彼女は電纂器の前で、画面を食い入るように見つめていた。  
 
 
 
「──只今戻ったで御座る」  
「は、はいぃ!?お、お、お、お帰りなさいませ、点蔵様!?」  
「え、い、如何なされたで御座るか?」  
驚かせてしまったで御座ろうか…?  
点蔵は首を捻った。足音を立てず、気配も遮断して歩くのは忍者の習慣であるし、  
その事自体はもうすでにメアリも慣れているはずだ。  
それでも、クラスメイトの鈴に話し掛ける時と同様、  
戸を開ける前に声を掛けるという気遣いも忘れてはいない。  
それでもこうも驚くとは、余程気を抜いていたか、うたた寝でもしていたのかもしれない。  
それちょっと見てみたかったで御座るよ自分──…!!  
「あ、あの、今掃除…掃除をしてまして!すぐ終わりますから少々お待ちになって下さい!」  
思考がやや別方向に向かい始めたが、メアリの返答で我に帰る。  
「Ju、Jud.」  
掃除なら毎日欠かさず行っており、散らかる程の手間になるような事もない筈だが、  
メアリ殿は働き者で御座るなぁ…自分には勿体ないくらいに御座るよ…。  
満足そうに頷き、悦に入るその姿を見て、廊下を通り掛かった学生達は、  
「ちっ、相変わらず犬みたいな臭いさせやがってるくせに…」  
「しかもメアリさんのいい香りと混ざって、余計鼻につくんだよな…」  
「そろそろ臭いを存在ごと消すべきか…?」  
「カレーの匂いを嗅げば気にならなくなりますネー」  
ヒソヒソと呪咀の声を上げていた。  
いや、最後のは明らかに関係ないで御座る…!  
どれも下手に関わるとロクな事にならないので、心の中で突っ込みを入れていたが、  
「お、お待たせしました…お帰りなさいませ、点蔵様」  
「あ、あぁ、只今で御座る」  
咲き誇る笑顔で迎えられ、俗世の妬みや、先程の違和感も綺麗に忘れていた。  
 
 
 
彼女は前々から気になっていたソフトをこっそり起動させ、  
その内容にすっかり目と心を奪われていた──。  
 
 
 
…なにやらメアリ殿の様子がおかしい。  
点蔵は二人で食卓を囲みながら、そんな疑問を浮かべていた。  
妙に顔が赤く熱っぽいし、食も進まず、俯き加減のまま、時折こちらに控え目な視線を送ってくる。  
ぶっちゃけ、恥じらう表情がたまらんで御座るな…!  
そう思うと同時に、やはり何故こうも見られているのかが気になる。  
「…メアリ殿、如何なされたで御座──」  
「──ッ!」  
途中で目を逸らされた…!じ、自分何かやらかしたで御座るか──!?  
「あ、あの、いえ、何でもありません!だ、大丈夫ですから!」  
拒絶の意図ではない事に安堵を覚えるが、しかし、  
「何やら顔が赤う御座るが…風邪で御座るか?」  
「え!?あ、赤い…ですか?あ、で、でも風邪じゃないんです!元気!元気ですよ!?元気ですか──!?」  
…あ、明らかにテンションがおかしいで御座る…!  
そういえば、帰宅した時随分と慌てていたが、掃除していたと言う割には、  
部屋の中は昨日と比べて、特別に綺麗になったわけでもない。  
そうして部屋全体を見回していると、部屋の隅に置かれた伝纂器の筐体が、  
…!?今朝とは少し位置がズレて御座る…!  
普通ならば気付かぬ程僅かな差だったが、中に見られたくはない物がある場合は話が別だ。  
例えば、R元服的な危険物のデータだとか。  
「めめめめめ、みぇやりどにょっ!?ででででで、伝纂器を使われたで御座るか?」  
「え!?ははははは、はい、Jud.」  
最早原形を留めぬほどに噛みながら訊ねると、向こうからもうわずった応えが返ってきた。  
普通にソリティアやマインスイーパ等で暇潰しをしたのならともかく、  
こ、この反応はもしや…!!  
「ななななな、中のデータの、何かを…その、み、み、見られた、で、御座るか…?」  
「え、え、え、えぇっと、あの、ですね?」  
点蔵は身体中から血の気が引くのを感じながら、ベッドの下の紙箱の中からある物を取り出すと、  
「そ、そ、そ、その、ももももも、もしや…こここここ、コレを──」  
「──はぅ…」  
メアリは返答の代わりとして、さらに顔色を赤らめた。  
対照的に、顔色を青くした点蔵が手にしていたのは、『絶頂!ヴァージンクイーンエリザベス』であった。  
 
