月の御座―――遥かそびえる神山の頂。  
月の光の力が最も強く、神が住まうと言われる場所でありながら、  
禍々しい気に満ちた其処で頼光は九尾に対峙していた。  
晴明の身の内に尾の一つを封じてられて尚強大な力を誇る九尾に力及ばず、  
頼光は地に叩きつけられる。  
「くっ……!!」  
「頼光!!」  
慌てて駆け寄ってくる晴明の姿が目に入ったが、既に四肢には力が入らず、  
起き上がる事すらままならなかった。  
「頼光……確乎りするのです、頼光……!」  
頼光の身体に縋り付いた晴明の零す涙が顔に当たるのを感じながら、  
頼光は己の不甲斐無さを呪う。  
「ぬるいのう……晴明!!斯様な手駒で我に勝てると思うたか?」  
次第に薄れていく意識の中、白き巨妖の勝ち誇った笑い声が脳裏に響き続けていた―――  
 
そうして気を失った頼光が目覚めた時には、薄暗き石牢に繋がれていた。  
「……。」  
ここは―――何処だ?  
頼光は注意深く辺りを見回し、其処がかつて落とされた奈落……  
異世では無い事を悟る。  
巫力が尽きた身は闇に滅するのみと思っていた頼光は、  
己が未だ仮初の身体を持ち、現世に在る事に困惑した。  
晴明によって黄泉返らされたこの身が無事であるという事は、  
晴明もまた無事であるという事であろうか?  
思案する頼光の耳に、闇の内より低く荘厳な響きを持った声が届く。  
「……ようやく目覚めたか?晴明の傀儡たるニンゲンよ……。」  
石牢の前に気配を感じさせず突如現れた男が、恐ろしいまでの威圧感を以て  
頼光を見下していた。  
「……。」  
覚えのある圧倒的な気―――この男、九尾か。  
何処か晴明に似た面差しに忌々しげな表情を湛える男を、しかし頼光は  
臆する事無く睨み返す。  
「貴様……我が娘、晴明と通じておったのであろう?」  
「……。」  
刹那の動揺を見逃す程九尾は鈍くない。沈黙を肯定と取ると九尾は切り出した。  
「ならば……頼みがある。晴明の身より、白珠を取り出して欲しいのだ。」  
「何……?」  
其の口から発せられた思いもよらぬ言葉に瞠目する頼光に、九尾は眉根を寄せ、  
心底困った顔をしてみせる。  
「晴明は我が尾を其の身に封じる際、我ら月の民とは理を異とする  
地上の呪を用いておる。……これでは我には手が出せぬ。  
其の身を裂いて取り出すは簡単だが、裏切ったとはいえ我が娘ゆえ、  
手荒な真似は本意にあらぬ。」  
「……。」  
九尾の真意が掴めず、頼光は返答に詰まった。  
 
「さりとてこのまま我が尾の瘴気に蝕まれ続ければ、晴明の命は無い。」  
「……そして晴明は自ら白珠を解放する気は無い。……彼女を救いたくば、  
我が白珠を解放せよ、という訳か。」  
「其の通りだ。やってはくれまいか?貴様とて情を交わした女に  
死なれたくはあるまい?」  
晴明の命を救いたいのは山々である……が。  
「……そうして尾を取り戻して如何する?……我諸共に殺す気か?」  
「殺すつもりであるならば、とうに殺しておる。……我とて子は愛おしい。  
晴明さえ改心すれば今までの事は水に流し、再び共に在る事も  
やぶさかではないわ。勿論貴様にも礼はしようぞ。」  
「……。」  
 
晴明は……何を勝手な事を、と怒るであろう。  
彼女の願いは、己の命を賭し、都を護る事であったのだから。  
都を護る事叶わず己のみが生き永らえるなど、彼女の本意に非ず。  
だが……其れでも、頼光は晴明に生きていて欲しいと思った。  
 
「……了承した。」  
小さく溜息を吐き、頼光は同意する。  
「おお、有難い事よ!!早速共に晴明の元へと参ろうぞ!!」  
満面の笑みを浮かべた九尾に連れられた頼光は、思いもよらぬ光景を  
見せ付けられる事となる―――  
 
