そう広くはない寝室の中、二人分の人影があった。一人は横たわり、もう一人はその上に跨る形だ。
跨っているのは小柄な少女であり、犬の耳のような、尖った髪型をしているのが特徴だ。
流れる汗を拭いもせず、少女は寝そべる人影の上で激しく動き、肉を打つような音が連続していた。
音の連続とともに、喘ぐような、痛みに耐えるような声も聞こえてくる。
――少女がマウントポジションで、下の相手を殴打していたのだ。
「私は!何度も!痛いから!少し待てと!言っただろうが!!」
いたいいたいいたいいたいいたい。まさしく今待っていただきたい。
「問答、無用ッ!」
せ、せっかくの騎乗位なのに、こんな風に殴られて泣かされるなんて。
――さっきまでは後背位でキャンキャン泣かせてたがな…!
Nobodyに、義康の一際強い一撃が叩き込まれた。