うららかな日射しの降り注ぐある日のこと。深い森の道を抜けると、そこは一面のお花畑だった。なだらかな丘の上、まばらに樹木が並び、色とりどりの花が咲き誇っている。  
 ピクニックには持ってこいのロケーションだった。もっとも、三銃士一行はあまり呑気なこともしていられない。……はずなのだが、  
「気分がいいのは結構だが、まーたいばらがどっか行ったわけだな……」  
「キュピ〜……」  
 ヴァルとキュピが誰にともなく呟いた。みんなが辺りの景色に感心している一瞬の隙を突いて、いばら姫は姿をくらましていたのだ。このパーティではたまにあることだったりする。  
「またその辺でお昼寝してるんだろうし、あたし達もちょっと休憩でいいんじゃない? 朝から歩き通しで疲れちゃった」  
 赤ずきんの提案に、みんなも賛同する。  
「それじゃあ、僕もちょっとその辺を見てきていいかな?」  
「あら草太さん。お花畑を見て歩くのでしたら、ぜひわたくしもご一緒に――」  
「ちょっと待ちなさい白雪! 上手いこと草太と二人きりになろうとしても、そうは問屋が卸さないんだゾ!」  
 予定調和のように火花を散らせる白雪姫とりんご。既にみんな慣れたもので、休憩中のBGMかのように流している。  
「あの二人は仲良くケンカしてるだろうから、草太は気にせず行ってこい。いばらを見つけたら、あんまり遅くならないよう伝えといてくれ」  
「うん。分かった」  
 草太も平然としている。乙女二人が自分のことで争っているのに、気付いていないのか流しているのか……目の前の花畑には本気で胸躍らせながら歩いていった。  
 
 一度見渡しただけでは分かりにくかったが、この天然の花畑は相当な広さがあった。ぼんやり歩いていたら迷子になるかもしれないほどだ。  
「いばらはどこまで行ったのかな……?」  
 沢山の花を眺めながら歩いていく。しばらくして、花畑の真ん中で草むらを寝床にしているいばら姫を発見した。  
「あ……いばら。こんな所にいたんだ」  
「ふわ……草太?」  
 いばら姫はまだ眠たそうに目をこすりながら、上半身を起こす。  
「ふわわ……どうかした?」  
「花を見ながら歩いてたんだけど……」  
「そう……」  
 頷いてから、いばら姫はまたこくりこくりと船を漕ぎ出していた。  
「お昼寝の邪魔しちゃ悪いから、向こう行ってるね」  
「……草太も一緒にお昼寝、しない?」  
「え?」  
「ここ、気持ちいいよ……ふわわ」  
 大きな欠伸をして、いばら姫はまたころりと寝ころんだ。  
 寝ているいばら姫の傍は、ある意味で敵中より危険……以前そう言っていたのは赤ずきんと白雪姫だが、この前エルフの国に里帰りしてからは幾らか安全になっていた。  
 
「遠慮せずどうぞ……ふわ」  
「えーと……それじゃあ、ちょっとお邪魔するね」  
 草太は遠慮がちにいばら姫の横へ腰掛けた。密集した草は思った以上にふかふかとして寝心地が良さそうだ。深呼吸をすると、草いきれに混じって柔らかく甘い香りがした。  
「これ、何の香りだろう?」  
「これはこの周りの花の……」  
 寝ころんだまま、いばら姫が周囲の花を示す。二人の周りには赤い花が群れで咲いていた。小さく可愛らしい花弁と、華やかだが目に優しい色合いが印象的だった。  
「へえ……ねえいばら、これはどんな――」  
 草太がこの花について尋ねようとしたが、  
「zzz……」  
 いばら姫は既に夢の世界だった。  
「あ……もう寝てる」  
 いばら姫の無垢な寝顔を眺めていると、草太も自然と瞼が重くなってきた。漂う花の香りが穏やかな気分を誘う。  
「ふわ……僕も……眠くなってきちゃった」  
 草太も草むらの上で横になる。寝心地の良さもあって、すぐに眠りに落ちていった。  
 
