒼髪の少女がチェックボードを取り出す。  
「あなたの名前は?」  
「・・・ドラ○モン」  
ボキッ  
少女の手にした鉛筆らしきものが折れる。  
「冗談だよ、「零」だ」  
「れい?」  
「うん」  
「・・変わった名前ですね」  
「よく言われる」  
「それでは零、あなたはこの世界に落ちてきたわけですが」  
「ああ」  
「簡単な説明はもう受けましたね?」  
「ああ、あの意味わかんないくらいハイテンションかつバイオレンスなねーちゃんからな」  
「あなたが王女様の奴隷となっていることも?」  
「ああ・・聞いたよ」  
「そうですか。では話が早いです。私たちはその王女の命であなたの教育係となりました。レミとカノです。」  
「教育係ね、そんなこったろうと思ったよ」  
椅子に深く寄りかかる零。  
「そっちの人も?」  
「ええ、そうですけど」  
 口のニヤニヤ笑いはそのままだが、一瞬、カノを見るその目が鋭くなる  
「なんだ、てっきりあんたの護衛かなんかと思った」  
「!」  
図星だった。当初、教育係に命じられたのはレミだけだが、もしあのヒトが何か危険なことをしたら、  
という危険を考慮した王女が、実はかなりのてだれである彼女、カノをつけてくれたのだ。  
 
「・・・・」  
そう、この少年には、何か得体の知れないところがある。  
まずこの少年が発見された場所、  
それは城下町のはずれにある危険な生物がぞろめく洞窟だった。といってもそれは入り口で、危険な生物などは出てこない場所だ。  
この少年は自力でそこまで出てきて、入り口にいた衛兵に発見されたのだった。  
「・・・・そういえば」  
「ん?」  
「われわれに発見されたとき、あなたが持っていた刃物ですが、」  
「ああ、それ早く返してくんない?」  
「・・・たしかナイフが三本、短刀と長刀が一本ずつでしたね」  
「脇差と日本刀って言うんだけどな」  
「あれについていた血はいったいなんです?洞窟の中の生物の血とは思えないのですが・・」  
「違うよ。あれは・・」  
  あれは。あいつの。血だ。  
「・・・・・」  
「・・・・・」  
「・・・・・」  
「・・・・まあ、答えたくないのならいいです。」  
「なあ」  
「なんです?」  
「『落ちる』っていうこと自体は、まあまあ理解できたんだよ。  
こっちからあっちにもどった前例がないことも含めて。」  
「はい」  
「でもさ、その現象は、あー、なんていうか、どういうものなの?」  
「?どういうことです?」  
「その物質限定で起きることなのか、それともその空間に起きることなのかってこと。」  
「・・一応、その空間に起きるというのが一般的な解釈ですね」  
「つまり俺の周りにあったものもこちらに来ていると?」  
「はい、そういうことになるかと」  
 ・・・・・なら、あいつもきてるのか?・・・でも、俺の落ちた場所にはいなかった。  
「まさか、こんな手まで使ってくるとはな・・・」  
自嘲気味につぶやく  
「何か言いましたか?」  
「いやなんでもない」  
「それでは、これから教育の一環として城下町、中央地区に行きたいと思います。  
「まじで?」  
「何か問題でも?」  
「いや。ない」  
昨日の内に一通り周ってしまったなんて言えなかった。  
 

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