僕の上で、骸骨を思わせる森野の白い身体が跳ねている。
陰部同士が互いの隙間を埋めるように重なり、動きを滑らかにするための体液はいやらしい音を立てている。
興奮しているのが見て取れる森野に対して、僕は冷静にそれを観察していた。
身体は高ぶっているし、快感もある。
けれど、僕には森野のこの行為が不可解だった。
生命を紡ぐこの行為は、本来、僕ら引いては森野の嗜好とは真逆なものであるはずだ。
なのに、森野は息を乱し、身体を紅潮させて、夢中になっている。
瞳にはまだ僅かばかり冷静さが残っていて、時折哀しげな色を覗かせた。
それで、気がついた。
これは生命を紡ぐ行為ではなく、ましては愛情を確かめる儀式であるはずもない。
排泄にも似た虚しいだけの自慰であると。
「あなたも、動いて。
これじゃ、不公平だわ」
森野は感情のない口調なのに、どこか不機嫌そうに思えた。
仕方なしに腰を使って森野の身体を突き上げる。
鈍い快感は、絶頂には程遠かった。