「・・・何処へ行く?シェイクスピア?」  
不意にかけられた声に、シェイクスピアと呼ばれた少女はびくりと身を震わせた。  
そのままゆっくりと振り返れば、そこには己の主君である一人の女性の姿。  
常と変わらぬ黄金の気配と共に、”妖精女王”エリザベスの姿がそこには在った。  
「ふむ・・・武蔵の整備も順調に進んでいると聞いている。  
IZUMOからの出港もそう遠くない話だな。それまでに可能な限り想い人と、といったところか?」  
「・・・」  
シェイクスピアと呼ばれた少女は、その問いかけに何も答えることはない。  
だが、その沈黙と逸らされた視線が、何よりも雄弁に物語っていた・・・図星であると。  
「まあ、そのような事はどうでも良い事だ。私にとっては」  
「・・・? 止めないということ?」  
張り詰めかけていた空気が唐突に緩んだ。  
だが、次の瞬間に生じた疑問と共に、視界に入ってきた女王の表情を窺ったシェイクスピアの脳裏に  
新たな緊張が走った。  
鋭く細められた視線、不敵に微笑む口元。  
まずい、これはろくでもないことの予兆だ。  
具体的な例を挙げれば、ダッドリーが昏倒し、ハワードが出血し、ジョンソンが投薬し、  
グレイスが大笑し、ベーコンが跳躍し、ハットンがシャウトし、キャベンディッシュが嘆息し、  
ウオルシンガムが暗躍し、ウォルターが通神し、ドレイクが菜食し、ホーキンスが正装し、  
セシルが拍手するような事態の前触れだ。  
・・・でもいいネタにはなりそうだよね。と、傍観者的な無責任さで自分の思考を切り替えたシェイクスピアは、  
おそらく妖精女王が望んでいるであろう言葉を紡ぐ。  
「・・・何がご希望なの?我らが女王陛下は」  
「うむ。さすがに話が早いな。良い事だ」  
笑みを深くしたエリザベスは、その言葉に満足げに頷く。  
「私も連れて行け。最近退屈でたまらん。」  
 
           ●  
「はい。では武蔵への乗船をご希望の方はこちらへどうぞ!  
特に幼女!十歳以下の幼女は優先的にどうぞ!」  
屋台風の受付で叫ぶデブ、御広敷を見る周囲の視線は既に諦観に満ちた生暖かいものだ。  
そんな視線の中でも揺らぐ事無く己の信仰を語る様は、ある種の感動すら覚える。  
「御広敷先輩・・・」「手遅れって、こういうことなんだよなあ・・・」  
「俺達には・・・」「ああ、できることは無いな」  
「な、なんですか?!小生はただ、幼女であれば何でも良いだけですぞ!  
受け皿!そう、受け皿が少々広いだけです!子供用の食器のように!!」  
良く解らない持論を展開する御広敷に、周囲の視線は生暖かさを増す。  
「ちょっとごめんよ。いいかい?」  
「あ、申し訳ありません。武蔵へようこ・・・・」  
そんな時に声を掛けて来た一団に、応対した生徒の反応が固まる。  
「まいど、・・・今日はまあ、観光・・・そう英国からの観光の人達でね。  
単なる観光の人間だから、何の心配も無いさ・・・じゃ、よろしく!」  
用件のみを早口にまくし立てて、声を掛けて来た女性”海賊女王”の異名を持つグレイス・オマリは  
足早に去っていった。  
担当の生徒の前には、英国から観光に来たという一団が残された。  
 
「ん・・・このさかなのかたちしたわっふるおいしいのね」  
一人は、長身ながら丸顔の柔らかい空気を纏った女性だ。  
全体的に女性特有のふっくらとした線が身体全体からにじみ出るような印象を受ける。  
手にはたいやきの包みを持ち、満面の笑みでそれを口にしていた。  
「ままままったく・・・なんでまたこんな事に・・・」  
一人は黒を基調としたゴシックなドレスに身を包んだ女性だ。  
すらりとしたスタイルと物憂げな目元、派手目の化粧、だが特徴的なのはその足についた鎖だ。  
まるで囚人に使うような足枷だが、ファッションとも言える不思議な調和を保っている。  
「・・・」  
一人は小柄な少年だ。  
極東式の男性制服に身を包み、眼鏡を掛け、耳元まで覆うニット帽を被っている。  
手元の文庫本から片時も目を離そうせず、時折何か呟くような口の動きが垣間見えた。  
「ふむ。ここが武蔵か・・・」  
そして最後の一人は白いドレスに純白のタイツを纏った少女であった。  
いや、いまだ幼女と言ってもさしつかえない年齢だ。  
だが、その眼光は力を持ち、彼女の纏う空気は輝かんばかりの印象すら周囲に与えている。  
しかし、そのなかでも一際異彩を放つのは幼女の胸元であった。  
年齢以上・・・いや、小柄な成人女性にも匹敵するボリュームの膨らみがそこには存在していた。  
 
