■■「いつまでもどこまでも」〜はじめてのパパとママ〜■■  
 
■■【1】■■  
 未宇(みう)にとって、“たーくん”は幼馴染みだ。  
 そして、親同士どころか国同士…いや、星同士が決めた許婚相手でもあった。  
 
 “たーくん”は超重力帯の第4惑星ヘカテの生まれで、広域文化圏銀河文明  
種交流コロニー――通称『アカデミー』には、種族規模での“生殖能力と出産  
後の母体生存率の低下”を研究する両親と共に、8年前にやってきた。  
 …と、いつだったか未宇は“たーくん”の両親に聞いた事がある。  
 一方、未宇はと言えば、生まれも育ちも『アカデミー』で、しかも原種保護  
法によって厳重に保護された絶滅危惧種「ホモ・サピエンス」の、純血の、そ  
れも最後の一人だった。  
 だから、どこに行っても大事にされ、まるで壊れ物を扱うみたいに育てられ  
ていた。だからといって、決してワガママに育った訳ではないのは、少女の現  
在の保護者である太陽系地区惑星管理管の妻の大きな自慢のタネでもある。  
 
 未宇が『アカデミー』で生まれたのは14年前だったけど、たーくんはその  
時、太陽系標準時で18公転周期だったから、人間で言えば22歳だ。現代の  
地球では16歳を越えると成人として認識されるから、未宇にとってはオトナ  
であり、そしてずいぶん歳の離れたお兄さんという事になる。  
 もっとも、“たーくん”の種族は総じて地球人類より遥かに長命で、彼の星  
の公転周期で言えば、実はまだ満2歳にも満たなかったから、それぞれの惑星  
単位で単純に比べた場合、そういう意味では未宇の方がずいぶん、かなり、ずっ  
と、『お姉さん』という事になるのだから、そこのところ、ちょっとややこしい。  
 
「あーあ…午後の授業が休みになるんなら、スーナちゃんにカード借りておけ  
ばよかった」  
 どこまでも白い色の廊下を“ぺたぺた”と歩きながら、腰までのツヤツヤと  
した長い黒髪を揺らし、未宇は唇を尖らせてぷっくりとしたほっぺたを膨らま  
せた。良く動く、表情豊かで“くりっ”とした大きい目は、光の加減で黒にも  
紺色にも見える。身長は155センチを越えたかどうか。すらりとした手足は  
伸びやかで、卵型の顔は人形のように整っていた。  
【スーナちゃんって、ホモ・ラビルテの女の子?】  
「うん。銀色の毛並みが綺麗な、可愛い子」  
 「ホモ・サピエンス」が絶滅危惧種だからといって、地球が滅びたわけでは  
なく、人間はちゃんとまだ生きている。けれど、銀河航路が整備され、地球人  
類と地球外種族との交易が始まって数百年。未宇ほど変異の少ない遺伝子を残  
す者は、本当に少なくなったのだ。  
「せっかく最新のビジ・カードを貸してくれるって言ってくれたのに、授業が  
あるから断っちゃったんだよぉ?休みだって知ってたら、借りといたのに…」  
 だぶだぶの白いワンピースは少女の体の線をすっかり隠していたけれど、緑  
色の液体が入った透明な強化樹脂の球体を、大事にお腹に抱えるようにして抱  
いているため、胸が下から押し上げられて“むにゅっ”と盛り上がり、それが  
少女の年齢の割りに結構大きいのだと、傍から見ていても窺い知る事が出来る。  
 ただ、年齢が14歳だということを思えば、純血の「ホモ・サピエンス」と  
しては少々大き過ぎるだろう。  
【仕方ないよ。先生が急病だっていうんだから】  
「でもさぁ…」  
 近くに人影は無い。  
 それでも、未宇の耳には、幼い頃から慣れ親しんだ心地良い『声』が、ハッ  
キリと聞こえている。  
「クラムファル先生ってロムナの出身でしょ?どーせズル休みだよ。ホルトの  
黒点移動が近いから」  
【先生はそんなズルしないよ。未宇じゃないんだから】  
 
 『クラムファル先生』というのは、未宇と“たーくん”の物理学の先生で、  
背の高さが20センチしかない、直立したムカデのような節足型惑星人のこと  
だ。  
 怒らせるとものすごく怖いけど、理不尽な事で怒ったりはしない理性の人で  
もある。  
 そして、ちっちゃな虫のような姿をしていても、彼の種族は、惑星連合の広  
域文化圏共通翻訳機を作り出した、由緒ある古参の銀河文明種だった。  
 つまり、今こうして未宇と“たーくん”が話せるのも、全て先生の種族のお  
かげなのだ。  
「…“たーくん”…未宇はそんなズルしないよ?」  
【この前の応用物理のテスト】  
「あれは…」  
【あれは?】  
「――うー………“たーくん”ってさ、最近イジワルだよね?」  
【愛は時として非情なものだよ】  
 わざとらしく厳格な口調で呟かれた言葉に、未宇は両手で持っていた球体状  
のモノを、頭より高く持ち上げてポツリと言った。  
「…投げていい?」  
【…暴力反対…】  
「未宇のこと、愛してる?」  
【…………………………愛してるよ】  
「間があった」  
【愛してる愛してる。愛してるってば】  
 少女は『ふにゃっ』と、とろけそうな笑みを浮かべるとすぐに顔を引き締め、  
目の高さまで球体を下ろす。それは、未宇の両手で一抱えもある大きなものだっ  
たけれど、大きさに反して、まるで空気の入ったビーチボールのように軽かった。  
「…なーんかぞんざいだなぁ」  
【そう?】  
「未宇の目を見て」  
 
