その日、それは彼女の家にやってきた。  
新開発の、電気も水も必要としないバイオ便座だ。  
どうやって、お尻を洗ってくれるのだろう?  
興味津々の彼女は、用も足したく無いのに下着を下ろしてその上に座った。  
洗浄のスイッチを入れる。  
 
「ひゃああああぁぁっ!」  
慌てて停止ボタンを押した。  
(な…何?今の…)  
一瞬、尻を舌のような物に舐められた。  
(きっと、気のせいよ)  
もう一度スイッチを入れる。  
「あああっ!」  
間違いない。何かが尻を舐めている。  
気持ち悪い。でも、とても気持ちいい。  
 
(そ、そうだ…ビデ…)  
震える指でスイッチを入れる。  
腰を動かし、最も感じる部分にあてがった。  
生暖かい舌が、陰部をべろべろと舐める。  
「あっ!あっ!…あああっ!」  
 
(はあっ、はあっ…い…イっちゃっうところだった…)  
彼女は、リモコンの蓋の中に隠されたスイッチを見つけた。  
そこには、「全身」と書かれてある。  
衣服を全て脱ぎ捨て、モードを最強にし、ドキドキしながらスイッチを入れた。  
彼女の身体は舌に包まれた。  
全身を、まるで数百の蛇が這うごとく舐め尽される。  
「うわああああーーーっ!!」  
快感に耐え切れず、リモコンを握り締めた。  
バキッ!!  
(どうしよう!…壊れちゃった!…止まらない!)  
「止めてぇー!誰か止めてぇーーー!!あっ、あっ、あああああっ!!」  
 
彼女は、未だにトイレから出られない。  
 

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