「酒井学長、少々お時間をいただきたいのですが、よろしいでしょうか?――以上」
声を掛けてきたのは、武蔵の自動人形を統括している自動人形“武蔵”であった。
そして、相手は武蔵アリアダスト教導院の酒井学長である。彼は煙管を吹かせ、のんびりと庭を眺めているなか突然の来訪者になにごとかと思案していた。
「“武蔵”さん、どうしたの? 俺、仕事ならちゃんと今日の分は全部、終わらせたはずなんだけどなんかミスでもあったかな」
「いえ、酒井学長の仕事に関しては不備など御座いません。お仕事の出来に関しては自信を持って良いと判断します。――以上」
「…じゃあ、なんなんだい?」
「Jud. 酒井学長が三日前に承認された書類の中にこんなものがありましたので――なんですか、この『自動人形教師化計画』とは?」
あぁ〜なんだそのことか、と酒井はヘラヘラとにやけ顔をつくる。その態度に対して“武蔵”は心なしか酒井に対しての目線がキツクなったのを酒井は感じた。
「あれ、なにか気に入らないことでもあったかな。自動人形の膨大な知識量と的確な指導を行うことで、
教導院の全体的な学力を上げるっていう中々良い案だったんだけどね。内容もしっかりしていたから思わず了承しちゃった。」
「Jud. 良い歳した大人が子供のような悪戯っぽい口調をするのは痛々しいのでやめた方がよろしいかと。あと、たしかに内容はまともです。
まとも過ぎるので酒井学長でなくても了承する計画書だと判断します。一部を除いて――以上」
「一部って?」
“武蔵”の目を細くしながら睨みつけてくる。そして、書類の中から了承印が押されている試案を取り出し、その内容に記載されている一文を無言で指差した。
「試験的に行う教師の自動人形として“武蔵”の名が記載されていることと、その担当科目が『保険全般』とはどういうことか理解に苦しみます。
また、対象年齢は思春期の真っ只中の中等部や高等部。性教育や男女の体の構造の違いを解説するという名目で私の口から男女の陰部を連呼させたいという思惑が
ありありと伝わります。単刀直入に言わせていただきますが、お脳の方はもうご無事ではないのですね。――以上」
「いやいや“武蔵”さん、それは早計だ。これはちゃんとした授業だ。俺が保障するよ。」
「なるほど、どのように保障なさるのか興味深いですね。ご説明お願いします。――以上」
やれやれ、と酒井はため息をつきながら“武蔵”を説得するため、いかに意味のある授業が自動人形ならではの方法で指導できるのかを説明することとなった。
酒井はこのときばかりは真剣になっていた。なぜならば、これが実用化させることで武蔵アリアダスト教導院の教育体制は大きく変化するのだから――。
―――キーンコーンカーンコーン
授業の予鈴が鳴る、もうしばらくすれば武蔵アリアダスト教導院での授業が始まる。しかし、このときばかりは教室の雰囲気がいつもと違う。
それもそのはずだ。今の時間に行うのは『保険』であるのだ。この授業のために新しく指導してくれる教員が全く新しい方針で授業を進行していくからだ。
そして、その指導担当の教師が教材の入った鞄を片手に教室に入ってきた。その姿は、上から下までどこからどう見てもメイド姿の女性であった。それは――
「皆様、保険を担当させていただきます武蔵アリアダスト教導院、自動人形の“武蔵”です。
本日も皆様の学力を向上の助力となるようご指導させていただきます。ご清聴よろしくお願いします。――以上」
一礼ともにそこに立つのは“武蔵”であった。彼女は教師の自動人形として、生徒に対して指導を行っていくために教鞭を振っている。
その指導内容は一切の妥協がないため彼女の指導の厳しさが伝わっており、高等部の面々もそれ応えようとなんとか努力している。
すると、“武蔵”はサインフレームに今日から行うページを表示させ、授業を開始し始めた。
「では、本日は男女の体の構造の違いについてです。前回は男女の体格の違いや筋肉のつき方の違いなど主に上半身を中心に行ってきました。
では、次に男女の大きな違いとも言える陰部に関して説明していきます。
しかし、そのまえに皆様には事前にこの内容については予習するように伝えておりますので、どれだけやってきたのか確認していきます。――以上」
“武蔵”の言葉を終えると、うぇぇ、あちゃーなどと所々で声を上げる者がいた。
“武蔵”からの出題させる問題は授業内容を理解できているかの確認とともに授業にどれだけ真剣に取り組めているかの確認も込められている。
このため、この問題を間違えるのは“武蔵”の印象を悪くする。そのことがわかっているため、生徒達は間違えないように努力しているのであった。
