「さて、これからが本懐ぞ。その身に我ら土蜘蛛の子種、注ぎ込んでやろう!!」  
晴明の脚を肩に担ぎ上げると、露にした女陰に汰地唐が己の雄を押し当てる。  
その後に続くであろう行為への恐怖に晴明は瞠目し、何とか逃れようと身を捩った。  
「貴様……止めろ!!」  
迫り来る晴明の危機に頼光は声を荒げるが、立ち塞がる蜘蛛の群れに足止めを余儀なくされる。  
「ふん、傀儡に何が出来る!!其処で歯噛みして見ておるが良い!!」  
無尽に湧き出てくる蜘蛛に囲まれ、身動きの取れない頼光の様子を満足げな笑みで見やると、  
汰地唐は晴明の身体を一息に貫いた。  
「っ……くぅ……んんんっ……!!」  
身の内に捻じ込まれる剛物の感触に、晴明が唇を戦慄かせる。  
秘薬の効果なのか痛みはなく、代わりにかつて感じた事のない快感が怒涛の如く押し寄せてきた。  
「おお……何とも心地良い、良き器ぞ……!」  
奥深くまで晴明の中に身を埋めた汰地唐が、にやにやと下卑た嗤いを浮かべながら評する。  
「晴明!!……貴様、許さぬ!!!」  
阻止すること叶わず目の前で行われた陵辱に頼光は激昂するが、しかし汰地唐は動じない。  
「黙って見ておれ、と言ったであろう!!」  
一声恫喝すると、晴明の腰を掴んでおもむろに動き始めた。  
抜き差しの度に湿った音が立ち、血と愛液が入り混じったものが晴明の大腿を伝い落ちていく。  
血生臭さと雌の香気が辺りに立ち込め、汰地唐の欲が煽られていった。  
「ん…っ……ふぅんっ……。」  
首を振り、己を犯す肉塊から逃れようと足掻くが、四肢は縛められてそれも叶わず。  
汰地唐の掌が胸乳を鷲掴みにして力任せに揉みしだくと、それに呼応して内壁がきつく締め付ける。  
高潔な晴明の性情に似合わぬ、淫靡で貪欲な身体に汰地唐は酔いしれていった。  
 
「良いぞ……我に絡み付き、放そうとしないではないか!」  
「……んんっ……っ…。」  
繋がった処が蕩けそうに熱く、身体中の快楽を司る神経が其処に集中したかのように感じて晴明は身悶える。  
無意識のうちに腰を揺らめかせ、より多くの快感を得ようとするのであった。  
「ほれ……見よ、貴様の淫乱な様を目の当たりにし、傀儡が呆然としておるわ。」  
揶揄する汰地唐の言葉に、悦楽に浸っていた晴明がはっと目を見開く。  
結界を紡ぐ糸に霞む視界の向こうに、立ち竦む頼光の姿を捉えた晴明の瞳から涙が零れ落ちた。  
「んっ……ぅんんんっ……!!」  
再び抵抗を試みる晴明であったが、既に陥落した肉体では抗える筈もなく。  
それどころか、益々熱くなった身体は歓喜の蜜を流し、汰地唐の動きを助けるのであった。  
「おや、見られて感ずるか?涎を流して歓んでおるわ……まこと淫らな女よのお!!」  
突き立てた肉棒で、殊更音を立てるように掻き混ぜられ、激しすぎる刺激に晴明は身を捩る。  
―――こんな、浅ましき様を……頼光に見られて、感じている……?!  
そんな事、ない……決して、そんな……!!  
否定しようにも、身体の奥底から湧き上がる熱は激しさを増しており。  
辱めの限りを尽くされ、舌を噛み切って自害しようにも、轡を噛まされた状態ではそれも叶わず。  
ただ、汰地唐の与える屈辱の時が早く終わるのを祈るのみであった。  
「さあ、そろそろ限界ぞ……我が滾り、たっぷりと味わうが良い!」  
深々と晴明を貫いたまま動きを止め、汰地唐はその胎内に思うさま精を撒き散らす。  
「あ、あ…あああぁっ……!!!」  
己の内に土蜘蛛の子種が注がれるのを穢らわしいと感じながらも、肉体は歓喜して其れを受け容れ、  
快楽の極みに達するのであった―――  
 
《木枯・了》  
 

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