浅間はまず器を左手に取った。これは確か、服役中の囚人に労働時間に作らせた陶器で、  
シロジロが安上がりだから、と大量に一括購入した物だ。ブランド名は『窃盗者』と言ったか。  
「ホントに更正させる気あったんでしょうかね…」  
ともかく、これからする事を思えば、高い物では気が引けるというものだ。  
「──だ、誰もいませんね?いませんよね…?」  
呟きながら部屋を確認し、服の合わせを外し、  
「んっ…しょ」  
薬の効果で心なしか大きくなった気がする乳を解放する。  
そして先端部を指の間に挟む形で、右手で乳房全体をホールドするが、しかし、  
「か、片手じゃ、つ、掴みきれません、ね…」  
物理的な問題で、手の大きさが足りないのもあるが、  
「──ん、んっ…!」  
乳房を掴む手に力を込める度に、身体に甘い痺れが走り、その都度力が抜けてしまい、  
どうしても狙いを定められず、上手く搾る事が出来ずにいた。  
「く、薬の効果ですよね、これ…!」  
いつもならば、乳をホールドしたぐらいでは、ここまで気持ち良くなりはしない。  
解毒の術式を使おうにも、先端部が服に擦れるだけで意識の大半がピンク色に染まる為、  
『えっちなのはいけないと思います──by神様』  
神様に誤解されて拝気が貯められない…!!  
確かに自分の不注意もあったが、こんな目に遭うのは不本意だ。  
罪の九割九分はあの馬鹿にある。どうにかして償わせなければいけない。  
例えば、そう例えば──。  
「トーリ君が、はっ…手伝って、く、くれた、ら…んんっ!」  
と、無意識の内に呟いてしまっていた。  
普段ならともかく、ピンク色に染まりきった思考では冷静な判断は適わず、  
「あ、はっ…!だ、め…っ!一人、じゃ、上手く、出来ない…トーリ、君…!!」  
行為と共に、呟きはエスカレートしていく。部屋に誰もいない事が更に拍車をかけた。  
「お願い…、手伝っ…て、気持ち良く、して、ほしい…一人、じゃ、駄目なのぉ…」  
何か別の哀願が混ざっている事に気付かず、蕩けた目線を彷徨わせると、  
部屋の入り口には、いつの間にか全裸が全裸で立っていた。  
「──あ、トーリ、君………?………おうわぁ───!!!」  
「え、えーと、覗いてたわけじゃねぇぞ!?姉ちゃんのエロセンサーに浅間が反応したらしくて、  
『救けに行ってきなさい──全裸で』って言うから来てみたら、  
なんかもう完全に出来上がってるじゃねぇか!声かけても反応ねぇし!」  
「──聞きましたね?見ましたね?」  
「当り前じゃねぇか!もう俺の心のアルバムの回想モードにバッチリ刻んどいたぜ!  
あ、録画はしてないから安心しろよ!?」  
普段ならここまでに五回はズドンしているが、今はそれどころではない。  
「じゃあ、手伝って──救けて…くれますか?」  
「──え?えーと、あれ?ズドンは?あれ?これなんてエロゲ?」  
「たまには…私の事も、見て、ほしいです──お願い…だから…」  
浅間は頬を上気させ、眉根を寄せた表情でトーリににじり寄ると、その手を自らの胸に導いた。  
ゴッドモザイクが拡大化した。  
 
