「父無しで奥州の地脈で子を孕むとは流石は義姉姫」
表示枠には最上と伊達の重鎮が相互に表示されている。
「そう言う伊達のこそ、うっかりで竜神と逢瀬キャンセル効かず悶絶後悔していたのに。
いざ事が始まったらロールミー緊縛プレイで絶頂キメまくったのであろう?」
全身に鱗の痕マーク付けられて色々とヤバかった。それは全身を隈なく抱き締められる様で。
「普段は唯我独尊の上から目線の癖に、一旦嬲られると被虐全開で悦ぶタチだからのぉ」
極寒の地で三国は政や闘争を談合で決め、対外には小競り合いを見せて済ませてきた。
会談の後で随伴の共を下がらせ、二人だけで腹を割って話そうとしたのが切っ掛けだった。
手足を拘束され服を剥かれ狐の相を顕わにした義光に備わった九つ尾でくすぐり攻めを受けて
最上相手なのに…悔しい……でも感じちゃう!
耐抗したが拘束はきつく、容赦無い攻めに限界を超え、止めて許してと乞いても無駄だった。
気の強い女は意外とアブノーマル系に弱い、性的な意味で。
呆気なく陥落してしまった。それ以来、義光が姉のタチで義姫は妹ネコの関係に収まり現在に至る。
「しかし、二人揃って処女懐妊とは……」
「受胎告知の大天使は来んかったのぉ」
それはTsirhc系の神の子でしょうに。
「ともかく頑張って生みましょう。厳寒の地で共にある為に」
「伊達は二人目も生まんと。二回目からは癖になるからのぉ」
狐の相を持つ義光は騙しや化かし裏切りなどが本性だ。
嘘は本当もあるという裏返し。事後に軟らかく心地良い尾の優しい温かさに包まれながら
義光の腕と胸元に抱かれ可愛いと囁かれ撫でられたのは偽ではなかった筈だ。
「義姉姫は出産まで禁酒ですね」
何を言う、酒は神力ぞ?ココと喉を振るわせた後で
「最上川の源水を徳利に詰めて飲むかのぉ。今年の純米大吟醸が飲めんのが口惜しい」
――末世の動乱よりも十数年前の通神録より