今日は野宿、赤ずきんとヴァルの二人は  
森の中へ薪拾いへやってきていた。  
「ずっぎゅーん!!」  
「こら、赤ずきん、あんまり遠くまで行くな!!」  
ジェドとの決戦から数日、  
ヴァルの正体が赤ずきんの幼馴染、カインであるとばれた事により  
一時は入りかけていたヴァルと赤ずきんの間の亀裂も  
赤ずきんの心の中で整理が付いたことにより、再び修復されていた  
しかし、そのことで、ヴァルにはまたひとつ、  
頭の痛い問題が噴出していた。  
 
「赤ずきん!!あんまりはしゃぐと迷っちまうぞ!!」  
「だってー、久しぶりにヴァルと二人っきりになれて嬉しいんだもん。」  
これだ、問題の兆候は、ジェドとの決着が付いた次の日にはすでに現れていた。  
赤ずきんが自分を見る目がいつもと違うのだ。  
切なそうな瞳でじっとこちらを見つめている事が多くなった。  
はじめは、まだ気持ちの整理が付いていないのだと考えていたが  
赤ずきんの異常はそれだけにとどまらない。  
突然、意味も無くじゃれ付いてきたり、少し他の女の子と仲良くすると拗ねてみたり。  
突然話の流れを遮り、意味も無く「これからもずっと一緒だよね?」と聞いてきたりもした。  
自分の半生を全て赤ずきんのために費やしてきたため  
恋愛経験など無いヴァル、だが、そんなヴァルでもさすがに気付いた。  
赤ずきんは、自分を一人の異性として意識しているのだ。  
正直、一人の男として、悪い気はしない、悪い気はしないが…  
 
(駄目だ駄目だ駄目だ!!絶対に駄目だ!!今の俺は狼だぞ!!)  
ヴァルは大きく首を振り、赤ずきんの想いに対する自分の思いを振り払う、  
赤ずきんの気持ちはあながち分からなくも無い。  
村が滅びるまで、ずっと自分を守ってくれたカイン  
村が滅びてから、ずっと自分を守ってくれたヴァル  
この二つがイコールで結ばれた事で、赤ずきんの中のヴァルは  
人間と変わらない存在と位置づけられているのだろう。  
だが、今の自分が狼であるのは紛れも無い事実だ。  
結ばれる事は無い。赤ずきんの思いには答えられない。  
何とかそのことを、赤ずきんを傷つけず、  
なおかつ関係を壊さないように教え、理解してもらわなければ…  
そんなヴァルの苦悩は、赤ずきんの無邪気な声に打ち消された。  
「ヴァルー!!ヴァルー!!おいでよー!!すっごく綺麗な花が咲いてるよ!!」  
「…ったく。」  
これ以上、森の奥に入ったら本当に遭難してしまう。  
ヴァルは声の方へと駆け出した。  
 
「あ…赤ずきん!!何やってんだ!?」  
ヴァルは思わず目を疑った、赤ずきんは崖から大きく身を乗り出し  
断崖絶壁に咲いている花を覗き込んでいるのだ。  
「あ、ヴァルー、みてみてこの花、とっても綺麗だよ。」  
「馬鹿!!戻れ!!落ちちまうぞ!!」  
「だってー、とっても綺麗なんだもん。」  
ヴァルの静止を聞かず、さらに身を乗り出す赤ずきん  
ヴァルは慌てて赤ずきんの服の裾を咥え、引きずり戻そうとするが  
赤ずきんは動かない、それどころか、赤ずきんはさらに身を乗り出し  
好奇心から花をつつき始める。  
次の瞬間、異変が起こった、防衛本能か何かなのだろう  
赤ずきんにつつかれた花は、突然大きく震えだし  
次の瞬間、信じられない量の花粉をあたりにばら撒いた。  
花粉を思い切り吸い込み、むせ返る赤ずきん。  
そのため、崖っぷちにつかまっていたその手を離し  
がけ下へとずり落ちそうになる。  
ヴァルは慌てて身を乗り出し、赤ずきんの裾を咥えるが  
自らも大量の花粉を吸ってしまい、むせ返る。  
その結果、自らもバランスを崩し、赤ずきんとヴァルは谷底へと落ちてしまった。  
 
