「原川さん、原川さん。今日は節分という何やら不思議な行事をする日だとお聞きしたんですが何をするんですの?」
「煩悩が具現化した鬼畜生に豆を投げて懲らしめる日だ。つまり君に豆を投げて家から追い出す日だな、ヒオ・サンダーソン。」
「!?ひ、ヒオ煩悩なんかありませんのよ!?ちょっと原川さんと一緒に居たいというだけで…あら?原川さん、なんで豆を構えてますの?」
「一度しか言わない、よく覚えておけ。自覚なき煩悩は時として人を傷つけるモノと知れ。鬼は外ー!」
「ひゃう!?いた、痛いです!あん、そんな強くしないで下さい原川さぁん!」
二月四日未明、秋川市のアパートにアメリカ軍の格好をした謎の部隊が突入し、住人を襲撃したことが新聞報道されたが、在日アメリカ軍はそのような事実は一切無かったとコメントしている
『ひゃう!?いた、痛いです!あん、そんな強くしないで下さい原川さぁん!』
『日頃の 鬱憤を 考えるに この 程度で 済んで いるだけ ありがたく 思う んだな!』
『あん!痛いですよ、ヒオトラウマになってしまいますのー!?謝罪と賠償を要求しますわー ……主にキスとハグでってまた強くなったー!?』
「…………」
「…………」
「あらあら、ヒオったら意外とやんちゃさんでしたのね。あなた?二人の愛の形に外野が干渉するのはどうかと思いますのよ?大人しくなさったらいかが?」
「ディアナ君。誠に言いにくいのですが…ぶっちゃけいいですか?」
「ロジャー君?一体なんですの?」
「あんた旦那の首絞めてるんですよー!?てか大佐、【悪臭】では紙と相性が悪すぎます。素直に機殻した鋏を使ってください!」
「なん、の…まだ…あの男に、ヒオの痛みを味合わせねば…正義の名が、廃るのだぁああ!」
「あら、KIAIで抜け出しましたのね、流石私の伴侶ですわね」
「いやディアナ君。惚気る暇があるのなら大佐を止めましょうよ。」
「無理ですわね。【悪臭】で紙を動かせなくなってますの…すこしやりすぎたかしら?」
「肝心の部分を編集してしまった貴女のせいですがね…」
「まぁ予想は出来てますので彼等にはUSIAIの新兵器を使ってもらいましょうか…」
「あれはジョークの域を越えて芸術品であるとか言ってましたが…自分的には質の悪いブラックユーモアグッツにしか見えませんでしたなぁ」
「なんにせよ、ヒオとの愛を深めてもらいませんと、ユイとの賭けが面白くなりませんわ」
「…原川少年に安らぐ一時がありますように…」
数分後、横田のUCAT米支部特殊潜入チームの選抜6名は召集を受け、一つの特殊兵器を支給された
その兵器は09mmアサルトマシンガンに機殻化を施したもので弾層には無数のビーンが仕込まれていたという
「作戦の説明を行う。対象はAKIKAWAの民家に住む外見上一般人だ。しかし奴はあのチームレヴァイアサンに遅まきながら参戦した身でありながら個性を埋没させない油断ならぬものだ。各員心してかかるのだ」
チームの参謀格であるマスターソン少尉は作戦指揮官たる大佐に詳細を質問しようとしたがその鬼気迫る迫力の前に沈黙を余儀なくされたという
其処に居た誰もが彼の選択を間違いとは感じなかった
『…………』
「返事はどうした?」
『Sir! Tes, Sir!』
「よろしい、では行くぞ」
こうして夜の秋川市に新たな伝説が誕生したのであった