赤ずきんがこの世界へ来てから三日がたった。アレ以来怪しい影がちらついているのが怖い。  
「赤ずきん、あの人たちって何なの?」  
「あんなのに人なんてつける必要ないよ。ダークメアリアンって言う悪い奴らだよ」  
赤ずきんはひどいことを言うな、と思った。世の中にはこんな人間が多すぎる。小さなことだと思って何度も何度も罪を犯したり、罪に気付かなかったり。許せない。  
どうしてこれを正す力が僕にはないんだ!力がほしい。でも、この感情を表に出せないのが一番つらい。どうして僕はこんなにちっぽけなんだ。僕を満たしてくれるのは御伽噺の世界しかない。  
僕は赤ずきんを部屋に招いた。父さんがいないから今は気づかれてないけどいつか父さんが帰ってきたときは赤ずきんをどこに隠しておこうかと思ってここに呼んだんだ。  
「で、どこに隠れるのがいいかな?」  
「この隣の部屋はどうかな?」  
赤ずきんは押入れのふすまを開けた  
「アレ、部屋じゃない。物がしまってある。クローゼット?」  
「いや、押入れって言うんだ。でもまあ、クローゼットと似たものかな」  
「でもここなら隠れられるよ。ためしに入ってみるね」  
赤ずきんは僕の布団を取り出して奥へと入っていった。  
「アレアレ?なんだろうこれ?」  
しばらくして赤ずきんは奥から出てきた。その手に握られているのは―  
「ああっ、僕のオナ……」  
皆まで言うのははばかられる擬似女陰を発見されたことに動揺する僕。  
「オナ?なんか変な形してるよ?それにぶにょぶにょしてる」  
「あ、あああ、」  
りんごにも教えていない僕だけの中にしまってあった秘密が白日の下にさらされた。どうすればいいのかわからない僕。目の前が真っ暗になる。  
「草太、これ何?何なの何なの?なんだかおしっこ出るところみたい」  
「はぁ?」  
「ほら、ここだよここ」  
スカートをずらしてパンツを下ろす赤ずきん。どぎまぎする僕  
「ほら、ここを開くと」  
性器を開く赤ずきん。すばらしい眺めだった。明らかに処女で穢れていない。  
僕は興奮がピークに達し、気がつけば赤ずきんを押し倒していた。  
「わー、やっぱり男の子にあの光景はずっきゅ〜んと来るんだね!」  
「え?わかってたの?」  
「アレもこういうことに使うのかな?」  
「……」  
答える代わりに胸をもんだ。そんなにないけど。  
「わーっ!草太が獣になったー」  
「何だと?この下衆野郎!」  
ドアを開けてバルが飛び掛ってきた。  
「止めろーっ!」  
僕が叫ぶと手ごたえ?精神ごたえって言うのかな?何かを精神で押し出すような感触とともにバルが倒れて地面に押しつぶされる。  
「これが、エルデの鍵の力か……」  
バルがつぶやく。そういえば赤ずきんが言っていた『エルデの鍵』。その力がこれならなかなかうれしい。僕には世界を正す力があるんだ。  
「なんだか騒がしいゾ、ってええええええ!」  
りんごが隣の家から勝手に押しかけてきて驚いた。何だよ、勝手にいきなり!  
「きゃあっ!」  
その心に力が反応してりんごを部屋から弾き飛ばした。これが力を使う感覚だなと僕はつかんだ。それなら。  
「こっちへおいでよ、りんご」  
僕の意思に反応してりんごが廊下から引きずられてくる。ふふふふふ。ははははは!  
僕はバルとりんごと赤ずきんを床に押し付けたまま引きずって三人を並べた。  
「りんごはいつも僕の宿題を写してたよね」  
「だから何よ!こんなことして、許さないゾ!」  
「一回ならどうってこと無い小さなことだよね。でも、もう何回になるかな?数えられないや。それをまとめてお仕置きしてあげるよ」  
「どういうこと!」  
「それは後でね。そして赤ずきん。さっき襲ってくる人たちのこと人扱いしなかったよね」  
「だってナイトメアリアンは……」  
「僕はね、虐げられるのは大嫌いなんだよ。だから二つの世界を一つにするのはいい事なんじゃないかなと思ったんだ。片方だけ魔法が使えるなんて差別だよね?」  
「そういえば昨日草太の話してた桃太郎、鬼と仲直りしてた!」  
「そう、だからいつか僕らは彼らとも一緒にならないといけないんだ。そんな大切な相手を対等に扱わなかったなんて許されることじゃないよ。重罪だと思わない?」  
「だけどぉ」  
 