「ヴァル!!ヴァル!!大丈夫!?ヴァル!!」  
ヴァルは必死に問いかける赤ずきんのその言葉で目を覚ます。  
(そうか…俺は谷底に落ちて…)  
混濁した意識の中、自分の置かれた状況をゆっくりと思い出したヴァル。  
自分達はあの時、谷底に落ちて今ここにいるのだ。  
怪我が無かったのは、おそらく、自分の横に流れている川に落ちたせいだろう。  
よく見れば、赤ずきんはずぶ濡れだ、自分もおそらくそうだろう。  
「ヴァル!!気が付いた!?大丈夫!?」  
「ああ、大丈夫だ…」  
ヴァルのその言葉を聞いた赤ずきんは、目に大粒の涙をため  
ヴァルに思い切り抱きついてきた。  
「よかった…ヴァル…もう目を覚まさなかったらどうしようかと思った…」  
そこでヴァルは違和感を覚えた、赤ずきんの感触がおかしい  
もう少し考え、おかしいのは自分の体の感触なのだという事に気が付いた。  
ふと自分の手を動かし、視界に入れてみる。  
人間の手だった。  
 
どうも、自分は何かの拍子に人間に戻ってしまったらしい。  
ヴァルはそのことに当惑し、久方ぶりの人間の体の感触に戸惑いつつも  
今日の寝床を探し出した。  
「とりあえず今日はこの洞窟で野宿だな…日も完全に暮れちまったし  
 これ以上動き回ったら本当に遭難しちまう。」  
「うん…そうだね…」  
そこまで話し合ったところで、赤ずきんの視線が一点に集中している事に気付く  
よく考えれば、自分は全裸、赤ずきんは自分の股間を見ているのだ、  
顔を赤面させているが、興味心身な表情だ。  
「ば…馬鹿!!見るな!!」  
ヴァルは人間の顔を真っ赤にさせ赤ずきんに背を向ける。  
「とりあえず、今日はもう寝ろ!!明日は早いぞ!!」  
「うん、そうだね…でも焚き火だけは焚いとくね、風引くといけないし。」  
「ああ、そうしろ。」  
ヴァルは、表面上は平静を装いながらも、その心中は完全に動揺していた。  
今の自分は人間の姿、二人の間を遮る壁は何も無い。しかも自分は全裸だ。  
 
「スイートフォン!!スイートフォン!!…おかしいなあ。」  
先ほどから赤ずきんはいろいろな魔法を試しているが  
どれも効果が現れない、どうやら、魔法が使えなくなっているようだ。  
「なんでだろう…魔法が使えないよ…」  
「…さっきの花粉のせいかもな、もしかしたら魔法を無効化する作用があったのかもしれねえ。」  
「そっか…じゃあ、ヴァルが人間に戻ったのも…」  
「ああ、ジェドの野朗、多分おれに人間になれなくなる魔法をかけてたんだろうな  
 だから今まで、狼のままだったんだ。」  
「…そっか。」  
そのやり取りの後、赤ずきんはヴァルの背中に寄り添うようにそっと腰を下ろした。  
「もう、魔法は使えないのかな…」  
「しばらく様子を見てみないと分からねえな、  
 まあ、敵の魔法とかじゃあねえから、花粉の成分が抜けたら元に戻るんじゃないか?」  
「うん…でも…そしたら、ヴァルは狼に戻っちゃうのかな…」  
「たぶんな、魔法そのものが解けたわけじゃねえだろうからな。」  
そのやり取りで、がっくりと肩を落とす赤ずきん、  
今までの様子で、赤ずきんが何かを期待していることは分かった。  
その内容も、大体は想像が付く。  
赤ずきんも、ヴァルと自分の間にある種族の壁はちゃんと理解しているのだろう。  
それが取り除かれた。しかし、それも花粉の効力が切れるまで。  
花粉の効力がいつまでも切れない事も考えられるが、  
それはあまり考えたくは無い可能性だった。  
 
「…っくちゅん!!」  
しばらくつづいた背中合わせの重苦しい沈黙を破ったのは、赤ずきんのくしゃみだった。  
夜も更け、気温も大分下がってしまった。  
焚き火を焚ければよかったのだが、赤ずきんが魔法を使えない今ではそれも望むべくも無い。  
「大分冷えてきたな…」  
「うん…そうだね…」  
赤ずきんが震え始めているのが、背中越しにも分かった。  
このままでは、赤ずきんが風邪を引いてしまう。  
そう考えたヴァルは、赤ずきんの方に向き直り、両手を広げた  
「赤ずきん…来い…」  
「…うんっ!!」  
お互いの体温で身を暖めあう、この行動は、  
赤ずきんをさらにその気にさせてしまう可能性があったが  
それでも、このまま赤ずきんに風邪を引かせてしまうよりはましだ  
そのヴァルの言葉に顔を綻ばせた赤ずきんは、ヴァルの懐に飛び込んでくる  
小さい赤ずきんの体は、すっぽりとヴァルの懐の中に納まってしまった。  
「えへへ…暖かい…」  
赤ずきんは幸せそうにヴァルの胸板に頬を寄せた。  
 