 
牢、と呼ぶには些か豪奢な一室の入り口に二人は辿り着いた。  
「御方……。」  
見張りをしていた女―――恐らく九尾の下僕たる妖であろう―――は、  
九尾と頼光の姿を認めると恭しげに平伏する。  
「晴明の心は変わらぬか?」  
「はい……御身を解放する事、頑ななまでに拒んでおりまする。  
斯くなる上は力ずくで……。」  
苛立たしげに口を滑らせた女を、九尾が眼光鋭く睨み付けた。  
「出過ぎた事を申すでない!あれは我が娘ぞ……幾らでも代わりがおる  
貴様らとは違うわ!」  
「!!申し訳ありませぬ!!何卒ご容赦を……!!」  
九尾の放つ恐ろしいまでの威圧感に震え上がり、女は慌てて額を地に  
擦り付けるが如くひれ伏し慈悲を乞う。  
「ふん……。」  
大した感慨を抱いた様子もなく女に冷ややかな一瞥をくれると、  
九尾は部屋の中へと入っていった。  
躊躇いつつも九尾の後に続いて部屋に足を踏み入れた頼光は、  
注意深く中を見渡す。  
ほどなくして、蝋燭の仄かな灯火に照らされた部屋の中央に単姿の  
晴明を認めた。  
四肢を絡め取られた状態で膝をつき、荒い呼吸を繰り返す晴明の、  
乱れた衣から見え隠れする肌の色がゆらめく炎に照らされて  
酷く艶かしく映り、頼光は慌てて目を逸らす。  
「晴明……未だ抗っておるか。」  
揶揄する声に顔を上げ、微かに潤んだ瞳できっ、と気丈に九尾を  
睨み付ける晴明であったが、背後に見知った男の姿を捉えて  
驚愕の表情を見せた。  
「!!……頼光……何故、貴方が此処に……?」  
 
動揺を隠せない晴明に、九尾がゆっくりと歩み寄ると其の顎を捕らえる。  
「……晴明……未だ我が尾を返すつもりはあらぬか?  
今なら一時の気の迷いと思い、情けをかけてやろうというもの。  
……さあ、如何する?」  
「誰が貴様に許しなど乞おうか!!疾く……疾く殺すが良かろう!!  
私は貴様の尾の一つを道連れに喜んで黄泉へと落ちようぞ!!」  
吐き捨てるように言い放つと、刹那ひどく哀しそうな色を湛えた瞳を  
頼光へと向け、そうして再び顔を背けるように俯いた。  
「……ライコウ、晴明は斯様に意地を張り、我が尾を放そうとせぬ。  
貴様からも説得してはくれぬか?」  
立ち尽くす頼光を見返ると、九尾は大仰に肩を竦めてみせる。  
「……晴明……。」  
頼光が小さく名を呼ぶと、ぴくり、と晴明の身体が震える。  
「頼光……九尾の言葉に惑わされてはなりませぬ。このまま息絶える  
事こそが我が望み……助けようなどと思ってはなりませぬ。」  
常にはない弱々しき声で拒む晴明の傍に近付き、頼光は膝を折った。  
「我とて、白珠に蝕まれている貴女の身を案じていた……だが、  
当の貴女が命を賭して九尾を屠る事を望んだゆえ、其の意を汲み従った。  
……しかし……。」  
言いながら頼光は手を伸ばし、壊れ物を扱うかの如く晴明の頬に  
そっと触れる。  
「我が力及ばず、九尾を屠る事叶わなかった今となっては……  
貴女をこのまま無為に喪う訳にはゆかぬ。生きていれば、再び機は  
巡って来ようぞ。」  
「あの時我らは此奴を倒せなかった……だからこそ、私はこれ以上生き恥を  
晒す訳にはまいらぬのです。頼光……お願いで御座います、どうか私を  
捨て置いて下さいませ。」  
掠れた声で呟きながらゆっくりとかぶりを振る晴明であったが、  
頼光はしかし引き下がらない。  
 
晴明の左目の周りを丹念に探り、其処に施された術の状態を確かめる。  
「なっ……頼光、止めるのです!!」  
術を破り、白珠を取り出そうとする頼光の意を悟った晴明は抗おうとするが、  
頼光は構わず呪を唱えて印を結んだ。  
「!!」  
晴明の目に封じられていた白珠が封印を解かれ、淡い光を放ちながら  
浮かび上がる。  
「……失礼、つかまつる。」  
「っ……くぅっ……!!」  
無骨な指先が白珠を抉り出す激痛に、晴明の唇から艶を帯びた  
呻き声が漏れた。  
「……すまぬ、晴明。」  
耳元に小さく謝すると、頼光は手の内にある珠を見つめる。  
「おお、でかしたぞライコウ!!」  
喜色満面の九尾に果たして此れを還して良いものか悩んだものの、  
尾を一つ喪っている今の九尾にすら敵わなかった己に抵抗する手立ては  
ないと諦観し、頼光は白珠を手渡した。  
「……此れで満足であろう?晴明の縛めを解いては貰えぬか?幾ら白珠を  
取り除いたとはいえ、斯様な状態では彼女の身が保たぬ。」  
「ああ……そうであるな。」  
晴明の身を案じる頼光の言葉に頷くと、九尾がぱちん、と弾指する。  
途端彼女の身体を縛めていた紐が掻き消え、支えを失った晴明は其の場に  
崩れ落ちた。  
 
