※注意! この作品にはグロ・残酷描写が含まれます。  
 苦手な人は読まないでください。  
 
 あれから3日が過ぎた。  
 お風呂のあと部屋に戻り、元通り四肢を手錠で拘束される。夕方にもう一度あの恥ずかしい診察を受けたことと三度の食事以外はとりたてて変わったことはない。  
 以後も同じような日が続いた。朝食、朝の診察&風呂、昼食、夕方の診察&風呂、夕食。CTこそなかったが、毎回行われる大量浣腸に理沙の肛門は赤く腫れあがっていた。そこに入れられたアナルプラグが理沙の直腸を苛む。  
 理沙はじっとカメラをみつめていた。カメラはたまにアングルを変えるが、それがご主人様の操作によるものなのか理沙にはわからなかった。むしろご主人様しか動かすことができないアナルプラグを動かしてほしいと、彼女は視線で訴えた。  
「ご主人様……理沙のお尻、いじめてくださいぃ……」  
 一度カメラに向かって、口に出して訴えたこともあった。しかしプラグは一度も動かず、その後の診察で石本たちにからかわれたため、以後口に出して訴えたことはない。  
 3日目の夜、理沙は肛門に力を入れた。  
「ふぅっん」  
 鼻に抜ける甘い息が漏れる。肛門を閉めるとそれによってアナルプラグが動き直腸を刺激する。鈍い便意に似た感覚が肛門の疼きとともに彼女の脊髄を駆け抜ける。さらに直腸から子宮が刺激され、秘裂の一番上にある最も敏感な器官が大きく盛り上がった。  
 ひく、ひくっと理沙は何度も肛門を締め上げた。その度に直腸へ微妙な刺激が伝わる。いつしか理沙の秘裂にはとろっとした液体が溢れていた。  
(……ご主人さま……)  
 理沙は心の中でつぶやきながら肛門に力を込めた。大きな刺激が、包皮に半分埋もれていた理沙の陰核を完全に露出させる。外気にさらされた陰核の刺激に、理沙ははぁっと大きな息を吐いた。秘裂から大きな水玉がこぼれる。  
 首をもちあげ、理沙は自らの下腹部を見る。薄い茂みの向こうに大きな隆起がみえた。  
 今までこんなにご主人様と離れていたことなかったな……理沙はぼんやりと思い出していた。嬉しいとき、悲しいとき、つらいとき、楽しいとき、いつもご主人様が近くにいた。たった3日間とはいえ、ご主人様と離れていたことはない。  
 はじめての調教はいつだったかしら……ああ、ママが亡くなった直後からだっけ……。  
 大きく盛り上がった陰核がひくひくと震えた。もしこの場に石本がいて、いま彼女がそこに触れたら、理沙は絶頂を我慢できる自信はなかった。入院してからずっと性的な責め苦を受け続け、かつ絶頂直前で我慢することが続いていた。  
 理沙の性欲ははちきれんばかりに大きくなっていた。  
(はあ……ご主人さま、お願いです……お尻を苛めて……そして私をイカせてくださぁい……)  
 主人以外の者の手で絶頂を迎えてはならない。それは理沙が誓った「忠誠の証」でもあった。入院当初、絶妙なテクで一度石本にイカされた以外は、手淫すらそれに反する行為として理沙は自らを戒めていた。  
 今、ご主人様がアナルバイブのスイッチをいれてくれたら。理沙は浅い呼吸を繰り返しながら考えた。そうしたら瞬く間に主人の手で絶頂を迎えることができるのに。ガマンすることなく、心の底からご主人様と叫んで達することができるのに。  
 一台のカメラが動いた。かすかなモーター音をたてながら、マニピュレータが伸縮する。そしてカメラは彼女の秘裂を接写しはじめた。  
(……誰……?)  
