「最悪…。」
ゆきは公園のベンチに座っていた。
公園には今にも壊れそうな小さなライトがチカチカ光っているだけだ。
公園の小さな光と静けさがゆきの心を慰めていた。
あーあ、なんで振られちゃったんだろ。私かっこわるッ
彼女は大学生の彼氏に別れを切り出されたのだ。
今まで一緒の時間を過ごして来たんだから…
文字だけで別れを告げるなんて止めてよ…
なんか心決める前に二度と会えなくなっちゃうのは嫌だよ…
ゆきの寂しさという冷たいものが心をゆったりと蝕んでいた。
空を見上げた。
星が澄んだ空に綺麗に光ってる。
でもいつの間にか涙が滲んで何も見えなくなった。
涙を止めようと目を瞑っても目がちくちく痛い
泣くな、ばかぁ
ばかぁ!ばかぁ!ばかぁ!
「ふ、深澤さん!?」
「篠崎…。」
ゆきは涙を拭いた。
「深澤さん。こんな夜遅くに公園に…」
ミコトはゆきにちかづいた
「今、私みたら殺す」
ゆきは後ろをワザと向いた。
「深澤さん。こんな所にいたら危ないですよ!一緒に帰り……ムフフ」
「なーに考えてんの、あんたは」
「いえ!僕は今から深澤さんと自転車二人乗りしてそれで深澤さんの胸が当たってくれないかなっとは思っていません!」
「一人で帰るよ、私」
「ま、待ってください!深澤さん!」
ゆきは乱暴に歩いていく。
ミコトも自転車でゆっくりついていく。
なんだかこれって和むのかな…?
ゆきは思った。
コイツのお陰で私カッコ悪くなってる。ダサくなってる。
でも、でも…。なんか…
世界の一つひとつが輝いて見えてきた…!
道路のアスファルトの白い白線をワザと踏みながらゆきは思った