診察室のベッドに寝かされ、理沙は胸に聴診器を当てられていた。  
「んー、ちょっと緊張してる? 脈が速いわよ」  
「……」  
 吉川が理沙の心音を聞きながら苦笑する。しかし理沙は彼女の言葉を聞いていなかった。理沙の位置からはちょうど死角になっている場所で天野が引き出しを次々と開けながら、理沙に対する「お仕置き」を検討している。理沙にはそれがずっと気になっていた。  
 彼女の視線に気づき吉川が聴診器を外しながら笑う。  
「大丈夫よ、もう歯はないんだし。それにもうすぐ藤原さんにお返しするんですもの、そんなキツいお仕置きはされないと思うわよ」  
「そ、そうですか……?」  
 理沙が不安げに吉川を見つめた。吉川はポケットから取り出した巻尺で理沙の身長やスリーサイズを測定しながら曖昧に笑った。  
「理沙ちゃん、ちょっとだけど胸囲が大きくなってるわよ」  
「え、本当ですか?」  
「胸囲とバストでは測り方が違うけどね。あとウエストも大きくなってるから、退院してからもリハビリは続けなさい」  
「う……」  
 一瞬ほころびかけた理沙の表情がたちまち曇る。それをみて吉川はもう一度声を上げて笑った。その声に惹かれるように天野がワゴンを押しながら戻ってくる。理沙は大きく身震いしながらワゴンを見た。  
 しかし白い布がかけられているためその下にあるのが何なのかは分からない。  
 天野がベッドの横で腕を組み、理沙を見下ろした。泣きそうになりながら理沙が天野を見上げる。  
「あの……」  
「吉川さん。理沙ちゃんを逆さまにしてくれない?」  
 口を開きかけた理沙を無視して天野が吉川に命じた。吉川はベッドの上に乗り、理沙の腰に手を掛ける。理沙はぐっと口を固く結んだ。尻が持ち上げられ、頭だけがベッドにつくような体勢にされる。  
 天野が理沙の腰に手を当てた。そして吉川に、理沙の正面に移動するよう命じる。吉川はベッドの上をゆっくり動き、理沙を足の間に挟むような形で彼女の正面に座った。そして短い太腿をそれぞれの手で握り、理沙が倒れないようにする。  
 次に天野は吉川に理沙を持ち上げさせた。ベッドから頭が離れると、天野はその下に大きくて透明なビニール袋を広げ、その内側の底に再び理沙を降ろすよう命じる。不安そうな表情を浮かべながら理沙が天野とワゴンを交互に見た。  
 その様子を見下ろしながら天野は舌なめずりをした。そしてワゴンを覆う白い布に手を掛ける。  
「そおれっ!」  
 掛け声とともに天野が布をめくった。しかしそのまま、天野は布を理沙の顔面に投げつける。突然のことに理沙は慌てて顔を振ったが、布は顔の上にかかり彼女の視界を完全に奪った。  
 ガラガラとワゴンがさらにベッドの脇へ動いてくる音がする。天野がベッドに乗り、理沙の背中側に座った。吉川が驚いたような声を上げる。  
「まあ先生、それを使われるんですか?」  
「ふふふ。お仕置きにはうってつけでしょ」  
「それはそうですけど。でも先生、私もそれは一度も使ったことがありませんよ」  
「あらあら。それじゃ理沙ちゃんが初めての犠牲者となるわけね」  
 理沙の傍らで、何かの瓶の蓋が開く音がする。そしてその中身が別の容器に注がれた。トクトクという音が理沙を一層不安にさせる。吉川が天野に声をかけた。  
「先生、ちょっと濃度が高くないですか?」  
「いいじゃない。お仕置きなんですもの」  
「う……あ、あのっ……何をしてるんですか?」  
