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原川は押し倒した二人を見下ろす。
片や少し期待のこもった目で、
片や縋るような涙の残る目で、
ただ原川を見つめている。
原川はまず、ヒオのあごに指をそえ、上を向くように促し、唇に唇を合わせ、わずかに開いた口の隙間から舌を侵入させた。
舌と舌が軽く接触し、口を吸い始める。ヒオの舌が気圧差により原川の口に導かれてくる。ヒオは少し驚いたように「んむっ?」と声をあげると、窺うように自らの舌を原川のそれと絡ませた。
それからヒオの舌がおずおずと動き始め、やがて積極的に原川の舌を求めて動き始めた。
やがて息継ぎをするように唇が離れ、横でぽーっと原川たちを見ていた黒陽≠ノ原川は同じように唇を向ける。
「んぐっ!?」
黒陽≠ヘ驚きつつも舌を合わせるが、どうしたら良いものか分からないと言う感じでただ頼りなげにモジモジと舌が動くだけだった。それでも徐々にためらいの色が薄れ、それに比例して舌の運動は活発化していく。
やがてコツでも掴めたのか、舌の動きが果敢な物に変化していった。巧みな動きとは言えないが、一生懸命に原川の口へと舌を出し入れしている。
そのぎこちない動きは、幼い容姿にもかかわらず、何とか原川の欲望に応えようとしていて、いわば女そのものであった。
二人は唇を、やはり息継ぎをするタイミングで離し、
「ヒオ・サンダーソン」
「は、はい」
「こっちに来い」
「はい」
原川はヒオの名を呼んで近くへと招き、喜色を浮かべるヒオを胡坐をかいた足に乗せるようにして背後から抱く。背面座位の姿勢だ。
原川は右の首筋に舌を這わせ、彼の左手は肩の上からセーターの中へと入って行き、そのささやかな胸を揉んだ。
「ひぁ、原川さん――」
汗のじっとりとした感触を原川は感じ、
「や、か……あ、原川さん」
呼吸が荒くなってきたのも確認し、腹を抱いていた右手をスカートの中へと伸ばす。
湿り気を帯びた下着越しに秘裂に触れるとヒオの体がピクッと細かく震えた。
「あっ、は、原川さん、ヒオ、ヒオっ!」
「……どうして欲しいんだ?」
下着をずらし、直接秘裂へ触れるとジュク、と小さく水音が鳴り、ヒオの体が大きく跳ねた。
「や、あ、原川さん、の、モノを、ヒオの中、にいれて、入れてくださいませっ!」
「よし」
そう言って原川は指を引き抜くと、よがりながら自分を求める声をあげる少女の腰に手を当て、体を持ち上げ、秘裂の奥へと己の分身を突き入れた。
ヌプッっと感触があり、
「んんっ! はぁ、入りました……の」
幸せそうに呟きながらビクっと震えるヒオ。原川は、
「動くぞ」
言うなり、腰に当てていた手で再びヒオの体を持ち上げ、少女の膣内に入った己の分身を、その身体を支える力を抜く動きで擦りつけた。
「ひぁ!?」
――グチャリ、と音がして、ヒオの体が大きく震える。
そのまま小刻みに腰を打ちつけているとヒオも自ら原川に合わせて腰を動かすようになり、その動きは徐々に加速されていった。
ジュチジュチと結合部から音が聞こえ、
「イヤらしい音が……してます、のっ!」
そう言うヒオの身体を揺らしながら原川は黒陽≠ノ目を向ける。彼女は顔を赤くして俯いている。窺い見える表情は先程の悲しみの表情とは違う、その容姿の幼さにしてみれば意外なほどに艶っぽいもの。
手がワンピースの中に潜り込んでいるところを見ると自らを慰めているのだろう。
性器が擦れ合う湿った音。パンパンと激しく肉がぶつかる乾いた音が響き続け、ヒオの鳴き声が響く。
「――は、原川さ、あ、あ、あ、ああ!!」
そろそろ限界が近いのかヒオの切羽詰まった声が響く。
「っこっちも、もうすぐだ」
原川は下から突き上げ、逃げられないように腰に添えた両手をがっちりしめた。そして肉棒がヒオの最深部を一気に突き上げる。