彼女は、自分や妹をモチーフにしたキャラの痴態を見て、興奮が抑えられなくなっていた。  
そして、何時の間にか、自分の身体に手を伸ばして、見よう見まねで──。  
 
 
 
武蔵艦内の居住区、横町長屋の一室で、顔を青くした忍者と、顔を赤くした女が、向かい合って同時に土下座していた。  
「申し訳御座いませぬ──!」  
「申し訳御座いません──!」  
「…え?な、何故メアリ殿が謝られるで御座るか…?」  
「え、えぇっと、点蔵様こそ、どうしてですか…?」  
「そ、それはで御座るな…相手がいるのに、男がエロゲを所持しているのは、  
普通ならば浮気とみなされ、一方的に超怒られるものかと…思うので、御座るが…?」  
「そ、そうなのですか…?わ、私の方こそ、勝手に伝纂器を使って、その、色々…見て、しまって…」  
そこで内容を思い出したのか、再びメアリが顔を赤くして、僅かに身じろぎをする。  
ぬおぉ──!これ何て羞恥プレイで御座るか…!!  
「し、しかし、メアリ殿は自分がこういった物を所持しているのを怒らぬで御座るか…?  
勿論、今は全くやっておらぬで御座るが、トーリ殿やウッキー殿と内容について語り合った思い出も御座るゆえ、  
なんとなく消せずに残しておる次第で御座るが…」  
「は、はい、Jud.、だって、点蔵様がそれらを入手されたのは、私と出会う前の事ですし、  
そういう思い出を大事になさるのは悪い事ではないかと」  
それに、  
「点蔵様の事、信じてますから」  
頬を染めた曇りのない笑顔に、点蔵はハートを撃ち抜かれ、ぬふぅと呟き、後ろ向きに倒れ込んだ。  
本当に、自分には勿体ないくらいの女(ひと)で御座るな…。  
 
そんな風に幸せを感じていると、メアリが上から顔を覗き込みながら、  
「それと…私まだそちらの知識も乏しいですから、点蔵様の好みとかも勉強できますし、  
その…ゲームの中での私がされてること、点蔵様にされてるのを想像してしまって…」  
覆いかぶさる様に身を擦り寄せ、彼の崇拝の対象である自分の胸を身に押し付け、  
「さ、さっきから、こんなに、熱く、なってしまって…もう、が、我慢、出来なく、なって…」  
点蔵の手を取り、インナースーツ越しに、両腿の内側の熱い湿り気を帯びた部分に押し当て、  
「こんな…はしたない女で、申し訳、御座いません──」  
凍り付いたように動けなくなっている点蔵のスカーフを指で下げ、唇を奪った。  
 
彼女は、無意識の内に、ゲームの中の自分がされた行為を再現しようとしていた。  
時折強い感覚に身を跳ねさせ、その時伸ばした足が筐体に当たった事にも気付かず、  
主人公を想い人に置き換え、独りでの行為に没頭し、身体の熱は高まっていく。  
あの人に、ここにいて欲しい、同じ事をして欲しいと、想いを募らせていると、  
果たして、部屋の外から、帰宅を告げる彼の声が聞こえてきた。  
慌てた彼女は、急いで伝纂器の出力を落とし、乱れた衣服を直し、平静を装った。  
しかし、身体の中の熱はもはや抑えきれず、  
 
やがて、彼女はそれを抑える事を止めた──。  
 
 
 