 理沙はカメラをみつめた。先生や看護婦さんだろうか、それともご主人様だろうか。  
 しかし結局アナルバイブが動くことはなく、理沙は一晩中秘裂をカメラに視姦されながら、悶々としてすごした。  
 
 明け方、ようやくうとうとしはじめた理沙を石本が揺り起こした。眠たい目を何度かしばたかせると、石本の脇に先生が立っている。  
「あ……せん、せえ……?」  
「おはよう理沙ちゃん。よく眠れたかい?」  
 先生が笑顔で尋ねる。石本が理沙の顔についた涎をぬぐった。  
「さて理沙ちゃん、予定より1日遅れたけど、いよいよ今日、きみの手術をするよ」  
「え……!?」  
 理沙は身を固くした。じゃらっと鎖が鳴る。いよいよ私の手足が切られてしまうんだ……。覚悟していたとはいえ、宣告されるとやはり怖くなる。先生が、顔色の代わった理沙をみながら尋ねた。  
「おや、怖いのかい?」  
「い……いえ、大丈夫です……」  
 しかし理沙は気丈に笑顔をつくろい、答えた。ふ、と短くため息をつき、先生が続ける。  
「それと、藤原さんからの追加依頼で、あとふたつの手術をまとめてすることになったんだ」  
「あとふたつ?」  
 理沙は首をかしげた。ひとつは、最初の診察のときに宣告された「包茎手術」だろう。大きく腫れあがった陰核の周囲にある包皮を切除し、つねに陰核に刺激が加えられるようにする手術。  
 先生は頷きながら言葉を続けた。  
「ひとつは知っての通り包茎手術。もう一つは卵管結紮だよ」  
「らんかん……けっさつ?」  
 聞いたことがない単語に理沙が尋ね返す。石本が先生に代わって説明を始めた。  
「理沙ちゃん、保健体育で女性器の構造は習った? 膣の奥に子宮があって、その左右に卵巣があるの」  
 こくりと理沙が頷く。  
「で、ふたつの卵巣と子宮を結ぶ管を『卵管』というのよ。結紮というのは……単純に言うと、その管を切ってしまうことなの」  
 
「え……ええ!?」  
 思わず理沙が大きな声を上げた。先生が笑いながら石本の説明を補足する。  
「大した手術じゃないよ。お臍の下をちょっと切って、そこから二本の管を切るだけだから」  
「でも……どうしてそんな手術を?」  
 理沙が不安げに尋ね返す。石本がいつもの調子で答えた。  
「これは避妊手術なの。男の人の精子が子宮に入っても、卵巣にある卵子まで届かなかったら赤ちゃんはできないでしょう?」  
「えっ……」  
「まあ、卵管を切ったって女性ホルモンには影響しないから、生理はずっと続くし胸だってこれから大きくなるわよ」  
 笑いながら石本が言う。理沙はしばらく考えた。……赤ちゃんができない……。ご主人様が退院後に自分の処女を奪ってくれるという約束を思い出した。ぽろ、ぽろぽろ。気がついたら理沙の目からは涙がこぼれはじめていた。  
「あら、どうしたの理沙ちゃん?」  
 石本が慌てて涙を拭う。しかし理沙の涙はとまらなかった。理沙も何故自分が泣いているのか説明ができるわけではない。しかしそれをとめることもまたできなかった。  
 先生はそんな二人をみながら、淡々と説明を続ける。  
「今日は朝食の後、いつもの診察。そしてその時に剃毛処理をします」  
「ていも……?」  
「アソコの毛はもちろん、首から下の毛を全部剃るのよ。産毛まで全部、ね」  
「そしてそのあとお風呂に入って、消毒をして、それから手術……という段取りだよ。手術は予定通り全身麻酔でするから、手術室に入ったら次に目が覚めるのは明日の朝ぐらい、かな」  
「……」  
 ごくっと理沙は唾を飲み込んだ。ふと、死刑を宣告された囚人の気持ちってこんなかしら、といささか不謹慎な想像が膨らむ。  
 先生はそれじゃ、と部屋を出て行く。石本が一礼しながら見送る。  