 たまらず理沙が二人に声をかけた。しかし二人はくすくすと笑うばかりで何も説明をしてくれない。理沙の不安はさらに大きくなった。よっ、と声がして天野が動く。ちゅーっという音がワゴンの上から聞こえた。その音に聞き覚えがあった理沙はごくりと唾を飲み込む。  
「あの、もしかしてお浣腸ですか?」  
「ピンポーン。でも、ただのお浣腸じゃないのよ」  
 吉川が楽しげに笑いながら、理沙の顔にかかっていた布をとった。そして理沙は、そこに見えたものに一瞬呆然とし、直後に激しく暴れ始めた。  
 
「や、やだやだそんな……!」  
「こら理沙ちゃん、暴れたら危ないでしょ」  
「で、でもそんな大きいの……無理です、許してぇっ!」  
 吉川が理沙の足から片手を離し、彼女の尻を叩く。そしてそのまま腰を抱えると、もう片方の手を理沙の肛門にあてがい、その窄まりをぐっと開いた。  
「いやぁっ!」  
 叫び続ける理沙の肛門に、天野が残酷な微笑みを浮かべながら浣腸器の嘴管を差し込む。その太さに理沙はひいと呻いた。  
 天野が手にした浣腸器は単なるガラスの浣腸器だった。しかしそのサイズは、今まで理沙がみたこともないものだった。内容量が1リットルを超えるその浣腸器は円柱の底だけでかなりの大きさがあり、中に満たされた液体の向こうに天野の笑顔が歪んで見える。  
 理沙の肛門に先端が差し込まれると、シリンダが自重でゆっくりと沈み始めた。シャワーのように勢いのある注腸に理沙は忽ち強い便意を感じ始める。  
「うあ……苦しい……!」  
「あらあら。まだ300ccも入ってないのにもうギブアップ?」  
「先生、50%のグリセリン浣腸はキツいと思いますよ」  
 吉川が苦笑する。理沙は薄く眼を開けてちらりとワゴンをみた。ワゴンの上にはステンレス製の桶と1リットル入りのビーカー、そして容量が500ccのグリセリンの瓶が置いてある。ビーカーのなかには水が半分残っており、グリセリンの瓶は空になっていた。  
「ほらお腹の力を抜きなさい。シリンダが止まってるわよ」  
「そんな……無理です……お腹の奥が熱いよぉ……!」  
 涙を流しながら理沙が呻く。天野は溜息をついて、両手で持っていた浣腸器から片手を離した。咄嗟に吉川が理沙の尻に添えていた手を離し、浣腸器を持つ。天野は自由になった手でシリンダを押した。再び始まった注腸に理沙が悲鳴を上げる。  
「あらあら。でもね理沙ちゃん、これが全部入るまでは許してあげないからね」  
「ひぃ……っ!」  
「先生、あまり無茶な使い方をしないでくださいね。ガラスだから割れますよ?」  
「ふふ。理沙ちゃんがお尻を振ったりしなければ大丈夫よ。これって高いんでしょ?」  
「十万円は軽く超えますね。だから怖くて使えないんですよ。それに、1リットルを超えるならイルリガートルのほうが楽ですし」  
「あらあら。じゃあもし割ったら、藤原さんに弁償してもらうからね」  
「ひいっ!」  
 天野は悠長に笑いながらシリンダを押した。直腸の奥まで一気に流れ込むような痛みに理沙がたまらず叫ぶ。と、次に天野はシリンダを停めた。落ち着きを取り戻した理沙の直腸は再び強い便意を訴え始める。  
「ひ、くぁ……も、限界……ですっ、早くウンチさせて、させてくださぁい!」  
「あらあら。じゃあ残り300ccを、1分かけて入れてあげる。じっくり味わいなさい」  
「ふぁあん!」  
 そして天野は腕時計をみながらゆっくりとシリンダを押していった。一秒間に5ccずつ、じわじわと理沙の直腸を薬が侵す。理沙にはその1分が無限の長さに思えた。  