それからさらにしばらくの沈黙。赤ずきんもめっきり静かになった  
(そろそろ寝たか?)  
しかし、赤ずきんはまた寝ていなかった。  
「ねえ…ヴァル…」  
「なんだ?赤ずきん。寝たんじゃ…」  
ヴァルはそういいかけて言葉を失った。  
自分の懐の中にある赤ずきんの表情。  
上気した頬、潤んだ瞳、それは、完全に誘う女の顔だった。  
「ヴァル…私を抱いて…」  
「…ちゃんと抱いてるだろ?」  
「そうじゃないよ…ヴァル…分かってるよね?」  
分かっていてはぐらかそうとしたヴァル、  
しかし、赤ずきんはそうさせるつもりは無かった。  
その顔を、まるで、後に引けない戦いに赴くときのような決意の表情に変え、後を続ける。  
「私ね…ヴァルのことが好きだよ…昔から好きだったけど  
 ヴァルが本当はカインで…私が子供のころ、一番大好きな人だったってわかって  
 それで、もっともっとヴァルのことが大好きになった…」  
「赤ずきん…」  
「この気持ちはね、家族や友達に対する『大好き』って気持ちじゃない、  
 私にだって、そのくらいのことは分かるよ  
 私はヴァルが好き…男の人として好き。  
 この気持ちははもう誰にも止められないよ。  
 他に好きな人がいるならちゃんと言って…諦めるから。  
 でも、そうでないなら、私を抱いて。今日だけでいいの。  
 もしかしたら、こんなチャンス二度とないかもしれないから…」  
そうヴァルにせがむ赤ずきん、目には涙が溢れていた。  
 
その瞳を覗き込み、ヴァルは苦悩する。  
このまま赤ずきんに一晩限りの慈悲を与えてやる事も、  
赤ずきんの願いをこばむ事も、どっちも簡単だった。  
だが、そんなに簡単に決断を下していい問題だろうか?  
断る理由はない、赤ずきんは大切だ、このまま一生彼女についていくつもりだ。  
それに今の自分は人間の姿、自分の両親とて、ライカン族と人間族の垣根を越えている。  
いまの自分が赤ずきんを抱く事に対する問題は何一つ存在しないのだ  
だが、今この場で彼女を恋愛対象として扱えるのだろうか?  
正直自信が無い、一緒にいる期間が長すぎる。  
仮に、このまま赤ずきんを抱くとして、いつもの赤ずきんと  
これから雌としての表情を見せる赤ずきんのギャップに耐えられるだろうか?  
正直、赤ずきんの願いを聞き入れるのはとても不安だった。  
だが、今ここで、個人的な感情で赤ずきんを突き放したら赤ずきんはどれだけ悲しむだろう?  
一度拒んだ後でどれだけ取り繕っても、赤ずきんの心に大きな傷跡を残すのは明らかだ  
もしかしたら、その傷が元で、今度こそ赤ずきんとの関係に  
修復不可能な程の亀裂が入るかもしれない。ヴァルは何よりもそのことを恐れた。  
(今、ここで赤ずきんを傷つけるくらいなら…)  
ヴァルの心の中を、そういった思いが支配していく。それに、どうせ、一夜限りの情け、  
今まで一生懸命頑張ってきた赤ずきんに、一つくらい思い出を与えてもいいかもしれない。  
そう考えたヴァルは一度だけ赤ずきんの名前を呼び、唇を重ねる  
やさしいキス、ヴァルは、それをもって赤ずきんの願いに対する答えとした。  
 
赤ずきんを抱く、そう決めたとはいえ、ヴァルに経験などあるわけもなく  
全てが手探りの状態だ。最初のキスの後も何度かキスを繰り返しながら  
赤ずきんの上着の中に手を入れ、たくし上げる。  
「…赤ずきん、その…お前…なんだこれ?」  
上着の下で赤ずきんの胸を隠していたのは、二ップレスだった。  
「二ップレスだよ、乳首のところにつけるの。」  
「…その…なんで…ブ…ブラとかじゃねえんだ?」  
「だってー、りんごとか白雪はつけろって言うけど  
 つけると窮屈で息苦しいし動きづらいんだもん。  
 でも何にもつけないと乳首がこすれて痛いから…」  
「あー…そうか…」  
思いのほか生々しい話に少しひるみながらも、赤ずきんの胸に手を伸ばすヴァル  
その膨らみかけの胸の胸を少しさすると、二ップレスをつまみ  
ひと思いにはがす。何かこう、背徳的な光景だ。  
ヴァルはあらわになった赤ずきんの乳首を指で転がし、舌を這わせる。  
「はぁ…んんっ…」  
くすぐったそうに身をよじる赤ずきん、少しそれを続けると  
赤ずきんは内股をもじもじとこすり合わせはじめた。  
 