 そして石本は理沙のベッドに乗り、彼女の臍のちょっと下をかるく撫でた。ひゃん、と理沙が驚きの声を上げる。  
「どう、判った? これがCTをとった理由よ」  
「あ……」  
 臍をくすぐりながら石本が説明する。理沙は慣れない臍周りの刺激に戸惑いを隠せなかった。くすぐったさの向こうに奇妙な快感がある。理沙は自分の陰核が再び勃起しはじめたことを感じていた。  
 石本がそれを見つける。彼女は理沙の陰核の周りにある陰毛をさわさわと撫で上げた。決して陰核には触らない。微妙な箇所の刺激に理沙は唇をかんで耐えた。  
「ふふ、いつまでも遊んでいると怒られちゃうわね」  
 突然石本が刺激をやめた。理沙は思わず潤んだ目で石本をみる。しかし石本はその視線を軽く逸らし、ベッドの上から降りた。  
「それじゃ、朝ご飯持ってくるからね」  
「あ……」  
 名残惜しそうに理沙がみつめる。石本は鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。  
 
 
 食事の後、理沙はいつもどおり診察室へと運ばれた。そしてこれもいつもどおり、触診・聴診・検尿・浣腸が施されていく。  
 それらが一通り終わると、石本が桶を持ってきた。吉川はスプレー缶と安全剃刀を二つずつ持ってくる。かちゃかちゃと缶を振りながら、吉川が理沙に説明した。  
「ではこれから、理沙ちゃんの首から下の毛を全部剃ります。二人で同時に剃っていくけど、危ないから絶対動いちゃダメですよ」  
「……はい」  
「ああそうそう、これは邪魔だから抜きましょうか」  
 道具の準備をしながら、石本が思い出したように言った。そして理沙の尿道に刺さったカテーテルを揺らす。理沙にとって何日も入れられたままの管の感覚は半ば麻痺していたが、彼女が揺らしたことで再び強い痛みが襲ってきた。  
 尿道の入り口から内部まで、さらには膀胱までもが震える。膨らんだバルーンが膀胱壁をくすぐり、慣れない感覚に理沙が悲鳴を上げた。  
「あらあら、ごめんね。痛かった? 手術前にもう一度入れるけど、今の作業に邪魔だからとりあえず抜くわね?」  
「え……そんな」  
 あまり悪びれた様子もなく石本がカテーテルのバルーンに入った液を抜く。そして吉川が理沙の陰唇を開き、石本がゆっくりとカテーテルを尿道から抜き始めた。  
「ひ、ひああ! いた、痛ぁい!」  
 理沙は拘束された四肢を揺らして叫んだ。しぼんだバルーンが尿道をこすり、理沙に耐え難い苦痛を与える。思わず尿道をきゅっと締めると、さらなる痛みが理沙を襲う。  
 石本はそんな理沙を無視して、あくまでゆっくりとカテーテルを操作した。カテーテルが抜けた瞬間、あまりの痛みに理沙が失神する。尿道は赤く盛り上がり、少しオシッコが漏れてきていた。  
「ちょっと爛れてるわね。もう少しカテーテルの操作の練習したほうがいいわよ?」  
「そもそもこんな太い管、誰だって気絶するわよ。……それより、今のうちに作業を始めない?」  
 石本が太いカテーテルを振りながら吉川に目配せする。吉川も無言で微笑みながら石本にスプレー缶と安全剃刀を渡した。  
 
「ん……」  
 肌を撫でられる感触に、理沙が目を覚ました。左右にそれぞれ看護婦が見える。  
「え……あ、きゃ!」  
 そして二人の看護婦は、それぞれ理沙の体の半分ずつを同時に剃っていた。腕が終わり、いま二人は理沙の脇の下を剃っている。  
「あら、おはよう理沙ちゃん。……こら、動いちゃ危ないでしょ」  
「そんな……くすぐった……はぁ!」  
「理沙ちゃん、薄く腋毛が生え始めているわよ。入院前に手入れしてきたの?」  