 球体に目を近づけて“じぃ〜〜〜…”と見詰めると、中にたっぷりと詰まっ  
た緑のゼリー状の“液体”が“もぞり”と動き、そこに浮いた真っ黒なビーダ  
マ状の玉が、まるで未宇の視線から逃げるように移動した。  
「よおくわかりました」  
【え?な、なに?】  
「…やっぱり投げる」  
【うわーーーーーーーっ!!】  
 少女がフルスウィングで放り投げた球体は、ビジ・ルーム(幻灯室)の浜辺  
でビーチボールを投げた時のように、硬化プラスチックで出来た廊下の中を、  
とてもとてもよく飛び跳ねた。  
 
■■【2】■■  
 未宇は、『アカデミー』内にある住居区の部屋に入ると、すぐに両手に抱え  
た球体を“たーくん”専用のベッドの上に乗せてから肩から下げていたバッグ  
を勉強机の上に放り投げた。  
 この部屋は、アカデミー側から特別に未宇と“たーくん”にあてがわれた共  
同住居であり、未宇が言うところの『愛の巣』だ。  
 もっとも“たーくん”は、少女がそう呼ぶ事をひどく嫌がったけれど。  
【…ひどいなぁ未宇ってば…】  
 球体が音も無く『パカリ』と開き、美しい緑色をした透明な物体が“とろり”  
とベッドの上に流れ出す。  
 “たーくん”専用のベッドは“たーくん”の体みたいなプルプルのゼリーで  
満たされていて、いつだったか地球のレストランでパパとママと食べたフルコ  
ース・ディナーのデザートのようだった。  
 あの時のデザートは、確かクランベリー・ゼリーだった気がする。  
【本当に投げること無いじゃないか】  
 ぶちぶちと、拗ねたような『声』に未宇は振り返ると、可愛らしい舌で「べぇ」  
としてみせた。  
「たーくんが悪いんだもん。“妻”に不審を抱かせるのは、全部“夫”が悪い  
んだって、ママが言ってた」  
 
【ボクと未宇は、まだ夫婦じゃないよ】  
 ベッドの上の「ゼリー」が“のたり”と動き、黒真珠みたいな美しい眼が  
“きょろっ”と正面に立つ未宇を捉える。  
 空気を震わせる「音」としての情報伝達手段を、“たーくん”は持たない。  
 だから未宇には、内耳に埋め込まれた広域文化圏共通翻訳機が受け取った思  
念波を通してしか、彼の意思を知る事は出来なかった。  
「もうすぐなるから一緒じゃない」  
【けどさ】  
「けど何?……“たーくん”は未宇とケッコンするの、嫌なの?」  
【…そうは言ってないじゃないか…】  
「やっぱり、同じ種族じゃないと嫌になった?こんな未宇とじゃ、赤ちゃん作  
れない?」  
【未宇…】  
 悲しそうに微笑む未宇に、“たーくん”は“ぷるるっ”とその身を震わせた。  
 
 未宇と“たーくん”は、種族が違う。  
 
 未宇には、頭と体と両手と両脚がある。  
 でも“たーくん”はプルプルのゼリーみたいな頭が体で、8本あるキラキラ  
と透き通った触手の、いったいどれが手でどれが脚なのかわからない。  
 未宇の頭には、目と耳が二つずつと、鼻と口が一つずつある。  
 でも“たーくん”にはピンポン玉くらい大きくてビーダマみたいに真っ黒な  
眼の他に、紫色のちっちゃな複眼が5つもあって、耳と鼻は無いけどその代わ  
りに口が3つもある。  
 1つはビーダマみたいな目の下にある短いチクワみたいな口吻がそれ。  
 で、あとの二つは触手の中でも比較的他のものより太い触手の先端に、針で  
突いたみたいにちっちゃい穴がポツンと開いているのがそうだ。  
 “たーくん”の頭…というか体は透き通っていて、内臓らしい内臓が無い。  
所々に球体が浮いていて、それが時々、赤とかオレンジとか黄色に光っている  
のが綺麗だった。  
 
 組織組成も進化系統も全く違う種族の二人だったけれど、互いを想う気持ち  
はホンモノだった。  
 少なくとも未宇はそう思っているし、“たーくん”もそうだと言ってくれる。  
 二人は許婚だけど、未宇はまだ  
「結婚するということ」  
「子供をつくるということ」  
 それらをちゃんと、正確に、本当に理解しているかと問われたら、正直、  
「わかんない」と答えるしかない。  
 でも、「二人の愛の結晶」という言葉は、まったくもって素敵で可憐で、何  
度舌にのせても胸がドキドキした。  
 だから、これっぽっちも怖くないし、疑問に思ったりもしていない未宇だった。  
 
 「子供をつくる」ということは、つまり「双方の遺伝形質を受け継いだ後継  
者をつくる」ということ。  
 今の時代、同じ炭素系生物であれば子供を作るのはさほど難しい事ではなかった。  
 生物を構成する肉体の組成は、根本的には似たような構造だったし、その体  
内には必ずと言っていいくらい、次の世代に自分の形質を伝える機構を持って  
いるため、地球で『遺伝子』と呼ばれてる“マトリクス”さえ発見し解析が出  
来れば、基本的にはどんな生物とだろうと、遺伝因子の変換と再構成で両方の  
形質を受け継いだ、いわゆる『子供』を作る事は可能なのである。  
 実際、宇宙広域文化圏の銀河文明種には、いくつもの種族の形質を取り込ん  
だスペシャル・ハイブリットが数多く存在する。  
 未宇と“たーくん”のような、進化系統がまるきり違う異種カップルも、  
『アカデミー』にはごく普通に存在しているのである。  
【ボクは、ケッコンするなら未宇とがいいよ】  
「“たーくん”…」  
【んと…違うな。未宇だから、ケッコンしたいんだ】  
 惑星連合には地球で言われるところの、純粋な意味での「結婚」という制度  
は無いけれど、逆にそれをあえて咎める法も無い。  
 