瞬間、喘いでいたヒオの口から絶頂の叫びが上がった。
「あヒィ! イク、イッチャいまあああああああああぁァーーーーーっ!!」
ビクンビクンと震えるヒオの体を抱えこみ、原川は少女の中へと白濁を放つ。
放出の快感が背筋を走り、全身を駆け抜ける。精液が勢いよく彼女の子宮に注がれているのがはっきりと原川には感じられた。
●
「……大丈夫か?」
原川はヒオから引き抜き彼女を布団へと横たえた。
ヒオは「はぁ……はぁ……」と息を吐きつつうなずいた。しかし身体はピクピクッと震えており、原川の精液をこぽりと吐き出す少女の秘裂や尻はビクンビクンと痙攣している。
ため息をつきながら原川がヒオに手を伸ばそうとすると、
クイっと、
服の袖を引かれた。
「?」
視線を向けると、
「わたし、も」
言ってワンピースの端を咥えあげる黒陽=A目前に晒されたソコは熱く潤っている。
原川のソコは未だ固いままだった。
「……ああ、わかった」
原川は、やはり普段の彼からは想像できない思考を基に動き、黒陽≠フ体を自分の身で受け止め、口を押し付けた。
「ふ……む、ぐぅ……」
舌を押し入れると学習が早いのか先程とは違い始めから舌を絡めてきた。
口を離すと名残惜しそうに口から唾液の糸が伝う、
原川は黒陽≠押し倒すと馬乗りになり、成熟途中の細い肢体。四肢も細くて長く、幼い娘独特のラインの中、そこだけ異質な大ぶりな胸を揉みしだく。
「ん、ひ……はらか、わ」
うわずった声をあげる黒陽≠見て原川は身を倒し少女の艶やかな黒髪を手で梳き、黒陽≠フ眉間の傷痕を舐めた。
それだけでも感じるのか黒陽≠ヘ気持よさげに息を吐き、その下半身を原川に擦りつけるように動かす。
「いけない娘だ」
「だって、原川の、熱い」
尚も下半身を押し付けてくる黒陽≠フ頭をなでてやると原川は上体を起こして黒陽≠フ肩に両手を置き、
「……原川の、入れて」
「なにを、どこにだ?」
「いじわる、ヒオの時には入れてくれたのに」
「……」
原川が無言でいると黒陽≠ヘじれったそうな表情で、
「原川の、熱い肉棒を……わたしに、入れて?」
「どこにだ?」
「っ、わたしの、膣の、なか」
赤い顔で目を逸らしながら言った黒陽≠見て原川は一つうなずき、黒陽≠フ望む通りにした。
くぬっ……と黒陽≠フ中に埋まっていく自分のモノを見て原川は訊ねる。
「膜はないのか?」
「ん、はぁ、あっ、こ、『子持ちだったしそこら辺はいいだろ』って言われ、た」
所々詰まらせながらも小さな声で答えた黒陽≠ノふむ、じゃあ大丈夫か、と原川はうなずき、少女の細い太ももを持ち上げ、奥へと腰を突き出した。
「う、く……は、ぁ」
堪えるような声で鳴く黒陽=A
「声を出したいのなら我慢しなくてもいい」
言ってやると黒陽≠ヘ小さくうなずいた。原川は黒陽≠フ体を揺すり続け、
「ふぁっ! ひっ、ひぁ、ひぃんッ!」
奏でる声を聞く。
黒陽≠フ中はやはり見た目通りヒオよりもきつかった。奥もヒオよりも浅い。
原川は黒陽≠フ軽い身体を持ち上げ、裏返しにする。中でゴリッ、と互いの性器が擦れる感触がし、黒陽≠ェ「ひゃあぁっ」と悲鳴をあげる。
原川は黒陽≠フ髪を撫でるとその尻を突き出させ、手を少女の胸へとあてがう。
「いくぞ」
「う、うん……思いっきり、して」
無言で突きこみを再開すると大きな鳴き声が上がった。
「ひっ……ふくぅ、あ、ふぁっ!」
黒陽℃ゥらも原川に腰を押し付け、
「ひぃッ!」
短い悲鳴と共に黒陽≠ェ果てた。ビクビクと原川の肉棒を締めてくる黒陽≠フ中を感じながら原川は言う。
「もう少し、いくぞ」
「い、いい、よ! はらか、わ……んッ!」
荒い息の黒陽=A原川は尚も少女の中を突き続ける。
ジュチ、グチュ、ズチャズチャ……
やがて原川は下腹部から昇ってくる熱いものを感じる。
「出すぞ」
「な、かに、中に、ちょうだ、い」
――ビュルッ! びゅくびゅくビュるッ!