 しばらく経った頃。  
 下半身が妙にすーすーすると感じて、草太はぼんやり目を開けた。それから、妙な感触ではっきり目を覚ました。  
「え――!?」  
 いばら姫が腰の横で腹這いになり、草太の性器を手で弄んでいた。  
 半立ちだったものがたちまち勃起した。草太は上半身を慌てて起こす。  
「なっ、何してるの!?」  
「ふわ……エッチなこと」  
 淡々と答えながら、いばら姫は細い指で草太のものを上下に擦る。  
「いやそうじゃなくて、僕が聞きたいのは――うあっ」  
 いばら姫の舌先が草太の亀頭に触れた。そのまま先端をちろちろと舐め回される。それから鈴口にキス。  
 舌と唇での愛撫が交互に繰り返される。草太のものはたちまちいばら姫の唾液で濡れそぼった。  
「い、いばら……くぅ」  
 草太は奥歯を噛みしめて湧き上がる射精感を堪える。先走りの液をいばら姫の唇が吸い上げ、そのまま草太のものを口に含む。  
「ふ……んぅ……」  
 いばら姫の柔らかい唇が肉茎の側面を上から下へ、ゆっくり包んでいく。  
 女の子にこんなことをされるのは初めてだった。自慰とは比べものにならない快感に、草太は頭の中がどうにかなりそうだった。いばら姫の舌が口の中で亀頭を舐った瞬間、堰を切ったように精液を吹き零していた。  
「んっ……んく」  
 不意の射精にも驚かず、いばら姫は白濁の液を口内に受け入れた。何度か喉を鳴らして飲み込んだが、半分ほどは地面に零してしまった。  
 
「……あまり美味しくはないな」  
「そりゃそうだよ……あれ?」  
 草太は自分の身の違和感に戸惑う。ついさっき大量に出したのに、草太の分身は衰える気配すら見せない。  
「な、何で……?」  
「まだまだこんなものでは足りないか……」  
「どういうことなの? ……ていうか、いばらはどうしてこんなことを?」  
「それはこの花のせい」  
「この花って……この赤い花?」  
 草太は首を曲げて周囲に視線を巡らせる。  
「この花の香りには、強い催淫効果がある……つまり、かいでいるとエッチな気分になる」  
「なっ、何でいばらはそんな所で居眠りしてたの!?」  
「……うっかりしていた」  
「うっかりって……」  
 頭を抑える草太。もっとも、普段は不用意な行動で他人に迷惑を掛けるのは草太の十八番でもあるので、あまりいばらを責められたものではないが。  
「まあ、それはともかく。このままだと良くないだろう。お互いに」  
 立ち上がったいばら姫が、おもむろに衣服へ手を掛けた。  
 するりと衣擦れの音がした。殻を剥くように、いばら姫の裸身が露わになっていた。一片のくすみも無いシルクのような肌が、ほんのり薄桃色に火照っている。  
 ほのかに汗ばんだ体からは、不思議と甘く、花にも似た香りがした。  
 いばら姫の指が自ら秘所をくつろげる。赤く色づいた花弁が、淫らな蜜を湛えていた。  
 その姿を見て、草太は生唾を飲んだ。射精したばかりのものが、ますます固く反り返った。劣情に昂ぶり、呼吸が荒くなる。  
 いばら姫は身を屈めて、腰を下ろしたままの草太にしなだれかかった。  
「私もしてくれ……草太」  
「あ……」  
 いばら姫の濡れて光る唇がそんな言葉を囁く。間近で感じる淫靡な吐息は、今の草太の理性を崩すには十分過ぎた。  
「い……いばらっ!」  
 衝動に突き動かされるまま、草太はいばら姫の体を草むらの上に押し倒した。  
 押し倒されながら、いばら姫は草太に唇を重ねてきた。口の中へ舌を突き出してくる。草太の方からも舌を入れる。互いに舌を絡ませ合い、唾液を混じらせる。  
 むさぼるように唇を吸いながら、草太の手がいばら姫の股間へ伸びる。そこに触れた途端、指先が熱い潤みに包まれた。  
「草太……もう大丈夫だから……きて」  
 草太は身を起こし、亀頭を膣口に押し当てた。  
「ここで……いいんだよね?」  
「そう……そのまま、入れて……」  
 