 だから未宇は、大好きな“たーくん”との子供が欲しいなと思った時、「結  
婚」して「夫婦」になりたいと思ったのだ。  
 一生を添い遂げる、かけがえの無い「家族」に。  
 大好きな、今はもういないパパとママのように。  
「じゃあ……あの…今日も、ちゃんと、愛してくれる?」  
 未宇は“たーくん”の前に立つと、顔を真っ赤にしてもじもじとワンピース  
の裾を両手で弄った。  
【…うん】  
 “ぷるっ”と“たーくん”の体が震えると、透明な2本の触手がするすると  
未宇に伸びた。  
 だぶだぶのワンピースの背中に手を伸ばして、未宇はファスナーを引き下げ  
る。そうして身を屈めて短い袖から両手を引き抜くと、“たーくん”の“手”  
が胸のおっぱいに触れるのを待った。  
 “ゆさっ”と揺れる未宇のおっぱいは、細い体にはひどく不釣合いなほど大  
きくて、地球の南半球の島などに自生している椰子の木の実くらいもある。重  
力制御されている『アカデミー』だから未宇のような細い体躯の女の子でも普  
通に歩く事が出来ているけれど、もし地球と同等の重力下ではバランスを崩し  
てしまうに違いない。  
 もっとも、未宇も“たーくん”も、ひょっとしたら重力制御されているがた  
めに、ここまで成長してしまったのかもしれない…と思わなくもないけれど。  
 そんな未宇は普段、ブラをしていない。  
 もちろん、0.8Gの元でも、体躯に対して大き過ぎるおっぱいは十分に重  
量を感じるし、時に重たくて仕方ないこともある。肩の筋肉は張るし、背筋は  
攣ったように痛んだりする。  
 でもそれは、“たーくん”に「ジュース」を胎内に注がれるまでの話だった。  
 “たーくん”の「ジュース」は、未宇の全身をいつも最高の状態にケアして  
くれるから。  
「ん…」  
 ひんやりとした“たーくん”の緑の触手が、未宇の胸にたっぷりと実った特  
大おっぱいに“ぺとり”と張り付く。  
 
【…大きくなったね】  
「ぅんっ……だって…毎日“たーくん”が可愛がってくれるもん…」  
 とろけるような笑顔で、ベッドの上の愛しい彼におっぱいを差し出すように  
して前傾した未宇は、白いワンピースを“きゅっ”と握り締めながらうっとり  
と言った。  
【もうすぐミルクも出るね】  
 未宇のおっぱいは、少女の体は細いのに乳肉がたっぷりと実っているため、  
相対的にものすごいボリュームに見えた。数ヶ月前は小豆ほどだった乳首は、  
乳房の肥大化に伴って、今では未宇自身の小指の先くらいの大きさにまでなっ  
ていた。  
「未宇の卵細胞もちゃんと熟してるよ。いつでも“たーくん”との赤ちゃん…  
産めるよ?」  
 そう言いながら、未宇は体を揺すって“ゆさゆさ”とおっぱいを揺らしてみ  
せた。“たーくん”の触手はおっぱいが揺れ、乳首が跳ね回っても張り付いた  
まま離れない。パンケーキみたいにパンパンに張り詰めた乳暈が、“たーくん”  
の触手から滴る粘液でクリームを塗ったみたいにてらてらと光っていた。  
【そうだね…未宇のおっぱいが熟したら、そうしたら…】  
「そうしたら、未宇に種付けして妊娠させてくれる?」  
【…未宇は女の子なのに、どうしてそういう直接的な表現するかなぁ…】  
「だって…ハッキリ言わないとすぐに“たーくん”って誤魔化しちゃうんだも  
の…」  
 拗ねたように未宇が言うと、苦笑したような思念波が“たーくん”から伝わっ  
てくる。と同時に、“たーくん”の触手が太く大きく勃起し始めた乳首に“にゅ  
るっ”と巻き付き、何度も擦り上げた。  
「んぅあっ!…やっ…やんっ…」  
 たったそれだけで、未宇の全身を電気のようなものが走り抜ける。  
 ブラウスのファスナーを下ろす前から十分に潤っていた未宇の太腿の付け根  
の若い亀裂は、今ではたっぷりと濡れて、透けた薄い水色のパンツから“ぷっ  
くり”とした可愛らしい姿を浮かび上がらせていた。  
 
「ぁ…あ…あ…ぁ…」  
 乳首に取りついた“たーくん”の触手から何十本という繊毛が生まれ、それ  
がするすると伸びて乳首の“中”へと“入って”くる。乳腺まで入り込んだ繊  
毛は根を張るようにして椰子の実のように大きなおっぱい全体に広がり、“た  
ーくん”の体内で生成された特別ブレンドのジュースが未宇のおっぱい内部全  
体に染み渡る。  
 そのジュースは、こうして未宇の乳腺を発達させ、おっぱいを肥大化し、や  
がておっぱいを、これから生まれてくる“たーくん”の子供達の「仮住まい」  
として過不足無いように整えてきたのだ。  
「ここに…未宇と“たーくん”の赤ちゃん達が入るんだよね?…」  
 未宇はうっとりとした顔で、自分の手ではとても掴みきれないほど豊満に実っ  
た重たいおっぱいを見下ろした。“たーくん”の触手が張り付き、極細の繊毛  
が入り込んだ乳首には少しも痛みは無く、それどころかジンジンとした甘った  
るい快美感だけがおっぱいから全身へと広がっているのがわかる。  
【怖い?】  
「ううん…嬉しいの…赤ちゃん達が未宇の子宮(おなか)で産まれて、未宇の  
おっぱいで育つのには変わりないもの…」  
【そう言ってくれると…ボクも嬉しいな】  
「あぁ…早く“たーくん”の赤ちゃんが欲しいよ…でも、いっぱいいっぱい産  
まれるんでしょ?…おっぱい…壊れちゃわないかな…?」  
【そのためにここまで大きくしたんだよ。…ちょっと予想より大き過ぎる気も  
しないでもないけどね】  
 “たーくん”の種族の赤ん坊(幼生体)は、母体の卵帯(卵管の変化したも  
の)で産まれた際にはたった3ミリ程度しか無い。そして数日間、子宮(育成)  
嚢に留まった後、体内にある「乳嚢」と呼ばれる濃密な栄養液の詰まった特別  
な臓器へ移り、そこで母体から栄養と酸素と窒素を摂取しながら体長が1セン  
チほどになるまで生活するのだ。  
 残念ながら地球人には「乳嚢」が無いため、未宇はそれをおっぱいで代用す  
ることにしたのである。  
 