幼女?しかし・・・巨乳?・・・巨乳幼女!?  
「うむ!単なる観光の者である。さあ、さっさと乗船の手続きを始めるが良かろう!」  
幼い体躯に不似合いな胸を張るようにして、黄金を纏う幼女はそう言い放った。  
 
           ●  
 
その少年は、眼前のテーブルに伏すような姿勢でうめいていた。  
この世界で生徒会の役員という立場にある以上、厄介事や難題はある種不可避なものだ。  
だが、それだって限度があるだろう・・・  
武蔵生徒会書記、トゥーサン・ネシンバラは、英国よりの自称”単なる観光”の一団を前にうめいていた。  
「それで・・・皆さんの武蔵への乗船についてだけど、申請が通るまではこの客室で待機して頂きたい」  
「ずいぶんと物々しい扱いだね?単なる観光の人間に・・・」  
「どこがだよっ!?いいかい、シェイ「トマスだよ」」  
ネシンバラの言葉を遮る様に、少年が彼の発言の一部に修正を加える。  
「僕は君の遠縁の人間で、トマス・ネシンバラ。そして彼女達は、僕がお世話になっている家のお嬢様とその御付のご婦人達。説明はこれでOK?」  
「うむ。その通りである。それで話を進められるが良かろう」  
トマスと名乗った少年の言葉に続くようにして、金髪の幼女がそう答え、傍らの女性達も揃ってこくこくと頷きを持って答える。  
ネシンバラは、がっくりと肩を落とすようにして  
「では、それで申請を上げます・・・ただ、陛「今はお嬢様と呼ばれておる」・・・お嬢様は、何故今ここで武蔵に・・・」  
「退屈であったからな」  
しごくあっさりとした金色の幼女の発言に、ネシンバラは再びがっくりと肩を落とす。  
傍らの者達に恨みがましい視線を送るも、三人が三様に同じような反応を返した。  
無言の内にもその意味が伝わってくる。”あきらめろ”と。  
「シェ・・・いや、トマス。お主も同行するが良かろう。」  
重い足取りで部屋から退出するネシンバラに、トマスと呼ばれた少年が寄り添うように付き従った。  
さりげなく、彼の腕を絡め取るようにして確保する。  
退出の際、ネシンバラは思い出したかのように当初よりの疑問を金髪の幼女へ口にしていた。  
「へ・・・お嬢様、今ひとつご質問を。その御姿は何ゆえに・・・?」  
「何、単なる戯れだ。それに・・・」  
この姿ならば、愚かな獲物が良くかかるのでな。  
そう言い放って笑う幼女の姿は、どこか獰猛な獣を想起させるものがあった。  
 