「くすくす。イルリガートルじゃこういう微妙なお浣腸は難しいものねぇ」  
 やがて浣腸器の中身がすべて腸内に注ぎ込まれた。天野がふうと息を吐く。  
「それじゃ理沙ちゃん、浣腸器を抜くわね。……ああ、まだ我慢しなさい。もしここで出したら私も吉川も理沙ちゃんのウンチでぐちょぐちょよ。そんなことしたら……わかってるわね?」  
「く……は、はい……!」  
 理沙を目を閉じたまま呻くように告げる。天野が浣腸器に手を添えた。吉川が再び理沙の尻に手を掛ける。そして天野がゆっくりと浣腸器の嘴管を抜いた。その排泄に似た感覚に理沙は一瞬排泄をしかけるが、歯を食いしばって肛門を強く閉じる。  
「ふふふ。漏らさなかったのは偉いわ。そのまましばらく我慢してなさい」  
 面白そうに笑いながら天野が浣腸器をワゴンの上に戻した。その間にも理沙の腹は激しい音を立て続け、それに合わせて理沙が呻き声をあげる。理沙の肛門は徐々に膨れ上がり、今にも噴火しそうなほど盛り上がってくる。  
 天野は足元に広げられた先ほどのビニール袋を手に取った。業務用のその袋は大きく、手足を切られた理沙ならば余裕でその内に包むことができた。するすると理沙を包装するように袋が持ち上げられていく。理沙は薄く眼を開けてその袋をみた。  
「うう……あの」  
 理沙は腹痛に耐えながらその袋の意味を考え続けた。吉川が理沙の腰から手を離し、ビニール袋の外側から腰を支える。袋の上部を天野がまとめて括りはじめたとき、ようやく理沙はこの袋の意味を悟った。  
「ひ、あの、もしかしてこれって……!」  
「ふふ。この中でウンチすれば、部屋も汚れないでしょ?」  
「そ、そんなぁ!」  
 
 理沙は目を大きく見開いて袋の外側にいる二人を見つめた。きつく括られたこの袋の中で排泄すれば、確かに部屋を汚すことはない。しかし逆立ちしているこの体勢では、排泄物はすべて理沙の顔面や体に降り注ぐ。  
「いやぁぁぁ、こんなの嫌ぁぁぁぁぁ!!」  
「そりゃそうよね。……じゃあ、これから10分我慢できたら普通のトイレでさせてあげるわ。それまで我慢なさい」  
 天野がベッドの上から降り、理沙の視線に腰を屈めてにこりと微笑む。理沙は恨めしそうに天野を睨むと、きつく歯を食いしばり目を閉じた。改めて肛門に力をこめ、今にも噴き出しそうな大便を必死にこらえる。  
「あらあら。理沙ちゃん結構我慢できるじゃない。あと1リットル入れてもよかったかな」  
「……ま、アナルのリハビリにもなっていいんじゃないですか」  
 吉川が理沙の腰を支えながら、天野の冗談に呆れたように答える。  
 いっぽう理沙はそれどころではなかった。腹が破れそうなほど激しく蠢き、肛門はいつ破裂してもおかしくないほど盛り上がっている。膀胱も限界まで膨れ上がり、さらに袋の中の酸素が少なくなってきたのか息が切れ始める。  
「あと2分よ。頑張ってね」  
 吉川がちらりと時計を見ながら言った。理沙は薄目をあけて、診察室の壁時計を見る。しかしその途端、一瞬だけ気が緩んだ。  
(……あっ!)  
 しまった、と思う間もなかった。次の瞬間、爆発音とともに理沙の肛門から茶色い液体が噴きあがる。理沙はきつく目を閉じた。  
 ビニール袋の上部はたちまち茶色に染まった。理沙の顔や体に、やがて固いものがいくつも落下してくる。じわりと暖かい液が顔にかかった。いつの間にか秘裂から黄色いオシッコが溢れている。  
(んっ……んくぅっ!)  