 ただ、一度に産まれる子供は40〜60体ほどにもなるため、14歳らしい  
“ささやかな”未宇のおっぱいを、その体躯には有り得ないほど巨大化する必  
要があった。それには性的な刺激と共に、“たーくん”の星のテクノロジーで  
おっぱい(乳腺)に直接干渉して「肉体改造」しなくてはならなかったのだ。  
 幼生体が中に入り込み、そこで成長して出てくるまで、未宇のおっぱいは今  
よりも数カップ大きくなるだろう。  
 ただでさえ細い体躯には不釣合いな大きさなのに、今の一回りも二回りも大  
きくなったら…。  
「未宇…今、おっぱいがFカップもあるんだよ?…赤ちゃん達が大きくなった  
ら、未宇、Iカップくらいになっちゃうかもしれないよぅ…」  
【ボクのカプセルと同じくらいに膨らんだりしてね】  
「やだぁ…」  
 二人は“たーくん”のベッドの上に転がる、彼専用の移動用カプセルを見て、  
そしてどちらからともなく苦笑いを交わした。  
 
■■【3】■■  
 細心の注意でもって行われた未宇の体の“改造”だったけれど、“たーくん”  
にも予想出来なかった『誤算』があった。  
 その誤算とは…。  
 
「あ…ね…ねぇ…たーくぅん…」  
 蜂蜜をまぶしたような甘ったるい声に“たーくん”が見上げると、未宇は涙  
のいっぱいに溜まった潤んだ瞳で、熱っぽく見詰めていた。とろんとした目は  
熱に浮かされたように充血し、鼻腔は空気を求めて下品にならない程度に広がっ  
ている。少女の頭と同じくらいまでに大きいおっぱいは、さっきよりもっと大  
きくなったように見える。そしてその頂上にある勃起した赤い乳首は今にもは  
ちきれんばかりだ。  
【うん。切ないんだね?】  
 “たーくん”の言葉に、未宇は“こくん”と頷く。  
 
 そうしてブラウスのスカートをたくしあげ、濃厚なオンナの匂いを放つ濡れ  
そぼったパンツを“たーくん”に晒した。  
 
 この匂いは「ヤバイ」と、“たーくん”は思う。  
 
 “たーくん”からすると「性的魅力」という意味では非常に乏しい未宇の体  
だけれど、この匂いだけは強烈にある欲求を刺激される。  
 それは「食欲」だ。  
 未宇の体から分泌される液体を「嘗めたい」「啜りたい」「吸い上げたい」  
という欲求…。  
 膣内に分泌される粘液も、子宮内で分泌される体液も、“たーくん”には特  
別な「御馳走」だった。  
 愛しい未宇に「食欲」を感じるというのは、ひどく背徳的な感じがする。  
 そしてその背徳感が、未宇に対する愛しさへと形を変えているようにも思え  
る。  
 それはひどく動物的で、理性をもって生きるヘカテ人としてのプライドを少  
し傷付けたりもするのだけれど。  
「ふあっ…」  
 “たーくん”の触手が左右から二本ずつ伸びて、未宇の太腿に“にゅるっ”  
と巻き付いた。  
 その刺激にさえ、未宇は白い喉を上げて熱い吐息を吐く。  
 
 ―─未宇の体の“改造”の『誤算』。  
 
 それは、未宇の身体が“たーくん”との接触に対して『性的に早熟し、ひど  
く感じやすくなってしまった』こと。  
 そして…これが最も予測不能だったことなのだけれど、“たーくん”の  
「ジュース」によって変質した未宇が“官能に溺れた時”に分泌する体液が、  
他ならぬ『“たーくん”自身の理性を少しだけ狂わせてしまう』ということだった。  
「…ひゃあんっ…」  
 
 彼の触手のうちの2本は、肥大化した、体と比較するとひどく巨大なおっぱいへ。  
 残りの細い4本は、揺れる未宇の体を固定するためにすべすべとした白い太腿へ。  
 そして…残りの少し太めの2本が、ゆっくりと熱く濡れた未宇の股間へと伸びる。  
 その2本は、3つある“たーくん”の口の、小さな小さな2つがある触手だった。  
「ひんっ…」  
 するっ…とパンツの横から透明な緑の触手が入り込み、細く長く形を変えな  
がら未宇の滑らかな肌の上を這い進む。  
 まだほとんど生え揃っていない短い茂みは、未宇の胎内から滲み出した『蜜』  
によって下腹にぺっとりと張り付いていた。  
 “たーくん”の触手は「入り口」を求めて繊細な肉の亀裂の間へと潜り込む  
と、更に細く伸びながら未宇の処女膜を傷付ける事無く、膣内を“ちゅるちゅ  
る”と昇って行く。  
「ああ…入ってくる…入ってくるよう…“たーくん”がぁ…」  
 “ぬるぬる”“ずるずる”と、驚くほど長い間、透明な触手が、広がった未  
宇の膣口へと呑み込まれてゆく…。  
 触手は処女膜を傷つけないように、その部分だけ光ファイバーのように細く  
なって、尚も先へ先へと這い登ってきた。  
「あっ!…あっ!…あっ!…」  
 ぶるぶると震える未宇の白い太腿を、“つうっ”と透明な液体が滑り落ちた。  
 それは膣内をたっぷりと濡らし、満ちた、未宇の甘くて熱い愛液だった。  
 “たーくん”に毎日のように『愛され』て、毎日のように「ジュース」を注  
ぎ込まれた未宇の体は、今では“たーくん”の触手を胎内に感じるだけで、大  
量の愛液を分泌してしまうようになっていた。  
 彼はそれを、膣内を慎重に這い進む触手の先の「口」から、“ちゅるちゅる”  
と吸い上げていた。  
【…甘いね…未宇のここ…】  
「…やだぁ…そんなこと言っちゃぁ…」  
 「甘い」という感覚は「甘露」ということだ。味覚にとって非常に好ましく、  
何度でも口にしたいと思わせる組成分だということだ。  
 そして“たーくん”にとって未宇の愛液は、まさに「甘露」としか言いよう  
の無いものだった。  
 
