〜トーリ×ホライゾン〜
「おいホライゾン! 今日はポッキーの日だからポッキーゲームしようぜ!」
「発想が下劣です」
「お、俺は傷ついたぞ?! ポッキーゲームは王様ゲームなんかで使われる芸なんだからな、芸!!」
「ほほう。――存在自体が下劣なのを忘れておりました。ホライゾン反省です。そんなに“ゲイ”がお好きなら、――そこの点蔵様におねだりしてみては?」
「もらい事故は勘弁でござるよ?!」
ホライゾンはため息をついて、空間ポケットからポッキーを取り出した。
「ホ、ホライゾン?」
馬鹿の表情が笑顔に代わった。
「Jud. はい、トーリ様、あーん」
馬鹿が喜んで口を開けたところに、ホライゾンはポッキーを一箱分ぶちこんだ。
「ハイ、静かになりました。――おや、皆様まで静かにならずとも平気ですよ?」
〜双嬢〜
「ガっちゃん、今日ソーチョーがやってたけど、ポッキーゲームの日なんだって」
「あの光景見たらちょっと嫌にならない?」
「あはは、確かにねー。でもナイちゃん、ガっちゃんとはしたいかな?」
「仕込みはばっちりよ。……見なさいこのデコレーションポッキー! 白魔術によるデコ追加で、私とマルゴットのイラスト付き!」
「ガっちゃんコレ気分的に食べにくいよ……」
ナルゼは勝ち気に微笑んだ。
「だから普通のデコポッキーもあるわ。――チョコはマルゴットに譲るわよ?」
「ガっちゃん大好きー!!」
ナイトはそのままナルゼを押し倒した。
〜立花夫妻〜
「今日はポッキーゲームの日だそうで、ポッキーを頂きました」
「ポッキーゲームとは何なんですか、ギンさん」
「Jud. 神代の極東から伝わる競技です。二者が両端をくわえ、両端から食べていき追ってしまった方が負けというルールです」
「この強度では、かなりのバランスと息が合っているかが要求されますね……」
「Jud. では宗茂様がんばってみましょう。成功するとキスができます」
ん、とギンがポッキーをくわえた状態で上向く。
(この状態のギンさんかなり可愛いのですが……!)
極東の発想に宗茂は戦慄した。
〜点蔵×メアリ〜
「ウェットマン様にポッキーを頂きました。『ゲームすると楽しいぜ! 俺は窒息死しかけたけど!』とのことですが、どのようなゲームなのでしょう?」
「そ、それはでござるなー……」
点蔵は言いにくそうに目線を逸らし、半瞬後に答えを作った。
「そう! ポッキーを差し出して手から食べてもらえるかどうかで自らの信頼度を測るゲームでござる」
「あら、そうなんですね。ではさっそく」
メアリがポッキーを開封した。
「はい点蔵様。あーん」
こ、こればっかりは覆面外してやらないと自分ヘタレ過ぎでござるな?!
点蔵は覆面を外して素直に口を開けた。メアリがそっと差し出すポッキーをくわえて食べる。
普段のポッキーよりはるかに美味なのは何でござろうな……。
「あ、あの。……点蔵様からもよろしいですか?」
「もちろんでござるよ! はい、メアリ殿」
メアリが恐る恐るポッキーをかじり、そのまま点蔵の手指にキスをした。
「あ、その、ちょっとやりすぎましたか?」
自分どれだけからかわれても超平気でござるー!!
翌日梅組で散々ヘタレ罵倒されることを、点蔵は想像していなかった。