四畳ほどの部屋の中で、一組の男女が重なり合って倒れ込んでいた。  
男の方が押し倒されているような構図であり、女の方が積極的に行動していた。  
熱心に口を吸われ、胸にはたまらぬ弾力の胸が乗り、右手は熱い内股に押し当てられ、  
──あれ、これ何てエロゲで御座るか?  
点蔵は混乱しすぎて逆に冷静になった思考で、そんな事を思っていたが、  
メアリが口吸いに没頭しているので、言葉を発する事もままならなかった。  
というか、唇を離してくれないので、呼吸すらままならなくなってきた。  
スカーフを下げた指は、そのまま頬に添えられ、より身動きが取れなくなる。  
い、いかん、タップ、タップを──!!  
手を動かして状況を伝えようとするが、左手は何時の間にか、必死な想いを伝えるかのように、  
指を絡める形でしっかりと握られており、それを離すのは些か躊躇われる。  
うわ、やっべ、メアリ殿超可愛いで御座るな…!  
そんな事を思っている間にも、涅槃メーターはレッドゾーンに差し掛かってきた。  
このままでは『死因:接吻による窒息死』にされてしまう。  
残された右手は、両腿と熱い内股に挟まれており、下手に動かす事が出来ない。  
なるべく指を動かさぬように腕を引き抜こうとするが、限りなく密着しているため、  
どうしてもメアリに刺激を与える事になる。  
いや、刺激を与えてはならないわけではないし、むしろ本人が望んでいるのだから何も問題はないのだが、  
な、なんというか…恥ずかしいで御座る…!若いうちは体裁も大変で御座るし!  
だが、いい加減に酸素も限界になってきたので、仕方なく右手を一気に引き抜く。  
その動きは、結果的にメアリの身を大きく跳ねさせる事となり、ようやく唇が解放される。  
「んぁっ!…あ、点蔵、様…?」  
「ちょ、ちょ、ちょっと待って欲しいで御座る…!息が…呼吸が…!」  
「あ、ご、ごめんなさい!私、つい…」  
一瞬でスカーフを戻しながら、呼吸を整える。  
「点蔵様…その…大丈夫、ですか…?」  
「Ju、Jud.、大丈夫で御座るが…その、自分、まだそういう事への心の準備というか、」  
過たぬよう、言葉を選んでいく。  
「興味は尽きぬで御座るが、その…上手く出来る自信が、御座らぬ…」  
失望させてしまったかと思い、顔を見る事が出来ず、代わりに胸を見ていたが、  
「──心配ないですよ?私もまだ慣れていませんし、お互いに、練習していけばいいんですから」  
メアリは制服の胸元の合わせを外しながら、妖しい微笑みを浮かべて、  
「では、私から、練習させていただきますね?」  
こちらの帯と袴の紐を解き始めていった。  
 
 
彼女は、我が身に起きた異変に戸惑っていた。  
 
 
点蔵は我が目を疑った。メアリが自分のズボンを脱がしにかかっているという事実に。  
あれ、これなんてエロゲで──しまった、二度ネタで御座る…!  
現実逃避している間にも、メアリの手は止まらず、取り出されてしまう。  
「えぇっと…まだ、緊張してますね?じゃ、じゃあ…」  
まず全体をくまなく、軽く撫でられる。その内に、握れる程になり、  
「ん…っ、ふ…」  
先端に口づけられ、舌を這わされる。細かい部分を舐められ、思わず声が漏れる。  
「あ…、ここ、弱いんですね…すごい…ゲームで勉強した通り、です…あむっ」  
止める間も無く、次は口に含まれる。たまらぬ感覚が上下すること数回、  
不意にメアリが口を離し、制服の胸元を開け、両胸を曝け出し、点蔵を包み込んだ。  
「え、えっと…こういうの、お好きなんですよね…?こ、こう、かな…?…んむ…」  
胸と口とで同時に包まれる。その柔らかさと温かさは未だかつて味わった事のないものであり、思わず、  
「…ッ!?けほっ…!あ、はっ…すごい…こんなに…」  
早くもメアリの口元を汚してしまった。だがメアリは気にした風もなく、  
「んっ…んくっ…は…、うふふ、勉強した成果、ありました、ね…」  
舌なめずりと共に微笑みかけられ、何かのリミッターが外れる音がしたような感覚を得た。  
メアリの名を呼び、その場に押し倒し、上着を脱がしにかかる。  
「ぁ…ふふ、じゃあ、次は点蔵様が、練習して、下さいますか…?」  
言葉ではなく、行動する事で返答とした。  
まず、両手で乳神様を鷲掴む。そのまま力を入れ過ぎぬように、十指の動きを繰り返す。  
その信じられないほどの大きさと柔らかさと温もりに、たちまち点蔵のモース硬度が復活する。  
何度も夢に見た状況だが、夢が叶った今も、まるで夢を見ているかのような心持ちだった。  
夢のような感触に、指も意識も沈み込み、ただただ夢と現の境界線を彷徨っていたが、  
「はぁっ…ん…それ、いいです…点蔵、様…」  
メアリの反応に、我に返る。自信は無かったが、上手くやれているらしい。  
不慣れではあるが、こちらもエロゲの知識が役に立っていた。  
基本はとにかく優しく、力を入れ過ぎず、相手の気持ちを尊重する事。  
今度は乳神様に口付ける。鷲掴んだまま先端を含み、舌で転がし、吸い上げると、  
「は、あっ、あ…!て、点蔵様…し、下も…下の…方、も…お願い、します…」  
恥じらいつつも、やや切羽詰まった感じのメアリに懇願される。  
残った自分の衣服を脱ぎつつ──帽子とスカーフは当然のように残し、メアリを一糸纏わぬ姿にする。  
「点蔵様…、出来れば、あちらで、その…」  
メアリの視線は、布団の方向を示していた。  
背中と膝裏に腕を回し、抱え上げて布団に横たえる。  
期待に震える瞳に見つめられ、先程とは違い、今度はメアリの望み通りに行動する事にした。  
 