部屋の中に声が響く。  
やや戸惑った男の声と、熱を帯びた女の嬌声だ。  
「いいいいいくぞ?こここここうか?」  
「は、い…あ、でも、や、優し、く、お願、いしま、す…」  
英国の女王の盾符にあんな話し方をしている女がいたな、と思いながら、  
浅間は全裸の胸に背中を預けた。全裸に背後から受け止められ、抱きすくめられている形だ。  
上着をはだけているので、肌が直接触れ合うという事実に、また体温が上がるのを感じる。  
全裸はまず、浅間の両乳の表面全体を、そろり、と撫で擦る。  
感触と大きさを確かめるかのような──否、実際に確かめていた。  
「おぉ…」  
「やっ、た、楽しまないで下さいっ!」  
「いや…いまいちこの状況が信じられなくてよ?この乳も偽物かと思ったら──」  
不意に全裸が軽く手指を動かす。  
「ふぁっ!?」  
「やっぱこの感触、本物だよなぁ…オラなんだかムラムラしてきたぞ?」  
「あ、遊んで、ないで、ちゃんと搾って、下さい…!」  
「いや、だってさっき気持ち良くして欲しいって言ってたから。それに、ほら」  
「?…あっ」  
全裸が促す方を見ると、先程の動きでも僅かながら漏れ出すものがあった。  
「ちゃんとやる事はやってるから安心しろよ!気持ち良くもしてやっからさ!」  
「え、ちょ、待って、畳にこぼれちゃ──」  
言葉を最後まで発する前に、先程より確かな動きで、全裸の手指が両の乳房に沈み込む。  
「あ!…っ──!」  
与えられる快感と、先端から液体が勢いよく溢れ出すという未知の感覚に、  
浅間の思考は中断されるが、なんとか理性を振り絞り、大声を出すには至らなかった。  
「ん?なんで我慢してんだ?もっと声出していこうぜ!ほれバッチコ──イ!!」  
「だ、だって、父さんに聞かれ、たら、た、大変…」  
「あぁ、なら心配いらねぇよ。ノブタンコニタンが飲みに誘い出してくれてるはずだ!」  
「ふぇ…?そう…なん、ですか?が、我慢、しなくて…いいん、だ…」  
いつの間にそんな手回しをしたのか、とか、ノブタンコニタンが誰なのか、とか、  
聞くべき事は多々あるが、最早頭も身体もまともに言う事を聞かない。  
ならば誰が自分の言う事を聞いてくれるというのか。  
トーリ、君…。トーリ君、に、たくさん、して、欲しい…!!  
ほぼ本能のみが起動した状態の意識は、ただそれだけを強く主張していた。  
 
 
部屋の中央、布団の上では、半裸の浅間が、全裸の全裸に責められ続けていた。  
張り詰めた乳房を、鷲掴みに、根元から絞るように、優しく、荒々しく、時に先端部を、  
あらゆる方法で愛撫され、身体と思考の熱はコントロールできぬ程加速していく。  
全裸はこんな時でも気は利くようで、乳を揉む行為に没頭しながらも、  
浅間の先端から勢いよく溢れるものを、片方の手に持った器で受け止めていた。  
「なるほど、これが神道式オッパイビーム…!」  
「ち、違いま…んっ!」  
そうして、左右を交互に搾っている内に、器は満タンになろうとしていた。  
「おいおいおいおい、もう入りきらねぇぞ、これ…?どんだけ出るんだ?」  
そんな事を言われても出るものは仕方ないし、止め方も容量も分からないのだ。  
抑えられぬ声を出し続けていた浅間は、ようやく一息つくタイミングを得て、  
「どうし、よう…はぁっ…畳も、布団も…濡れちゃう…」  
こぼれた牛乳がとてつもない臭いを放つのは知っているが、この場合はどうなのか。  
熱に浮かされた思考をなんとか巡らせようとしていたが、不意に全裸が、  
「よし、いっちょ飲んでみっか!そーれ、イッキ!イッキ!」  
こ、この男はムードぶち壊しにする気ですか…!  
ツッコミの時に意識がハッキリ戻ってしまう辺り、苦労人ですね…と我ながら思う。  
だが次の瞬間、  
「はむっ」  
全裸が横から先端部を口に含み、幾度か揉みながら吸い上げてきたのだ。  
「〜〜〜〜〜っ!?」  
醒めかかっていた思考は、再び熱く混乱し始めた。  
「──はっ…!あ、ふ…!の、飲む、って、そん、な…直接だ、なんて……!」  
妄想でも滅多に登場させなかったシチュエーションだが、実際にされるとは予想外だった。  
先程までよりも激しく走る甘い痺れに、身体の力が抜けていくが、  
「ん?あれ、コレって…」  
「…?」  
全裸が何か違和感を感じたらしく、  
「んっ」  
再び口を付けて吸う。  
「んー」  
離す。  
「むむむ」  
今度は先端部全体を口に含んで、周辺を舌で舐め回し、手指に力を込めながら吸い上げる。  
味見の様な行為だが、味見をされている浅間はたまったものではない。  
危うく意識が飛びそうになった時、全裸が、  
「なぁ、なんかコレ、酒の味がすんだけどよ」  
「はぁ、はぁ…え…?何…が…?」  
「オメエの乳から出てる乳だよ。ほれ、自分で飲んでみろよ?」  
などとのたまって、片方の先端部を浅間の口に向けて寄せ上げる。  
「や、やっ、そんな事…そんな、とこ…!」  
比喩的にも物理的にも無理だ、と思う。思っていたが、首を少し下に向けると、  
あ、嘘、届いた…!?  
どうやら物理的には可能らしい。後は実際に行うかどうかだが、  
えっと…お酒なんだったら飲まない、と…トーリ君も飲んでるし…。  
心の中でそう言い訳をし、また、自分で舐めてみたらどうなるかも興味が湧いた。  
「ん…ちゅっ…──!?あれ、な、なん、で…?」  
自分の先端部に舌で触れる刺激よりも、本当に酒の味がする事に驚きを覚える。  
しかも、この味は、  
「この間の、洋酒…?」  
「あー、もしかしてあの薬と酒がなんか反応起こして、  
敏感になる上に身体に吸収されずに乳から出る、と…」  
つまり、  
「飲んで、また出す、これが神道式オッパイビームの真骨頂、夢の永久機関…!」  
手を震わせながら、なんとか拳を振り上げるが、誤魔化すように味見を再開される。  
「んんっ!…あ、この…っ!」  
再び全身から力が抜けていくのを感じ、全裸の胸に完全に身を預ける。  
片方を揉むと同時に吸われながら、無意識の内にもう片方の先端を指先で転がされ、  
「──ぁ、あっ…!」  
達した。  
 
