留渦が居間を去ってから小一時間  
 
(耳雄にとっては)気が詰まりそうな雰囲気の中  
二人は一言もしゃべらずに過ごしていた。  
 
既に黒留渦が目当てにしていた番組は終わっており、  
それを機にそろそろ寝ようかと提案しようとしていた耳雄であったが  
何か言いだそうとする度に眼力で先手を封じられて今に至る。  
 
(うう…何時までこうしてればいいんだ)  
初めの内はそんな風に考えていた耳雄だったが  
緊張状態にも慣れ始め、少し考える余裕が出てきているようだ。  
 
自分の膝の上に留渦の頭がある。  
膝枕など抱っこよりもレア度が高く、  
小さいころからしっかり者だった留渦には一度もしたことが無い。  
 
普段から自分の妹は美少女であると自覚していた耳雄だが  
これだけ長時間、妹の顔だけを眺めた事は無かったと思う。  
 
厳密に言えば、今膝の上にいるのは妹ではないのかもしれないが  
整った顔立ちに長いまつげ、流れるような黒髪は本物と瓜二つだ。  
 
そうして恐怖が薄らいでくると、それにより抑えられていたイケない感情を意識してしまう。  
黒留渦のちょっとした身動ぎや頭の動きに敏感にならざるを得なくなってきた。  
 
黒留渦の頭は膝の付け根に近い部分、股間の真上に位置している。  
僅かな刺激でペニスが元気なってしまったらと思うと気が気ではない。  
 
(もしそんなことになったら一体どんな目にあわされる事やら)  
 
耳雄がそんなことを考えていると  
不意に黒留渦が手に持っていたリモコンでテレビを消した。  
 
(た、助かった)  
恐怖心と劣情が交わった奇妙な時間が終わることを心の何処かで残念に思いながらも、  
何事も無く過ごせた事に安堵した耳雄であったが――  
 
「………………」  
「…………あの、黒留渦さん?」  
 
留渦がこの呼び名で呼んでいたので、耳雄も便宜上そう呼んでみる事にした。  
幸いにして黒留渦の怒りは買わなかったようだ。  
けれども、テレビを観終わっても微動だにしない理由についての問いかけに返事は返ってこなかった。  
 
「……もしかして、寝むっちゃいました?」  
「………………」  
 
どうしたものか、もしかして朝までこのままなのか、自分の部屋のベッドへ運んだ方が良いのか、  
いや、思春期の留渦にとって兄のベッドで寝るという事は嫌なことかもしれないから蒲団を持ってきてソファで寝てもらえば…  
 
ぐるぐるとこれからの状況について考えあぐねていると、寝ているわけではないと抗議するように黒留渦が身動ぎした。  
黒留渦は一度仰向けになると意味深に目配せを行い、そのまま顔をうつ伏せの状態に持って行った。  
 
「………ちょ、ちょっと…!?」  
それはつまり黒留渦が耳雄の股間に顔を埋めている事になる。  
反射的に突っぱねようとした耳雄であったが、上目遣いに顔をあげた黒留渦の瞳に居竦められ身動きが取れなくなった。  
金縛りのような物だが、今まで感じていたような恐怖感によるものだけではない。  
黒留渦の妖艶さを含んだ女の視線に耳雄は射止められてしまう。  
 
そんな兄の姿に満足したのか、黒留渦は再び耳雄の股間に顔を埋めた。  
鼻を押し付けて満遍なくぐりぐりと刺激を与え、耳雄にも聞こえるように大きく深呼吸を行う。  
既に耳雄のペニスは大きくなり始めており、黒留渦は止めとばかりに甘噛みを加える。  
 
(う、うわ!)  
偶然でもない何でもない、はっきりとした性行動に  
耳雄のペニスは言い逃れができない程に勃起してしまう。  
既にズボンはパンパンに膨れ上がっていた。  
 
黒留渦は焦らすかのように反りたったズボンを頬擦り、留渦と同じ顔で上目遣いをしてみせた。  
妹に似ている、あるいは妹そのものであるとも言える少女  
そんな黒留渦の視線は耳雄の兄としての心を揺さぶり、背徳感を意識させる事となる。  
 
「こんなに大きくしちゃって……『お兄ちゃん』って妹にも欲情するの?」  
ようやく口を開いた黒留渦が喋るのは、普段の留渦からは想像もつかない卑猥な内容  
そこに威圧的な響きは存在せず、耳雄はますます黒留渦を性の対象と捉えてしまう。  
 
黒留渦はそのまま喋った口で器用にファスナーを降ろすと  
パンツを掻き分け、ペニスをズボンの外へと露出させた。  
 
「あはは……童貞おチンポ出てきた。うん、これは十分大きいよお兄ちゃん  
 でもまだ毛が生えてないんだ、こんなに大きいのになんか可笑しいね」  
 
クスッと耳雄のペニスを評する。  
耳雄は恥ずかしさのあまり顔から火が出そうであったが  
ペニスはそんな恥ずかしさで萎えることなく、期待に震えるようにピクリと動いた。  
 
「それにしても止めろとか一言も言わないんだ。  
 もしかしなくても期待してるよね。今おチンチンがビクンて返事をしたよ」  
「や、止め…」  
「止めてほしいの?」  
 
