War Das - das Leben? Wohlan! Noch Ein Mal!
「これが生か、ならばもう一度!」
うん、ツァラトゥストラはかく語りきの第四部での有名な台詞だね。
偉大なる哲学者、ニーチェが永劫回帰のなかで放った言葉。
生が一度終わったとしても、死(天国?)なんかに逃げずに、
またもう一度、生に挑戦しようと言う気概・・・生の絶対的肯定とでも言えるような叫び。
とても強い意思の満ちた言葉だね。
・・・で、ねえトゥーサン?それを踏まえて君がさっき言った言葉、もう一度言ってくれる?
地獄のような沈黙が満ちた。
自らの腕の中で、にこやかな笑みを絶やさずに自分へと言葉を放ったのは眼鏡を掛けた耳の長い少女だ。
想い人の少女の問いかけに、やがて観念したようにトゥーサン・ネシンバラは、己の喉より言葉を搾り出した。
「こ、これが生(ナマ)か、ならばもう一度!」
・・・再度、地獄のような沈黙が満ちた。
「うんうん。男の子なら誰でも一度は考える事だというのは僕も理解できるよ・・・理解だけはね」
三度、地獄のような沈黙が満ちた。
笑みが崩れない彼女の表情が、逆に恐怖を感じさせる。
嫌な汗を全身に流しつつ、己の迂闊な発言をネシンバラが後悔し始めた時、眼鏡の少女、シェイクスピアが彼に語りかけた。
「うん、トゥーサン?君が望むなら何度でもいいよ。でもそうだね、じゃあ僕も一つつまらないジョークを言おうか・・・」
軽いキスの後に、かれの頭を抱き寄せるように抱え込み、シェイクスピアはネシンバラの耳に囁きかけた。
「わたし、今日は危ない日なんだ♪」
その次の瞬間の彼の顔は本当に見ものだった。
後にトマス・シェイクスピアはそう語っている。
二日後、正式にシェイクスピアより「冗談だ」との言質を取るまで、トゥーサン・ネシンバラは永劫回帰を味わう事になった。