「そんな重罪、許しておけないよ!虐げられるなんて!僕はお母さんがいないからずっとみんなから好奇の目で見られてたんだ!」  
「く、苦しいよ草太」  
「バル、立派な忠犬の君にはちょっといい役をしてもらうよ。」  
僕はバルの股間をいじりまくった  
「ああんちょ、ちょっと止めてぇ……」  
すぐさまバルの股間はいきり立つ。狼だけあって立派を超えて怖いくらいだ。  
「ま、まさかそれを」  
赤ずきんが恐怖の表情を浮かべる。そう、そうだよ。それこそ罰にふさわしいと思うんだ。  
バルを力で持ち上げ、立派なものを赤ずきんの秘所へあてがう  
「う、うわぁっ、痛いよ、草太ぁぁぁっ!」  
バルをものを無理やり突っ込み、ぐりぐり動かす。  
「ああっ、うわぁぁあん!やめて!やだよぉ!あぁぁぁ!」  
赤ずきんは泣き出した。血も流れて凄惨な眺めだった。どこかグリム童話を思わせるその光景に恍惚を覚える。  
バルを動かし続けたままりんごに顔を向ける。  
「今度はりんごの番だよ」  
「な、何を突っ込むのよ!」  
「りんごの罪はそこまで重くないよ。僕ので許してあげる」  
「そんなの自分が楽しむだけじゃない!」  
「それじゃあ、バルのがいい?」  
「ひぐっ、ひっひぐぅ……」  
赤ずきんはすでに目から光を失っていた。泣くことも忘れたようで息すらきちんと出来ていない。  
「嫌ぁっ!」  
「でしょう?じゃあ行くよ」  
りんごの胸に手を掛ける。赤ずきんよりはもみがいがあるその乳房をきちんと眺めたくて上着をするすると上げる。ピンク色の頂点はしゃぶりつきたくなるように綺麗だった。  
「こら、草太!そんなことしたらどうなるかわかってるの!」  
わからないよ。だから楽しいんじゃないか。教えてもらうよ、りんご。  
僕はどうしたらいい?僕が一番楽しいことは?そう、性交渉だよ。  
乱暴にスカートとパンツを脱がす。  
「ぬれてない。満足してないのかな」  
「あったりまえじゃない!こんなこと喜ぶとでも思ったの?」  
「わかってるよ。だからこれを」  
僕はオナホと一緒に使っていたローションを取り出してたっぷりと手に取った。  
「へ、変態!」  
耳を貸さずにりんごの中へ塗りたくる。女性の中って、こうなってたんだ。  
「入れるよ」  
「うぅぅぅうっ!」  
滑らかで気持ちがいい。勝手に動いてる。ひだひだが心地よく刺激してくれる。夢心地とはこのことだ。ああ、そのまま夢の中に落ちそうな気がする。  
あれ?体の力が抜ける。まだ終わってないのに。高まる肉体と静まる精神の矛盾の中で、下半身がはじけるのを感じながら目を閉じる。  
 
目を開けると僕は部屋の布団で寝ていた。なんてことをやってしまったんだろう、その後悔から気がまた遠くなりそうになる。その精神をつなぎとめたのは呼びかけだった。  
「草太さん。大丈夫ですわ。あなたは悪くありませんの」  
目の前には白い服を着て眼鏡をかけた青髪の少女がいた  
「君は?」  
「三銃士の一人、白雪姫ですわ」  
「赤ずきんの仲間ってこと?」  
「ええ」  
部屋を見渡すと客人用の布団に赤ずきんとりんごが寝ている。赤ずきんの流す涙が先ほどの出来事が本当だったんだとわからせてくれる。  
「僕は、僕は!」  
「落ち着いてください。ナイトメアリアンが悪いんです」  
「どういうこと?」  
「寄生型のナイトメアリアンに取り付かれていたので私が魔法で止めましたわ。取り付いた人間のエゴを強化しますの。だから草太さんは……」  
「でもそのエゴは最初から少しはあったから強化できたんでしょ」  
「え、ええ、……まあそうですわ」  
「……こんなエゴを少しでも抱えている人間、許せないよ!」  
僕は窓ガラスのほうへ飛んだ。そして力を使って自分を思い切り窓の外へ投げ出した。  
「草太さん!」  
許せないのは周りじゃなかったんだ。僕が悪いんだ。世界をゆがませているように僕に見せていたのは僕自身のせいだったんだ。  
僕は体を上空高くへ放り上げた。重力にひかれて地表が近づいてくる。僕がいなくなれば少しは世界の脅威が減るかな。二つの世界はこのまま不可侵のほうがいいのかもしれない。  
だって力を使えるものと使えないものが一つになったら、使えないものの方が虐げられる。虐げられるのがどんなにいやなのか、僕は知っているから、それが間違っていないと確信している。  
 

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