───…忍者の朝は早い。
空が白み始めいつもなら目覚める時間だったが、点蔵はまだまどろみの中で夢を見ていた。それは彼の想い人との夢で、
……これは…、倫敦塔でコクった時の夢で御座るか。
目の前に流れていく光景を離れた所から眺めるような感覚を得ながら点蔵は思う。
……それにしても、メアリどのの胸は素晴らしいもので御座った…。つい勢いでモミングしてしまったが…まさかあれ程とは。さすがは英国、妖精に守られし国に御座る…!
そんなことを考えていると丁度その場面が来た。
……ゆ、夢とはいえ、あの感触はしっかりと味わなくては…!
そして点蔵の両手が伸び、五指がしっかりとメアリの胸に吸い付いた。
……おお…これは…。このサイズでありながら型崩れは一切無く…、そしてこの指を押し返す弾力……!
「メアリ殿…さすがで御座る…」
「え?何がですか?」
……え?
・
目を開けた。すぐ目の前、息がかかる程の距離にメアリの顔がある。そして点蔵の両手はメアリの胸をしっかりとホールドしていた。さらにはメアリは全裸だった。
「な、なななななななななななななな」
「どうしました?点蔵様」
……なんでメアリ殿がっていうかこの状況は一体────!!!?
「Jud.、点蔵様が何かを求めるようにして手を伸ばしてらっしゃいましたので、私の胸に当てましたらとても安らいだお顔になられて…。ふふ、可愛かったですよ」
「な、なるほど…、って自分考えがだだ漏れで御座るか!?」
……待て、落ち着け。まだ状況はうまく飲み込めないが、1日の始まりに取り乱してはいかん。そう、落ち着いてコインを入れてスタートボタンで1日のスタートを…!
「そ、それでメアリ殿、なにゆえ拙者のベッドに…?」
「…」
その言葉にメアリは俯いて、
「だって…点蔵様、いつまで経っても一緒に寝てくださらないじゃないですか…。私、ずっと待ってたんですよ…?」
頬を染めながら拗ねるようにして言った。
「先程目が覚めて、点蔵様のこと考えていたら我慢できなくなって…それで…」
……ぬああああああコイン入ったぁ──!!しかも10枚ぐらい連投でェ───!!!
「い、いや、それはで御座るな…」
……と、とりあえずこの手を離さぬことには落ち着いて話もできぬか…!
もっと揉んでいたい衝動を抑えつつ、点蔵はこちらを上目で見つめてくるメアリから目を逸らさないようにしながらさりげなく手を離した。否、離そうとしたが、それはメアリの手によって手首を掴まれ、動きを止められる。
「メ、メアリ殿?」
「…も、もっと、触ってくださっていいんですよ?点蔵様の気の済むまで…」
……ぐああああスタートボタン入ったぁ───!!しかも連打できたぁ───!!!
「私、もっと点蔵様に私のこと知ってもらいたいんです…。この体の傷の一つ一つまで見て、感じて、私を知ってもらいたいんです…!だから…お願いです…」
……だ、ダメ────!!スタートボタン連打しちゃダメェ────!!!壊れちゃうぅ────!!!!
すでにスタートボタン16連打によって点蔵の理性は瓦解寸前だった。