「…っかりしろ!おーい?」  
声が聞こえる。  
身体は力が入らず、微妙に麻痺したような状態で、軽く揺さ振られると共に、  
「し、心臓マッサージ!これは心臓マッサージ!」  
…胸…揉まれて、る…?気持ち、いいな…。  
波に揺られる様な感覚の中で目を開けると、目の前に幼なじみの顔があったので、  
「ふぁ…トーリ、君だ…んっ」  
頬を緩ませながら、無意識に目の前の唇を奪い、そのまま背中に手を回し、抱き付く。  
横抱きにされていた状態から、仰向けになって覆い被さられる状態に移行する。  
向こうが心臓マッサージなら、これは人工呼吸かな…?  
唇を合わせるだけでは物足りず、舌を差し入れて彼の舌に絡める。  
幼なじみは完全に混乱し、胸を揉む手も止まっていたが、  
やがてそれは両手で再開されると同時に、向こうも舌を絡ませ合う動きを開始する。  
「んんっ♪…あ、ふ…」  
ぼんやりとした意識のまま、唇と胸に与えられる感覚に身を委ねていると、  
両足を開かれ、薄布越しに熱く、固く、大きく脈打つモノが押し付けられた。  
「ふぁ、あ、あっ…!」  
熱く潤んだそこは触れられる事に慣れておらず、  
舌と胸と太ももの内側と同時に激しく味わわれると、身が大きく跳ねるのを感じた。  
「はっ…!あっ、あ…ぅ…」  
呼吸を求める為に唇を離す。名残惜しさを感じていると、  
次は空いてる方の胸の先端に激しく口付けられ、強く吸われる。  
そんな必死な様子に何故か愛しさを感じ、背中と後頭部に手を回し、優しく抱き締める。  
両胸を揉み、吸われ、鼠径部から尻にかけてを撫で擦られ、熱い場所を熱いモノで擦られ、  
与えられる激しい感覚に、夢心地のまま首筋を反らせて震えていると、  
「──悪ぃ、入れたりしないから、少しだけ、な…?」  
下着の紐を外され、顕になった場所を、熱く、固いモノで直接擦られる。  
「〜〜〜〜〜っ!?…っあ、あ、そ、そこは…ダ、」  
メ、と言おうとしたが、熱く粘るそこを上下する感覚に、  
再び達した。  
 