「ふぅうんっ…ひっうっ…んっ…」  
 未宇はブラウスの裾を持っていられなくなり、“たーくん”のいるベッドの  
縁へと両手を付いた。その拍子に椰子の実おっぱいが“だゆんっ”と揺れ、地  
面と平行に前傾した体の下で重力に引かれるままに重たく垂れ下がり“ゆらゆ  
ら”と前後した。  
【未宇…辛い?】  
「う…ううん…ま……まだ…だいじょう…ぶぅ…」  
 やがて膣内をさかのぼり細く長く伸びた2本の触手は、狭い子宮口を難無く  
くぐって、熱を帯びた子袋内へと入り込む。  
【未宇の中…すごく熱いよ】  
「もうっ…うそ…ばっかり……」  
 “たーくん”の故郷の第4惑星ヘカテは、恒星に対してとんでもなく細長い  
楕円形をしていて、最も恒星に近付く高温期には最低気温が摂氏250度を軽  
く越える。恒星深部に作られた「始まりの海」も、彼等のテクノロジーをもっ  
てしても、水温が70度を下回る事は無かった。  
 だから、たかだか36.5度程度しかない未宇の体内が、“たーくん”にとっ  
て「熱い」わけがないのだ。  
 それでも彼は「熱い」と言う。  
 それは、未宇が性的に興奮していることをあからさまにするために、わざと  
そう言っているという事だ。  
 未宇が性的に興奮すれば、子宮が膨らみ「下りて」くる。と同時に、卵管が  
拡張して卵巣への“道筋”が広がるのだ。  
 人間の女性体の構造が、普遍的にこうなっているというわけではない。未宇  
が初潮を迎えた一年前から、定期的にこうして彼女の肉体を開き、徐々に変え  
ていった結果だった。  
 
 二人の子供を作るという事を考えた場合、種族的な形質・形態から、まず最  
初に地球人の形態での出産は負担が大き過ぎる…いや、もっと端的に言えば  
「無理」と判断された。人間形態の子供を生むには、未宇の子宮も、骨格も、  
とても出産に耐えられないだろうと、『アカデミー』のラボが判断したためで  
ある。  
 
 そして…今の時代、何らかの理由で自然分娩が無理な場合、子宮繭(コクー  
ン)と呼ばれる人工子宮を使用する事が一般的だったけれど、未宇が強固に  
「自分のお腹で産む」事を主張したのである。  
 そのため、まず子宮の負担が少ない、“たーくん”の種族「ヘカテ人」の形  
質をベースにした方がいいという判断で、そのために卵巣に直接干渉する方法  
を取っていた。  
 
 未宇の卵巣内で“たーくん”の「ジュース」に浸され、ゆっくりと変質した  
卵子を、熟した順に取り出して、今度は“たーくん”の体内にある育卵嚢で数  
日間保持する。その後、『アカデミー』のラボに卵子を渡して、今度はヘカテ  
人の女性体から提供された数十個の卵子に未宇の卵子から取り出された遺伝子  
情報を転写(プリント)して培養するのだ。  
 その際、拒絶反応や先天的な病気などが事前に取り除かれ、テカテ人の形質  
の中に地球人の形質の“どれ”を“どのくらい”含ませるか決定する。  
 “たーくん”達の両親は、未宇の…いや、地球人の「環境適応能力」と「繁  
殖力の強さ」、そしてウィルスや病原体に対する「免疫システム」などの形質  
を、生まれてくる子供「たち」に受け継がせようとしていた。  
 彼等には、遺伝子を加工し「デザイン」する事に対しての禁忌は無い。むし  
ろ、そうすることで生存確率が伸びるのであれば積極的に行った方が良いと考  
えていた。  
 
「あっ…んっ…んっ…」  
 “たーくん”の触手は子宮内で何十本、何百本にも分かれて、デリケートな  
子宮壁を撫でまわし、微細な卵管に潜り込んで卵巣内で「作業」を続けている。  
それと同時に子宮口よりも外―膣内の触手は、緑色に透明な表面を波立たせ細  
かいツブツブを浮き上がらせて、未宇の繊細な膣襞を刺激し続けていた。  
 “つぷつぷ”“ちぷちぷ”と密やかな水音が響き、何度も“つうっ…”と少  
女の白い太ももを粘度の高い液体が滴り落ちてゆく。  
「…あっ…あっ…ヴァ…ヴァージン…やぶっちゃ…ダメだよ?…」  
【わかってるよ】  
 