 草太は唾を飲んで、大きく深呼吸。それからゆっくり腰を押し出した。まだ幼さを残すそこが、草太のものを飲み込んでいく。  
「あ、ああ……っ!」  
 先端が柔らかい壁に当たる。ちょうど草太のものが根本まで入っていた。  
「最後まで入っちゃったよ、いばら……いばらの中、凄く狭くて、熱い……動いていいかな?」  
「うん……」  
 草太は奥まで入ったのをゆっくり引き抜き、入り口近くからまた深く差し込んでいく。何度も繰り返すうち、少しずつ動きを細かく速くしていく。  
「ふぁ、ん……ああっ……!」  
 貫かれるごとに、いばら姫が甘い喘ぎ声を上げる。草太の動きに合わせて、微妙に腰を動かしてきた。  
「あっあっ、そ……うたぁ……んんっ!」  
 草太の首にいばら姫が手を回す。草太もいばら姫に覆い被さり、深く抱きしめる。  
「だめだよ、もう……いばらの中で、溶けちゃいそうだ……つ、ぁ……いく、よっ」  
「う、んっ……中にっ、して――!」  
「うあ……っ!」  
 草太には中も外も考える余裕が無かった。音が立つほど激しく、いばら姫の中に草太の精液が放たれた。一度では収まらず、何度も脈打っては白濁の液が溢れ出てくる。  
「はぁ……はぁ……草太のが、いっぱい……」  
「いばら……」  
 精液と愛液にまみれたものを引き抜いてから、草太はハッとした。  
 今までいっぱいいっぱいで気付かなかったが、そこには点々と破瓜の血が零れていた。  
「初めて……だったの?」  
「そうだけど?」  
 それがどうかした? という風にいばら姫は首を傾げる。  
「何か慣れた感じだったから、てっきり……」  
 それだけでなく、初めてとは思えない乱れ方だった。とはいえ、草太もこれが初めてだから実際がどんなものなのかよくは知らないが。  
「……草太は私をそんな風に見ていたのか」  
「いやいやいや! そういうことじゃなくて――」  
「分かっている。冗談だ」  
 慌てる草太に、いばら姫は優しく微笑んだ。  
「この子達も、満足したようだな」  
 周りを見回しながらいばら姫がそんな言葉を呟いた。草太もその視線を追う。  
 二人の周りに群れていた赤い花達は、さっきよりも一段活き活きとして、瑞々しい生命力を漲らせていた。  
「どういうことなの?」  
「この花は、動物の生殖行為が発散するエネルギーを糧にしている……音楽カボチャが音楽で育つのと似たようなものだな」  
「それでこんな効果が……?」  
 花の傍の草をよく見ると、テントウ虫のカップルが交尾をしていた。彼らもこの花の香りに誘われたのだろうか。  
 
「なあ、草太……」  
「え、何?」  
 草太が振り向くと、裸のいばら姫が、草むらに腰掛けたまま何やらもじもじしていた。  
「その……草太は一度で満足できたか?」  
「え……?」  
「私は、まだ……その……ここが疼いている」  
 そう言っていばら姫は指先で自分の秘所に触れた。濡れそぼったそこが、くちゅりといやらしい音を立てる。  
「う……」  
 その姿に、またまた草太のものがぐいっと反り返った。これも花の持つ催淫効果のおかげか、三度目だというのにほとんど衰えていない。  
「じゃあ、えっと……もう一回していいかな?」  
「うん……」  
 草太はいばら姫の腰に手を回す。  
「いばら、今度は後ろから……」  
「わかった……」  
 言われるまま、いばら姫は草むらの上で四つん這いになった。突き出されたお尻を草太が掴み、いきり立った先端を膣口へあてがった。  
 腰を押し出すと、先程よりも容易く、肉茎がいばら姫の蜜に満たされた秘所へ侵入した。  
「痛くない?」  
「平気だから……もっと、して」  
「うん……いくよ」  
「あっ……」  
 いばら姫と繋がったまま、草太が腰を前後に揺さぶる。  
「んっ……あっ、ふ、ぁ……っ」  
 後背位で貫きながら、草太は両手をいばら姫の胸に回した。膨らみかけた双丘はふにふにと柔らかい。手の平に野苺のように小さな乳首の感触がある。指先でそれを摘むと、いばら姫の体が小さく震えた。  
「大丈夫?」  
「大丈夫……もっと……触っていいから」  
 いばら姫のいじらしい様子に、草太は少しだけ悪戯心が芽生えた。腰を動かしながら、いばら姫のエルフ族特有の大きな耳を甘噛みしてみる。  
「ふぁっ!?」  
 途端、いばら姫の全身が電気を流したように反応した。  
「いばら、耳が弱いんだ?」  
「ふっ、あっ……耳はっ、だめぇ……!」  
 そう言いながら、いばら姫も快感の波に酔っていた。  
 耳を刺激して反応するたび、草太のものを包んでいる肉襞が締め付けを増し、より強い快感を与えてくる。  
 いつしかいばら姫は、草太の動きに合わせて自分から腰をくねらせていた。  
「もうっ、だめ……いっ、く……ふぁ……」  
「いばらっ、いくよ……!」  
「あっ、あっ、あっ、んあああっ……!」  
 最奥まで突き入れながら、草太は絶頂に達した。体を震わせ、いばら姫の中に白濁の液をたっぷり注ぎ込んだ。  
 二人折り重なったまま、草むらの上で脱力する。射精三度目ともなると、草太の疲労も相当だった。  
「草太……ん」  
 いばら姫が体を捻って草太と唇を重ねた。舌をそっと差し込んでくる。草太もそれに応える。  
 もっとつながっていたい……二人はどちらともなくそう思い、行為の余韻を惜しむように、しばらく体を重ねたまま睦み合っていた。  
 甘い花の香りは、まだ強く辺りに漂っている。  
 