           ●  
 
ネシンバラと入れ違いに客室へと入室して来た者の手により、様々な甘味と軽食が並べられて行く。  
「ささ、どれも自信を持って勧められる品でございます。どうぞお嬢様方。特に幼女はたくさんどうぞ」  
強い希望で彼女等のホスト役をかって出た御広敷は、満面の笑顔で給仕を務める。  
「うむ。ご苦労」  
金色の幼女は、鷹揚に頷いて甘味を口にする。  
傍らでは細身の女性が何くれと無く幼女の世話を焼き、丸顔の女性の方は周囲の事を意に関せず、ひたすら軽食と甘味を消費している。  
「ふむ・・・では、次はそこの菓子を頂こうか」  
「ははっ!さすがお嬢様はお目が高い!幼女にはこれはぴったりの・・・」  
金色の幼女に微笑みかけられ、御広敷は喜び勇んでケーキの皿を手に取った。  
その時、幼女と丸顔の女性の視線が一瞬交差した事を、上機嫌の彼は気付かない。  
「・・・!?」  
瞬間、手元に大変な荷重を感じ、御広敷の手の皿よりケーキが滑り落ちていった。  
それは、一直線に金色の幼女の足元へ向けて宙を舞い・・・  
彼女の足に沿って転がるような軌跡を取り、白い靴下に包まれた膝下から足の甲にかけてを生クリームで染め上げる。  
「も!申し訳ございません!とんだ粗相を・・・」  
「無礼者!!」  
すぐさま跪き、ハンカチーフを取り出した御広敷に、横殴りの蹴りが叩き込まれた。  
幼女とは思えぬ鋭いその打撃に弾かれた彼の顔面に、すかさず白い絹に包まれた足先が押し付けられる。  
「ふぐぅ!?」  
「・・・まったく、足が汚れてしまったではないか!この始末どうするつもりか!!」  
「ももも・・・申し訳ございません!この始末、小生にできる事でしたらなんなりと・・・」  
靴を脱ぎ捨て自由になった幼女の足指で鼻先を摘まれながら、御広敷は呻く様に言葉を紡いだ。  
だが同時に己の顔面に押し付けられる小さな足の感触に、焦りとは別の感覚が呼び起こされる。  
幼女の体温のほのかな暖かさと薄く柔らかな足裏の肉の厚み、絹の靴下の滑らかな肌触り。  
足に沿って見上げれば股下の辺りより覗くドロワーズが視界に入り、かすかに生クリームとは違う甘い香りが感じられた。  
「何でも、と申したか・・・その言葉に嘘偽りは無いな?」  
「は、はい!小生、幼女に偽りを申した事はありません!!」  
「ならば・・・」  
御広敷の言葉に金色の幼女は凄みの有る笑みを浮かべると、彼の鼻先より足を離し己の席へと戻る。  
そして、いまだ床に這いつくばる彼に向かい足を差し出し、  
「舐めよ。貴様のそのよく回る口と舌を用いて、己の汚したものを清めるがよかろう」  
熱に浮かされたような異様な火照りの中、その言葉は甘美な囁きを持って彼の脳裏に響いていた。  
 