 理沙の鼻の奥に水分が流れ込んでくる。酸素が薄くなっていたためたちまち息が苦しくなってきたが、それでも理沙は必死に息を止め続けた。袋の中では口の横まで水位が上がってきている。排泄はまだ止まらない。  
 ようやく排泄が止まった頃、理沙は耐えられず息を吐いた。その途端周囲から大量の水が口の中へ流れ込んでくる。苦くて臭いその液体に理沙はむせ返った。しかしそのたびに液が喉を侵す。  
 吉川が慌てて理沙の体位を変え、顔が水の上へ出るようにした。そして袋の結び目を解き、理沙の上半身を袋の外へ出す。辺りに理沙の腸液の匂いが立ち込めた。  
「大丈夫、理沙ちゃん?」  
「う……うぷ!」  
 顔についた排泄物の欠片を拭いながら吉川が尋ねる。しかし理沙は閉じていた目を見開くと、搾り出すような呻き声を上げながら黄色い胃液を吐きはじめた。体を折りながら幾度にも渡って戻し続ける。  
「あらあら。これは壮観ね」  
「……先生、ちよっとやりすぎですよ」  
 腹を抱えながら笑い続ける天野を吉川が睨む。理沙は嘔吐を繰り返しながら泣き続けていた。口の横から粘度の高い唾液が伸びる。天野がビーカーに入った水を理沙の口に差し出した。口を漱ぎながら理沙は無言で泣き続ける。  
 吉川は自らの服が汚れることを厭わず、理沙の体を抱えた。袋を片手で掴むと手近なゴミ箱に放り込む。天野は理沙の口を開き、彼女の入れ歯を外した。  
「入れ歯は私が洗ってあげるわね」  
「じゃあ私は理沙ちゃんの体を洗いますね。……さあ理沙ちゃん、お風呂に入って綺麗にしましょうね」  
 理沙がきつく目を閉じた。まだ嗚咽が漏れる鼻からは茶色い雫が垂れ、開き気味の肛門からは断続的に雫が垂れている。吉川はタオルを理沙の尻にあてた。そして風呂に向かい歩き始める。  
 その時診察室の内線電話が鳴った。天野と吉川は顔を見合わせ、天野が電話をとる。そしてしばらく会話をしたあと、にやりと笑って理沙に声をかけた。  
「理沙ちゃん。お待ちかねのご主人様がお迎えにこられたわよ」  
「……え?」  
「ふふ。ここへ来てもらおうか。首を長くして待っていたご主人様ですものね」  
「や、やあらあ……。こんなふがた、みられらくない……!」  
 理沙は必死に首を横に振った。天野が肩をすくめながら電話に向き直る。  
「これから理沙ちゃんお風呂なの。ええ、じゃあ事務所で待ってもらってて。ああ私もそっちへ行くわ。吉川さん、別にいいでしょ?」  
「ええ。お風呂は私ひとりで入れられますから」  
「じゃあそういうことで。理沙ちゃん、綺麗に洗ってもらうのよ?」  
「ふ、ふぁい……」  
 天野が理沙の頬をつつく。理沙は不安と期待の入り混じった表情で、眼前にある吉川の顔を見つめた。  
 
 風呂場で理沙は椅子に腰掛けさせられた。そして吉川はシャワーを手に取ると、まずは理沙の全身についた汚物を流し始める。やや熱めの湯が、強張った理沙の体を徐々にほぐしていった。  
(……お風呂からあがったら、いよいよご主人様にお逢いできる……)  
 同じ建物の中にご主人様がおられる。そう思うだけで自然と顔がほころんでいく。長い髪の毛の間を洗っている吉川が、理沙の表情に気づいた。  
「あら理沙ちゃん、機嫌なおったの?」  
「えへへ」  
「ふふ。……あ、こら。あまり口を開けてると、お湯が口に入るわよ」  
 吉川も笑いながらシャワーを止める。茶色い水が排水溝へ流れ込んでいくのを見ながら、理沙は軽く頭を振った。濡れた髪が頬に張り付いて痒い。短い腕で頬を掻こうとするが、あと少し届かないのがもどかしかった。  