押し寄せる波に耐えていると、ぼんやりとしていた思考が幾分か回復した。  
だが熱に浮かされているのは変わらず、浅間はよりハッキリと、何かを求める自分を感じた。  
やがて向こうも達したらしく、太ももの辺りに飛び散る熱さを感じた。  
顔や髪に掛けない配慮だろうか。それを指で掬い、自らの場所に擦り付ける。  
「あ…トーリ君、のだ…はっ、あ、熱い…んっ!」  
「え、あ、浅間…?」  
「はぁ、は、ぁっ…ダメ、足りない…もっと、欲しい…でも…」  
指先は止まらないが、最早外から与えられるだけでは物足りず、思考は暴走しかかる。  
「中、に…欲しい…トーリ君の、欲しい、ょ…」  
でも、  
「わたし、巫女、だから…入れるの…ダメ…でも、やだぁ…どうして…」  
このまま流されてしまいたいが、そうすると巫女としての自分が無くなってしまう。  
もうそれでもいいような気もするが、それでは、  
「トーリ君に、迷惑、かかる、からぁ…」  
神聖な巫女を汚したとして、トーリの、武蔵の評価はガタ落ちになるだろう。  
「私、わた、し…どうしたらいいの…!?」  
しゃくり上げる動きは止まらない。色々な物に挟まれ、身動きが取れずにいると、  
「ハイ、ここで素敵なプレゼントのお時間です」  
全裸が何か操作し始めた。  
「中継が繋がっております。第四特務のナルゼさぁーん?現場はどうなっていますかー?」  
『はいこちらナルゼ。総長、そっちが現場です』  
「おうわぁ───!!!」  
なんか第三者が介入してきた。  
 
「あ、あ、あ、あの、ナルゼ?こ、こ、こ、これは」  
見られた。どこからどこまでかは不明だが、情事を完全に見られた。  
向こうの良心に期待する他ないが、  
間違いなくネタにされる…!!  
「ト、トーリ君!?中継って、中継ってまさか、まさか…!!」  
「いやいや、流石に俺もそこまでしねぇって。今ちょっと連絡取っただけだから安心しろよ!」  
ま、紛らわしい真似を…!!  
間違いなく数年単位で寿命が縮まった。というか、何故馬鹿はナルゼに連絡を取ったのか?  
疑問を浮かべていると、表示枠の中のナルゼが、  
『浅間、この前話してた同人誌の事、覚えてるかしら?』  
「…え?」  
『術式効果込みの体感同人誌…座標系の重力制御で、体傷付けずに色々出来るタイプよ。  
これにこの前ノリキが戦った相手が面白い術式使ってたから、研究して改良してみたの』  
バルデス兄妹の事だろうか。確か消える魔球で防御をすり抜け、町にも被害が──?  
「もしかして、消える魔球を応用して…?」  
『Herrlich!専用の空間を作り出す事で、傷付けずにすり抜けて色々入れたり出したり出来るわ!』  
そこまで言うとナルゼは馬鹿の方を向き、  
『フフフフフ、総長には感謝してるわ。あのいかがわしい薬のおかげで、  
マルゴットがそれはもう、毎晩激しく乱れてくれちゃって…!白魔術的に役得だわ!!』  
だから、  
『これはお礼よ。浅間もズドンして助けてくれたしね。まだ試作型ではあるけれど…』  
想いを遂げちゃいなさい。  
 
