「はぁ………」
ベッドの上で草太は一つ大きな溜め息を付くと今までの出来事を思い出して頭を悩ませた。
ある日自分の元に一人の少女が現れ、「自分が草太を守る」と言われて、最初は何を言っているのか分からなかった。
しかしナイトメアリアンと呼ばれる異界の徒を見て、草太にはそれの意味する所が分かっってしまった。
自分は異界の特別な存在で何者かに狙われている……
そう言われても実感がわかなかったのだが、ああやって実際襲われてみると今更ながら嫌が央でも己が身が震えてしまう。
自分達の世界とは全く違う世界の敵。当然自分には対処のすべは分かる由もない。
しかしナイトメアリアンがまたすぐにでも襲って来るかも分からない。
……出来る事なら誰も傷付けたくないし、誰にも戦って欲しくない。
少年が苦悩という名の思索の森で迷子になっていると部屋のドアがガチャリと鳴った。
「どうしたの赤ずきん?」
ドアの影から現れたのは自分と同い年、いや見かけで言えば草太より年下だろう……此処とは違う異界、ファンダベーレからやって来た少女、赤ずきんが立っていた。
「あ、草太……その……話が…あって……」
その時の赤ずきんはいつもの元気はつらつでじゅうすぃ〜♪な赤ずきんとは違い、顔を赤らめたり、妙なしおらしさがあったりと……一言で言えば女の子らしかった。いや、いつも女の子らしいと言えばそうなのだが。
「ほら、そんな所にいないで部屋に入ってきなよ、風邪引くよ?」
「うん…じゃそうする…」
「邪魔するぞ。」
そう言って赤ずきんと一緒に部屋に入って来たのは、喋るイ……狼のヴァル。赤ずきんの保護者と言ってもいい。草太もこの狼の登場にヴァルもいたんだ、と違和感なく思うことが出来た。
「で?話って何かな?」
「あのね、その…なんと言うか…これからの事…なんだけど…」
これからの事…ナイトメアリアンの襲撃についてだろうか、ならば聞いて置いて損はないだろう、そう判断した草太は耳を傾けることにした。
「今日あたしナイトメアリアンと戦ったでしょ?」
「うん…」
「それでスイートフォンを使ったよね?」
「ああ…あの白い携帯みたいなやつだね?多分アレで魔法を使うんだろうけど…」
「うんそうだよ。でもスイートフォンで魔法を使うと…その…魔力が…えと…」
…そう言ったきり、赤ずきんは顔を自分の鎧の様に赤くして黙りこくってしまった。
「……仕方ない、オレが説明しよう。」
顔が朱に染まったままの赤ずきんを見兼ねてヴァルが助け船を出す。
「いいか草太、魔法を使うには魔力が必要なんだ。火を灯すのに油が必要な様にな。
だが油を使い続けていればその内油は切れる。そうなれば油を継ぎ足さなきゃならない。
ファンダベーレでは食事とかで魔力は回復出来るんだが…りんごの作った肉じゃがには魔力の匂いがしなかった…おそらくこの世界の食べ物には魔力が含まれていないんだろうな…」
「そ、それってどういう事?」
「…赤ずきんの魔力は回復しない、つまりは次にナイトメアリアンが攻めて来た時に赤ずきんは十分に戦えない、ということだ。」
「そ、そんな…」
突然の危機に草太は驚きを隠せない。襲い来る恐怖に声が落ちていく。
「だが安心しろ。魔力を得る方法はすでに見つけている。」
「ほ、本当に!?その方法って…」
「草太、お前の精液だ。」
「……はい?…今なんて……?」
「草太、て め え の 精 液 赤 ず き ん に や れ」
「……………」
草太はヴァルの衝撃発言に言葉を失った。
赤ずきんも石膏像となって固まってしまった。石膏像とたった一つ違うのは顔が真っ赤になっている所だろう。
「な、何言ってるんだよヴァル!そんな事出来る訳…」
「あのな、これは緊急事態なんだ!もしこの瞬間ナイトメアリアンが襲ってきたらどうなる?赤ずきんは十分に戦えないし、もしなんとか勝てたとしても今度はない、オレ達はやられるだけだ。」
「それは…そうだけど…」
「他に手はないんだ、分かってくれるか?」
「でも…赤ずきんと…せ、セックスを…」
「ああ、別にそこまでしなくても構わねぇ、口の中に出せばいいからそれで……」
「ちょっと待ってちょっと待って…
……………………………………く、口で?」
「嫌か?」
「いや嫌って訳じゃ…そ、そうじゃなくて!」
草太が声を荒げる。
「あったばかりの男女がそんな…口でなんて…赤ずきんだってそんな事は…」
「草太!」
声の主は…赤ずきんだった。
「あ、赤ずきん…」
「あのね草太、あたしは草太を守らなきゃいけない。…ううん、あたし草太を守りたい。そのためだったら…あたし…何でも出来る…から……」
そう言った赤ずきんは真っ直ぐに草太の目を見た。
顔はまだ赤くなっていたがその目だけは迷いはなかった。