しかし、この質問の最中は教材からの確認はおろか、隣人からの助言も一切受けられないため、自力で解かなければならないのだ。
“武蔵”は生徒から漏れる声を無視して、一人一人質問をしていきその回答を聞いていった。何人かはすんなりと質問に答えていくことができていた。すると
「Jud. 皆様、ちゃんと予習しているようですね。では、最後にあなたが答えて下さい――以上」
「J、Jud.」
声を掛けられた男子は、やや自信なさげに立ち上がり、“武蔵”からの質問を待った。
「先ほどまでの質問で女性器の内性器に関して答えていただきました。では、次に外性器を全て答えてください。――以上」
「ぜ、全部ですか?」
「Jud. 表層面で見える分、イメージもしやすく答えやすい問題です。
何より予習に指定したページには簡単な絵で説明されているためイメージしやすいものだと思われます――以上」
男子生徒はえぇっと……と悩みはじめだした。他の生徒の視線が彼に注がれる
「あいつ可哀想に…」「ちゃんと予習しないから」などの声がチラリチラリと聞こえてくる。
さらに、“武蔵”の鋭い視線がつらかった。なぜなら、彼の机は教台から右斜め前の最前列のため、彼女のプレッシャーがもろに伝わってくるからだ。
そして、ついに彼が観念し諦めてしまった。
「すいません、さすがに全部はわかりません……」
「――そうですか。残念ですが、予習を行っていればちゃんと理解できる範囲です。それができないということは授業を進行する上で問題が生じます。
あなたが理解できない状態で授業を進めた場合、理解できないまま時間を無駄に過ごすことになります。」
口調を止めることなく、鋭い視線で答えられなかった生徒に向けて睨み付ける。
「ゆえに、生徒に不利益になる行為は避けるとともにあなたに罰を与えます。別室にて前回の分も含めて本日の予習の分まで勉強をやり直してきなさい。――以上」
「ま、待ってください!!」
“武蔵”からの罰を提示されたことで彼は焦った。こんなところで授業を降りたくない、その一心で彼はなんとかチャンスをもらおうと“武蔵”に言葉を続けた。
「お、俺、“武蔵”先生が言っていた内容を絵と一緒に覚えました。でも、絵って結局は偽者じゃないですか。
だから、イメージしているものが本当にあっているのか自信がなくて…。じ、実物を見ればちゃんと答えられます。予習はちゃんとしました。信じてください!」
ざわざわと周りは騒ぎ始める。そんな言い訳が通るわけがない、と誰もが思った。しかし、“武蔵”は最後まで彼の言葉を最後まで真剣に聞いていた。
「……なるほど、この教材の絵に不備があるとあなたは主張するのですね。
たしかに、この絵は実物と比較すれば違う点が多少なりあります。あなたはそれを補うための教材があれば正しい解答ができるというわけですか?――以上」
「……Jud.」
言葉を終えるとともに、“武蔵”はゆっくりと彼の机の前まで歩いてくる。
「理解できている生徒に罰を与えるのは本意ではありません。また、教材も実物とは差異があるのもまた事実です。
こういった問題を解消するために教師の自動人形が存在しているのです。」
すると、メイド服のスカートの裾をつまみ、ゆっくりとまくり上げた。
そこにはハイレグのスーツはおろか、下着すらなく“武蔵”の女性器が彼の目の前で突き出すように露になっていた。
「私達の体は実物に酷似した資料ともいえます。存分に確認をし、勉学の糧にしてください。
今回はこれを用いて答えることを許しますが、間違えた場合は罰をお受けください。――以上」
ゴクリッ、と教室にいた男子生徒の全員の唾が飲む音が聞こえた。これが教師の自動人形の指導法なのだ。
実物を見ることができないために、粗末な絵などで陰部などを説明しなければならない。
しかし、自動人形ならば別である。彼女達は、機械や術式で構成されている。
つまりは陰部や胸など生体型でどれだけリアルに作られていても本物に近い偽物なのだ。
偽物だから見てもいいのである。問題ない合法的だ。ゆえに、この授業では『“武蔵”の体』という“資料”を用いて授業を行うのだ。
すると、答えることなった生徒は、“武蔵”の秘所を弄り始めた。
「ここが尿道口です。…小陰唇…これが大陰唇……」
「…っ……んっ…」
“武蔵”の陰部を指で撫でたり、強く引っ張ったり、さらには膣内が見えるように広げたりしながら一つ一つ答えていった。
“武蔵”は弄られるたびにスカートを摘んでいる手が小さく振るえながら、彼の行為を耐え忍んでいた。
事前に彼女の体には術式が施されているため、このようなリアルな反応まで生徒達に指導することができるようにされている。