搾られるような締め付けの中、原川は黒陽≠フ小さい中から溢れてしまいそうなほどの精を放った。
●
「んんんっ!」
ぶるりと震えた黒陽≠ヘへたり、と布団に倒れた。そのまま荒い息をしばらくしていたがやがて振り返ると、
「はらかわ〜」
とろんとした顔で原川に膝でにじり寄り、
「んむ」
股の間で屈み、パクッ……と、無造作に原川の肉棒をその口に含んだ。
黒陽≠フ口からはちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、というリズミカルな音が聞こえてくる。
小さい黒陽≠フ口では原川のモノは例え二回の射精である程度落ち着いていても辛いのか全てを口に含むことはできていない。
「……ッ、黒陽=Aこら」
原川が快楽に震えながら言うと黒陽≠ヘちらりと上目づかいで原川を見て、原川の肉棒を咥えたまま幸せそうに笑む。
「ん、ふむ、んじゅ――」
ちゅっ、ちゅぷ、チュっ、ちゅく
熱心に黒陽≠ェ続けていると原川はやおら黒陽≠フ頭を掴み、腰を突き出した。
――ドプっ! ビュっ、びゅるるっ、びゅっ!
そんな音が黒陽≠フ口の中から聞こえ、原川の肉棒が引き抜かれた。
「――む、ゲッホ、ケホ、エホ、ゲホッ!」
咽ている黒陽≠見て原川はため息。
「無理をさせたか?」
「ん、んん」
口の中で原川の精を含み、クチュクチュしながら黒陽≠ヘ首を振る。
「そうか、――まあ、気持ち良かった。ありがとう」
多少気まずそうに原川が言うと黒陽は満面の笑みを浮かべた。
「褒められた……」
その言葉をかみしめるような黒陽=Bそこへ、
「ん」
起き上ったヒオが熱に浮かされたような表情で黒陽≠フすぼめられた唇を自分の唇でふさいだ。黒陽≠ヘ一瞬驚いた表情をしたがすぐに腕をヒオの頭に回し、より強く唇を押し付けた。
そのまま深いキスを始める二人。彼女らの幼い唇の間からはチュプ、ピチャっと音がする。
お互いの口の中で精を行き来させているようだ。
じゃれあっているかのように、楽しそうな顔でキスを続けるヒオと黒陽=B
やがて大きな水音を立てて離れた二人の唇。その間に結ばれた唾液と精液の橋を見ながら二人はお互いに言い合う。
「黒陽≠ソゃん」
「ヒオ、」
―― 一緒に気持ち良くなろう?
二人はどちらともなくうなずいた。
黒陽≠ヘ再びヒオと唇を重ねた。「むー」と唸るヒオの隙を突き、秘裂の方にも手を伸ばして、原川の精とヒオ自身の愛液で濡れたそこに指を入れてクチャ……ピチュ……とゆっくり責め立てる。
「プハッ」
ヒオは口を放すと黒陽≠フ胸の先端を甘噛みした。
「ひっ――」
黒陽≠ェひるんだ隙にヒオの指も黒陽≠フ秘所へと伸びていた。
「ん、っふぅ、あ、ど、どうですか? 気持ちいいですの? 黒陽≠ソゃん」
「ひ、ああ……、ひ、ヒオ。私が、わた、しが気持ちよくさせてあげ……るの、に」
睦みあう二人、ヒオは交互に黒陽≠フ胸を吸いたててながら、
「ヒオは黒陽≠ソゃんに幸い≠与えるんですの」
それに、この胸を吸えばヒオの胸も大きくなるかもしれませんもの。
そう言うヒオに黒陽≠ヘ呂律が回らなくなってきた声で、
「わた、ひのをすっても、ひぁ……おっきくは、ぁ、ならない、よぉ……」
「んん、試してみないとわかりません、わ」
そう言って胸をちゅーっと強く吸いあげつつ指をくちゅくちゅと動かしていると、
「――ひぁあっ!!」
原川がヒオの秘裂へと硬さを取り戻した肉棒を突きたてていた。
「ずいぶんと楽しそうだな」
人のことを忘れて、と言って原川は腰をパン、と打ち付ける。
「や、あんっ、ご、ごめんなさ、ひ、あ、あッ!」
ヒオの中に幾度か突き立てると原川は肉棒をヌルリと引き抜いた。
「あ、」
残念そうな吐息を吐くヒオ、原川は黒陽≠フ胸に吸いついている彼女の金髪をやんわりと撫で、重なり合っている二人の秘所の間へと肉棒を差し込んだ。
クチャ、と音がした。
「あ……っひんッ! く、クリトリスに、引っ掛かる……ぅ、あひッ!」
「うにゃ、あっ、アッ! は、原川さ……んッ!」
既に二人の秘所も原川の肉棒もそれぞれ精、愛液、唾液などにまみれており、原川が腰を突き入れればその動きに合わせてグチュ、グチュッと淫靡な音がする。それに二人の少女の鳴き声が重なり、ひどく卑猥で淫靡な音色が辺りに響き渡る。
その音色につられるようにして彼らの腰の動きは激しさを増していく。彼らの触れあう部分から滴る液体は下半身をグチャグチャに濡らしていき、水音は激しさを増し、
――アッ、アン、ひぅっ、ぅあぁッ! ァン、ン、ン、ひぃぁ、あぅンっ!