「………分かった。赤ずきんに協力するよ。」
「ほ、ホントに?」
「うん。それに…僕も赤ずきんの力になりたいからね。」
「草太……!ありがとう!」
赤ずきんに笑顔が見えた。
「じゃ、後は頼んだぞ草太。」
「え?ヴァルはここにいないの?」
「…別に見てもいいならここにいるが…」
「すいません勘弁してください」
そうしてヴァルが部屋を出ていった。後の空気を妙な沈黙が支配する。
「えっと……じゃあ始めるね…」
「あ、うん…」
赤ずきんがベッドに座っている草太の前にしゃがみこむとズボンのファスナーに手を伸ばす。
ジジーッ、とファスナーが下ろされる。と、赤ずきんはさらに進行を開始し、パンツの中から草太の少年の象徴を取り出した。
「ふーん…こうなってるんだ…」
「あ、赤ずきん恥ずかしいよ…」
「あ、ごめん…じゃあ……扱く、ね…?」
赤ずきんはそれを手に取ると優しく扱き出した。
「はっ…あぁ…うわぁ……」
少女が来てから自慰を控えていた草太は自分で慰める時の何倍もの快楽を感じ、その快楽を声に変えていた。
その声と連動するように草太の中心が勢いを増しながら固くなっていく。
赤ずきんはその初めて見る成長に笑みを漏らした。
「ふふっ…草太のおっきくなってきてるね…」
「そ、そんな風に言わないでよ…」
こういう時は女の方が度胸がある様だ。もっとも、ただ草太より赤ずきんに度胸があるだけかも知れないが。
すっかり大きくなり、少年から男の象徴になったそれを見ると赤ずきんは草太を下から見上げると思わず感嘆の声を上げた。
「うわぁ…草太の、こんなに大きくなったね…」
「………」
草太は気恥ずかしさのあまり顔を赤らめたまま、何も言えなくなってしまった。
「じゃ……」
そう言ったかと思うと赤ずきんは草太の張り詰めた中心に舌を這わせた。
「ひあうぅっ!!」
草太はこれまでの刺激をさらに上回る官能に嬌声をあげるよりなかった。
「だ、大丈夫草太!?」
「う、うん。少しびっくりしただけだから…」
「そっかぁ……んふふ……草太今の女の子みたいだったよ…」
赤ずきんが笑みをこぼす。草太のかわいい姿に気分を良くしたのか、赤ずきんはさらに大胆に草太を攻めていく。
舌を男根に這わしていき、舌が裏筋を通り、根元まで行くとまた上へ、上まで行ったらまた下へ…と赤ずきんの舌は上下に動き始めた。少女の舌使いはたどたどしい物ではあったが、草太にはそんな拙い舌使いでもまるで夢心地に感じられた。
草太の分身が赤ずきんの唾液で塗り固められると、赤ずきんは一旦口を放すと草太の顔を見つめて、
「草太…気持ちよかった?」
「う、うん。とっても気持ちよかった。」
「そぅ…じゃもっと気持ちよくしてあげる…」
そう言うと赤ずきんはいきなり草太の先端を口に含んだ。草太は自分が口の中に入るやいなや快感に震えた。
「うわぁあぁあっ!!だ、駄目だよ赤ずきん!」
「んふふ…ほおた、ひもひいい?」
赤ずきんがとろけた目で草太に尋ねる。だが草太にとってその質問で生じる刺激は最後の引き金となってしまった。
「しゃ、しゃべっちゃぁ…で、出ちゃうぅ!!」
「ふぇ?…んぐぅっ!?」
草太は今までの経験としては一番多く欲望を噴き出した。しかし、その量は赤ずきんの口には収まり切らず、口の端から白い液体がしたたり落ちた。
「だ、大丈夫赤ずきん?!」
赤ずきんはこくりとうなずくと草太の欲望をこくんこくんと飲み込んだ。
「うぇ、マズイ…苦いし喉に引っ掛かるよ〜…」
「ご、ゴメン!」
「ううん、草太のせいじゃないよ。…ありがとう。草太の精液分けてくれて!」
感謝の言葉を聞いて草太は顔を赤くするしかなかった…………
「もう!若い男女が二人で一つのベッドで寝るなんて言語道断だゾ!!」
りんごが草太の茶碗にご飯をよそいながら草太に言い放った。
結局、あの後赤ずきんをヴァルの元に返す訳にもいかず二人で眠ってしまい、朝になって起こしに来たりんごにこっぴどく叱られた。……昨夜の事はばれていないらしい。
(草太草太!)
赤ずきんが米が半分ほどなくなっている茶碗片手に小さな声で草太を呼ぶ。
(なあに赤ずきん?)
(…その…これからもよろしくね?)
(……うん!)
その言葉の裏に隠された意味を受け取って草太は返事を返した。
(大丈夫。私達“三”銃士がぜっったいに草太を守るからね♪)
(………はい?)
“三”銃士って事は、赤ずきんとヴァルと……まだいるの?
その時玄関のチャイムが鳴り、ガチャリと音がし、玄関から女性の声が聞こえた。
「あの〜こちらはエルデの鍵さんのお宅でしょうか?」
その声の主が赤ずきんが言った三銃士の一人と知るのはこれから少し後であった。
とぅ〜 びぃ〜 こんてぃにゅ〜ど?