 その間に吉川は、理沙の背後で何かの作業をしていた。やがて、理沙の頬から髪を外しながら声をかける。  
「理沙ちゃん。お腹の中も完全に綺麗にしておこうか」  
「……え?」  
 先ほどたっぷりお浣腸されたばかりなのに、と怪訝そうに理沙が振り向く。その眼前で、吉川が楽しそうに手に持ったシャワーの先端部を振った。  
「え、ええ?」  
 それをみた途端、理沙は怯えたような声を上げる。シャワーにはコンドームのような袋がかぶせられ、その先端にはエネマシリンジのゴム管のようなものが付いている。理沙の表情をみながら吉川が笑った。  
「ふふ。シャワーを使ったエネマシリンジよ。これで理沙ちゃんの大腸を洗ってあげるわね」  
「ほ、ほんなぁ」  
「まだお腹の中にグリセリン溶液が残ってるんじゃない? 綺麗にしておかないと、しばらくしたらまた腹痛が襲ってくるわよ。それに、帰ったらたっぷりかわいがってもらうんでしょ? だったら徹底的に綺麗にしておかないとね」  
「うう……」  
「大丈夫よ。普通のお湯だし、ゆっくり入れてあげるから」  
 吉川は説明しながら理沙を床に降ろした。理沙は顔を赤く染めながらおずおずと尻を持ち上げる。まだ微かに開いたままの肛門に軽く石鹸を塗り、吉川はゆっくりとゴム管を挿入した。  
「じゃあ入れるからね。熱かったり、お腹が苦しかったら言ってね」  
「ふぁい……はあっ!」  
 理沙が返事すると同時に吉川がシャワーの蛇口を捻った。じわりと暖かい湯が理沙の直腸に広がる。先ほどの強烈なグリセリン液とは違い、それはむしろ快感に近い感覚だった。  
「はあ……はあぅ……ん」  
「気持ちよさそうな声をあげちゃって。……もういいかな。今回は我慢しなくていいから、すぐに出しなさい」  
「ふぁ……」  
 肛門に管を挿したまま吉川が理沙の足を持ち上げ、赤ん坊が用を足すような格好にさせる。理沙はちらりと吉川を見上げた。吉川が優しく微笑む。理沙は一度息を吸い込むと、ぐっと腹筋に力をこめた。  
 じわじわとゴム管が肛門から抜けていく。そして全てが抜けきった瞬間、理沙の体は大きく跳ねた。同時に尿道と肛門から勢いよく濁水が排出された。固形物はないが、まだ黄色く濁っている。理沙は幾度も腹筋を蠢かせ、腸に溜まった湯を押し出した。  
「もう終わった?」  
「ふぁい……」  
 息をつきながら理沙が答える。吉川は桶に溜めた湯で床の汚物を流し去ると、再び理沙を四つんばいにさせた。  
「え?」  
「うん。新しく切れたりはしてないわね。理沙ちゃん、お尻の痔は痛くない?」  
「……ふぁい」  
「それはよかった。じゃ、もう一度お浣腸するわね」  
「ええ? ろうひて?」  
「お腹の中を完全に綺麗にするって言ったでしょ? お湯が透明になるまで何度でもお浣腸してあげる。……そうね、最低あと3回かしら」  
 ゴム管を再び手にしながら吉川が告げる。理沙は一瞬眉を寄せたが、すぐに上半身を床に降ろして尻を突き上げた。注腸をねだるように尻の穴がひくひくと収縮する。吉川はわざと焦らすように、ゆっくりと理沙の直腸にゴム管を挿入した。  
 
 結局、その後4回の浣腸が施された。久しぶりの連続大量浣腸に理沙の体は奥のほうから火照っている。再び椅子に座らされたっぷりと石鹸が全身につけられると、吉川がくまなく体を洗い始めた。そのくすぐったい感触にすら性感が高まってくる。  
「ほら、おヘソの中もよく洗っておきましょうね」  
「ふあ……ほこはらめぇ……!」  
「ふふふ。理沙ちゃんの体、凄く敏感になってるわね。家に帰るまで耐えられるのかしら」  