すると、最後の解答に差し掛かり、生徒はゆっくりとその部分を摘み、弄った。
「これがクリトリスです。」
「ひっ!…あん……んっ…くぅっっ……」
自分は教材なのだ、と“武蔵”自分の中で唱え続けた。女性らしい反応は見せても過度にそれを表に出すのは教材として良くないと判断したのだ。
その一心で彼女は唇をかみながら声を出さないように耐えた。
しかし、その反応を面白くないと思ったのは男子生徒たちだ。すると、弄っている生徒はクリトリスを弄りながら
「“武蔵”先生、質問があります。女性をクリトリスでイかせるならどうすればいいんですか?」
「んっ…性技についての質問ですね。では、このまま授業と…平行して実技も覚えてもらいます。…っっ!……まず、クリトリスの皮をゆっくりと捲ります。
ひっ…んっ…すると、敏感な部分が出てきますので…それを指か舌でゆっくりと撫でたり、弄ったりするのです。――以上」
「せ、先生! 俺に胸でのイかし方を!」
一人の性技の質問が通ったことで、次は俺もと我先に質問をし始めた。“武蔵”は、彼らの質問に対して小さくコクリと頷き、承諾した。
彼女は教師であり教材である。ゆえに、断る道理はなく、これら全て受け入れた。
「Jud. では、後ろか胸を揉んでください…優しく揉み、乳首を摘んで…っ!…そして、痛くない程度に…徐々に強くするとよいです。――以上」
他にも手での正しいイかされ方、髪の毛を使ったマスターベーションといったマニアックなものなどその質問内容は様々だった。
それぞれ生徒に答えを与えると、背後から胸を揉む者、“武蔵”手を使ってペニスを握らせる者、彼女の髪をペニスに巻きつける者。
生徒たちは様々な方法を用いて“武蔵”の体を活用していった。いつの間にか“武蔵”は机の上に座らされて生徒に囲まれながら、指導を続けていた。
「あぁ…、“武蔵”先生の手が気持ちいい…」
「俺なんて“武蔵”先生の舌で俺のをベロベロ舐めまわしてるよ。口の中すげぇ、あったけぇ」
「“武蔵”先生の乳首すげぇ立ってる。それにやわらけぇ、本当に自動人形かよ」
「おい、片方舐めさせてくれよ」
“武蔵”の体は生徒たちに余すことなく使われる。胸を揉まれ、音を立てられながら乳首を吸われる。
ペニスを包んでいた手は時折、鈴口を擦り刺激を与えていた。すぐに果てる者は彼女の口に精液を注ぎこむ者もいる。
すると、何人目かのペニスを口に入れられた時、手入れがされていないのか口内から臭いを感じた。
「ちゅる…ぷはぁ…ちゃんと綺麗にしておかなければ…情事を円滑に行うことができません。清潔でないペニスでフェラチオをさせてはいけません。――以上」
「J、Jud. すいませ……あぁっ!!」
言葉を言い終える前に、“武蔵”は再び不潔と言っていた亀頭を口に含んだ。
彼女は気にするどころか、皮を引っ張り亀頭にこびり付いている臭いのもとを舌で舐め取っていった。
そして、舌で丁寧に舐め取った後、口に含んだ“それ”を――ゴクリッ、と喉を鳴らし、飲み込んでしまった。
「――ふぅ…常にこの程度の清潔さを保ってください。よろしいですね?――以上」
「Jud. あ、ありがとうございます」
「先生、俺もうヤバイ、イきそうです」
「俺ももう出すよ、先生」
「Jud. では、そのまま出して…あんっ!!」
“武蔵”の大胆な行動に触発されたのか、周りの興奮が高まり、ペニスを擦るペースが速くなり始めた。
それに負けまいと彼女の体を触っていた生徒たちの行為も激しくなっていった。
「っ…あっ……あっっ! あん…」
“武蔵”は、捲り上げていた手はスカートを強く握り締め、小刻みに震える足は徐々に震えを強くして、今にも倒れそうになっている。
しかし、彼らの行為が終わるまでは体を弄らせ続け、自分は倒れないように必死に耐えていた。
すると、徐々に彼女の快楽の波が強くなっていくのを感じた。それを追うように揉む手や舌の動きの激しさが増し、乳首は強く摘ままれ、引っ張られる。
「あぁぁ…っ…そ、れはぁ…っ…それ、は…つよ…い……強過ぎ…ます…いじょ…うぅっ!」
とうとう耐え切れなくったのか。彼女の頬はいつの間にか真っ赤に染まっており、目を強く閉じてひたすらに耐える姿があった。
秘所を弄っていた生徒もラストスパートをかけるように歯を立ててクリトリスを挟んだ。
―――コリッ
「あっ!!」
これでもかと言わんばかりに逃げ場を失ったクリトリスを舌で激しく暴れさせた。
“武蔵”は頭を左右に激しく振り、髪を大きく乱れさせながら叫んだ。
「い、いけません…このようなぁっ!…あっ!イクッ! イきます!