その言葉と、転送された術式を残して、通神は途切れた。  
「そ、その、えぇと…」  
ここは二人きりで超盛り上がっていたところに水を差した事を怒るべきか、  
画期的な解決法を用意してくれた事を感謝すべきか、  
両方、ですよね…。  
前者は後でズドンするとして、後者はすぐにズドンしてもらわないと、  
この機会を逃すと、もうこんなシチュエーションはやってこないかもしれない。  
とりあえず、下がってしまったこの場の空気と温度をなんとかしよう。  
「こ、こんな手段があるならそう言ってくれればいいじゃないですか!  
わ、私、私、てっきり…ひ、ひどっ、ひどい事、され…ひ…」  
何故か涙が零れた。短時間の間に色々ありすぎて、巫女感情でも制御出来なくなってきたのか。  
「せ…折角、折角二人っきりで、あんな、あんなに…なのに、誰かに見せる、なんて…」  
涙も言葉も流れるままにしていると、全裸に抱き締められた。  
「悪ぃ、俺馬鹿だから上手く説明できそうになかったし、あの薬のせいで、  
最近の浅間機嫌悪かったろ?俺が持ってきて説明しても、信用されないかと思ってさ。  
まぁ、元はと言えば俺が悪いんだし、その、」  
驚かせて、ゴメンな?  
目を合わせた後で、口付けられた。  
先程とは別の涙が溢れる。そのままの状態で、しばらく過ごした。そして唇を離して、  
「もう…なら…ズドンは許してあげます。そ、その代わり…あの…」  
流石に今のテンションで、そこから先を口に出来るほど素直にはなれない。  
全裸は黙って頷き、再び唇を合わせ、両胸を愛で始めた。  
もう出尽くしたのか、先端からは何も出なくなっていた。  
それでも全裸は先端に舌を這わせ、勢いよく吸い上げ、捏ね回し、片手で尻を撫で回す。  
薬の効果も切れたらしく、異常なまでの感覚は失われたが、身体は再び熱を帯び始める。  
手持ちぶさたなのか、浅間も全裸を抱き締め、背中を擦り始める。  
そして、やや遠慮がちに、片手を全裸のリアル派に添え、軽く撫でる。  
反応した全裸は、浅間にも同じように、尻から内側へと指を滑らせ、刺激を与える。  
お互い膝立ちのままそうしていたが、先に浅間の方が腰砕けになり、尻餅をつく。  
全裸はその傍らに寄り添い、背を支えながら指を軽く沈めて、術式の座標を設定する。  
「こ、この辺でいいか…?」  
「…っ、は、はい…んぅっ!」  
準備を整えた二人は、再び仰向けに覆いかぶさる状態となる。そして、恐る恐る、  
「ん…あっ、あ、あ──!?すご…ホント、に…痛く、な…ふぁ…──!」  
そのまま徐々に奥へ奥へと進み、一番深い部分まで受け入れる。  
「あ…出来、た…わたし、こんな…嬉しい…!」  
本当は痛みと共に受け入れたかったが、それが叶わぬ以上、  
心の奥底に秘めるしかないと思い、諦めていた。  
しかし、こうして自分にも彼にも傷を付ける事なく繋がり合う事が出来た。  
溢れるものが止められず、そのまま彼を掻き抱き、口付ける。  
彼もまた、背中に手を回し、より深く寄り添う。  
繋がり合ったまま、互いの身体の内側は熱は高まっていく。  
「はっ…あっ…だ、大丈夫、だから!…大丈夫な、日だから、そのまま、そのまま…!」  
そのまま、同時に達した。  
 
朝。全身の気怠さを感じながら目を醒ますと、全裸の姿はなかった。  
一抹の淋しさを感じたが、流石に同衾や朝帰りの現場を見られるのはマズい。  
一夜の夢、みたいなものですかね──。  
しばし余韻に浸って、にやけて下がった頬を必死に元に戻す。  
また今日彼と顔を合わせた時、いつも通りでいられるようにしなくては。  
そういえば、何やらひどく喉が渇く。昨夜は大量に水分を消費した。  
スポーツドリンクでも飲まないと…あぁ、ちょうど枕元に。一気に飲み、  
浅間が吹いた。  
「な、何ですかこのつい最近飲んだ気がする味は…!?」  
よく見れば傍らに書き置きがあった。全裸の筆跡で、  
『昨夜搾ったアレ、せっかくだから俺はスポーツドリンクにしてみたぜ!』  
スポーツドリンクは普通体内に素早く吸収されるように調整されている。  
昨夜のアレが素早く吸収されると言う事は──。  
「む、胸が…」  
浅間は黙って弓を持ち出し、教導院に向かって発進した──。  
 
※以下、>>855後半に続く。  
 
 

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