「大丈夫か?赤ずきん?」  
「うん…ちょっとくすぐったいけど、気持ちいいかも。」  
「そ…そうか?」  
「うん、ね、ヴァル…下も…」  
「あ…ああ…」  
赤ずきんに促され、ヴァルは赤ずきんのスパッツに手をかける  
ヴァルは少し息を飲み、一思いに赤ずきんのスパッツをずり下ろす。  
赤ずきんのショーツが外気にさらされる。  
何の飾りも付いていない真っ白いショーツ、昔と変わらない。  
ヴァルは本格的に下腹部に手を伸ばし、クレパスを撫で始める  
「は、んぅっ…あぁんっ!!」  
割れ目に沿い、何度も指を往復させる、そのたびに漏れでる赤ずきんの嬌声  
「はぅん…くぅっ…ああんっ!!」  
手を動かしながらも、ヴァルの心の内は揺れていた。  
やはり、普段の赤ずきんとのギャップが大きすぎる。  
自分の指が、赤ずきんの中から官能を引き出せば引き出すほど  
自分の心の中からは罪悪感が噴き出してくる。  
(…駄目だ!!集中しろ!!抱くんなら、精一杯抱いてやらなきゃ  
 赤ずきんに対しても失礼だ!!)  
ヴァルは意識して罪悪感を頭の中から追い出し、行為に集中する。  
 
「ふぁっ!!ヴァル!!そ、そこ駄目…ああっ!!あんっ!!あ、あ、あっ!!」  
しばらく赤ずきんの秘部をまさぐっているうちに、  
赤ずきんの声はどんどん甘いものへと変わっていく。  
ヴァルは愛液で濡れそぼり、もはや役割を果たさなくなっていた  
赤ずきんのショーツを取り去った、一糸まとわぬ姿となる赤ずきん  
「赤ずきん…」  
ヴァルはもう一度、赤ずきんにキスをすると、  
赤ずきんの両足をつかみ、一思いに両側に広げる  
「ひゃっ…ヴァ…ヴァル…恥ずかしいよ…」  
「大丈夫だ、赤ずきん。」  
赤ずきんは恥ずかしがって身をよじり、両手で股間を隠そうとしたが  
ヴァルが優しい瞳で赤ずきんを見つめると、  
赤ずきんは安心したように微笑み、おとなしくなった。  
ヴァルは赤ずきんの股間に顔をうずめ、舌を這わせた。  
「ひあぁっ!!」  
今までとは違う、悲鳴のようなひときわ大きな声を上げる、  
これには驚き、慌てて顔を上げるヴァル。  
「わ、悪い!!何か変だったか?」  
赤ずきんは少し身を起こし、とろんとした瞳でヴァルを見つめる。  
「ん…変というか、体がすごくゾクゾクした…さっきよりずっと…」  
その言葉で合点が行った、自分の力加減もあるのだろうが  
赤ずきんは愛撫されるよりも舐められるほうが感じるらしい。  
 
ヴァルはならばと、再び股間に顔を埋めようとするが、  
赤ずきんが慌ててそれを止める。  
「あ…ヴァ、ヴァル!!ちょっと待って!!」  
「…やっぱり嫌か?」  
「ううん…嫌じゃ無いけど…汚くない?」  
「汚くなんか無いさ…それで、どうする?続けるか?」  
そう問われた赤ずきんは顔を真っ赤にして視線をそらし、  
すこしもじもじと体を捩じらせてから、消え入りそうな声でつぶやいた  
「…続けて。」  
ヴァルはその言葉を受け、再び赤ずきんの股間に顔を埋め、舌を這わせる  
「ひゃあっ!!んう…あうっ!!ん…はぁああんっ!!」  
やはり、先ほどの愛撫の時よりもはるかに反応が大きい。  
赤ずきんがあげる嬌声はより大きくなり、  
あふれ出る愛液の量も心なしかより多くなっている気がする。  
考えてみれば、自分は今まで狼として過ごしてきたのだ  
指を使うよりも舌を使うほうがうまくて当然かもしれない。  
 
