「知ってっか浅間!? 巫女って神様と結婚するからエロいことは尻限定なんだぶぇげぉっ!!」
言い終わる前にミトツダイラは拳を振るっていた。
机と忍者を巻き込んで転がっていくトーリを見ながも、ミトツダイラは衝撃を受けていた。
中学生ともなれば多少の性知識はある。
しかし――尻。
それはミトツダイラの知識の外、予想すらしていなかった言葉だった。
尻。
トーリの声が頭から離れない。
そして――
「んっ!くぅはぁん!んん! クゥン! らめぇ、お尻ぃ!お尻いいですのぉ!ひうん!」
自己開発で尻がすっかり性感帯となったネイト・ミトツダイラだった。
向井・鈴は傍らを転がる何か、おそらくトーリと机――もう一つ何かあった気がするがよくわからないものを感じていた。
いつものようにボケたトーリをいつものようにクラスの人、今日はネイト・ミトツダイラが殴り飛ばした音。
聞きなれた音だがいつもびっくりしてしまう音だ。
しかし、今日に限ってはあまりびっくりはしなかった。
先ほどのトーリの言葉が頭の中をぐるぐると廻っていたからだ。
となりから「・・・」と心配の意を伝えてくるペルソナ君に大丈夫だと伝えながら、もう一度先ほどの言葉を反芻する。
「知ってっか浅間!? 巫女って神様と結婚するからエロいことは尻限定なんだぶぇげぉっ!!」
トーリ君は時々、いや割と頻繁に、否むしろ毎日エロいことを言っている。私には見えないけどカラダネタも多いらしい。
――お尻…。
赤ちゃんの作り方や、トーリ胸が好きだということは知っている。
――お尻…トーリ君、お尻の方が好きなのかな…。
尻についての知識はない。しかし、トーリが好きだというのなら。
そして――
「はっ!くふぅ、ふ、は、んっ!んあ! 声ぇ、声出ちゃうのぉ! んん!トーリくぅん!」
自己開発で尻がすっかり性感帯となった向井・鈴だった。
今日もいつものように馬鹿が馬鹿をやって殴られている。
忍者が巻き込まれたりその先にいた半竜に衝突して三馬鹿と机の山になってたりするのも、まぁいつも道理だろう。
シロ君がため息をつきながらぶつぶつ言っている。机の修理代のことだろう。
――今日もお金に汚いシロ君…素敵。
しかし、きょうの馬鹿は聞き捨てならないことを言っていた。
「知ってっか浅間!? 巫女って神様と結婚するからエロいことは尻限定なんだぶぇげぉっ!!」
お尻。
そんなプレイもあるのか。
好奇心とイケナイ気持でおへその奥が疼きだした。
思わず隣にいたシロ君の袖をつかむ。
シロ君が疑問符の浮いた目でこっちを見てきた。
私はそんなシロ君に向かって小さな声で耳打ちをして、
そして――
「ひゃっ、くぁあああ! らめぇ!ん!お尻すごいぃ! うあっ、そこ、おくぅ! はっ、もっとシロ君もっと突いてぇ!」
共同開発で尻がすっかり性感帯となったハイディ・オーゲザヴァラーだった。