……あっっ、あぁぁぁぁ!!!!」
―――プシャァァァ
“武蔵”は許容範囲を超えた快楽を得たために潮を吹いて達してしまった。
そして、それと同時に周りに生徒達が一斉に“武蔵”に目掛けて射精した。放たれた精液は彼女の顔や髪、メイド服のいたるところを汚していった。
すると、彼女は役目を果たせた達成感からか、今まで支えていた枷が外れたかのように“武蔵”の胸を揉んでいた生徒にもたれるように崩れ落ちた。
「…はぁ…はぁ…痺れるような快感が…体中を駆け巡りました…実技は……満点だったと…判断します…――以上」
「おいおい、“武蔵”先生、まだあるだろ、実技で大事な部分がさ」
絶頂の余韻からか“武蔵”の思考はぼんやりとしていた。彼女はなにを言っているのか、と思った矢先。
後ろで“武蔵”支えていた生徒が膝から体を抱えるように持ち上げた。さらに、彼女の股を大きく広げM字開脚にさせたのだ。
「っ!?――以上」
突然のことに“武蔵”は理解できなかったが、すぐに彼が言わんとすることがわかった。
「……Jud. 次は私のオマンコを使用したいのですね? どうぞ存分にお使いください。――以上」
“武蔵”はペニスを迎え入れるために秘所の入り口を両手で大きく広げた。
そして、前にいた生徒がペニスの亀頭をグリグリと入り口にあてると、それを一気に膣の中に挿入した。そして、“武蔵”の膣に激しい衝撃が与えられた。――が
「かっはぁ!? あ、これは……――い…じょう…」
“武蔵”は体の中に入れられた異物が“二つ”感じた。前だけではない。前の生徒は膣に、抱え上げていた生徒には尻にペニスを叩き込まれたのだ。
突然のことに“武蔵”は息が乱れ、混乱もした。しかし、駅弁になっている彼女にはどうすることもできず、彼らのペニスに蹂躙されるしかない。
――持ち上げられる
「ふぁぁ……」
――落とされる
「あぁん!」
――膣と尻が引っ張られる
「あぁぁっ……あぁぁ!!」
――ペニスが叩き込まれる
「ひぃぃ!」
「先生、気持ちいいですか? 俺らちゃんとやれてますか?」
「J、Jud. きもちいい、きもち、いい。オマンコもお尻も…あんっ!むちゃくちゃにされています…もっと激しくしてください。――以上」
ペニスを入れられてから“武蔵”は普段では考えられない声を出し始めた。
その顔も凛々しい面影は残っておらず、快楽に身を委ねる女の姿になっていた。
生徒たちの行為もエスカレートしていき、ペニスの動きも激しくなっていった。
「あっ!あんっ!あんっ!…い、けまっ、せん……これ以上は、あんっ!!
こわれて、オマン、コ、こわ、れる――い、じょ、んぅぅぅ、んぅぅっっ…!」
前にいた生徒は“武蔵”の唇を奪い言葉を遮った。口内では舌を入れるように、口に吸い付いていった。
“武蔵”もそれを求めるように舌を突き出して、彼の舌と絡めていった。
――ペチャペチャ…チュル
もはや教室にはペニスと体がぶつかり合う音と舌と舌が絡みあう音だけが響き渡っていた。
彼らの腰を振る速度も加速していき、“武蔵”を再びイかせようといきり立ったペニスが彼女の中に叩きつけられていった。
「あんっ!あっ!あっ!あっ!ああぁぁぁぁ!!
