「――生命礼賛を謳っていても、やはり性欲というものは如何としがたい」
御広敷・銀二。
自称生命礼賛者のロリコンは、自室内にて表示枠に映る幼女の姿を見て大きく嘆息する。
「ならん。なりませぬんぞ御広敷・銀二! 幼女は愛でるものであり、け、決して――決して!」
激しい鼻息で表示枠が反応する。
ピ、という短い電子音には、しかし御広敷は気付かずに叫んだ。
「小生、抜く時はリアル幼女ではなく二次元的な幼女と決めていますから――!」
・礼賛者:『小生、抜く時はリアル幼女ではなく二次元的な幼女と決めていますから――!』
・俺 :『お、おう……』
・賢姉様:『やっだ! とうとう化けの皮が剥がれたのね、このロリコンッ! でも安心なさい、みんな知っているもの!』
・礼賛者:『い、いやこれは――! って何故に実況通神が!? はっ、もしかして小生、ハメられたのでは!』
・俺 :『つうか御広敷、オマエ人生終わってね? あまりの仰天発言に俺も言葉失っちゃったぜ!?』
・礼賛者:『今のは誤爆! 生命礼賛者たる小生が、かような発言をするはずがないでしょう!』
・金マル:『ナイちゃん思うに、これ以上の発言は墓穴掘りまくっちゃうからやめといた方がいいと思うな』
・副会長:『御広敷。おまえ、何かあっても絶対に私達の名前を出すなよ』
・礼賛者:『ええい、ババアと男どもでは話にならない! 小生の味方は何処に――!』
・約全員:『いねえよ、んなもん』
「かはっ、全く酷い目にあった……」
もう二度と誤爆せぬようにと表示枠から実況通神へのショートカットを消す。
これはあれだ。動画実況配神中の事故に酷似している。
――小生としたことが、こんな低レベルなミスを犯すとは。
「……」
「おや、――。ああ、可愛い。小生の心を癒してくれるのは走狗だけ……」
むく。
いかん。
直感的にそう考え、股間の疼きを抑えようとする。
しかし、走狗の純真無垢な瞳で見つめられている内に、いかんともしがたい感情が御広敷の脳内を埋め尽くしていく。
――走狗は幼女ではない?
いやいや、走狗は人間ではないにしろ、見た目はどうみても幼女だ。
三頭身少女型。白砂台座ブランドのうさみみ巫女装束。
一目惚れして迷うことなく契約した走狗。その見た目に心が躍らぬのかといえば、そうではないのが実際のところだ。
が、これは「愛でるだけで胸キュン」という感情であり、「性的な意味で」心が躍っているわけではない。おそらく。
「……?」
そう。例えこのように可愛らしく首を傾げられても、だ。
この動作に胸がドキドキしていて頭がぼーっとするのは、いわゆる萌えている状態であるからであり、決して性的興奮を得ているわけではない。
「でも、走狗は厳密にいえば――幼女ではない。幼女の姿をしているようであっても、幼女ではない……?」
が、僅かに御広敷の心を繋ぎとめていたものは、あっさりと崩壊する。
理性が無くなる。
御広敷は、そっと走狗を掴み取り、己の怒張した性器に近付ける。
ツンとした臭いに走狗が顔をしかめ、一体何をされるのかと上目遣いに御広敷を見上げる。
「が、が、我慢ならん――ッ!」
突然の大声に驚く走狗を、亀頭に近付ける。
走狗はいやいやしながら、御広敷の亀頭から逃れようと小さな手を伸ばす。
「かはぁっ!」
が、全ては御広敷にとって快楽へと繋がる行為でしかなかった。
小さな手と指が亀頭を刺激し、強く押し付けてやれば柔らかな髪が鈴口を刺激する。
そのまま上下に擦ればぷにぷにとした頬と巫女装束で竿に刺激が与えられ、あふれ出すカウパー汁がローション代わりとなって走狗を濡らした。
べっとりとした粘液に巫女装束が僅かに透け、視覚的な興奮から御広敷の性器はさらに大きく膨らんだ。
「――やるぞ、走狗フェラ!」
右手で竿を扱きながら、左手に掴んだ走狗の顔を鈴口に密着させる。
最早、走狗は観念したのか、諦めたように小さな舌を伸ばして、御広敷の鈴口に舌を差し込んだ。
「――――」
かつて経験したことのない快楽がそこにはあった。