「うう……いりわるぅ……」  
「じゃ最後に、ここを洗いましょうか」  
 そう言って吉川が理沙を床の上に仰向けに寝かせた。そして秘裂を開きながら、頂点にピンと盛りあがる赤い豆を軽く指ではじいた。  
「ひゃあ!」  
「ふふ。いよいよここをかわいがってもらえるのね」  
「うあ、やめれくらはい……いらい、いらいよぉ」  
 指の先に挟まれて陰核が弄ばれる痛みに耐えられず、理沙は叫んだ。しかし吉川は秘裂をぐっと開く。サーモンピンクの秘所が艶かしく蠢いた。  
「最近ちゃんと洗ってないから、襞に恥垢がついているわよ。それに膣口に生理の血の痕がついているわ。……これじゃ、恥ずかしくてお股を開けないでしょ?」  
「うう……」  
「ふふふ。ついでに膜も念入りに洗ってあげるからね。イかないように気を強く持ちなさい」  
 言いながら吉川が指にボディーソープをつけた。そして陰核をつまみあげ、根本を丁寧にこする。敏感な器官をこねまわされ理沙は反射的に足を閉じかけるが、吉川に強引に開かされた。快楽に悶える理沙の姿を楽しむように吉川は秘裂を幾往復も撫で回す。  
「らめぇ……やめへぇ……!」  
 尿道周辺を集中的に洗われ、理沙はたまらず叫んだ。数週間に渡るカテーテルや尿道への薬の塗布により、そこは今や新たな性感帯となりつつあった。  
 吉川はその様子をみてあっさりと手を離し、シャワーで丁寧に泡を流した。意外そうに理沙が吉川を見る。それに気づいて吉川が微笑んだ。  
「なあに? イかせてほしかったの?」  
「……うう」  
「ふふふ。あと数時間したら気が狂うほどイかせてもらえるんだから、もうちょっと辛抱なさい。……でも本当にここ一ヶ月、よく我慢したわね」  
「……」  
 吉川が感心するように笑った。しかし理沙は黙り込んで下を向く。溜息をついて吉川が理沙を湯船に入れた。  
「ちょっと体が冷えちゃったね。ゆっくり温まってあがりましょう。……ああそうそう、退院してからの身の回りの世話については、メイドさんがちゃんとしてくれるばすだから心配しないでね」  
「あの……よひかわはん」  
 湯船の湯をかき混ぜながる吉川の顔を、理沙がじっと見た。  
「ながいことおへわになっへ、ありがほうごらいまひた」  
「……何よ改まって。いいのよ、これが私たちの仕事なんだから。それに理沙ちゃんが一番頑張ったのよ。辛い入院生活によく耐えたわね。おめでと」  
「れも、やっぱりおれいをいわへてくらはい」  
 言いながら理沙がぺこりと頭を下げる。吉川はすっと目元を拭った。  
「……元気でね、理沙ちゃん。病気になったり何かあったら、すぐこの病院に来てね」  
「ふぁい」  
「ああ、でもまた何年かすれば入院することになるわね。……理沙ちゃんはまだ成長期ですもの。切った腕や足の骨とか筋肉とかが変な伸び方をする可能性があるから、再手術の必要があるのよ」  
「え……?」  
「そのときは、理沙ちゃんには体温測定用の特大プラグをアナルと膣の両方に入れてあげる。楽しみにしてなさい」  
 目を細めながら吉川が告げる。理沙は一瞬目を見開いたが、すぐに元通りの笑顔に戻った。あのプラグを両方の穴に同時に入れられたら……それを想像するだけで体の奥が熱くなる。  
「……えへへ」  
「ふふふ」  
 理沙が笑った。吉川もそれにつられて笑う。  
「さて。じゃあそろそろあがろうか」  
 
   (続 く)  
 

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