しばらく赤ずきんの秘部を舐め続けていたヴァルは  
赤ずきんの秘部に、大きく存在を主張し始めている突起があることに気が付いた。  
(あー、これがクリトリスって奴か…)  
女性はここが一番感じると聞いていたヴァルは、  
ためしに赤ずきんのクリトリスを舌先でつついた。  
「んぅぅぅっ!!」  
赤ずきんの体が大きく跳ね上がる、想像以上の反応だった。  
最初に秘部を舐めたときのやり取りから、  
赤ずきんがそれまで以上に感じているのだろうと判断したヴァルは  
今度は手を止めるような事はせず、行為を続行する。  
「ああぁっ!!あっ、ふぁぁんっ!!ひ!!ああっ!!」  
何度もクリトリスを舐め上げると、次は飴のように舐め転がしてみる。  
「んはぁっ!!や!!んぅっ!!ひぁっ!!あぁぁぁっ!!  
 ひっ…あ、あ、あぁぁっ…はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」  
赤ずきんは、ひときわ大きな声を上げると、ビクンビクンと体を痙攣させた。  
痙攣が治まると、それまでこわばらせていた四肢をぐったりと地面に投げ出した  
肩を大きく使って呼吸し、瞳はうつろな赤ずきん。  
「…イったのか?」  
「…よくわかんない…でも、何か来た…」  
赤ずきんはよく理解できていないようだったが、絶頂を迎えたことは確かだった。  
どのくらい前戯をすれば、挿入できるのかよく分からなかったヴァルも  
これならばもう大丈夫だろうと、赤ずきんと一つになる準備にかかる。  
赤ずきんに覆いかぶさり、腰を引き寄せる。  
ヴァルのその行動で、ついに繋がるときが来たと身をこわばらせる赤ずきん  
しかし、ヴァルはその体勢のまま、いつまでも動こうとしない。  
「…ヴァル?どうしたの?」  
「…いっ…いや。」  
怪訝そうにたずねてくる赤ずきん、しかし、ヴァルは何も答えない。  
答えられない。自分の物が、まだ立っていないなど。  
 
緊張からか?経験が無いからか?  
それともやはり赤ずきんをそういう対象としてみる事が出来ないのか?  
いずれにせよ、ヴァルの物は一行に立つ気配を見せようとしない。  
「いや…なんでもないんだ…なんでも…」  
ヴァルは少しでも赤ずきんを不安がらせてはいけないと、  
必死に取り繕いながら、自分の股間を隠す。  
しかし、その様子が帰って赤ずきんの不思議がらせてしまった。  
赤ずきんは身を少し起こし、おもむろにヴァルの股間に手をやった。  
「うわわっ…おっ!!おい!!」  
慌てて飛びのき、しりもちをつく。触られてしまった、赤ずきんに。  
情けない事に、少し触られただけでも、自分の物は心なしか元気になった気がする。  
「ヴァル…そっか…貸してみて。」  
状況を理解すると、少し微笑み、ヴァルに近づいてくる赤ずきん  
今度は赤ずきんの方がヴァルの股間に顔を埋めてきた。  
「おっ!!おい!!何するつもりだ!!」  
「ふふっ、大丈夫だよ、ヴァル。」  
赤ずきんはそういうと、いきなりヴァルの物を手でつかんだ。  
 
「ええっ!?おい!!」  
「ふふっ…なんだか可愛いねっ。」  
赤ずきんは、手に握ったヴァルの物をやさしく上下にしごき始める  
それだけでヴァルの物は少しずつ硬度を増してくる、  
ある程度硬度が増してくると、今度はぺろぺろと舐め始める。  
あまり上手いとはいえないが、明らかにやり方を知っている手並みだった。  
「…赤ずきん、お前…どこでこんな事覚えたんだ?」  
「りんごの部屋にあった本。」  
「…りんごの?」  
「うん、エルデにいた頃にね、りんごの家に遊びに行った事があったでしょ?  
 その時、りんごの部屋でこういう事のやり方が書いてある本を見つけたの  
 なんだか凄かったから、いっぺんで覚えちゃった。」  
そう答えつつも、手を休めない赤ずきん。  
ヴァルは赤ずきんのその答えを聞いて、大体合点がいった。  
りんごはそういう本を元に、いつか草太相手に披露する日を夢見て  
バナナか何かを相手に練習していたのだろう。  
ヴァルがそんなことを考えている間も、赤ずきんは手を上下に動かす  
ヴァルの物は、もう八割がた大きくなっていたが、  
挿入するにはまだ不十分だった。  
 