 処女膜を傷付けないように…というのは、未宇が“たーくん”に頼んでそう  
してもらっていることだ。  
 それは、『処女膜を“破って”花婿が花嫁を自分のものにする』のは、『新  
婚初夜』に決まっている…という、未宇のやや偏った知識によるものだった。  
“たーくん”を含むヘカテ人は、元来“卵胎生”だし、女性体には処女膜とい  
うものも無いので、膣壁にへばりついた「成長過程で不要となった保護膜」に  
どんな意味があるかなんてわからないけれど、きっとそこには想像も出来ない  
ような地球人特有の「ファンタジー」があるのだろう…と、彼は曖昧に自分を  
納得させている。  
 とは言いつつも、“たーくん”は実のところ、“恋人”の体の一部を「破る」  
という音の響きには、なにかものすごい重要な意味を感じなくもない。  
 傷付ける事で、「自分のものにする」という行為は野蛮極まりないのだけれ  
ど、銀河広域文化圏でも名立たる理性派のヘカテ人にはとても似つかわしくな  
い行為なのだけれど、どこか本能的な部分でそれをひどく待ち望んでいる自分  
がいるのも、彼は感じているのだ。  
「んあっ!…あっあっあっあっあっあっあっ…」  
 ひときわ高い甘い声に“たーくん”がビーダマのような真っ黒い目で見上げ  
ると、ベッドの縁に両手を付き、脚を軽く肩幅に広げた未宇が恥じらいながら  
腰を振っていた。  
 細くて可愛らしい腰が、自分の触手の動きで“うねうね”とくねる。  
 0.8Gの低重力でありながら、椰子の実おっぱいは重力に引かれてこちら  
に迫るように垂れ下がり、“ゆらゆら”“たぷたぷ”と揺れ動いていた。その  
先端の、はしたないほどに大きく膨れ上がった乳首には、まだ“たーくん”の  
触手が潜り込んでいる。今回の「ジュース」の浸透は終えたけれど、こうして  
膣内を刺激しながら同時に乳房の中を刺激すると、未宇の子宮はより早く下に  
「下りて」くるし、卵管も開きやすくなるのだ。  
「“たーくん”…たーくぅん…」  
 熱っぽく潤んで赤みを増した白目には涙が盛り上がっていて、彼女が体を揺  
するたびにぽろぽろと頬を伝って落ちる。  
 空気を求めて鼻腔は広がり、喘ぐように開かれた可愛らしい唇からは透明な  
唾液が糸を引いて落ちた。  
 
【未宇、ヨダレヨダレ】  
「んぅあ…うぅ…ごめん…なさぁぃ…ぃう…うっ…うっ…」  
 腰までの長い黒髪が未宇の上半身の両側から垂れ、まるで暗幕のように“たー  
くん”に覆いかぶさっている。  
 その中で、涙に濡れた未宇の瞳はキラキラと綺麗にきらめき、ベッドの上に  
鎮座した、眼下の透明なゼリー体へ「あなたが好き」と懸命に訴えていた。  
「んぅあ…ねぇ…たーくぅん…立ってられないよぉ…」  
【もう?】  
「だって…だってぇ…」  
【本当にしょうがないなぁ…未宇は…】  
「ごめん…なさぁい…“たーくん”…ごめんなさぁいぃ…」  
【いいよ。腰を下ろしても】  
 “たーくん”が「許可」すると、未宇はベッドから両手を離して、ふらふらと、  
まるで尻餅をつくようにして床に腰を下ろし、両脚を投げ出した。床には未宇  
の脚を伝って垂れ落ちた『蜜』が池のように溜まっていて、“たーくん”の嗅  
覚をひどく刺激する。  
 まるで「麻薬」のようだ、と“たーくん”は思う。  
 
 この香りを嗅ぎたくて、この味覚を味わいたくて、ボクは未宇の「夫婦ごっ  
こ」に協力しているのかもしれない。  
 
「ひあんっ!」  
 両脚を掴んで未宇を支えていた4本の触手が脚から離れ、2本がぐちゃぐちゃ  
に濡れた股間へ、そして残りの2本が“ゆさゆさ”と揺れ動くおっぱいへと伸  
びた。股間に伸びた2本は細く長くなって、すっかり濡れそぼり透明度を増し  
て用を成さなくなったパンツの端から、既に2本の触手でいっぱいの膣内へと  
滑り込んでいった。  
「ふうぁんっ…ぁんっ…あんんっ…」  
 2本が3本、4本と増える。  
 なのに、“たーくん”の粘液には麻酔のような効果があるのか、ちっとも痛  
くなかった。  
 
 むしろ心地良い。  
 ううん。  
 気持ち良過ぎて、どうにかなってしまいそうだった。  
「“たーくん”…あっ!…“たーくん”“たーくん”“たーくん”!!」  
 花も恥らう14歳の乙女が、腰を下ろしたまま膝を立てた両脚をいっぱいま  
で開き、後に両手をついて体の全てを晒していた。  
『もっと未宇を見て!もっと触って!』  
 そんな声が聞こえてきそうなほど、未宇の幼さの残る顔が気持ち良さそうに、  
嬉しそうにとろけている。  
 
ちゅっ…ちゅるっ…つぷっ…ぷぷぷっ…ぷりゅっ…ぷっ…  
 
 少女の股間から聞こえる密やかだった水音は、もはや憚り無く部屋いっぱい  
に広がっていた。ローティーンらしからぬたっぷりと豊かな胸を剥き出したま  
ま下げられたワンピースは、その裾も引き上げられて、まとめて腰の辺りに留  
まっているのみだ。  
 未宇は、腰が自然とうねるのを、どうしても止められなかった。  
 彼の触手は、その表面にツブツブを浮かび上がらせるだけではなく、微細に  
振動さえしているのだ。その“たーくん”の触手がお腹の中を撫でるたび、う  
ねるたび、むずむずとした波が下半身を走り、お尻に力が入る。お尻の穴を  
“きゅっ”とすぼめてしまう。でもそうすると、より一層あそこを押し開いて  
膣内に入り込んだ4本の「彼」を強く強く感じてしまい、その恥ずかしさと愛  
しさと快美感に腰を動かさずにいられなくなるのだ。  
「…おかしくなっちゃう!…未宇…おかしくなっちゃうよぅ…っ…!!…」  
 とうとう未宇は愛液をたっぷりと含んで重たくなったパンツを、自分から脱  
いでしまった。  
 もっとも、パンツの片方からは“たーくん”の触手が入り込んでいるため完  
全に脱ぐ事は出来ず、左足を“べちょっ”としたパンツから抜き出すだけにす  
る。そうして少しひんやりとした床に背中を預けると、そのまま両脚の膝裏を  
両手で持ちながら自分でいっぱいに脚を広げた。  
 