「音楽カボチャといい火の花といい、ファンダヴェーレには不思議な植物がいっぱいあるんだね……」  
 余韻も過ぎて落ち着いた草太が、元気いっぱいになった花達を見て呟く。二人が張り切ったお陰か、花弁も葉も茎もつやつやと輝いていた。  
「ひょっとしていばらは、この子達を元気にしてあげようと思ってここにいたの?」  
「……さあ?」  
「さあ、って……」  
「細かいことは気にしない……ふわわ」  
 また眠気が襲ってきたのか、いばら姫は裸のまま大きな欠伸を一つ。  
「寝たらだめだよいばら。そろそろ戻らないと、みんな心配するよ」  
「わかってる……ふわ」  
 いばら姫はまた欠伸をしながら、のろのろと立ち上がった。粘質の液が太ももを伝う。  
「あ……いばら、これ使って」  
 草太が慌ててポケットティッシュを差し出す。小さい頃から、外に出る時はハンカチと一緒に忘れないよう言われていた。主にりんごから。  
 受け取ったティッシュで後始末をするいばら姫を見ながら、草太は今さら不安と罪悪感が込み上げてきた。  
 服を着始めたいばら姫に、恐る恐る尋ねてみる。  
「ねえ、いばら……その、二回も中でしちゃって……やっぱり妊娠とか――」  
「ふわ……それは大丈夫。……だと思う」  
「え?」  
「エルフ族が懐妊する確率は、他の種族と比べて極端に低いから」  
「そうなの?」  
「そう。だからもし子を授かったのなら、それは何よりもめでたいこと……」  
 格好を整えたいばら姫は、まるでもうそこに新しい命が宿っているかのように、自分のお腹を愛しげに撫でる。  
 その姿からは、さっきの淫らな振る舞いからは想像も付かない、聖母のような清らかさが漂っていた。  
(女の子って、不思議だなぁ……)  
 しみじみと、草太はそんなことを思った。  
 お腹に手を当てていたいばら姫は、ふと草太に向けてにこやかな笑みを投げかけた。  
「もちろん、その時はしっかり草太に責任を取ってもらうぞ」  
「ええ!?」  
 途端に情けない声を上げる草太。  
「当然だろう」  
「そ、それはそうだけど……」  
 もしそうなったら、草太の身は果たして無事なのだろうか……きっと激怒する人がいるだろう。りんごとかりんごとかりんごとか。  
「この年でお父さんになるのは大変だなぁ……いばらも、お母さんになるのは早すぎじゃない?」  
「十四、五なら早すぎるほどでもないと思うけど……ふわ」  
 その辺はエルデ(ていうか現代日本)とファンダヴェーレの価値観の違いか。  
 小さな花園を後にしながら、草太は母になったいばら姫と父になった自分を少しだけ想像してみる。むず痒いような気恥ずかしいような、何ともいえない気分になった。  
「……あの、草太」  
 並んで歩く途中、いばら姫が少し躊躇いがちに声をかけてきた。  
「何?」  
「もしよかったら、また今度一緒にお昼寝……しない?」  
 

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