少女たちの合唱はより背徳的に響く。
「っひ、ひぁ、はらか、わ、ひ……お、キちゃう、わた、し、もっ! ひっ、ひぅッ!!」
「ああっ! 原川さ、んッ! ヒオ、ああ!! ヒオ、イッチャいますのっ、あ、ひ、ああああ!!」
ムッとする汗や性の香りが充満する中、三人の狂宴は終わりつつあった。
「は、あ、ひお、はらか、わ、ふッ、あ、わたし、褒めてもらえる? か、な? んッ!!」
「こんなッあああ、にッ、がんばったんですも……のッ!! 褒めて、もらえますわ、アアッ!!」
二人の少女は見つめあってまた唇を奪い合う。
それに刺激された原川は一気に腰の振りを激しく、荒々しいものへと変えると水音もまた、激しく鳴った。
――グッチャ、グチュッ! グチュグチュッ!! ジュチ、ジュチュ、ジュチャッ!!
「っひああああああああああああぁッ!!」
「トんじゃいま、っす、ああああ、ひ、う、ああああああああああぁッ!!」
ビク! ビクン! と激しく痙攣する二人の柔肌に挟まれた原川のそれも同時に限界を迎え、果てた。
びゅるっ! びゅぷっ、ビュる! びゅルっ、ぴゅっ、ぴゅっ…………
迸った精は二人の幼い少女の下腹部を白く染め上げた。
「――――二人とも、御苦労さま、よくやってくれた」
原川が告げた言葉に2人は嬉しそうに笑み、気を失った。
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落ちるように眠っていた三人はしばらくして起きあがると、それぞれシャワーや後始末をしていた。
そんな中、
「俺は一体なにを……」
原川は自分がした自分らしくない行動を振り返って頭を抱えていた。
「は、原川、私、褒められて嬉しかった。よ?」
「原川さん、何か薬でも盛られたんですのよ、気にしなくていいんですの」
その姿を見てフォローを入れる二人の少女、
「……嬉しそうな顔で言うな、ヒオ・サンダーソン」
原川がどんよりと言うと、黒陽≠ェとりなすように言葉を発した。
「でも、」
褒められたからいい。と言おうとした彼女の言葉は原川に遮られた。
「未練がただ褒められたい≠アとなら別にあんなことをする必要はないだろう。他にいくらでも方法はあったはずだ」
尚もどんよりしている原川を見て、黒陽≠ヘ悲しそうに言う。
「……私とは、嫌だった?」
「原川さん、あそこまでしておいてそれはひどいですの!」
ヒオが黒陽≠ノ加勢する。原川は勝手に事態を変な方向へと進めていく二人を見てまた頭を抱える。
「なんなんだお前等は、少し待――」
て、と言おうとしたところで二人の少女に抱きつかれた。
「一体、――なんなんだ?」
妙に懐かれていることに違和感を覚えて言うが、
「なんでもありませんわ」
「なんでもない」
そう言って二人は笑みを浮かべて彼から離れた。
黒陽≠ヘそこからさらに一歩、彼らから距離を置いた。
疑問の視線を二人が黒陽≠ノ向けると、黒陽≠ヘやはり笑顔で、
「さよなら」
と告げた。
「どういうことだ?」
問う原川にうなずいて黒陽≠ェ言う。
「未練無くなったから、もうここにいることはない」
「そうか」
うなずき、別れの覚悟を一瞬で決めた原川を見てヒオが焦る。
「原川さんっ!?」
「彼女はもともと既に向こうの住人だ。こっちにいることの方が異常なんだ」
そうだろ? と訊く原川に黒陽≠ヘうなずき、
「じゃあね、」
手を振って、
「原川やヒオが来るのを待ってるよ」
消えた。
一瞬で、まさに白昼夢でも見たかのように完璧に、黒陽≠ヘ消えた。
「――まったく、唐突に現われて唐突に消えやがった」
うんざりと言う原川。ヒオは黒陽≠ェ最後に立っていた場所をずっと見つめていた。
「そう悲しそうな顔をするな、そのうち会えるんだ」
ヒオの頭に手をポン、と置いて原川が言う。
「そうですわよね」
ああそうだ。うなずき、原川は立ち上がる。
「これから黒陽≠ェ去ったことを報告しに行かなければならん、――面倒なことだ。来い、ヒオ、ヒオ・サンダーソン。彼女が確かにいたことの証明をしに行くぞ」
そう言って玄関に向かって歩き出した原川を見て、ヒオは大きな声で返事をした。
Tes.、と。