「よーし…」  
何度かヴァルの物を舐めあげた赤ずきんは、意を決し、ヴァルの物を口に含んだ。  
「う…あぁっ!!」  
予想外の感覚に思わず情けない声を上げてしまうヴァル。  
赤ずきんは、そんなヴァルにはお構いなしに、自分の頭を上下させ始める。  
「んむっ、んうっ、んっ…ん…」  
予想外の気持ちよさに、ヴァルの物はどんどん硬度を増してくる。  
だが、赤ずきんも無理をしていたらしく、突然ヴァルの物から口を離し、咳き込んだ。  
「うぅっ…げほっ…げほっ…」  
「お…おい…大丈夫か…?」  
「うん…大丈夫…全然平気…」  
そういいつつも、赤ずきんは再び視線をヴァルの物に向ける。  
「いや…もういい、無理するな…」  
「これだけ大きくなれば…もう大丈夫だよね。」  
赤ずきんの頭の中は、すでに次の段階へと切り替わっていた。  
驚いているヴァルを押さえつけると、半ば強引にヴァルにまたがり  
自分の秘部をヴァルの物にあてがう。  
「おい!!待て!!」  
「…行くよ!!」  
赤ずきんはそういうと、思い切り体重をかけ、一思いにヴァルの物を  
自分の中に埋没させた。  
「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」  
赤ずきんは歯を食いしばり、その痛みに耐える。  
「…動くねっ。」  
赤ずきんは、ヴァルが驚いている間にも、何度も何度も腰を上下させる。  
正直、赤ずきんが力みすぎている上にきついから自分の物も痛いし、  
動くたびに新たに血が流れだすのが見える。  
「うぅっ…ぐっ…あぐぅっ!!」  
痛みをこらえ、歯を食いしばりながら、腰を上下させ続ける赤ずきん。  
「おい!!無理だ!!やめろ赤ずきん!!」  
「嫌だ!!最後までヴァルとする!!」  
「駄目だ!!」  
ヴァルは赤ずきんの両脇をつかむと、赤ずきんの体を持ち上げ、強引に引き抜いた。  
 
「…どうして?ヴァル…」  
「そりゃこっちの台詞だ!!いくらなんでも強引すぎるぞ!!」  
「だって…さっきヴァルが舐めてくれた時…なんだか犬みたいだったから…  
 すぐにでも花粉の効果が切れて、ヴァルが狼に戻っちゃうんじゃないかって思って。  
 そう思ったら凄く不安になって…早く繋がらなきゃって…」  
涙を流しながらそう答える赤ずきん、それをみて苦笑したヴァルは  
赤ずきんを抱き寄せ、やさしく頭を撫でた。  
「馬鹿…お前は初めてなんだぞ?あんまり無理して、子供を埋めなくなったり  
 歩けなくなったりしたらどうする?俺はお前と出来なくなるより、  
 そっちの方がずっとずっとつらい…俺のことが好きなら、分かるな?」  
「…うん…ごめんなさい。」  
「よし、じゃあここから先は、俺に任せてくれるな?」  
「…うんっ!!」  
正直、今の今まで迷いながら行為を続けていたが  
ここに来て、ようやく覚悟が決まった。  
最後まで、堂々と赤ずきんに向き合い、きちんと愛してやろう  
そう決めた。  
 
再び、地面に赤ずきんを寝かせたヴァルは、  
股間の方に顔をやり赤ずきんの秘部の様子を伺う。  
初めてにしてもやや多い出血だった。  
(あー…やっぱり出血がひどいな…裂けちゃいねえみたいだが…)  
これでは、いくら優しくしても痛いだろう。  
多分、今回、赤ずきんを満足させてあげるのは無理だ。。  
「赤ずきん、これから入れるが…多分痛いぞ?」  
「うん、大丈夫だよ、ヴァル、信じてるから。」  
ヴァルは、そう微笑む赤ずきんの秘部に自分の物をあてがい、ゆっくりと挿入した、  
「んぅっ!!」  
先ほどのときとは違い、硬さやきつさはあまり感じない  
一度挿入したこともあるだろうが、赤ずきんがリラックスしてくれているのかもしれない。  
「全部…入ったぞ…」  
「うん…なんだかね、こうやってヴァルがしてくれるほうが  
 自分で入れたときよりも、いろいろな事が伝わってくる気がするよ。  
 今ね、私、すっごく幸せ…」  
「…ああ、俺もだ。」  
 
