「はぁあっ、んんっ、あっ」
夜。誰もいない舞台ホールの中に、いやらしい声が響く。
「ほら、声を詰まらせちゃだめだろう!もっと、もっと声を張るんだ!」
「はっ、はいぃ、お師匠様ぁっ」
お師匠様、と呼ばれた男性は、四つん這いになっている少女の尻を押さえ、自分の性器を少女に出し入れしていた。
「あ、ああっ、んああっ」
「そうだ、いい声が出るじゃないか」
少女は後ろから突かれながらも、師匠に言われるとおりに声をあげていた。
「いいか、お前の目の前にはお客がいるんだ……客席いっぱいに、な」
「はぁっ、お、お客……さま?いっぱい?」
少女は言われた事を想像してみる。
「…………っ」
「皆お前を見てるんだ。あられもない、今のお前を」
少女はその光景を思い浮かべ、一気に羞恥心が噴き出した。
全裸で四つん這いになって性行為している自分。
それを見る客の、視線。
「い、嫌ぁっ」
思わず客席から目を背ける。
誰もいないのに。
いるのは師匠と自分だけなのに。
「目を背けるな!バードたる者、人の視線など気にしていてはやっていけん!」
「で、でもぉ……あぅんっ」
反論しようと後ろを向こうとしたが、また突かれた。
「んっ、んぁっ、んあぁっ」
「そうだ、前を向け。後ろを向くな」
師匠は言葉を続ける。
「見られてると思うな、見せてやれ。それが」
「ばっ、バードの、こ、心得……っ」
突かれながらも、少女は師匠の言葉に続く。
「そう、いう事だっ」
「あっ、あっ、し、師匠、私、もうっ」
「くっ、だ、出すぞっ」
「は、はいっ。師匠の教え、身体に刻みますっ」
「くっ……んっ」
「ん、んっ、んああああ!っ!」
瞬間、その日一番の声がホールに響いた。
「いやぁー、あの頃は大変でしたよー」
「……すいませんそれどこのエロ小説ですか」
「んー、マジ私の実体験ていうかぁー」
「嘘つくなやぁぁぁ!」
狭い馬車内に賢者の叫びが響いた。
「……ホントなのにぃー」