IZUMOの南部に広がる、かつて人狼種族の支配地域だったと言われる森の中で、
──なんか、母様が我が王を喰ってる。(性的な意味で)
「──な、あ、あ…」
言葉が出ない。最初の遠吠えが聞こえた時には、何が起きているのか分からなかったが、
次第に雄の匂いが、次いで雌の匂いが漂ってきた時には、思わず智のような妄想をしてしまった。
だが、まさかこのような局面でそんな行為に走る人間が関係者にいるとは思いたくない。
思いたくはないが、声と匂いの元に近付く度に、疑念は確信に変わり、現場を想像して、身体が勝手に熱くなる。
そして目の前の現場では、普段はゴッドモザイクに包まれている部分が顕になって、
母様のあんな所に…!なんてうらやま、じゃない、いやらし、えぇと、そうじゃなくて、
「母様も我が王も、な、なんて事してるんですのー!?」
「シたくなっちゃったから…」
「いや、してるんじゃなくてされてんだよ!逆レイプ的なプレイは俺想定してないー!」
「と、とにかく、ふ、二人とも、は、離れて下さいっ!総長は返していただきますわ!」
「あら、じゃあ次は貴女がしますのね?」
「いや、だから一日に五発は、無理…」
──関係者どころか肉親の頭がどうかしていた。
と言うか、もう四回も!?あぁ、そんな、我が王が汚されて…、いや、とっくにヨゴレですが、いやそうじゃなくて、
「そ、そんなことするわけが…、出来るわけ、ありませんわ…!」
「あら、その気になってる匂いがしますのに?…私達の匂いで興奮してしまったのね?」
頬がさらに赤くなり、思わず両腿を閉じる。内股にやや湿り気を感じたのはきっと気のせいだ。
二人に視線を向けると、母様がわざと腰をくねらせ、繋がった部分を見せ付けてくる。
あ、あぁ…我が王のが…あんな、腫れ上がって…母様の中に、何度も、何度も…!
目が離せなくなる。零れ墜ちてきた、白く濁った強烈な雄の匂いで、嗅覚を通して、身体がどうにかなりそうだ。
「そう言えば、ご褒美がまだでしたわね…」
母様が我が王にしがみついて、顔を寄せ、て…まさか!?
「駄目ですの──!!」
思わず飛び掛かり、母様を突き飛ばそうとする。しかし、こちらの動きを読んでいたのか、寸前で身を離す。
急には止まれず、つんのめって半裸の上に倒れてしまう。目を開けると、すぐ近くに王の顔が。
「はい、ご褒美ですわ」
後頭部を押され、そのまま、唇同士が接触した。