その言葉を聞いたヴァルは、赤ずきんに一度優しくキスを交わすと。  
ゆっくりと腰を往復させ始めた。  
「ん…はぁっ、あっ、やっ…」  
ヴァルが動くたび、痛みによる呻きとも、あえぎ声とも取れる声を上げる赤ずきん。  
ヴァルは、少しでも赤ずきんの痛みを和らげようと、  
腰を動かしながらも乳首やクリトリスを刺激する。  
「んっ、くぅっ、ああっ…はんっ!!」  
そのたびに、ぴくんぴくんと体を動かし、身をよじらせる赤ずきん。  
赤ずきんの中はそのたびに潤いを増し、それによって  
より、赤ずきんとの中が自分のものになじんでいく感覚を受ける。  
そのたび、ヴァルは自分の腰の動きが早めていく。自分でも制御できなかった。  
「うふぅっ、はんっ、あっ…あっ…あっ。」  
快楽に任せ、どんどん自分の腰の動きが早まっていく事を自覚し始めたヴァル。  
だが、赤ずきんが始めてだということを考えると  
あまり行為を長引かせるのもよくないだろう。  
そう考えたヴァルは、赤ずきんの体を傷めないよう気をつけながら、  
腰の動きを少しずつ早めていく。  
「んはぁっ!!はあ…んぅっ!!やっ…はっ…ヴァルゥッ!!」  
自分の中から、熱いものがこみ上げてくる事を自覚したヴァル。  
自分自身、そう、長くない事を理解したヴァルは  
さらに腰の動きを早めた。  
「くっ、赤ずきん、もう…少しだから…」  
「うんっ、ヴァル、ヴァル、はぁぁっ!!」  
限界を感じたヴァルは、赤ずきんから自分のものを引き抜き、射精した。  
勢いよく吐き出された自分の精子は、赤ずきんの肌の上を汚す。  
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」  
肩で大きく息をする赤ずきん、ヴァルはそんな赤ずきんに優しくキスをした。  
こうして、二人の初体験は終わりを告げた。  
 
行為の後、ヴァルは、先ほどまでと同じよう、  
赤ずきんが風邪を引かないように自分の懐に包み込み、暖めていた。  
「ねえ…ヴァル?」  
「ん?なんだ?」  
そのヴァルの懐の中、赤ずきんはゆっくりと口を開いた。  
「…ごめんね。」  
「ん?何がだ?」  
「ヴァル…無理してたよね?」  
核心を突いた赤ずきんの問いに、ヴァルは少し驚いた。  
(気付いてたのか…)  
「途中からね、ヴァルが凄く戸惑ってるのがわかったよ、  
 それでも私のために頑張ってくれてるのも、  
 本当なら…ヴァルが好きなら、それが分かったらやめるのが正しいよね?   
 でも、ヴァルと最後までしたかったから、一つになりたかったから…  
 だから…黙ってた…ずるいよね、私…」  
赤ずきんの言っていることは核心を突いていたが、  
それでも、それを素直に認めてしまったら赤ずきんを傷つけてしまう。  
そう考えたヴァルは茶化してごまかす事にした。  
「ばーか、途中でやめるなんていわれたら自信なくしちまうだろ?」  
「え?そうなの?」  
「それに、気持ちよかったしな、別にいいよ。」  
「もう…ヴァルのエッチ。」  
ヴァルの言葉で赤ずきんはようやく笑顔を見せた。  
「よし、分かったらもう寝ろ、明日は早いぞ。」  
「うん。」  
赤ずきんの頭を優しく撫でるヴァル、そのヴァルに頬を寄せる赤ずきん。  
二人はゆっくりとまどろんでいき、そして眠りに付いた。  
 
 
翌朝、目が覚めたときには、ヴァルはすでに狼の姿に戻っていた  
赤ずきんの魔法も元通り、花粉の効果はどうやら一晩で切れたらしかった。  
その後、川辺に水汲みに来た村人に道を教えてもらい  
何とか仲間たちに合流した二人、その二人を迎えたのはりんごの怒声だった。  
「もう!!二人とも!!心配したんだゾ!!」  
「まあまあ、こうして無事に合流できたんだからいいじゃない。」  
ヴァルにまたがったまま仲間たちと合流した赤ずきんは気楽に笑う。  
いつもの赤ずきんだった。  
「よくなーいっ!!」  
「まあまあ、りんご、こうして無事に合流できたんだからいいじゃない。」  
「草太!!あんたまで赤ずきんと同じ事いってどうするのよ!!  
 昨日は薪が無いし火もおこせないしサイテーだったじゃない!!」  
「ええ…そっちのほうが問題なの…?」  
そんないつもどおりのどたばたのやり取りの中、  
いばら姫が率直に疑問をはさんでくる。  
「赤ずきん、どうしてずっとヴァルにまたがってるの?」  
 