 
彼女は、その感覚の正体が掴めずにいたので、近しい人間に聞く事にした。  
 
 
点蔵は、メアリを抱き抱えた形のままで布団に横たえた。  
背中に回した左手を脇に滑らせ、そのまま左側の胸の先端を指で転がす。  
膝裏に回した右手は太股から内股へと撫でるように滑らせ、熱く濡れた場所に到達する。  
顔は胸元へ寄せ、左手でスカーフをずらして、そのまま右側の先端に舌を這わせる。  
「あ…!は…ぁっ…あ!て、点、蔵、さ、まっ…わた、し…、  
からだ、おかしく…こんな、初めて、で…熱く、なって…止まらない、です…!ん…」  
震えだしたメアリをあやすかのように唇を奪い、舌を差し入れてみる。  
即座に迎え入れられ、部屋には互いに舌を絡め合う音と、粘ついた水音が響く。  
舌の動きに合わせて右手の指を深く沈め、同時に親指でやや上の辺りをくすぐると、  
メアリは唇を塞がれたまま、くぐもった声を上げて達した。  
 
少しあって、震えがやや治まったメアリは、両の脚を開きながら、  
「──点蔵様…お情けを、頂けますか…?」  
哀しみを伴わない涙を零し、懇願した。  
点蔵も最早限界に近く、頷きを返し、メアリに覆いかぶさった。  
「点蔵様…今度は、ちゃんと授かれるといいですね…」  
目を弓の形にして、花が開くように微笑んだ。  
点蔵も微笑み返して、メアリと深く抱き締め合い、そのまま奥へと身を進めた。  
点蔵は自らが熱く包み込まれる感覚に、メアリは自らが熱く押し広げられる感覚に耐え切れず、  
繋がり合ったまま達するが、自分自身と相手を止められる理由を持たず、  
互いの熱さを深い部分で、何度も繰り返し、放ち、受け止め、感じ続け合った。  
 
「点蔵様…今度は、私が」  
メアリの望みを聞き入れ、体勢を入れ替える。  
繋がったままメアリが上になり、乳神様を両手で支える形を取ると、  
「うふふ…点蔵様、本当に、私の胸、がっ、お好き、なんです、ね…ふぁっ」  
少し身体の力が抜けたのか、メアリはこちらに倒れ込み、首の後ろに両腕を回して縋り付く。  
こちらの胸とメアリの胸に、手が密着したまま挟まれてしまい、引き抜く事が出来ない。  
まぁ、引き抜く必要もないで御座るな──と思い、そのまま指を動かしていると、  
『点蔵、急に済まない。先程妖精女王から通神が入って、至急メアリに連絡、を──』  
なんか、正純から表示枠込みでの通神が入った。  
お互いに事態が飲み込めておらず、メアリは没頭したままのようで、事態に気が付いていなかった。  
「あ、あっ、あっ…?点蔵、様…?どう、なさっ、た、んです、か…?」  
メアリが点蔵の異変に気付いて、声をかけた時、  
『く…お、おい、姉上とはまだ、連絡が、取れんのか…!?  
さっきから、身体が熱くて、震えが止まらないどころか、どうにかなり、そう、で──』  
更に妖精女王も表示枠込みで割り込んできた。  
「え…あら…?」  
事態を飲み込めていない天然姉妹と、事態を飲み込め過ぎて辞世の句を考え始めた点蔵の代わりに、  
『おぅわあ──!?』  
正純が顔を赤らめて叫んだ。  
 