 スプレー缶を押して泡を手に取り、脇に塗りながら石本が指摘する。そして吉川は、脇の下から小さな乳房に向かって刃を進ませた。  
「や、やだそんな……胸なんて」  
「全身剃る、って言ったでしょ? このあとお腹や背中、足、もちろん陰部まで全部つるつるに剃りますからね」  
 吉川が胸に泡を塗りながらきつく言う。剃刀が乳首の周辺を舐めるように動く。微かに刃先が乳首をこすった。理沙は歯を食いしばって耐える。  
 次に二人は腹を剃り始めた。臍の周りや脇腹に、丁寧に剃刀が当てられる。性感にも近い感覚に理沙は悶えた。動くわけにはいかない。それが却って性感を高め、理沙の精神を苛んだ。  
 
 しかし石本の剃刀が脇腹を剃り、その刃先が理沙の薄く浮き出た肋骨をそっとなぞったとき、たまらず理沙は体を震わせた。慌てて吉川が刃物を上げる。  
「ひゃあ……っ!」  
「あぶない、動いちゃダメだって言ったでしょ?」  
「ごめんなさい……でも、くすぐったくて」  
「……くすぐったいだけかしら?」  
 意地悪な笑みを浮かべ、石本が理沙の秘裂に触れた。粘り気のある汁を指ですくい、こねまわす。  
「剃毛プレイなんてマニアックなこと、したことあるのかしら?」  
「そ、そんなこと……」  
「じゃあなに、初めてこんなことされたのに、理沙ちゃんは感じちゃったわけ?」  
 理沙は顔を真っ赤に染めながら目を閉じた。くすくす笑い続ける石本に吉川が声をかける。  
「ほら、時間がないんだから。はやく」  
「そうね。……でもこんな状態でアソコを剃るのは危なくない?」  
「……じゃあ次は、足を剃りましょうか」  
 そういうと二人は、それぞれ理沙の左右の足の先に泡を塗った。指先から足の甲、くるぶしを丁寧に剃っていく。指の一本一本を広げられ、その隙間まで丁寧に剃られる感触に理沙は震え上がった。  
 くすぐったさは先ほどの腹の比ではない。ひぃと息を漏らしながら理沙は唇をかんだ。勝手に動きたがる指先に神経を集中し、なんとか動かないようにする。そのため余計にくすぐったさが強く感じられるのだが、理沙にはどうしようもなかった。  
 剃刀はくるぶしからふくらはぎ、膝、太腿、そして付け根へと順番に上がってくる。そしてついに看護婦たちの指先が、秘裂にそっと触れた。  
「んっ……!」  
「いい理沙ちゃん」  
 一度石本が顔を挙げ、理沙の顔を覗き込む。  
「これからアソコの毛を剃ります。ここが一番雑菌のつきやすいところだし、特に今回は包茎手術もあるから特に念入りに剃ります。  
 あちち触れたりひっぱったり広げたりするかもしれないけど、絶対に動いちゃダメよ。いいわね?」  
「……はい」  
 理沙には正直なところ自信がなかった。自分がくすぐったいのに弱いことは既に承知していた。ましてや最近、性欲をもて余し少しの刺激でも気分が高まる。  
 秘裂をいじりまわされて、まったく動かずじっとしていることができるのか、理沙には自分でも自信がもてなかった。  
 しかし石本たちは構わずに泡を陰毛で泡立て始めた。その刺激に、すでにクリトリスが勃起し始める。ああ、と理沙が息を漏らした。  
 じょりっ。一番外側の陰毛が剃られた。吉川が反対側を剃っていく。まるで砂取りゲームのように、二人は少しずつ理沙の陰毛を取り除いていった。  
 そしてついに秘裂に近い部分の毛だけが残った。石本が起用にクリトリスの周辺の毛を剃っていく。吉川は陰唇を開いて、その際に生えた陰毛を処理した。  
「あぅ……あ、ああ……!」  
 陰部が弄ばれるたびに、理沙が切ない悲鳴を上げる。と、石本が突然クリトリスをぎゅっとつまみあげた。  
「ひぐっ! な、なんですか!?」  
「クリちゃんのすぐ脇にある毛を剃るのよ。危ないからつまんで作業するわね」  