「え…えっと…」  
実は、今朝、赤ずきんが股が痛いし、何かが挟まってる気がして  
上手く歩けないと言い出したのだ、昨晩の行為の影響だろう、  
そのため、ヴァルが背中に乗せてここまで運んできたのだが、  
そんな事、いえるわけが無い。  
「じ…実は足くじいちゃってさ、あはは…」  
「え…大丈夫なの…赤ずきん?手当てしたほうが…」  
それを聞いて過剰に心配そうな反応をする草太  
「だ…大丈夫だよ…昨日のうちに手当てしておいたしっ!!」  
返答に窮した赤ずきんのでまかせ、  
それによって、いばら姫の中に新たな疑問が産まれてしまった。  
「変だな…いつもの赤ずきんなら、足をくじいても、手当てして一晩寝れば直るのに…」  
「ええ…そうですわね、いつも怪我の治りだけは早いのに…」  
「むかー!!何よ白雪!!その言い方。」  
「もしかして…骨が折れてるんじゃ…」  
草太が心配そうに赤ずきんに尋ねるが、  
さすがにそこまで話が大きくなると隠し切れなくなる。  
そう考えた赤ずきんは、ヴァルから降りて歩いてみせる。  
「だ…大丈夫だよ…ほら…この通り…」  
そういいながら、ガコガコとロボットのように歩いて見せる赤ずきん。  
ヴァルはその様子を見ながら、  
自分たちは昨日から一体何回大丈夫と言っているのだろうとふと思った。  
「そう…ならいいけど…でも、なんだか今日の赤ずきんとヴァル、  
 いつもにまして仲がいいね。なんだか赤ずきん幸せそうだし。」  
そういって微笑む草太。  
 
「え…そ、そうかな?」  
平静を保ちながら、草太の言葉に答える赤ずきん、  
しかし額に冷や汗が浮かんでいた。  
「た、多分昨日ふたりっきりで一緒に寝たからじゃないかな…?あはは?」  
そういって笑ってごまかそうとする赤ずきん、  
しかし、今の状況はそれだけでごまかせるほど甘くなかった。  
今度は白雪姫が口を挟んでくる。  
「変じゃございませんこと?だって、エルデに来る前は  
 いつも二人っきりでいっしょに寝て…」  
そこまで言いかけた白雪姫の頭の中に、  
赤ずきんとヴァルにとってはあまりありがたくないインスピレーションが浮かぶ。  
・ここ最近、赤ずきんのヴァルに対する態度がおかしかった  
・ヴィーゼ村で赤ずきんから聞かされた赤ずきんの過去  
・ヴィーゼ村でジェドに聞かされたヴァルの正体。  
・なぜか一晩で急激に仲がよくなった。  
・なぜか凄く幸せそうな状態に  
・なぜかガコガコと変な歩き方、上手く歩けない  
・昨晩二人っきりで一緒に寝た。  
これらの情報が、白雪姫の頭の中でパズルのように組み合わさり  
一つの結論を導き出した。  
 
「…ま…まさか…赤ずきん…あなた…ヴァルと…?」  
「え!?え…え…え…えーと…」  
その白雪姫の問いに対し、返答に窮する赤ずきんとヴァル。  
一泊おいて、その問いの意味と、それに対する赤ずきんとヴァルの反応の意味を理解した  
いばら姫とりんごは引き波のように後ずさっていく。  
「あ…あ…赤ずきんっ!?き…きもちは分かるけどさすがにそれはまずいゾ!!」  
「種族の壁、超えすぎ…」  
一人、輪の中から取り残されている草太を除き、  
一行は上へ下への大騒ぎとなってしまった。  
「ち…違うよ…昨日、変な花から花粉を吸っちゃってね…  
 それでヴァルが狼から人間に戻ったんだよ…?」  
「嘘…そんな花聞いた事無い。」  
「ていうか、そんな事言ったら認めたも同然だろうが!!」  
「嫌ーっ!!不潔ですわ!!」  
大騒ぎというより、もはやパニックとなっている一行  
それを外から見つめる草太は、このような大騒ぎは日常茶飯事だが  
今回は特に長引きそうだと、他人ごとのように思うのだった。  
 
「でも…赤ずきんは一体ヴァルと何をしたんだろうね?」  
「キュピー…?」  
「草太は一生知らなくてもいいの!!」  
 

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