※一応、本多×2の続きモノです。
「……で、いいのか?」
「頼むで御座る」
あれから数日後、正純は二代に呼ばれ浴場に来ていた。
「しかしなあ……」
「? 何かおかしいで御座るか?」
「おかしいというかなあ……」
脱衣所に入るなり、先に入っていた二代に呼ばれ浴場に入ると、二代は隅の洗い場に陣取り、がに股よろしくで待機していた。
「お前、もうちょっと恥じらいとか……」
「相手を待つ時は大きく構えるものだと、父上より学んだで御座る」
何教えてんだ忠勝様ー!!意味は間違ってないかもしれないけど!! 正純は心の中で叫んだ。
「何を頭抱えてくねっているで御座るか……さて」
正純が心の中で絶叫していると、二代が剃刀を渡し、
「……頼むで御座る」
「あ、ああ。じゃあ、いくぞ?」
「頼むで御座る」
そういうと、正純は石鹸の泡を塗り、ゆっくりと剃刀の刃を二代の股にあてる。
「んっ」
「あ、二代、強かったか?」
「い、いや、大丈夫で御座る……」
「そうか。なら、続けるぞ」
正純は股にあてた刃をゆっくりと上下に動かし、泡と共に毛を剃り落としていく。
「ふぁっ、あっ、んぁっ」
「……二代。もしかして、くすぐったいのか?」
「い、いや、大丈夫で御座らぁんっ」
「くすぐったいのか……」
「そ、そんな事ないでんあっ」
「くすぐったいんじゃないか……」
「そんな事ないでぁんっ!!」
「全く……我慢しろよー」
正純の問いに、二代は赤面で答えた。
「……大丈夫か?」
「だ、大丈夫で御座る……」
剃り終わり、正純と二代は並んで洗い場の椅子に座っていた。
「まさかくすぐったいの我慢して果てるとはなあ……」
「……正純も人の事は言えないで御座るよ」
淡々と呟く正純に、二代は顔を真っ赤にして隣を睨む。
「う……ま、まあ何だ。この前のもだけど、こうして二人で風呂というのも懐かしいな」
「確かに……久しぶりで御座るな」
二人の間に沈黙が降り、
「正純」
「ん?」
「また……一緒に入ろ。……で御座る」
一瞬、語尾が消えた二代の言葉に驚きながらも、正純は、
「……ああ」
そう、返した。