会議も全て終わり、シビュレは衣装を着替えるために更衣室に来ていた。
「ふう」
一息つき、改めて、鏡に映る自分の今の姿を確認する。
「…………」
バニーガールの格好だ。しかも赤。
一緒に着た大樹の白と共に、『自らの潔白』と『流血も辞さぬ』というコンセプトらしいが、誰が考えたのだろうと思うと、ため息が出た。
「それにしても……」
皆さん注目されてましたね。と、皆の視線が自分と大樹に集中していたのを思い出す。
大樹はあんな性格だから明るく振る舞っていたが、自分は中々そうはいかなかった。
様々な人が、種族が、自分に視線を注ぐ。中には写メまで撮ろうとしていたのがいたようだが、何か情報系の概念でそれは叶わなかったのが唯一の救いかとも思う。
そしてもちろんその中には、
「千里様……」
慕い人の名を呟く。
凝視、とまではいかなくとも、恐らく見ていただろう。そう思うと、顔が熱くなる。
顔だけではない。身体も、中から熱くなっているのがわかる。
「千里、さま……」
二度目の呟き。
「ちさと、さまぁ……っ」
三度目で何かが振り切れた気がした。
気がつくとシビュレは衣装をはだけさせ、形のいい胸をあらわにしていた。
「ん……」
胸に手をやり、揉み始めると、だんだんと意識がぼやけてきた。
「あぁ……」
ぼんやりとした意識の中で、シビュレは声を聴いた。
『何よシビュレ、こんな所で半裸になって』
「千里様……」
頭の中で、慕い人の、千里の声が響く。
「私、皆様に、千里様に見られて……」
『感じたの?』
その場にその人はいない、が、声は響く。
「ずっと、我慢してて……千里様に、その……」
『してほしい?』
声だけなのに。
いないのに。
「して……下さい」
シビュレは頷いていた。
『シビュレの肌って綺麗よねー。羨ましいなぁ』
「そ、そんな、千里様……」
シビュレの胸を細い手が愛撫を始める。
『ほら、先っちょ、固くなってる』
指が先端までくると、ボタンを押すかのように乳首を押す。
「あっ」
『敏感ねーシビュレ。じゃあ、こんなのどう?』
細い指は胸から腹、臍をなぞり、ちょうど股の所で動きを止めた。
『してあげる』
「ち、千里様っ」
衣装の間から指を滑りこませ、秘部に触れた。
「あ……」
『濡れてるじゃない。私でも感じてくれてたのね』
「それは、千里様ですから……ひぅっ」
中で指が激しく動き、シビュレを責める。
「あっ、あっ、あっ」
『気持ちいい……でしょ?』
「は、はい、気持ち、いい、ですっ」
指の動きは止まる事なく、さらに激しく、責め続ける。
「んあっ、あぁっ、千里様っ、私……私っ」
『んっ、シビュレ……イって』
「はっ、はぃっ、ち、千里様ぁぁっ!」
慕い人の名と共に、シビュレは果てた。
ほぼ同時刻更衣室外〉
「…………」
「うわー、風見さん、想われてますねー」
「……うるさいですよ、大樹先生」
後から来た大樹先生が、風見を呼んで見張りをしていたのはここだけの話。
「全くもう……ちょっと熱くなってきたじゃない」