「そんな……はぁっ!」  
 クリトリスが下に向かって引っ張られ、その上部を剃刀が撫でる。理沙は肛門にぎゅっと力を込めて、その快感に耐えた。同様に今度はクリトリスが左にひっぱられる。右に、上に。クリトリスが弄ばれるたび、理沙は歯を食いしばった。  
 暖かい濡れタオルで陰部を拭かれ、理沙はほうと息を漏らす。とりあえず体の前半分はこれで終わったのだ。  
「はい理沙ちゃん、キレイになったわよ」  
 言いながら石本が下腹部を撫でた。確かにつるっとした触感が伝わってくる。最期に石本がクリトリスを撫でた。理沙はびくっと体を震わせて石本を睨んだ。  
「じゃあ理沙ちゃん、次は背中を処理しますからね」  
 しかし石本はそれを意に介せず、理沙の鎖を操作して彼女をごろりとうつ伏せにした。  
 
「……はい、終わりましたよ。じゃあお風呂に入りましょうねぇ」  
 石本が言いながら理沙の四肢に嵌めた鎖を外した。理沙が不思議そうに顔を上げる。石本は鎖を束ねながら理沙に言った。  
「思ったより時間がかかっちゃった。私たちは手術の準備があるから、理沙ちゃん一人でお風呂に入ってね」  
「……え」  
 強張った体をベッドの上に起こしながら理沙が尋ね返した。ベッドの裾に座る。思えばこんな姿勢になるのも数日振りだった。  
「ちゃんとした消毒はもちろん別にするけど、汗とか垢とか、自分で洗い落としてね。……お風呂、一人で入れるでしょ?」  
「も、もちろんです……けど」  
 言いながら理沙はベッドから床に降りた。数日振りに自分の足で立つ。このわずかな期間でも筋肉が衰えるのか、理沙はふらふらすることに自分で驚いた。石本が脇を支える。  
「お風呂もあんまりゆっくり入っている時間はないからね。手際よく洗うのよ。  
 ……そうそう、カメラもマイクもお風呂にはないから、何か用事があったら大きな声で呼んでね」  
「……はい」  
 そして理沙は一人で風呂場に残された。石本は桶や椅子を置くと、手を振って出て行く。理沙はしょうがなく、シャワーの蛇口を捻った。  
 まず顔、そして髪の毛を洗う。毎日2回のお風呂で石本に丁寧に洗ってもらっているから、汚れているわけではない。しかし自分の指で体を洗うのは、やはり気持ちがよかった。  
「……自分の指で……?」  
 理沙がふと髪を洗う指を止めた。  
 これからしばらくしたら、いよいよ手術だ。それが終わればもう二度と自分で自分の体を洗うことができない。髪を磨いだり、歯を磨いたり、それに……自慰だって。  
 つつっと理沙の目から涙がこぼれた。慌ててそのまま髪の毛を洗い、丁寧にシャンプーを洗い落とす。それでも涙はとまらなかった。  
 理沙はそっと自分のクリトリスに触れた。数日間、刺激を与え続けられながらも一度も満足をしたことがないそれは、自分でも驚くぐらい熱く大きくなっていた。  
 ちゅくっ。軽くこねまわす。  
「はぁうっ!」  
 信じられないほど敏感になった器官。怖いぐらいに高まる興奮。  
 理沙は今まで一度も自慰をしたことがない。主人以外の手でイカされたのは、入院初日にこの風呂場で石本の手によって達した一回きりであった。  
「ご、しゅじん、さまぁ……」  
 理沙は息を吐きながら甘い声を出した。指先がせわしなくクリトリスを刺激する。駄目、と理性がどこかで叫ぶ。自慰をしないのは主人に立てた誓いでもあった。自分の性欲はすべて主人によりコントロールされるべきであると。  
 しかし理沙は、ここ数日の責め苦によて快楽に飢えていた。イく直前まで高められ、常時カメラに視姦され続ける生活。彼女の性欲が理性を飲み込んだ。  
 そっと理沙は、もう片手を自分の肛門に差し込んだ。数日間極太のプラグを入れられ続けてきたその窄まりは、驚くほどあっさりと理沙の細い指先を飲み込む。  