           ●  
 
その部屋は一種異様な空気に満たされていた。  
その空間の中心は、時折小さな呻き声を挙げながら必死に首から上を動かす男性の姿だ。  
でっぷりとした体躯の男が懸命に幼い娘の足に舌を這わせている。  
口元を白いクリームで染め上げながら、その男、御広敷・銀二は金の髪の幼女の足を清め続けていた。  
「止めよ」  
金色の幼女の言葉に、御広敷はその口元を幼女の足先から離す。  
ふうふうと僅かに上気した息遣いを整えつつ、その部屋に君臨する幼き暴君の機嫌を窺うかのように、跪いたまま顔を上げた。  
己の粗相の罰として両の手は既に後ろ手に拘束されている。  
この場においては、彼は己の主君に罪の許しを乞う哀れな臣下でしかなかった。  
「粗忽者が!」  
「ひうっ!?」  
額に鋭い蹴りの一撃を喰らい、御広敷はもんどりうって仰向けに倒れ込んだ。  
すかさず、その衝撃でだらしなく開かれた口元に小さな足先が差し込まれる。  
「ふ、ふぐうっ!?」  
「・・・少しも綺麗になってはおらぬでは無いか。しかも貴様の涎で余計にべとついておるわ・・・全く使えぬ下郎よ」  
冷たく言い放つ金色の幼女に、御広敷は自由にならぬ口を必死に動かし弁解を試みる。  
だが、塞がれた口は満足に言葉を発する事もできない。  
「?・・・なんだ、そんなに必死に口を動かしおって。貴様はそれ程にこの足が好みか?」  
幼き暴君の許しを得るために、御広敷は半ば反射的に肯定の意を表した。  
己の口を満たす小さな足先を必死に咥え込む。  
もぐもぐと口を動かし舌全体で包むように指の間をぬぐい、懸命に足先を吸い、小さな足裏を舐めしゃぶる。  
訳の解らぬ衝動に突き動かされ、己の身体に奇妙な昂ぶりを覚えながら、ただ必死に御広敷は金色の幼女への奉仕を続けていた。  
「これ、二人とも」  
唐突に幼女が傍らに控える女性達に声を掛ける。  
「脱がせよ。こやつめ、身体はなにやら反応してきたようでな」  
「う!?うごうっ!?」  
無言のままに二人の女性が動き、彼の衣服を剥ぎ取りにかかった。  
御広敷はそれを拒むべく身をよじるが、ずっしりと重りでも乗せられたように身体が動かない。  
懸命の抵抗もむなしく胸元がはだけられ、下半身があらわになる。  
「ままままま、まあ・・・」  
「あら、かわいい・・・」  
「ほう・・・婦女子の前でそのようなモノを”いきり立たせる”とは、あきれたものよ」  
たっぷりとした腹肉の間より覗く陰茎に、三者三様の呟きがもれる。  
サイズ的には特に可もなく不可もなく、平均と言えるであろうモノではあるが、  
太くたるみの有る両の太腿と、でっぷりと膨らむ腹の繋ぎ目よりひょっこりと生えるそれは、どことなくユーモラスな感覚を与えていた。  
己の陰部を晒す事の恥辱と羞恥から、御広敷は彼女等から顔を隠すように背ける。  
「どうやら貴様には、更なる躾が必要そうであるな・・・」  
御広敷の口より足先を抜いた幼女は、妖しげな笑みと共にそうつぶやく。  
そして、おもむろにその場で己のドロワーズと呼ばれる下着を脱ぎ放ち・・・丸めたそれを御広敷の口に詰め込んだ。  
突然の所業に呻き声を挙げる彼を冷ややかに見つめつつ、次に幼女は御広敷の股間を見下ろすような位置に陣取る。  
「まったく・・・このような輩は初めて見るわ。このような幼子に責められて歓ぶか・・・」  
否定するように首を振る御広敷に構わず、幼女の笑みが剣呑な輝きを帯びていく。  
「・・・さて、貴様のような輩を極東の言葉で何と言ったか・・・おお、そうそう」  
疑問の答えを思い出した事による愉快そうな笑いの後に・・・一転、獰猛な笑みがその美麗な顔に現れ出でた。  
「!・・・この変態が!!」  
言葉と共に、御広敷の陰茎は幼女の足に擦り上げられた。  
 
           ●  
 
白い絹の靴下に覆われた小さな足が陰茎の表面を撫で擦る度に、それの持ち主である男の腰がびくびくと震えるような動きを見せる。  
柔らかな足の動きは時にゆっくりと撫で付けるように、時に激しさを増し擦りたてるようにと緩急織り交ぜたリズムで男の陰茎を責め立てていく。  
その男、御広敷は焼け付くように膨れ上がる快感の波を感じながら、口の中に布の様なものを詰め込まれている故に鼻息も荒く喘ぐ事しかできなかった。  
 
時折痙攣するような震えを見せながらも、下腹に力を入れるようにして懸命に耐える彼の視界が唐突に塞がれた。  
細身の女性の手によって、黒いアイマスクが新たに彼につけられた為だ。  
視覚が消える事により、股間にそそり立つ陰茎より与えられる刺激がより鮮やかになったような感覚を覚える。  
腰の奥にたぎるような感覚も昂ぶりを増し、まるで燃え上がる炎のような熱さだ。  
足の指の股に挟み込まれた陰茎からもたらされる快感が、ぐんぐんと上がっていく。  
陰茎を挟んだ足の親指によって、陰茎の幹や亀頭のくびれ辺りを擦りたてる動きも加わったからだ。  
その刺激に直ちに屈してしまいたいという自分と、反面少しでも長く感じていたいと言う相反する感覚が己の狭間で揺れ動く。  
「!ふおおおおおおおおお!!!!」  
人前で達する事に対しての羞恥と恥辱を感じつつも、どうしようもない快楽の波に抗えず・・・御広敷は幼女の小さな足を感じながらしたたかに射精した。  
 