 “たーくん”からは、自分の触手を4本も美味しそうに呑み込んでいっぱい  
に開いた大陰唇も膣口も、そして時折“きゅうっ”とすぼまるお尻の穴までが  
見えてる。  
 人間は不便だな…と“たーくん”は思う。  
 ヘカテ人は体内のナノプラントで、摂取した食物をほとんど分解してしまい、  
必須栄養素以外の不要物は球体のペレットとして定期的に排出する。そこに細  
菌類の助けは必要無く、無菌無臭のため衛生的にも問題は発生しない。そのた  
め「汚物」という概念ではなく「廃棄物」として認識するため、排出に羞恥を  
感じる事も無かった。  
 けれど地球人類は非効率的な排泄機構を持つため、その部位に非常な羞恥を  
感じている。  
 たとえば…  
「ひゃっ…あんっ!…だ…だめだよぉ“たーくん”…お尻はだめぇ…」  
【恥ずかしい?】  
「あたりまえ…だよぉ…」  
 おっぱいを弄んでいた一本を試しにお尻の穴に浅く潜り込ませると、それだ  
けで未宇は真っ赤な顔を更に紅くして、お尻を揺すって抗議するのだ。  
 そのくせ、“くぱぁ”と広がった大陰唇は、紅く充血してぱんぱんに膨らん  
でいるし、小陰唇などは悦びに濡れて、軟体動物のように“ひくひく”とひく  
ついていた。  
 本当は、触って欲しいのではないか?と“たーくん”が思うのはこんな時だ。  
 もちろん、未宇の排泄器官を「汚い」と感じた事などなど無い。未宇の体内  
菌も皮膚の常在菌も、完全にコントロールされているから、ヘカテ人にとって  
害とはならないし、何より、未宇を「可愛い」と感じるため、その未宇を構成  
する全てを「許容」するのは当然のことだと思っているのだ。  
『“たーくん”…お尻がそんなに気になるのかなぁ…』  
 未宇は押し寄せる激しい快美感に翻弄されながらも、そんなことを頭の片隅  
で考えたりしていた。  
 四つん這いでおっぱいを嬲られ、そして、膣内では処女膜の部分だけ細くなっ  
た触手がいっぱいまで“たーくん”が満ちている。  
 
「ひっ…ひぃんっ…」  
 
 お腹の中を、触手が蠢く。  
 
 未宇の体が“びくっ”と震える度に、大きく肥大した椰子の実おっぱいが細  
い胴の上でもったりと裾野を広げながら重たく揺れた。そのおっぱいには、彼  
の触手が4本も取り付いている。2本はいまだに繊毛を乳腺に挿し込んでいた  
けれど、2本は滑らかな肌に粘液を塗りつけるようにしておっぱい全体を“にゅ  
るにゅる”と弄んでいる。  
 楽しいのだろうか?  
 面白いのだろうか?  
 大きな乳肉を弄ぶ触手の動きは、繊細でありながら大胆だった。  
【未宇…イク?もう限界?】  
 膣内を蹂躙していた触手の一本が、今まで時々触れるだけで放置していた未  
宇の露出したクリトリスを、細く長く変形しながら“にゅるんっ”と肉襞から  
掘り起こし、巻き付いて擦り上げた。  
「もっ…もうっ…あっ!もうっ!あっ!あっ!あっ…ぃ……くぅ…ぅぅぅう…」  
 その瞬間、ひときわ激しく“びくくくっ”と震えた未宇は、いつものように  
ほんの数秒間だけ動きを止め、天井に向けた、“たーくん”の触手が入り込ん  
だ膣口から“びゅっ!”と透明な液体を噴き出した。  
 それは“たーくん”が、自身の体内で合成した特別ブレンドの「ジュース」  
を、未宇の子宮内に注ぎ込んだ証だった。  
 
■■【4】■■  
「…ぅ…ふぅ…ん…」  
 驚くほど長くなっていた“たーくん”の触手が“ぬるるるる…”と肉の亀裂  
から引き出されると、未宇は甘ったるい鼻声を上げて“こくんっ”と唾液を飲  
み込んだ。  
 子宮に、膣内に満ちた“たーくん”の「ジュース」と未宇自身の愛液の入り  
混じった粘液が“こぷっ…こぷっ…”と、開かれた膣口から溢れ出して床に水  
溜りを作る。  
 
「…ふぁ…ぁ…」  
 彼の「ジュース」がお腹に満ちる感覚が、ひどく心地良い。  
 幸福感と共に、たとえようもないほどの充足感を感じる。  
 心が…満たされる…。  
『ああ…未宇(あたし)…未宇…』  
 
 14歳の肉体が、すっかり“開発”されてしまった。  
 
 まだ、ヴァージンなのに。  
 
 ケッコンだってしていないのに。  
 
『こういうのって…“婚前交渉”っていうんだよね…』  
 けれど、もちろんそれを未宇はイケナイコトだとは思っていない。  
 なぜなら、夫婦でなくとも愛し合う恋人同士というのは、睦み合い愛し合う  
のが当然なのだと、知っているから。  
 でも、処女膜だけ残してはいても、こうして毎日のようにあそこに“たーく  
ん”を迎えているのだ。それでも未宇は「ヴァージン」だと言えるのだろうか?  
 その答えは、未宇だけが知っている。  
 
 “たーくん”の、口のついた2本の触手が、溢れた『蜜』を嘗め上げ、啜り、  
吸い尽くそうと未宇の股間を這い回る。お尻から垂れ落ちて背中まで伝った  
『蜜』までも味わおうと、“ぬるぬる”と緑色をした透明な触手が、紅潮して  
綺麗なピンク色になった未宇の肌を撫で回す光景は、ひどく淫猥だった。  
「ひんっ…」  
 固く大きく充血して勃起した乳首から、“ちゅるっ”と“たーくん”の触手  
が離れる。おっぱいの内部に「ジュース」を注ぎ込んでいた繊毛は姿を消し、  
滑らかに輝く触手はまるでいたわるように未宇の紅い乳首を何度も撫でた。  
「…ぁ…やさしい…ね…“たーくん”…」  
【さっきはイジワルって言ったのに?】  
 