「晴明!!」  
咄嗟に抱きかかえようとした頼光を遮り、九尾の腕が晴明の身体を  
抱き上げる。  
「我が愛おしき娘ゆえ、命までは取らぬ……が、我を謀った罪は  
身を以て償って貰おうぞ……晴明。」  
九尾は端正な顔に何処か厭わしい笑みを浮かべながら晴明の顔に  
唇を寄せ、其の耳朶を舐めた。  
「……っ……。」  
あからさまに嫌悪の表情を見せる晴明に構わず、九尾は頬に、首筋に  
舌を這わせていく。  
力の入らぬ身体では九尾のくびきから逃れる事も出来ず、晴明は  
されるがままになっていた。  
―――この男、己が実の娘に何を……?  
二人の間に漂う尋常ならざる雰囲気に、頼光は訝しげな視線を向ける。  
頼光の疑念に気付いた九尾が、至極当然といった表情を見せた。  
「晴明は、我が愛おしき娘……何度も言っておるであろう?」  
九尾はにやりと嗤いながら、晴明の顎を捕らえる。  
「覚えておくが良い……これは、我の物ぞ。……心も、身体も。」  
 
「……晴明が……貴様の物、だと……?」  
言葉の意味を取りあぐねる頼光に、九尾が意味ありげな視線を向けた。  
「ほれ、晴明……其方が如何にして我の物であるか、この男に見せてやるが良いぞ。」  
言いながら九尾は、くったりと九尾の胸に身体を預けている晴明の単の帯を解き、前を寛げる。  
眼前に晒された晴明の下肢―――其の一点に視線が定まった刹那、頼光は絶句した。  
「なっ……!!」  
幾度となく頼光を迎え入れた女陰はしとどに濡れそぼり、柔らかな秘肉には何かが―――雄の形を模した道具が咥え込まされている。  
先刻この部屋に足を踏み入れた時に感じた晴明の呼吸の乱れは、異状な様は……此れが原因であったのか?  
「我が娘ながら、何とも淫らな子よ……血の通わぬ道具でも浅ましく悦び、涎を流しておるではないか。」  
「あ、ああっ……!!」  
九尾の手が些か乱暴に張形を引き抜くと、悲鳴とも嬌声ともつかぬ声が晴明の唇から漏れる。  
玩具に纏わりついた愛液を、九尾が愉悦を帯びた笑みを湛えて舐め取っていった。  
「貴様……晴明に何という不埒な真似を……!!」  
怒りのあまり握り締めた拳を戦慄かせ、搾り出すように呟いた頼光であったが、九尾はさしたる感慨を受けた様子もなく。  
「不埒な真似をしたのは貴様の方であろう!!我が娘を誑かした罪、本来であれば万死に値するものであるぞ!!貴様が晴明の身から白珠を取り出さなんだら、其の仮初の身体、八つ裂きにして喰ろうておるところであったわ!!」  
逆に烈火の如き憤怒を露に恫喝され、頼光は言葉に詰まる。  
「……まあ良い。貴様とて、我が娘に惑わされ、愚かにも愛されておると思い違うておったのみであろう?……晴明がまことは誰の物であるか、此れよりしかと其の目に焼き付けよ!」  
九尾がすっ、と頼光に向けて手を伸べた刹那。  
「っ!!」  
あたかも凍結の呪を受けたかのように身体が固まり、自由を奪われた頼光が瞠目する。  
「安心せい。不粋な手出しをされると興醒めゆえ、動きを封じたのみ。我らの睦み合う様、其処でとくと見ておるが良かろう。」  
 
「貴様……己が実の娘を手篭めにするか!?何という非道を……!」  
思いも寄らぬ九尾の意図に動揺する頼光であったが、対する九尾の言葉に一層愕然とする。  
「何を今更言っておる?晴明を女として磨き上げたはこの我であるぞ?」  
「なっ……!?」  
 
初めて閨を共にした時、彼女が既に男を知る身であった事には気付いていた。  
だが、永き時を生きてきた女人が、しかも斯様に麗しき者であれば、過去に情を交わした男が在っても別段  
不思議ではないと思い、彼女が口にしないなら敢えて聞く事もあるまい、と深く追求はしなかった……が。  
 
―――実の父親に、辱められていたのか!?  
 