「ふむ。達したか。中々の見ものではあったが・・・もう終わりか?つまらぬの」  
猛烈な射精により、落ち着きを取り戻していく御広敷の陰茎を見据えつつ、金色の幼女がそうつぶやいた。  
ふうふうと荒い息をつきながら絶頂の余韻を味わう彼は、そのでっぷりとした腹の肉の上にまで白濁液を飛び散らせている。  
しばし、彼の陰茎やその下の睾丸等を小さな足で撫で回していた幼女だが、大した反応が無いと見るとつまらなそうに顔をしかめた。  
そして、いまだぐったりと仰向けに横たわる御広敷に一瞥をくれると、無言で傍らの女性に何やら促した。  
「?!」  
仰向けに横たわる御広敷の顔面にふわりとした感触が来る。それは彼の顔に傍らの女性が純白のハンカチーフをかぶせた事によってもたらされたものだ。  
女性は小さな女王へ一礼すると、無言のまま場所を譲るような動きを見せる。  
その動きに、御広敷の頭部を跨ぐ様に移動した金色の幼女の言葉が続いた。  
「では今一度私を楽しませてみよ。」  
そう言い放つと、金色の幼女は彼の顔面の上に下着を着けていない腰を下ろし、薄い肉付きの尻肉が布一枚隔てるのみで御広敷の顔にのしかかった。  
 
           ●  
まず感じたのは柔らかい重さだった。  
次にほのかな暖かさが、その後には薄甘い芳香が己の顔を包む感触を、御広敷は感じていた。  
口内に詰め込まれた布の塊のせいで、自然、呼吸は鼻に頼る事になる。  
ふごふごと、必死に呼吸を繰り返す彼の鼻息を股下に感じ、御広敷の顔面に腰を下ろす金髪の幼女が笑い声をあげた。  
「ははは。これ、こそばゆいではないか。しかし、こうして女陰や尻穴を他人にさらけ出すのは妙な気分ではあるな・・・」  
その言葉に、御広敷の身体がびくり!と反応する。  
己が今、どのようなとんでもない状態に置かれているかを明確に理解した為だ。  
自分の顔面を覆う一枚のハンカチーフ。  
その薄絹一枚を隔てて、幼き暴君の陰部が己の顔に圧し掛かっている。  
顔面騎乗。俗にそう呼ばれる状態であるということを改めて理解した彼は、再び体中が一気に熱を帯びるのを感じていた。  
御広敷の陰茎が再度、屹立し始める。  
「ふふ、また元気になってきたか?しかし、貴様も男の割には・・・」  
中々良い乳をしているな。と金髪の幼女はそう呟きながら、その足で御広敷の胸をこねまわした。  
足先で、足裏で、たるみのある肉の感触を楽しみながら、まるでクッションにでもたわむれるようにその柔らかさを堪能する。  
嬌声を上げて楽しそうに肉のクッションを玩ぶ度に、彼女の小さな尻と薄い股間が、御広敷の顔面に擦り付けられた。  
不安定な頭部を股間で挟み込むようにして跳ね回る様は、正に騎乗の名にふさわしい乗りこなしぶりであった。  
己の顔を包み込む熱さと、ますます濃くなる幼女の体臭を受けて、御広敷の思考は沸騰直前の様を呈していた。  
恥辱と恍惚がドロドロに混じり合いながら、己の中を駆け回る。  
「うむ。これは中々に悪くない乗り心地であるな・・・どうだ、貴様私のものにならぬか?そうすれば、毎日のように遊んでやるぞ?」  
私は寂しがりだからな、と続けて、金髪の幼女が唐突にそのような言葉を口にした。  
股間の間より覗き込むように彼の顔を見下ろし、彼の口に詰めていた下着を取り除く。  
答えを聞くためであろう。  
口内を満たしていた布の塊を引き出されて、わずかにえずく御広敷に、どうだ?と再度の問いかけが掛けられる。  
突然の求めに混濁する思考の中では、歓喜に震える自分が居た、そんな己に慙愧する自分が居た、どこか冷めたような自分が居た、その他様々な思いに満たされる自分が居た。  
幾つもの自分が、まるで情動と言う香辛料でグリルされている食材のようだと、鍋に向かう時の様な感覚を覚えたのが印象的であった。  
御広敷は・・・己の中に境界線を見た。  
 