彼女は、末世解明の調査の為に“花園”にいた。  
自分達の過去の残滓の姿を見ていると、姉と地脈を通じて強く繋がっていた頃を思い出す。  
流体を圧縮したこの空間ならば、離ればなれになった今でも、昔のように通じ合えるかもしれない。  
そんな感傷めいた事を思っていると、身体に妙な感覚を得た。  
最初は遠慮がちに、次第に激しくなっていくそれに耐えながら、  
もしや、と思い、武蔵の副会長に連絡を取った──。  
 
 
 
『お、お、おま、お前等、一体何を──!?あ、いや、夫婦だからいいのか!?  
むしろ邪魔をしたのは私か?私なのか!?あれ、あれぇ──!?』  
『ほ、ほほう?何やら今までに感じた事のない原因不明の感覚がしたのでな。  
私が原因でなければ、もしや姉上に何かあったのではないかと思ったが、  
これ以上ないぐらいに何かやらかしておるな…!』  
「あらあら、正純様にエリザベスまで…どうしたんですの?」  
み、見られてるのにお構い無しで御座るか…!?  
点蔵はメアリの度胸というか、あまりの無頓着ぶりに戦慄した。  
ソッコーで表示枠を消さねばならないところだが、両手が乳神様で完全に塞がっている。  
「ま、正純殿!こちらは少々手が離せぬ状況で御座るゆえ、そちらで通神を切って下され──!!」  
『え!?あ、あぁ、Jud.!』  
『こ、こら待て!まだ話は終わって──』  
そこで通神が切れた。なんというか、タイミングが悪いにも程があるというか、しかし、  
正純はまだ走狗契約してから日も浅く、表示枠の使い方も不慣れだから仕方ないという気がしなくもない。  
しかし、このあまりにも気まずい空気をなんとすれば──と思っていたが、  
「あ…点蔵様の、元気、なくなってしまって…じゃあ、もう一度…」  
メアリは点蔵のを引き抜くと、再び両胸の間に挟み込む。  
脚の間からは、熱いものが大量に太股を伝い、流れ落ちていくのが見える。  
…え、て言うかまだなさるおつもりに御座るか──!?  
「あ、あ、あの、メアリ殿…?み、見られて恥ずかしいとか、そういうのは…?」  
「え…?だって、女同士ですし、姉妹ですし、問題ないですよ?」  
それに、  
「あの子も未来の英国の王が待ちきれないみたいですし…頑張りましょうね」  
そ、その期待は激しく勘違いに御座るよ…!  
「あ…でも、」  
そこでやや頬を赤らめながら、  
「身体も傷も、見て頂きたいのは点蔵様だけ、ですし…点蔵様のも、私だけが見たいです、から…」  
そう言って微笑みかけられ、再び唸って仰向けに倒れ込んだ。  
本当に、自分は果報者で御座るな…。  
と思うが、流石にこれ以上続行されると、干からびて死んでしまうのではないかという不安を感じてもいた──。  
 
 
 
『──それで、武蔵副会長、あの二人は何をしていたのだ?』  
「え、えぇぇっ!?何で私はこんなネタばかり振られるんだ!?」  
『うむ、うちの大法官が言うには、“エロギルティがメニメニ高得点ゆえに適任──、デス!!”だそうだ』  
「り、理不尽だ──!!」  
 
 
 
後日、メアリ宛てに、妖精女王から荷物が送られてきた。  
「なんでしょうか…?点蔵様がいる時に開けるように書いてありますけど…」  
「ふむ…?自分宛てではない筈で御座るが…?」  
メアリが箱を開けると、中から犬鬼が出て来て、大きめの石を構え、  
『もげろだど』  
点蔵の股間めがけて発射した──。  
 
『乳神に 看取られ散るか 我が生涯』 点蔵・クロスユナイト  
 

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