「……狂っておる……!!」  
辛うじて其れだけ呟いた頼光に、九尾は微かに嗤った。  
「晴明には、この肉体で男を惑わし、国を傾ける手管を我が手でたっぷりと仕込んでおる。穢れた大地に下  
りたと知った時は、てっきり腐りきった人の世を内側より壊すべく画策しているものだとばかり思うておっ  
たが……よもや人に与しようとは思わなんだ。其れに飽き足らず、貴様のような傀儡を用い、親たる我に弓  
引くとは……全く、罷りならぬ事よ。」  
「……。」  
呆然としている頼光を満足げに見遣ると、九尾は晴明を膝に乗せ、あたかも楽器を奏でるかの如く指先で晴  
明の大腿を撫で上げ、女陰へと辿っていく。  
「晴明……斯様に疼いておっては辛かろう?此方の口は……疾く、雄が欲しいと申しておるわ。」  
 
愛液で滑る花弁をなぞる指の感触が官能を刺激するが、晴明はきつく唇を噛み、眉根を寄せて口の端まで出かかった嬌声を堪えた。  
「さあ、昔のように……我が欲しい、と求めるが良い。さすれば赦してやろう。」  
「……誰が、貴様なぞ……求めようか?!」  
「強情な子であるな……何時まで抗えるか、試してみるのもまた一興か。」  
くちゅ、と湿った音を立てて蜜壷を掻き混ぜる九尾の指の動きに欲を掻き立てられ、晴明がやるせなげに首を振る。  
緩急をつけて抜き差しされ、花芽を嬲られ、次第に高みへと導かれていく晴明であったが、ぎりぎりまで昂ぶらせたかと思うと九尾は愛撫を中断し、彼女の焦燥感を煽っていった。  
「んっ……ふ……んぅっ…っ…。」  
与えられる快楽から逃れる事も叶わず、かといって昇り詰める事さえ赦されない。  
止め処もなく溢れた愛液は大腿を伝い落ち、蝋燭の仄かな明かりを受けて淫らに煌いていた。  
「おやおや……随分と感じ易い身体になったものよ。其処な男にたっぷりと仕込まれたか?」  
敏感な処を突かれる度にびくん、と身体を震わせる様を興味深げに見やりながら、九尾は揶揄するように囁きながら耳朶を甘噛みする。  
「暫く見ぬうちに、其方はまこと雌臭くなったわ……父たる我すらも惑わせる程に。」  
 
散々に焦らされ、最早力の入らぬ晴明の身体を背後から抱え、脚を大きく開かせると、頼光の眼前に濡れそぼった秘部が晒された。  
父たる九尾の手によって歓喜の蜜を溢れさせている浅ましき姿を頼光へと見せつけさせられ、晴明の瞳から一筋の涙が零れ落ちる。  
「……我が神との、忌まわしき関係……貴方にだけは、……知られたくのう御座いました……。」  
晴明の唇から漏れた微かな呟きが、頼光の胸を揺さぶった。  
 
『私はこれ以上生き恥を晒す訳にはまいらぬのです。』  
 
先刻の晴明の言葉が脳裏を過ぎり、其の意味するところを漸く理解した頼光であったが、時既に遅し。  
「お願いで御座います……頼光、暫し……目を閉じ、耳を塞いでおいて下さいませ……。」  
悲痛な懇願の言葉も、九尾の嘲笑を買うのみで。  
「無駄よ、晴明……この男、既に其方の雌の匂いに当てられ、目が離せぬようであるぞ……のう?」  
晴明の頬を伝う涙を舐め取りながら、九尾は嗤って文字通り手も足も出ない頼光を見遣る。  
己が衣の前を寛げると、屹立した逸物を取り出し、晴明の花弁を押し広げてとば口へと押し当てた。  
零れた愛液を塗すように女陰の周りを辿る、熱く脈打つ雄のおぞましい感触に晴明がびくん、と身を震わせる。  
「晴明……さあ、其方が待ち望んでおったものであるぞ?嬉しかろう……?」  
からかうように囁きながら、九尾は晴明へと己が凶器を埋めていった。  
 
