「あの、あの、ヒ…ヒオは髪の毛は金色ですけど不良じゃありませんし、男遊びするのは原川さんとだけなんですのよ?」
「男遊びの意味を間違えてる気もするが…」
「それに毎日お風呂には三回入って綺麗に洗ってますし、危険な病気なんて一切ありませんから食べてもまったく安心ですの」
「最近石鹸の減りが異様に早いと思ったら、原因は君かヒオ・アンダーソン」
「あ、あと、原川さんに喜んでもらおうと最近はバターを塗って脂肪分を胸に増やしていますし、洗う時にもビネガーを使って塩と胡椒を擦り込んで
柔らかくジューシーに仕上げていますの!」
「食材を無駄に使うな。それにうちの冷蔵庫にあるのはマーガリンだ。脂肪カットの上に植物性だから吸収されにくいはずだぞ」
「そ、それでも構いませんの! 今が食べごろですの! それにヒオにはまだ、唯さんから教えていただいた原川家伝統の究極至高のメニューな
一言がありますの!」
「一人で勝手に盛り上がるのはやめて欲しい所だが……言ってみな」
「わ…私が食べて!―――あれ? ヒオが食べちゃうんですか? ヒオは原川さんに骨の髄までおしゃぶり尽くされたいと思ってるはずですのに。
ど、どこかで間違えてしまいましたか!?」
「………萎えた。とりあえず君がマーガリンと酢の臭いをプンプンさせている布団に全裸で仰向けになっているのが、いかに間違いか日本を激しく
誤解しているか理解するまで、俺はバイト先で寝泊りする。君が突発性無自覚露出癖と非終結型妄想壁が直った頃に様子を見に来てやる」
「そんな。食べ残しはいけないんですのよ!? 路地裏のポリバケツに捨てられたヒオは野良犬の皆さんに貪るように舐めまわされて原川さんのために
綺麗にしていた体を汚されてしまいますの!―――も、もしかして、これが噂に聞く放置プレイなんですか!? ヒオには原川さんの性癖は過激すぎて
付いていけませんが、日本人の妻らしく一生懸命努力しますの! エッチヒオになるために!」
「―――――――」
「あれ? 原川さん?……ひ、ひどいですの。放置プレイはまだヒオには早すぎますの〜〜〜!!」