全身がきしむ。爆音。砲声。大きな波。足元が大気が地球全体が震え揺れている。
これがいいんだ。これこそが今の僕達に一番似合ってる葬送行進曲なんだ。
僕達をギッシリ詰め込んだ揚陸艇が浅瀬へと向けて突き進んでいく。
目の前に広がるのは、ビルぐらいの高さはある密林の濃い緑。
その下に広がっているだろう真っ青な海は揚陸艇の分厚い船体が邪魔して
見えない。
キリコはただ押し黙っているし、その脇のスコープドッグもピクリとも動かない。
クミョンとスーザンの着込んだパワードスーツの不恰好なバイザーは熱帯の
陽光をギラギラ反射する。
ヨンセンがゲーッと吐いた。浅瀬までもう少しだ。