「いやあっ……あ、あああっ……っ……!」  
湿った音を立て、九尾の陽根が晴明を穿っていく。唇から上がる声は言葉の持つ意味とは裏腹に、嬌声に近いものであった。  
「ほれ、其方の内に全部収まったぞ、晴明……?」  
晴明を深々と貫き、九尾が満足げな笑みを浮かべて囁く。  
「あ、ああっ……!!」  
また―――交わってしまった。  
月を出奔したあの時、此れで漸く父の呪縛から逃れられると思ったのに。  
頼光に抱かれ、其の手で昂ぶらされ、乱されて……彼の者の色に染まったと思っていたのに。  
なのに、身体は……かつて散々嬲られた、この男を忘れていない。  
己の中が雄で満たされ、掻き乱されるのを、浅ましくも涎を流し嬉々として待ち望んでいるではないか。  
繋がった処から、狂おしい程の快楽と、身の毛もよだつ嫌悪感が同時に湧き上がる。  
「っ……あ、あっ……いや……いやぁ…ぁっ…!」  
「幾ら否定しようとも、其方は我と同じモノよ……。」  
齎される快楽に抗うかのように首を振る晴明の耳に、九尾の毒を含んだ声が注がれる。  
「ヒトに混じり、ヒトになった振りをしておっても獣たる本性は正直なもの……ほれ、既に其方も悦に入っておろう?」  
「くっ……はぁっ……!!」  
柔らかな乳房に爪を立て、些か乱暴に揉みしだく。晴明の身体が打ち震え、咥え込んだ雄を離すまいと内壁がきつく締め付けた、  
「嗚呼、やはり其方は我が妻の娘……まこと良く似ておるわ。」  
嬉しそうに呟きながら、九尾は頼光の目の前で晴明の身体を蹂躙し続ける。  
律動の度に奏でられる淫らな水音と、晴明が流した蜜の香りが辺りに満ちて淫靡な空気を醸し出していた。  
頼光は己が眼前で繰り広げられている忌まわしき光景から目を背け、耳を塞ぎたかったが、其の意に反して二人の交わりに釘付けとなるより他、なかった。  
 
ゆらゆらと揺らめく灯火に照らされ、人に非ざる美しき一対の男女が身体を繋げている。  
仄かに紅色に染まった肌を彩る艶やかな黒髪、肢体を弄られる度に形の良い唇から漏れる切なげな吐息、噎せ返るような雌の匂い……其れらは、目の当たりにした者の好色な欲望を掻き立てさせるに充分であろう。  
そして今、頼光もまた情欲を律する事叶わず、身の内に生じた熱を持て余し困惑していた。  
「おや?……傀儡も我らに煽られておるのではないか?……ほれ、其方が相手をしてやるが良い。」  
何時の間にか傍らに控えていた九尾の下僕が、主の命を受けてにたりと妖艶な笑みを浮かべる。  
「……かしこまりました。御方の御心のままに。」  
人外の女は何処か晴明にも似た表情を湛え、動きを封じられたままの頼光に歩み寄ってきた。  
そしておもむろに頼光の衣の帯を解くと、襟に手を掛けて前を寛げる。  
「晴明は御方の物ゆえ、最早貴様が其の腕に抱く事は叶わぬ。だが……晴明を白珠の毒気から救った褒美に、我が御相手仕る。御方の御慈悲に感謝するが良いわ。」  
女はゆっくりと跪き、立ち尽くす頼光の雄に手を伸ばし―――口に咥えた。  
「!!止せ……くっ!!」  
真綿のように温かな口腔に包まれ、えもいわれぬ快感が頼光を襲う。必死に悦楽に耐える頼光の様を、女が愉悦の笑みを浮かべて見上げた。  
「ふふっ……我を晴明と思うても良いのだぞ?」  
「っ……くぅ……。」  
情を交わした男の眼前で辱めるのみで飽き足らず、男に別の女を宛う……悪趣味極まりない九尾の嗜好に翻弄され、晴明の心は千々に乱される。  
「頼光……!!」  
掠れた声でうわ言のように愛おしき名を呼ぶ晴明であったが、其れは九尾の不興を買うのみで。  
「我に抱かれている時に、他の男を呼ぶか?……困った娘よの。」  
忌まわしげに呟きながら晴明の顎を捕え、噛み付くように口付けた。  
「ん……ぅんんっ!!」  
絡められる舌も、肌を這う掌の感触も、己を貫く陽根の熱さも……全てがおぞましいのに心地良い。  
零れ落ちる涙の意味も分からず、晴明はただ、九尾の激情を其の身に受け容れ続けていた。  
 

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