こわれます、オマンコ、オマンコ、だめです。オマンコもおしりも、きもちよすぎて
おかしくなってしまいます――以上」
「“武蔵”先生、先生!!出す、出しますよ。子宮の中に全部出して孕ませますよ」
「出して! 出してください!! 子宮の奥に精液を全部、出してください!!――以上!」
「おらぁ!だすぞ、“武蔵”先生、しっかりイけよぉ!」
「あぁぁああっぁあぁあぁぁぁ!!!!!」
子宮と直腸の中に二人分の精液が注ぎこまれていく。“武蔵”も絶頂とともに、膣と尻が収縮して二人のペニスを根元から精液を絞り取っていった。
“武蔵”は子宮と直腸が精液で満たされているのを感じると妙な達成感に満たされていた。自分は生徒たちの役に立てたのだと。
ペニスを引き抜かれると膣と尻から収まりきらなかった精液が溢れでてきた。すると、今度は新たな生徒が彼女の膣と尻にペニスを挿入し始めた。
当然だ、まだ二人しか終わっていないのだから、残りの全員の生徒と相手をしなければならない。
しかし、“武蔵”はまだ彼らに指導ができる喜びを感じ、それらを優しく迎え入れたのだ。
「Jud. 他の皆様も遠慮なくお使いください。そして“武蔵”の体の隅々まで精液で満たしてください。――以上」
彼女は、微笑ながら残りの生徒のペニスをくわえ込んでいったのであった。
――――――――
「てな、具合なんだけどなぁ、どうかな“武蔵”さん」
「Jud. ここまでくると怒りを通り越して、哀れに思えてきました。
酒井学長は予想を斜め上に行って、お脳が宇宙の彼方まで飛んでいってしまっているとは、御可愛そうに――以上」
酒井学長が「自動人形教師化計画」の試案を説明終えると、淡々とした口調で“武蔵”は汚物を見るような目で酒井学長を見ていた。
「さらに言わせていただければ、女性がどこにも出てこない時点で男性の性欲の発散にしかなっておりません。
まさか、男性型の自動人形がペニスを放り出して女生徒を誘惑しているのですか?――以上」
「いや、女生徒は他の教室で生身の男に教育してもらっているよ。」
「Jud. お脳を宇宙へ飛ばしてはいけません。ここで駆除した方が世界のためです。――以上」
だめかぁ、と酒井学長はヘラヘラと笑い出す。彼女は汚物から手元にある先ほどの話以外の試案に目を通した。
「あの教育の後、私は授業を繰り返し『女性のマスターベーションのやり方』『大人の玩具の使い方』
『野外プレイと屋内プレイの興奮度の違い』『自動人形を用いた男女の営み実技編』そして、最後の授業で『武蔵の全自動人形とともに乱交による忍耐力のテスト』
……私をエロゲーのヒロインにでもしたいのですか。どうなのですか。――以上」
「なんか怒ってる?…それって大事なことだよ。男が性に対しての認識はしっかりしないと」
「自動人形に怒るという感情はありません。また、女の尻を追いかけることしか出来ないケダモノの集団を量産したところでなんの意味がありません。
あるはずありません。さらに言わせてもらえれば、そんな男共のペニスを切り落とした方が世のためです。それに…」
試案に記載されている文章を“武蔵”は読み上げた。
「“武蔵”は最終的に調教を施されメス奴隷になる『あひぃ、ご主人様、“武蔵”のグチュグチュオマンコにぶっといペニスをぶち込んでくだひゃいぃぃ!』
などと言わせるつもりなのですから、正気の沙汰とは思えません。――以上」
「あ、いま台詞ちょっとおじさん興奮しちゃったかも」
「…………なるほど、反省の色がまったく見られませんね――以上」
「そんな怒らないでよ“武蔵”さん、ほんの冗談じゃないか。あははは」
「もう、これが冗談で済む訳がないじゃないですか。あははは」
えっ? と笑っていた酒井学長の少し離れた背後から声が聞こえてきた。それは満面の笑みでこちらを見ている浅間であった。
「えぇっと…」
「Jud. 自動人形の私では酒井学長に適切な罰を与えることができませんので、代理として風紀委員の浅間様にお願いいたしました。
それでは浅間様よろしくお願いいたします。――以上」
「いや、ちょっと待って、そもそもこれの発案者は葵・とー…」
「会いましたー!」
ズドン!と酒井学長は浅間の弓で吹き飛ばされ、この件は抹消されることになった。
また、これの関係者が他にもいることがわかったため関係者の全員を根絶やしにするため、浅間と“武蔵”が全力を上げて潰しに掛かったらしいが、それはまた別の話。
――了