           ●  
「お断り・・・申し上げます」  
「なんだと?・・・では理由を申せ。私の誘いを断るに足る理由とやらをな」  
つまらぬ答えなら貴様の喉笛を引き千切ってくれるぞ、と言葉を荒げる幼女に対し、御広敷はJud.、と短く答えるとその口を開いた。  
「小生・・・まだ、何も為してはおりません。その為、この武蔵を離れるわけには参りません」  
「貴様は何か為すべき事が有るというのか?」  
「Jud.、いえ、いまだそのようなものは見つかってはおりません」  
しかし、と一旦言葉を区切り、御広敷は答えを続ける。  
「小生にしかできない、小生にならできる事がきっとあると信じます。何故なら、馬鹿で愚かな一人の男が申したのです・・・  
自分が我等の不可能を受け止める、だから我等は可能の力を持って行けと。  
故に、小生は己の可能の力を発揮せねばなりません。それが我等の王と仲間に対しての・・・小生なりのけじめであります」  
御広敷が言葉を終えると共に、しばしの沈黙が舞い降りた。  
だが、ややあってから小さな笑い声が響き始める。笑い声は徐々に大きくなり、程なくして愉快そうな大笑へと変わった。  
「Tes.!そうであるか。くくく・・・しかし、それは面白いな!正直何がなんだか良く解らぬがとにかく面白い!  
まったく、武蔵という場所は・・・くくく、うむ。実に愉快であるな」  
笑いの主である金髪の幼女はそう言ってひとしきり笑うと、再び御広敷へと声を掛けた。  
「Tes.、面白い答えであったぞ。面白いだけだが、まあよかろう。十分楽しめたわ」  
機嫌を良くした金髪の幼女に、御広敷がほっと一息を付く。だが、  
「うむ。では、此度の遊びの褒美をくれてやろう・・・ふむ、貴様等のような輩は本当に面白い。  
このようなものを喜ぶと言うのだからな。『変態』は」  
「は?いや・・・その、いったい何を、いただけると・・・」  
幼女の言葉にぞくりとする悪寒のようなものを感じ、御広敷に緊張が走る。  
「うむ。遠慮するな。丁度もよおしてきた所であるからな。存分に味わい、浴びるが良い」  
「え?あ?アーッ!!!」  
次の瞬間、御広敷は顔面に暖かな熱と臭気を伴った迸りを存分に味わう事となった。  
 
           ●  
「はっ?!・・・これは、小生ともあろうものがうたた寝をしてしまうとは」  
武蔵内の客室の一室で、御広敷・銀二はしばしのまどろみより目を覚ました。  
武蔵への乗艦の許可を待つ方々、主に幼女のもてなしを終えて、後片付けの最中にうたた寝をしてしまったらしい、と自分の今の状況を整理する。  
「むう・・・疲れているのでしょうか?しかし・・・何か素晴らしくも恐ろしい夢を見ていたような・・・?」  
いまだ残る不可思議な感覚に首を傾げながら、彼は手早く片づけを済ませると客室から退出していく。  
だが、部屋の片隅のゴミ箱に丸めて放りこまれていた、生クリームに染められた白いタイツと小さな下着には気付く事は無かった。  
 
           ●  
武蔵の街中。黄金の髪をなびかせた幼女が二人の若い女性を供として歩いている。  
その年齢にそぐわない立派な胸を張り歩みを進める姿は、輝かんばかりの気配を振りまいていた。  
「へへへへい『お嬢様だ』・・・おおお嬢様、さすがにあれは、やややり過ぎです」  
「・・・痕跡は消したぞ?まあ、覚えていても夢としかおもえぬだろう。問題はないぞ」  
傍らの女性の言葉に、そう言い返す幼女の指先に、きらきらと砂のような輝きがまとわりつく。  
「あんまりせいれーにたよるのもよくないのね」  
今一人の女性の言葉に、わかったわかった、と返事を返しながら、武蔵の各所を紹介した小冊子に目を通す。  
「ふむ。さて、どこから見て回るとするか。このような事は初めてだからな。うむ、中々に心躍るものであるな」  
そう言って金髪の幼女が嬉しそうに笑みを浮かべた時、一陣の風が彼女のスカートをひるがえした。  
ふわりと舞い上がるスカートの中から、どこまでも真白い尻があらわになり、通りすがりの幼児の前にさらけだされた。  
「ままー、あのお姉ちゃん、ぱんつはいてな・・・」  
幼児の言葉が終わるより早く、傍らの女性達は己の小さな主を抱えて手近な洋服店へと駆け込んだ  
 

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