「うー…そういうところが、イジワルなんだよぅ…」  
【可愛いよ未宇】  
「うぅ…」  
 ヘカテ人の美的感覚から言えば、自分など『化け物』と同じだ。  
 それに気付かない未宇ではない。  
 けれど、未宇から見たら透明なタコかクラゲにしか見えないような“たーく  
ん”に、少女はたまらない愛情を感じているのだ。  
 もちろんそれは、未宇が生まれた時から多種族混成の『アカデミー』にいて、  
自分以外の種族に全く抵抗を感じない事にも起因しているかもしれない…と思  
わなくはないのだけれど、姿形に囚われる事無く、知的生命体であれば必ずわ  
かりあえるというのは、きっと全種族共通だろうとも思うのである。  
 だとしたら、ヘカテ人も種族を超えて相手を「愛しい」と思えると、信じた  
かった。  
 いや、思っている。  
 だからこそ、こんな風に全てを晒して、全てを与えてしまえるのだから…。  
【気持ち良かった?】  
「うん…スゴかった…まだあそこがジンジンしてる…おっぱいも…パンパンだ  
よぅ…」  
【良かった。でも未宇?ボクはまだ満足していないんだ】  
「えっ!?」  
 “たーくん”の「言葉」が終わるかどうか。  
 その瞬間に仰向けだった体をひっくり返され、床にうつ伏せにされたと思っ  
た途端、お尻を引き上げられて四つん這いにさせられた。その途端、あそこか  
ら粘性の高い白濁した液体が“とろとろ”と床に滴る。  
 それに気付いた未宇は、“ふらっ”とした視界の中で後を振り返って恥ずか  
しそうにいやいやと首を振った。  
「や…やだよぅ…なんかこの格好って…すごく恥ずかし……んうぁあっ!?」  
 言い終わる前に、今度は後から“にゅるんっ”と膣内に“たーくん”の触手  
が入り込んできた。  
 四つん這いになり、知的生命体とは言えぬ地球のケモノと同じ格好で、背後  
から愛しい人に股間を嬲られる…。  
 
 それは本来、ひどく屈辱的なことのはずなのに、未宇のあそこは“とろとろ”  
と、新たな歓喜の涙を零す。  
「やっ…やあっ…」  
 体の下で紡錘状に垂れ下がった重たい椰子の実おっぱいを、再び“たーくん”  
の触手が撫で、揺らし、擦り上げた。“にゅるるっ”とおっぱいの付け根に巻  
き付くようして絞り上げ、勃起した乳首を何度も先端が引っ叩くようにして  
“ぷるぷる”と弾く。  
「ひんっ…ひぃん…」  
 “たーくん”は決して未宇を乱暴に扱わない。傷付けない。本当に嫌がるこ  
とをしない。  
 紳士だから。  
 銀河広域文化圏でも法務関係に務める人物を多数輩出した理性派種族だから。  
 だから、未宇がこうして甘ったるい悲鳴を上げても、それが真実の悲鳴(こ  
え)ではない限り、むしろ手を変え品を変え、もっともっと声を上げさせよう  
とする。  
 そうした方が、未宇が「悦ぶ」ことを知っているから。  
「ああっ!…ああっ…」  
 “ぽたぽた”と、“とろとろ”と、濡れて拠れて黒く垂れた陰毛から、白濁  
した愛液が銀糸を引いて床に落ちる。“たーくん”はそれを触手で掬い取って、  
白くてつるりとしてすべすべの未宇のお尻に塗りたくる。  
「あっだめっ…だめっ…だめぇ…」  
 おっぱいとお尻とあそこを同時に責められて、未宇は頭の中がどうにかなっ  
てしまいそうだった。  
 一方、“たーくん”も自分の変化に戸惑いを隠せなかった。  
 自分が、性的に興奮していると気付いたからだ。  
 真っ赤な顔で息を荒げ、動物的な本能のままにお尻を振る未宇が、とてもと  
ても愚かで可愛らしいものに見えた。  
 口では抵抗していながらも、体はちっとも抵抗などせずに、むしろ“もっと  
もっと”と彼の行為をせがんでいる未宇が、ひどく小さくて弱々しく、自分が  
守ってあげなければ息も出来ないくらい脆弱な存在に見えた。  
 
 肉体的な強度で言えば、自分は未宇の足元にも及ばない。移動用のカプセル  
が無ければ、ほんのちょっとの接触事故で体が傷付いてしまう。  
 なのに、自分の8本の触手によって、こんなにも未宇は弱くなってしまうのだ。  
 それに『興奮』する…。  
【<興奮>…??ボクが?】  
「どうした…の?」  
 体の胎内(なか)に潜り込んだ触手が動きを止めたため、未宇はぼんやりと  
した顔で彼を振り返った。腫れぼったく赤らんだほっぺたと、うっとりと半分  
閉じられた瞳は、彼女が陶然としていることを示している。  
【なんでもないよ】  
「んぅううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!…」  
 膣内の触手の表面を波立たせ、ニガウリのようにたくさんのイボを浮き上が  
らせると、“たーくん”はそのイボイボの触手で入り口近くの膣壁を擦り上げた。  
【ボクは、もっと未宇を味わいたいんだ】  
「ひいいんっ…」  
 “たーくん”の責めにガクガクと体を震わせる、細い未宇の体の下で、やが  
て二人の可愛い子供達の、安全であたたかな揺り篭になるであろう重たく豊満  
なおっぱいが、“たぷたぷ”“ゆさゆさ”と激しく揺れていた。  
 
         −おわり−  
 

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