ペニスをツンツンとつつく黒留渦  
けれどもそれ以上の刺激を与えようとはせずに耳雄の返事を待つ  
 
「ねぇ、私って妹なのかな?確かに妹ではあるんだけど、厳密には本物とはいえないかもしれないよね  
 それなのにここまできて兄妹だからって止めちゃうの?  
 残念だなぁ、素直になってくれさえすれば最後までしてあげるのに」  
「…………!!」  
 
あまりにも刺激的な内容に頭がクラクラしてきた。  
既に黒留渦の色香に思考がふやけているのに更に追い打ちをかけられる。  
 
「お兄ちゃん…私ね、まだ処女なんだよ  
 妹の処女で筆下ろししたくない?それとも誰か他の男に奪ってほしいの?」  
「い、い、嫌だ…」  
 
妹ではないかもしれないが妹でもある黒留渦  
そして自他とも認める真性のシスコンである耳雄  
こんな状況であっても譲れない一線に対して、耳雄はきちんと返事を返している。  
反射的行われた返事には嘘偽りのない本心が表れていた。  
 
「嫌なんだ。じゃぁ、責任とってもらわないと駄目だよね  
 このままだとお嫁にいけないし、彼氏も作れないよ」  
「うわぁっ!」  
 
ぷにっとぺニスに頬を擦りつける。  
ただそれだけなのに耳雄は敏感にも反応してしまった。  
これがもし口内、もしくは膣内だったならば……  
ごくりと唾を飲む耳雄を面白そうに黒留渦は見つめていた。  
 
「さぁ、お兄ちゃん。私も無理強いはしたくないからこれが最後だよ  
 ―私とセックスしたくない?」  
 
無理強いはしたくない等と殊勝な考えなどまるでない表情で黒留渦は言う。  
耳雄の返事はもう既に決まっていた。  
 
「…したいです」  
「ん?何がしたいのかな?」  
「留渦とセックスしたいです!」  
「セックスってどういう事するんだっけ?」  
「俺のチンポを留渦の口やマンコの中に挿れたいです!!」  
 
ついに口にしてしまった一線を越えた言葉  
それを聞いてクスクスとその場に不釣り合いな程に無邪気な表情で黒留渦は笑った。  
 
「良く言えました。…ただ一つ条件として抵抗はしないこと。させる気も無いけどね  
 私『が』お兄ちゃんの筆下ろしをするんだよ」  
 
「ん…クチュ、レロォ…ピチュピチュ」  
「う…わぁ……す、凄い」  
 
黒留渦は手で金玉をほぐしながら、レロレロとペニスの付け根からカリ首にかけて舐め上げる。  
たっぷりと唾液を含ませた舌から絶えずニチャニチャと淫靡な音が響いている  
 
「んチュゥゥ…ここが弱いんだね」  
カリ首の攻めに反応した耳雄を見て、重点的に攻めあげる。  
思う様カリ首を攻めたところで、今度はいきなり亀頭を口に含む形でしゃぶりあげた。  
 
「ううぅ……!」  
兄の威厳もあったものではない喘ぎ声がついつい口をついてしまう。  
舐め上げられるのと口に含むとでは感じる感覚が全然違うのだ。  
黒留渦はそのまま喉の奥へ奥へとペニスを埋没させていく  
 
「チュ…んチュゥ…ジュポ、チュゥ」  
黒留渦はとうとうペニスの根元までも口に含んだ。  
ペニスは小さな口内には収まりきれず、喉の方にも達していたが  
黒留渦は餌付く様子も無く全て受けとめていた。  
そうしている間にも舌を小刻みに動かしながら、軽く前後へ顔を動かし刺激を送る。  
 
「ろおぉ、ほにぃちゃん。ひもちいい?」  
「いい!フェラ気持ち良いよ!!どうにかなりそうだ!」  
 
本当はディープスロートって言うらしいんだけどね、と呟く代わりに  
どんどん前後の動きを更に激しくしていく。  
それはまるで女性器に対するピストン運動のような激しさであり  
当然、童貞で経験のない耳雄には刺激的すぎる快楽であった。  
 
「ご、ゴメン…もう、もう、出ちまう!」  
「んちゅっ…ちゅぷ、んっ、はぷっ、ちゅぷっ、れりゅっ…」  
 
限界が近い兄の声聞いても、舌を休めるどころか加速させていく黒留渦  
弱まる所か更に激しくなった攻めに、たまらず耳雄は射精を促された。  
 
ブビュ、ビュク、ビュ、ビュゥ、ブビュルルル  
「うわぁぁ…あ、くぅぅぅ…!」  
「ぢゅるるるる…じゅぷ、ぐぷっ、ちゅぷっ、ぢゅぅぅぅ」  
 
たっぷりと喉の奥で射精をしてしまった。  
けれども、黒留渦は一向に怯まず、一滴も逃すまいとするが如く喉を鳴らした。  
そして、そんな射精をしている最中でさえ舐めるのを止めることはなかった。  
 
「んひぃ、ちょ、ちょっと待って…あう、あぁ!」  
「んぷっ、んぷっ、ちゅぷっ、んぅっ、ちゅぷっ、ちゅくっ」  
 
尿道に残る精子さえも飲みとり、更に攻めは激しさを増し、続いていく  
我慢する事も出来ず続けざまに二度目の射精を行い、  
三度硬さを取り戻したところでようやく黒留渦は口を休めた。  
 
「はぁ…はぁ…はぁ…」  
「ふふふ…お兄ちゃん、女の子みたいに凄い喘いで可愛かったよ」  
その言葉にほんの僅かだけ残っていた兄としての自負心は粉々に打ち砕かれてしまった。  
 
 

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