 理沙は人差し指と中指を直腸の奥深くに差し込んだ。そして二本の指を交互に動かして内壁を刺激する。  
「あ、ああ……ああ、あっ!」  
 赤く腫れた尿道にも、クリトリスを刺激しながらそっと触れた。ちょろっと暖かい液体が、刺激するたびにこぼれる。  
 理沙はいま、生まれて初めて自分の指によって達しようとしていた。主人の顔が脳裏をよぎる。理沙は指の動きを早めた。  
「い、イク……ご主人さま、ご主人さまぁ!!」  
 びくんと全身が震えた。椅子からずり落ちる。息を止め、理沙は快楽の波を心の底から味わった。甘美な味はやがてすぐに消え、代わりに後悔と虚無感が広がる。  
 ゆっくりと肛門か指を抜いた。秘裂に添えていた手を離す。  
 そして理沙は、大声で泣き始めた。  
 
 
 理沙が風呂から上がると、誰もいなかった。きょろきょろ周囲を見回していると、天井のスピーカーから石本の声が聞こえた。  
「ゆっくりお風呂に入っていたようね、理沙ちゃん」  
「ごめんなさい……」  
「まあいいわ。じゃあいよいよ手術室へ来てもらうわね。本当は私たちが案内するんだけど、時間がなくなっちゃったから。……一人で来られるらよね?」  
「え、えと」  
 チン、とエレベータが鳴った。静かに扉が開く。理沙はエレベータの中に入った。遠隔操作をしているのか、理沙が乗ると扉が閉まり、ボタンを押してないのに勝手に降りはじめる。  
 エレベータはわずか1階分だけ下がり、すぐにとまった。  
 扉が開いた先は二重扉で区画されており、扉の奥には診察室をより殺風景にしたような部屋があった。おずおずと扉をくぐる。その向こうには手術用の服に着替えた石本が立っていた。  
「いらっしゃい、理沙ちゃん」  
「あ、あの……?」  
「ここは手術前室。隣がいよいよ手術室よ。ここで理沙ちゃんの体の消毒をするの」  
 言いながら彼女は理沙に万歳をするよう命じた。理沙がゆっくり手を挙げる。石本は丁寧に彼女の髪をまとめると、それにビニールのキャップをかぶせた。そして首から下の部分を丁寧に布で拭っていく。  
 ひやっとした触感に理沙が軽く身をよじった。腕、胸、腹、背中。全身が丁寧に消毒されていく。  
 消毒が終わると、石本はストレッチャーに横になるよう理沙に命じた。理沙は素直にそれに乗る。一回大きな深呼吸をした。もう逃げられない。そんな気持ちが不意に持ち上がってきた。  
 石本が再び、理沙に尿道カテーテルを挿入した。手術の予定時間は12時間を越えるという。その間に尿漏れを防ぐためだという。先ほどまで入っていたものに比べるとかなり細いが、挿入時の痛みにやはり理沙は顔をしかめた。  
 最後に、肛門にアナルプラグが挿入される。心電図や血圧、脈拍を図るための機械も胸や腹部に貼られ、理沙はいよいよ手術室へ運び入れられた。  
 大きな丸いライトが頭上にある。先生をはじめ、数人のスタッフが全裸の理沙を見下ろしていた。先生が尋ねる。  
「じゃ理沙ちゃん。始めるよ……いいかい?」  
 こくりと小さく理沙が頷いた。酸素マスクがつけられる。腕に太い注射が打たれた。  
 ぱあっとライトがまぶしく光る。麻酔が効いてきたのか意識が朦朧とする。先生がスタッフに何かしゃべっている。そして誰かが理沙の顔を覗き込んだ。無影灯の光が遮られる。  
(……ごしゅじんさま……)  
 理沙はそれが一瞬、主人の藤原に思えた。理沙は何か言おうとした。しかし麻酔が彼女の意識を覆っていき、理沙はやがて意識を失った。  
 
(続 く)  
 

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